
ヨークシャーテリアは、小さな体に美しいシルキーコートをまとった、日本でもよく知られている小型犬です。
「ヨーキー」の愛称でも親しまれ、長く伸びる青みがかった被毛と鮮やかなタン、立ち耳、活発な表情が大きな特徴です。
華やかな見た目から、おとなしく抱っこされて過ごす愛玩犬という印象を持つ人もいるかもしれません。
しかし、ヨークシャーテリアは名前の通りテリアの血を受け継ぐ犬種です。小さな体でも周囲への関心が強く、活発で、勇敢さや独立心を見せる犬もいます。
ジャパンケネルクラブの犬種標準でも、ヨークシャーテリアは「用心深く、利口なトイ・テリア」であり、気質は安定し、勇敢であることが理想とされています。
飼い主さんへの愛情が深く、コミュニケーションを楽しみやすい一方で、物音や人の気配へ反応して吠える犬や、自分よりずっと大きな犬に向かっていこうとする犬もいます。
そのため、「体が小さいから散歩もトレーニングもほとんど必要ない」という犬種ではありません。
被毛についても、抜け毛が比較的少ないことで知られていますが、長く伸び続ける毛には定期的なブラッシングとトリミングが必要です。
健康面では、膝蓋骨脱臼、気管虚脱、先天性門脈体循環シャント、眼疾患、歯周病などについて知っておきたい犬種です。
また、非常に小さな子犬では低血糖にも注意します。食事を長時間食べられない、嘔吐や下痢が続くなどによって血糖値が下がると、震え、ふらつき、ぐったり、けいれんなどが起こることがあります。
ヨークシャーテリアの飼いやすさは「小ささ」だけで判断せず、活発なテリアらしさ、被毛と歯のお手入れ、膝・気管・肝臓などの健康管理まで含めて考えることが大切です。
この記事では、ヨークシャーテリアの性格、飼いやすさ、大きさ、寿命、運動量、抜け毛、留守番、しつけから、注意したい病気、食事、子犬期・シニア期まで詳しく解説します。

- 1. ヨークシャーテリアの基本情報
- 2. ヨークシャーテリアの性格
- 3. ヨークシャーテリアの飼いやすさ
- 4. ヨークシャーテリアは初心者でも飼いやすい?
- 5. ヨークシャーテリアの大きさ・体重
- 6. ヨークシャーテリアの平均寿命
- 7. ヨークシャーテリアに必要な運動量
- 8. ヨークシャーテリアの抜け毛・お手入れ
- 9. ヨークシャーテリアは留守番しやすい?
- 10. ヨークシャーテリアのしつけのしやすさ
- 11. ヨークシャーテリアの無駄吠え・噛み癖などの注意点
- 12. ヨークシャーテリアがなりやすい病気
- 13. ヨークシャーテリアの食事・ドッグフード選び
- 14. ヨークシャーテリアの子犬期の注意点
- 15. ヨークシャーテリアのシニア期の注意点
- 16. ヨークシャーテリアが向いている人
- 17. ヨークシャーテリアのよくある質問
- まとめ|ヨークシャーテリアは小さな体にテリアらしい活発さを持つ犬種
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1. ヨークシャーテリアの基本情報
| 犬種名 | ヨークシャーテリア |
|---|---|
| 英名 | Yorkshire Terrier |
| 原産国 | イギリス |
| 用途 | コンパニオン・ドッグ |
| サイズ分類 | 小型犬 |
| 体重 | 3.2kgまでがJKC犬種標準 |
| 体高 | 20cm前後がひとつの目安。個体差あり |
| 平均寿命 | 11~15年程度がひとつの目安 |
| 運動量 | 小型犬ながら活発。毎日の散歩と遊びが必要 |
| 被毛 | 長く真っすぐなシルキーコート |
| 抜け毛 | 比較的少ない |
| トリミング | 定期的な被毛管理が必要 |
| 留守番 | 個体差あり。短時間から練習する |
| しつけやすさ | 利口だがテリアらしい独立心もある |
| 初心者向き | 被毛・歯・運動・健康管理を継続できる人なら候補 |
ヨークシャーテリアはイギリスで成立した犬種です。
現在は家庭犬として知られていますが、そのルーツには小動物を追うテリアとしての性質があります。
そのため、見た目は非常に小さく優雅でも、性格面では周囲をよく観察し、活発に行動し、自分から何かを確かめに行く犬がいます。
JKCの犬種標準では体重3.2kgまでとされており、小型犬の中でも特にコンパクトな犬種です。
ただし、家庭犬の健康管理では「3.2kg以下にしなければならない」と考えないでください。骨格や筋肉量には個体差があるため、その犬自身の適正体型を確認することが重要です。
2. ヨークシャーテリアの性格
ヨークシャーテリアは一般に、利口で活発、家族とのコミュニケーションを楽しみやすい犬種です。
一方で、テリアらしい勇敢さや独立心があり、自分よりずっと大きな犬を見ても物怖じしない犬もいます。
- 家族への愛着が強い犬が多い
- 活発で遊び好き
- 周囲の変化によく気づく
- 学習能力が高い
- 勇敢な面がある
- 自分の意思をはっきり示す犬もいる
- 警戒して吠えることがある
「ヨーキーは気が強い」と表現されることもありますが、すべてのヨークシャーテリアが同じ性格ではありません。
犬の性格には遺伝的な気質だけでなく、子犬期の社会化、生活環境、人や犬との経験、日頃のトレーニングなどが関係します。
慎重な性格の犬へ「ヨーキーなのだから勇敢なはず」と無理に人や犬へ近づける必要もありません。
その犬が安心できる距離を保ちながら経験を増やしましょう。
3. ヨークシャーテリアの飼いやすさ
ヨークシャーテリアは体が小さいため、日本のマンションやアパートでも生活スペースを確保しやすい犬種です。
大型犬に比べて食事量が少なく、キャリーを使った移動もしやすいため、住宅環境という面では暮らしやすさがあります。
しかし、お世話全体が少ないわけではありません。
- 定期的なブラッシング
- トリミングや被毛のカット
- 毎日の歯磨き
- 目周り・耳周りの確認
- 毎日の散歩
- 基本的なしつけ
- 膝や気管への配慮
特に被毛を長く伸ばす場合は、毛玉やもつれを防ぐためのお手入れ量が増えます。
家庭犬では短めのペットカットにする家庭も多いですが、短くしたからブラッシングやトリミングが不要になるわけではありません。
また、小さな体は家庭内事故にも注意が必要です。ソファからの落下、人に踏まれる、ドアへ挟まれる、小さな物を誤飲するなど、生活環境を整えましょう。
4. ヨークシャーテリアは初心者でも飼いやすい?
ヨークシャーテリアは、初めて犬を飼う人にも候補になる犬種です。
体がコンパクトで、人とのコミュニケーションを楽しみやすく、知的なため、基本トレーニングにも取り組めます。
一方、「小型犬だから初心者向き」というだけではありません。
- 被毛のお手入れを継続できる
- 毎日歯磨きを練習できる
- 散歩を毎日行える
- 吠えを放置しない
- 体重と膝を管理できる
- 咳や呼吸異常を見逃さない
- 小さな子犬を安全に扱える
このような管理を続けられるのであれば、初心者でも十分一緒に暮らせます。
反対に、「小さいから散歩は不要」「抜け毛が少ないから被毛ケア不要」「吠えても抱っこすれば大丈夫」と考えていると、実際の飼育とのギャップが大きくなるでしょう。
5. ヨークシャーテリアの大きさ・体重

JKCの犬種標準では、ヨークシャーテリアの体重は3.2kgまでです。
非常に小さな犬種ですが、家庭犬では骨格、筋肉量、性別などによって実際の体格に差があります。
犬種標準に合わせるために健康な犬の食事を無理に減らすことは避けてください。
健康管理では体重だけでなく、ボディコンディションを見ます。
- 肋骨へ軽く触れられる
- 上から見て腰にくびれがある
- 横から見て腹部が適度に引き締まっている
- 筋肉が極端に落ちていない
ヨークシャーテリアは長い被毛によって体型が見えにくいことがあります。
ブラッシングやシャンプーの時に実際に体へ触れ、太ってきていないか、逆に急に痩せていないかを確認しましょう。
小型犬では数百グラムの増減でも体重に占める割合が大きいため、月に一度程度は体重を測っておくと変化に気づきやすくなります。
6. ヨークシャーテリアの平均寿命
ヨークシャーテリアは比較的長寿な小型犬です。
海外の主要犬種情報では、平均寿命の目安として11~15年程度が紹介されています。
ただし、これは一頭一頭の寿命を予測する数字ではありません。
遺伝、体重、歯の状態、心臓や気管、膝、肝臓などの病気、食事、運動、事故、医療などによって個体差があります。
長生きする可能性がある犬種だからこそ、若い頃から歯磨きや体重管理を続けることが重要です。
シニア期には、咳、歩き方、食欲、飲水量、視力などの変化も定期的に確認しましょう。
7. ヨークシャーテリアに必要な運動量

ヨークシャーテリアは小型犬ですが、活発なテリアです。
室内を歩いているだけで一日の運動が十分になるとは限りません。
健康な成犬では、毎日の散歩と室内遊びを組み合わせます。
- 無理のない速さで散歩する
- 外のにおいを嗅ぐ
- おもちゃを探す
- 短時間のトレーニングをする
- フードを使ったノーズワークをする
散歩時間は一律に何分と決めるより、年齢、気温、体格、膝、呼吸器や心臓の状態に合わせます。
元気な犬では散歩だけでなく、頭を使う遊びを取り入れることで満足度を高めやすくなります。
一方、気管虚脱がある犬では興奮や運動で咳が悪化する場合があります。膝蓋骨脱臼がある犬でも運動内容を調整する必要があります。
持病がある場合は「運動させない」と自己判断するのではなく、どの程度歩いてよいか獣医師へ相談してください。
8. ヨークシャーテリアの抜け毛・お手入れ
ヨークシャーテリアの大きな特徴が、細く長く伸びるシルキーコートです。
一般的なダブルコート犬と比べると抜け毛は少ない傾向がありますが、毛は長く伸び続けます。
そのため、抜け毛が少ないことと、お手入れが少なくてよいことは別です。
- 数日に一度~毎日のブラッシング
- 毛玉・もつれの確認
- 定期的なシャンプー
- 定期的なカット
- 目に毛が入らないよう顔周りを管理する
- 足裏の毛を整える
- 爪を適切な長さに保つ
ショードッグのように被毛を床まで長く伸ばす場合は、日常管理の負担がさらに大きくなります。
家庭犬では短めのペットカットを選ぶことで管理しやすくできます。
それでも毛玉ができると皮膚が引っ張られ、痛みや蒸れにつながるため、定期的なブラッシングは必要です。
ブラシを見るだけで逃げる犬では、一度に全身を仕上げようとせず短時間から練習してください。
歯のお手入れも非常に重要
ヨークシャーテリアでは、被毛だけでなく歯のお手入れも重要です。
小さな口の中に歯が並ぶため、歯垢や歯石がたまりやすく、歯周病が進みやすい犬がいます。
可能であれば毎日の歯磨きを目標にしましょう。
歯磨きを嫌がる場合は、いきなり口へ歯ブラシを入れず、口元へ触れる練習から始めます。
・犬が歯磨きを嫌がる時の慣らし方|噛む・逃げる犬への7段階とNG対応
9. ヨークシャーテリアは留守番しやすい?
ヨークシャーテリアは家族との距離が近く、人と一緒に過ごすことを好む犬も多いため、最初から長時間の留守番が得意とは限りません。
一方、短時間から段階的に練習すれば、一人で落ち着いて休める犬もいます。
まずは、飼い主さんが同じ家の中にいても犬が一人でベッドやクレートで休めるようにします。
その後、数秒別室へ行く、短時間玄関から出るというように時間を延ばします。
- 安全な休憩場所を作る
- 留守番前に排泄を済ませる
- 適度な散歩や遊びをする
- 誤食できる物を片付ける
- 室温を安全に保つ
- 高い家具から落下しない環境を作る
ヨークシャーテリアは非常に小さいため、留守番中の安全管理も重要です。
大きなソファへ自由に上がり、帰宅時に興奮して飛び降りると膝などへ負担がかかる可能性があります。
・犬の留守番のしつけ方とは?ひとりで待てない時の練習方法を解説
10. ヨークシャーテリアのしつけのしやすさ
ヨークシャーテリアは利口で、人とのコミュニケーションから多くを学べる犬種です。
一方、テリアらしい独立心から、犬自身が魅力を感じている行動を優先することがあります。
「頑固だから言うことを聞かない」と考えるより、犬が成功しやすい環境と報酬を用意しましょう。
- 名前を呼んだらこちらを見る
- おすわり
- 待て
- おいで
- ハウス
- トイレ
- リードを緩めて歩く
- 拾い食いをしない
- 体を触られることへ慣れる
トレーニングは長時間続けるより、1~3分程度の短い練習を日常生活へ何度も入れる方が取り組みやすくなります。
できなかった行動を叱ることより、犬が正しい行動を選んだ瞬間を褒めることを中心にします。
11. ヨークシャーテリアの無駄吠え・噛み癖などの注意点
ヨークシャーテリアは周囲への注意力が高く、物音や人の動きへ反応して吠える犬がいます。
- インターホン
- 玄関前の足音
- 窓の外の人
- ほかの犬
- 家族の帰宅
- 要求がある時
吠えた時に毎回大声で叱ると、人の声が加わってさらに興奮する犬もいます。
何に吠えているのかを確認し、窓から外が見えすぎるなら目隠しをする、インターホン音を小さな音から練習するなど環境管理とトレーニングを組み合わせます。
子犬では甘噛みもあります。
小さな犬だからと手で激しく遊び続けるより、噛んでよいおもちゃを使い、興奮しすぎる前に休憩を入れましょう。
成犬が急に触ると噛むようになった場合は、歯、膝、背中、耳などの痛みが関係していないかも確認してください。
12. ヨークシャーテリアがなりやすい病気

ヨークシャーテリアには、犬種として注意しておきたい健康問題があります。
ただし、ここで紹介する病気がすべてのヨークシャーテリアに発症するわけではありません。
病気になりやすさを怖がるのではなく、どのような症状が出た時に早めに受診すべきかを知るために役立てましょう。
膝蓋骨脱臼(パテラ)
ヨークシャーテリアで特に注意したい整形外科疾患のひとつが膝蓋骨脱臼です。
膝のお皿である膝蓋骨が、本来動く溝から内側または外側へ外れる病気です。
- 散歩中に突然後ろ足を上げる
- 数歩だけ3本足になる
- スキップするように歩く
- ジャンプを嫌がる
- 段差の前で止まる
- 後ろ足を継続的に使いにくくなる
軽度では症状がほとんどない犬もいますが、繰り返し足を上げる場合は一度膝を確認してもらいましょう。
体重を増やしすぎないこと、滑りやすい床を見直すことも日常管理として重要です。
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気管虚脱
ヨークシャーテリアは気管虚脱が多い犬種として知られています。
気管は空気を肺へ運ぶ管で、軟骨によって筒状の形を保っています。
気管虚脱では軟骨が弱くなり、気管がつぶれることで空気が通りにくくなります。
- ガーガーという乾いた咳
- 興奮すると咳き込む
- 運動すると咳が出る
- 暑い日に呼吸が苦しそう
- 首へ圧力がかかると咳をする
- 重症では舌が青紫色になる
- 失神する
咳だけなら緊急ではないこともありますが、呼吸困難、舌や歯ぐきの青紫色、失神がある場合は緊急性があります。
肥満がある犬では呼吸器への負担が大きくなるため、適正体重を維持することも重要です。
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咳が続いている場合はこちらも確認してください。
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先天性門脈体循環シャント
ヨークシャーテリアでは、先天性門脈体循環シャントについても知っておきたい犬種です。
正常では、腸から吸収された栄養やさまざまな物質を含む血液は門脈を通って肝臓へ入り、そこで処理されてから全身へ流れます。
門脈体循環シャントがある犬では、異常な血管によって血液の一部が肝臓を通らず全身へ流れてしまいます。
- 子犬の成長が悪い
- 食欲が安定しない
- 嘔吐や下痢を繰り返す
- 食後にぼんやりする
- ふらつく
- よだれが増える
- 行動がおかしい
- 重症ではけいれんする
すべての犬にすべての症状が現れるわけではありません。
「ヨーキーは小さいから成長が遅いだけ」と思っていた犬に肝血管の異常が見つかることもあります。
成長不良や食後の神経症状、慢性的な嘔吐などがある場合は獣医師へ相談してください。
・犬が吐く原因とは?嘔吐が続く時の危険サインと受診目安を解説
肝臓の微小血管異形成
ヨークシャーテリアでは、肝臓内部の非常に細い血管に異常がある肝微小血管異形成も報告されています。
大きな一本の異常血管が存在する門脈体循環シャントとは異なり、肝臓の中の微細な血流異常です。
症状がほとんどない犬もいますが、血液検査や胆汁酸検査などで異常が見つかる場合があります。
健康診断で肝臓関連の異常が繰り返し確認される場合は、「ヨーキーだからよくある」と放置せず、必要な検査について相談しましょう。
目の病気
ヨークシャーテリアでは、繁殖犬の健康検査として眼科検査が推奨されています。
犬種として進行性網膜萎縮などの遺伝性眼疾患が問題になることがあります。
- 暗い場所で歩きにくくなる
- 夜の散歩を嫌がる
- 家具へぶつかる
- 段差を慎重に歩く
- 瞳孔が大きく見える
ただし、視力低下は白内障、緑内障、網膜疾患など多くの病気で起こります。
特に、目が赤い、しょぼしょぼする、強く痛がる、急に目が白や青に濁る場合は、ゆっくり進行する遺伝性網膜疾患だけとは考えず早めに受診してください。
歯周病
小型犬のヨークシャーテリアでは、歯周病の管理も非常に重要です。
- 口臭が強い
- 歯ぐきが赤い
- 歯石が増える
- 硬い物を避ける
- 食べ物を落とす
- 口元を触られるのを嫌がる
- 歯がぐらつく
口臭を「小型犬だから仕方ない」と放置しないでください。
歯周病は歯の表面だけの問題ではなく、進行すると歯を支える組織まで破壊します。
・犬の歯周病とは?口臭・歯ぐきの腫れ・歯がぐらつく時に注意したい病気を解説
子犬の低血糖
非常に小さなヨークシャーテリアの子犬では、低血糖にも注意します。
特に生後数か月のトイ犬種では、肝臓の糖代謝能力がまだ十分成熟していないことなどから、長時間食べられない状態で血糖が下がることがあります。
- 急に元気がなくなる
- 震える
- ふらつく
- ぼんやりする
- 立てなくなる
- 重症ではけいれんする
意識が低下している犬へフード、水、はちみつなどを無理に口へ流し込まないでください。飲み込む力が低下していると誤嚥する危険があります。
ぐったりして反応が悪い、けいれんしている場合はすぐ動物病院へ連絡してください。
13. ヨークシャーテリアの食事・ドッグフード選び

ヨークシャーテリアだから必ず犬種専用フードを選ぶ必要はありません。
基本は年齢、現在の体重、理想体重、活動量、避妊・去勢の有無、持病などに合う総合栄養食を選びます。
体が小さいため、一日に必要なエネルギー量も大きくありません。
そのため、人にとって小さなおやつ一個でも、ヨークシャーテリアにとっては一日の摂取カロリーの大きな割合になることがあります。
- フードを計量する
- おやつ分も一日の食事量へ含める
- 定期的に体重を測る
- 肋骨と腰のくびれを確認する
- 家族でおやつ量を共有する
膝蓋骨脱臼や気管虚脱がある犬では、肥満を避けることが特に重要です。
一方、小さな子犬を「できるだけ小さく育てたい」と考えて食事を制限してはいけません。
成長期には骨、筋肉、脳、内臓を発達させるために十分な栄養が必要です。
先天性門脈体循環シャントなどの持病がある犬では、健康な犬とは異なる食事管理が必要になることがあります。
病名だけを見て自己判断で療法食へ変更するのではなく、検査結果に合わせて獣医師と相談してください。
14. ヨークシャーテリアの子犬期の注意点

ヨークシャーテリアの子犬は非常に小さいため、体調管理だけでなく家庭内事故への注意も必要です。
- 抱っこから落とさない
- ソファやベッドから飛び降りさせない
- 人が踏まないよう足元を確認する
- 小さな異物を床へ置かない
- 長時間食べられない状態を作らない
- 適切な回数で食事を与える
- 無理のない社会化を行う
- 被毛・歯・爪のケアへ慣らす
特に生後6か月頃までの非常に小さな子犬では、低血糖のリスクを意識します。
食事を食べない、下痢や嘔吐がある、遊ばずぐったりしている時は、体が小さいから疲れているだけと考えないでください。
また、子犬のうちからブラッシング、歯磨き、爪切り、耳チェックへ少しずつ慣らしておくと成犬後のケアがしやすくなります。
一度に長時間押さえて行うのではなく、ブラシを一回当てる、口元へ一瞬触れるなど、小さな成功で終わらせます。
社会化でも、「たくさんの人へ抱かせる」ことが目的ではありません。
いろいろな人、犬、音、地面、車などを、子犬が怖がりすぎない距離で経験できるようにしましょう。
15. ヨークシャーテリアのシニア期の注意点
ヨークシャーテリアは比較的長寿な犬種なので、シニア期の健康管理を長く行う可能性があります。
年齢とともに活動量が落ちることはありますが、すべてを「歳だから」で済ませないことが大切です。
- 咳が増えた
- 興奮するとガーガーする
- 散歩で疲れやすい
- 後ろ足を上げる
- 段差を嫌がる
- 口臭が強くなった
- 硬い物を食べない
- 暗い場所を歩きにくそうにする
- 体重が減る
- 水を飲む量が変化した
こうした変化の中には、気管虚脱、膝蓋骨脱臼、歯周病、眼疾患、心臓や内臓の病気などが隠れていることがあります。
咳が急に強くなり、呼吸が苦しそうな場合は通常の健康診断まで待たず受診してください。
シニアになっても歩ける犬では、体調に合わせて短い散歩を継続し、筋肉を落としすぎないことも大切です。
16. ヨークシャーテリアが向いている人
ヨークシャーテリアは、次のような人と相性を作りやすい犬種です。
- 小型犬と室内で暮らしたい人
- 犬とのコミュニケーションを楽しみたい人
- 毎日適度な散歩ができる人
- ブラッシングを継続できる人
- 定期的なトリミングへ通える人
- 歯磨きを習慣にできる人
- 吠えに対してトレーニングできる人
- 膝・気管・肝臓などの健康管理を続けられる人
- 小さな犬を安全に扱える人
反対に、「小型犬だから散歩不要」「抜け毛が少ないからケア不要」「体が小さい方がかわいいので食事を少なくする」と考えている人には向きにくい犬種です。
見た目の華やかさだけでなく、テリアとしての活発さと、生涯続く被毛・歯・健康管理まで理解して迎えましょう。
17. ヨークシャーテリアのよくある質問
Q. ヨークシャーテリアは初心者でも飼いやすいですか?
初めて犬を飼う人にも候補になります。ただし、毎日の運動、被毛管理、歯磨き、吠えへの対応、膝や気管などの健康管理まで継続できることが重要です。
Q. ヨークシャーテリアは何kgくらいですか?
JKCの犬種標準では体重3.2kgまでです。ただし家庭犬では体格に個体差があります。健康維持では数字だけに合わせず、肋骨や腰のくびれを含む適正体型を確認してください。
Q. ヨークシャーテリアは毛が抜けないですか?
抜け毛は比較的少ない犬種ですが、完全に抜けないわけではありません。また、長く伸び続ける被毛には定期的なブラッシングとカットが必要です。
Q. 犬アレルギーでもヨーキーなら大丈夫ですか?
抜け毛が少なくても犬由来のアレルゲンがなくなるわけではありません。犬アレルギーがある家族がいる場合は、迎える前に実際に犬と接するなど慎重に確認してください。
Q. ヨークシャーテリアは毎日散歩が必要ですか?
健康な成犬なら毎日の散歩がおすすめです。小型犬でも活発なテリアなので、室内生活だけにせず外のにおいや環境へ触れる機会を作りましょう。
Q. ヨークシャーテリアは吠えやすいですか?
警戒心や周囲への注意力から物音へ吠える犬はいます。ただし、すべてのヨーキーが同じではなく、性格、社会化、生活環境、学習経験によって変わります。
Q. ガーガーという咳をするのは気管虚脱ですか?
気管虚脱で特徴的な咳が出ることがありますが、心臓病、気管支炎などでも咳は起こります。繰り返す場合は受診し、呼吸困難や舌の色の異常、失神があれば緊急です。
Q. 後ろ足を時々上げて歩きます
膝蓋骨脱臼で見られることがあります。ただし足先のケガや靭帯など別の原因でも起こるため、繰り返す場合は膝を含めた診察を受けてください。
Q. 子犬がごはんを食べず震えています
非常に小さな子犬では低血糖の可能性があります。ぐったりする、ふらつく、反応が弱い、けいれんする場合は緊急性があります。意識が低下した犬へ食事や水を無理に流し込まず、動物病院へ連絡してください。
Q. ヨークシャーテリアは留守番できますか?
個体差がありますが、短時間から段階的に練習すれば一人で落ち着いて過ごせる犬もいます。迎えた直後から長時間留守番させるのではなく、一人で休む経験から作りましょう。
Q. ヨーキーで特に注意したい病気は何ですか?
膝蓋骨脱臼、気管虚脱、先天性門脈体循環シャント、肝微小血管異形成、眼疾患、歯周病などについて知っておくとよいでしょう。ただし、すべてのヨークシャーテリアが発症するわけではありません。
まとめ|ヨークシャーテリアは小さな体にテリアらしい活発さを持つ犬種

ヨークシャーテリアは、長く美しいシルキーコートと小さな体が魅力の小型犬です。
見た目は華やかな愛玩犬ですが、性格にはテリアらしい活発さ、利口さ、勇敢さがあり、飼い主さんとの遊びやトレーニングを楽しみやすい犬種です。
体が小さいため日本の住宅でも暮らしやすい一方、毎日の散歩、被毛のお手入れ、歯磨き、基本的なしつけは必要です。
被毛は抜け毛が比較的少ないものの長く伸び続けるため、ブラッシングと定期的なトリミングを続けましょう。
健康面では、膝蓋骨脱臼、気管虚脱、先天性門脈体循環シャント、肝微小血管異形成、眼疾患、歯周病などについて知っておくことが大切です。
特にガーガーする咳、呼吸困難、後ろ足を繰り返し上げる、食後にぼんやりする、子犬の成長が悪いなどの変化は、「ヨーキーにはよくある」と決めつけず受診のきっかけにしてください。
非常に小さな子犬では低血糖にも注意します。食事を極端に制限せず、年齢に合った回数と量で十分な栄養を与えましょう。
シニア期には咳、歩き方、歯、視力、体重などを定期的に確認し、年齢による変化と病気を区別することも重要です。
ヨークシャーテリアの魅力は、小さな体の中にある活発さと家族との濃いコミュニケーションです。外見のかわいらしさだけでなく、テリアとしての性質と被毛・歯・膝・気管などの健康管理まで理解して暮らすことが、長く安心して一緒に過ごすためのポイントです。


