
ロマーニャ・ウォーター・ドッグは、イタリア北部の湿地で水鳥の回収犬として働き、のちに優れた嗅覚を生かしてトリュフ探索犬へ役割を変えてきた中型犬です。海外では「ラゴット・ロマニョーロ(Lagotto Romagnolo)」の名で広く知られ、全身を覆う密な巻き毛と、何かを探すことへの強い意欲が特徴です。
ジャパンケネルクラブ(JKC)の現行ページでは、FCIスタンダードNo.298、原産国イタリア、第8グループ、用途は正確に「トリュフ・ドッグ」とされています。体高は牡43~48cm、牝41~46cm、体重は牡13~16kg、牝11~14kgです。当サイトでは、成犬時の一般的な体格を目安に中型犬として分類します。
人との結びつきが強く、訓練が入りやすい一方、嗅覚を使う作業への欲求が高く、運動と頭を使う活動の両方が必要です。さらに巻き毛は抜け毛が少ない反面、放置すると毛玉になりやすいため、定期的なブラッシングとカットも欠かせません。「抜け毛が少ない=手入れが楽」という犬ではないことを理解して迎えることが大切です。
- 1. ロマーニャ・ウォーター・ドッグの基本情報
- 2. ロマーニャ・ウォーター・ドッグの性格
- 3. ロマーニャ・ウォーター・ドッグの飼いやすさ
- 4. ロマーニャ・ウォーター・ドッグは初心者でも飼いやすい?
- 5. ロマーニャ・ウォーター・ドッグの大きさ・体重
- 6. ロマーニャ・ウォーター・ドッグの平均寿命
- 7. ロマーニャ・ウォーター・ドッグに必要な運動量
- 8. ロマーニャ・ウォーター・ドッグの抜け毛・お手入れ
- 9. ロマーニャ・ウォーター・ドッグは留守番しやすい?
- 10. ロマーニャ・ウォーター・ドッグのしつけのしやすさ
- 11. ロマーニャ・ウォーター・ドッグの無駄吠え・噛み癖などの注意点
- 12. ロマーニャ・ウォーター・ドッグがなりやすい病気・注意したい健康問題
- 13. ロマーニャ・ウォーター・ドッグの食事・ドッグフード選び
- 14. ロマーニャ・ウォーター・ドッグの子犬期の注意点
- 15. ロマーニャ・ウォーター・ドッグのシニア期の注意点
- 16. ロマーニャ・ウォーター・ドッグが向いている人
- 17. ロマーニャ・ウォーター・ドッグのよくある質問
- まとめ
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1. ロマーニャ・ウォーター・ドッグの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 犬種名 | ロマーニャ・ウォーター・ドッグ |
| 英名 | ROMAGNA WATER DOG |
| 一般的な別名 | ラゴット・ロマニョーロ(Lagotto Romagnolo) |
| 原産国 | イタリア |
| FCIスタンダード | No.298 |
| JKCグループ | 第8グループ(7グループ以外の鳥猟犬/ウォーター・ドッグ) |
| 用途(JKC) | トリュフ・ドッグ |
| サイト内サイズ分類 | 中型犬 |
| 体高 | 牡43~48cm(理想46cm)、牝41~46cm(理想43cm) |
| 体重 | 牡13~16kg、牝11~14kg |
| 平均寿命 | 12年以上がひとつの目安(Royal Kennel Club) |
| 運動量 | 多め。Royal Kennel Clubでは1日2時間超を目安 |
| 被毛 | ウーリーな質感の密な巻き毛。水をはじきやすいダブルコート |
| 毛色 | オフホワイト、ホワイト&ブラウン、ホワイト&オレンジ、オレンジ・ローン、ブラウン・ローン、ブラウン、オレンジなど |
| 抜け毛 | 比較的少ないが、毛玉予防の定期的な手入れが必要 |
| トリミング | 必要。巻き毛を自然な犬種らしい長さに整え、定期的にカットする |
| 留守番 | 短時間から練習。人との結びつきが強く、活動不足にも配慮 |
| しつけやすさ | 高い。嗅覚を使う遊びや作業を取り入れると学習意欲を生かしやすい |
| 初心者向き | 運動・ノーズワーク・被毛管理を継続できる人向き |
JKCによると、ロマーニャ・ウォーター・ドッグはコマッキョの低地やラベンナの湿地帯に古くからいたレトリービング・ウォーター・ドッグです。湿地の干拓によって水鳥猟での役割が減ると、優れた嗅覚を生かしてロマーニャ地方の平地や丘陵でトリュフを探す犬へ転換していきました。
現在の犬種標準でも、生まれつき探索能力に優れ、嗅覚でトリュフを探すことがこの犬種の大きな特徴とされています。以前の狩猟本能は選択繁殖によって弱められ、作業中に獲物のにおいへ気を取られにくい犬として発達しました。
2025年のJKC新規犬籍登録は47頭で、全犬種中81位でした。これは2025年の1年間に新しく犬籍登録された頭数で、日本国内に現在47頭しかいないという意味ではありません。今回の中型犬シリーズでは未作成犬種を2025年JKC新規犬籍登録数が多い順に進めており、その基準で今回この犬種を選んでいます。

2. ロマーニャ・ウォーター・ドッグの性格
JKCでは、従順で多くを要求せず、感覚が鋭く、愛情深く、飼い主との絆が強く、訓練も入りやすい犬と説明されています。コンパニオンとしても優れ、周囲の変化へ気づく番犬としての資質もあります。
家庭では、家族と一緒に活動することを楽しむ犬が多く、ただ庭へ出して自由にさせるより、散歩、におい探し、簡単なトレーニング、持ってこい遊びなどを人と一緒に行う方が満足しやすいでしょう。
特に嗅覚を使うことへの意欲が強いため、散歩中に地面のにおいへ集中する、家の中で食べ物やおもちゃを探したがるといった行動が見られることがあります。これを「言うことを聞かない」と叱るより、安全ににおいを嗅げる時間を作る方が犬種特性を満たしやすくなります。
知らない人や環境への反応には個体差があります。子犬期から人、犬、車、生活音、動物病院などを無理のない範囲で経験させ、「新しいものを見ても落ち着ける」「飼い主さんへ意識を戻せる」状態を育てましょう。
3. ロマーニャ・ウォーター・ドッグの飼いやすさ
体重11~16kg前後で極端に大きくなく、人と協力しやすい性格は家庭犬として魅力があります。ただし、飼いやすさを「中型で抜け毛が少ないから楽」と考えるのは早計です。運動、嗅覚を使う刺激、巻き毛のお手入れを日常的に続ける必要があります。
- 毎日十分な散歩と遊びの時間を確保する
- ノーズワークや探索遊びを生活へ取り入れる
- 巻き毛の毛玉を定期的に確認する
- トリミング費用と時間を確保する
- 水遊び後は耳と皮膚までしっかり乾かす
- 滑るフローリングを見直す
- ひとりで休める習慣も子犬期から作る
Royal Kennel Clubでは運動量を1日2時間超の目安としています。ただし、単に長時間歩かせればよいわけではありません。若く活動的な犬ほど、散歩の中へにおい嗅ぎや簡単な探索課題を取り入れることで、体と頭の両方を使いやすくなります。
日本の住宅では、外でしっかり活動し、室内では落ち着いて休める「オンとオフ」を教えることが重要です。毎日刺激を与え続けるのではなく、活動後はマットやベッドで休む習慣も作りましょう。
4. ロマーニャ・ウォーター・ドッグは初心者でも飼いやすい?
理解力が高く、飼い主さんとの共同作業を楽しみやすいため、犬を初めて飼う人でも準備ができれば暮らせます。ただし、運動量と被毛管理が少なくないため、「初めてでも簡単な犬」とは言い切れません。
初心者が特に準備したいのは、毎日の運動時間、ノーズワークなど頭を使う活動、ブラッシング、定期的なトリミング、留守番練習です。巻き毛は表面だけを見ると整っていても、根元でフェルト状に絡むことがあります。
また、動物病院では股関節や膝、眼科、神経学的な確認などで体を触られることがあります。子犬期から耳、足、目の周囲、口元、体へ短く触られる練習をしておくと、診察時の負担を減らしやすくなります。
・犬が動物病院を嫌がる時の慣らし方|震える・逃げる・噛む犬への7段階
5. ロマーニャ・ウォーター・ドッグの大きさ・体重
JKCでは、体高は牡43~48cmで理想46cm、牝41~46cmで理想43cmです。上下1cmまでの逸脱が許容されています。体重は牡13~16kg、牝11~14kgで、当サイトでは中型犬として分類します。
体はよく釣り合い、力強い構成ですが、重く鈍い犬ではありません。トリュフ探索では長時間歩き、地面のにおいを追う必要があるため、適度な筋肉と動きやすい体型を保つことが大切です。
巻き毛で体の輪郭が隠れやすいため、見た目だけでは体重増加に気づきにくいことがあります。定期的に肋骨や腰へ触れ、体重を測り、被毛のボリュームと脂肪を分けて確認しましょう。
車へ乗る時は、若い頃から毎回高い荷室へ飛び乗らせるのではなく、必要に応じてステップを使います。シニア期や足腰を痛めた時に備え、補助されながら乗り降りすることにも慣らしておくと安心です。

6. ロマーニャ・ウォーター・ドッグの平均寿命
Royal Kennel Clubでは寿命を「12年以上」としています。実際の寿命には、遺伝的背景、体重、運動、食事、事故、関節や眼、神経系の健康状態など多くの要因が関係するため、犬種の目安だけで個体の寿命を予測することはできません。
Lagotto Romagnolo Club of Americaでは、繁殖犬に股関節、膝蓋骨、眼科、良性家族性若年性てんかん(BFJE)、Lagotto Storage Disease(LSD)の5項目をCHIC要件として求めています。親犬の検査結果を確認して迎えることは、長期的な健康を考えるうえで重要です。
家庭では、体重、歩き方、視力、発作のような症状、ふらつき、性格や行動の変化などを観察します。活動的な犬は不調があっても遊び続けることがあるため、運動中だけでなく運動後の回復や翌日の様子も見るようにしましょう。
7. ロマーニャ・ウォーター・ドッグに必要な運動量
Royal Kennel Clubでは1日2時間超の運動を目安としています。すべての個体に毎日同じ時間が必要という意味ではありませんが、もともと水辺で働き、現在も探索作業に使われる犬種なので、散歩が極端に短い生活は合いにくいでしょう。
おすすめなのは、歩くだけの散歩に、におい探しやノーズワークを組み合わせることです。たとえば安全な場所でフードを草の上に数粒隠す、家で箱の中からおもちゃを探す、決めた物のにおいを見つけたら褒めるなど、家庭でも嗅覚を使う遊びができます。
水を好む犬では水泳を楽しむこともありますが、ウォーター・ドッグだからすべての水場で安全というわけではありません。流れの速い川、波の強い海、急に深くなる場所、水温が低い場所は避け、必要に応じて犬用ライフジャケットを使います。
日本の夏は高温多湿なので、長時間の運動を無理に続けず、早朝や夜へ移します。激しいパンティング、ふらつき、反応低下、大量のよだれなど熱中症が疑われる場合は、自宅で様子を見ず動物病院へ連絡してください。
8. ロマーニャ・ウォーター・ドッグの抜け毛・お手入れ
ロマーニャ・ウォーター・ドッグは、ウーリーな質感の密な巻き毛に覆われています。Royal Kennel Clubでは抜け毛を「なし」と案内し、AKCでも抜け毛は最小限とされています。ただし、抜け毛が少ないことと手入れが少ないことは別です。
巻き毛は伸び続け、絡んだ毛が被毛の中へ残るため、定期的に状態を確認し、毛玉ができる前にケアします。特に耳の後ろ、脇、首輪やハーネスが当たる場所、内股、足先は絡みやすい部分です。
犬種らしい自然で素朴な外見を保つため、極端に彫刻的なカットにする必要はありません。定期的に全身を整え、目が毛で完全に隠れないようにし、生活しやすい長さを保ちます。家庭犬ではトリマーと相談し、ブラッシング頻度とカット周期をその犬の毛質に合わせましょう。
水遊びやシャンプーの後は、表面だけでなく毛の根元と皮膚まで乾かします。垂れ耳のため耳の中が蒸れやすい個体では、赤み、におい、頭を振るなどの変化にも注意してください。
・犬がトリミングサロンを嫌がる時の慣らし方|震える・逃げる・噛む犬への7段階

9. ロマーニャ・ウォーター・ドッグは留守番しやすい?
飼い主との絆が強く、人と活動することを好む犬種なので、毎日長時間ひとりで過ごす生活では慎重な準備が必要です。ただし、子犬期から短時間ずつ練習すれば、一定時間落ち着いて留守番できる犬もいます。
留守番練習では、飼い主さんが家にいる時にも自分のベッドやマットで休む時間を作ります。いつも人と一緒に動いている状態から突然数時間ひとりにするのではなく、別室へ移動する、短時間外へ出るなど小さな段階から進めます。
留守番前には適度な散歩やノーズワークを行い、排泄を済ませます。ただし、運動直後の興奮が高いまま外出せず、水を飲んで落ち着いて休める状態になってから出かける方がよいでしょう。
留守番中に吠え続ける、ドアを壊そうとする、大量によだれが出る、排泄失敗が続く場合は、カメラなどで実際の様子を確認します。退屈だけなのか、飼い主さんから離れることへの強い不安があるのかで対応が変わります。
・犬の留守番のしつけ方とは?ひとりで待てない時の練習方法を解説
10. ロマーニャ・ウォーター・ドッグのしつけのしやすさ
JKCでも訓練が入りやすい犬とされており、人と一緒に作業することを楽しみやすい犬種です。新しい行動を覚えるだけでなく、においを探す課題を与えることで集中力を生かしやすくなります。
優先したいのは、呼び戻し、待て、リードを緩めて歩く、物を放す、マットで休むことです。においへ集中している時でも、呼ばれたら飼い主さんへ意識を戻せることは、安全な散歩のために重要です。
強く叱って集中を切らせるより、犬が成功できる難易度から始めます。最初は静かな室内で名前への反応を作り、次に庭や静かな道、最後に刺激がある場所へ段階を上げると学習しやすくなります。
ごほうびには食べ物だけでなく、においを嗅ぐこと、探す遊びを始めること、おもちゃを投げてもらうことなども利用できます。犬にとって価値のあるものを報酬として使うと、単調な反復より意欲を保ちやすくなります。
11. ロマーニャ・ウォーター・ドッグの無駄吠え・噛み癖などの注意点
JKCでは優秀な番犬にもなるとされており、来客、玄関音、窓の外の人や犬などへ反応して吠える個体がいます。すべての犬が吠えやすいわけではありませんが、周囲へ敏感な犬では警戒吠えが習慣化することがあります。
吠えた後に大声で叱るだけではなく、窓の視界を調整する、玄関から休む場所を離す、刺激を見たら飼い主さんを見る行動を教えるなど、環境管理とトレーニングを組み合わせます。
子犬では甘噛みや、物をくわえて運ぶ行動が見られます。ウォーター・ドッグとして回収作業をしてきた歴史もあるため、物を口へ運ぶこと自体をすべて禁止するより、くわえてよいおもちゃと「放す」の合図を教える方が現実的です。
以前は平気だった犬が急に触られることを嫌がる、うなる、噛もうとする場合は、しつけだけの問題と決めつけません。耳、皮膚、歯、関節などに痛みがある犬は防御的な反応を示すことがあります。

12. ロマーニャ・ウォーター・ドッグがなりやすい病気・注意したい健康問題
Lagotto Romagnolo Club of America(LRCA)の現行CHIC要件では、股関節評価、眼科専門医による眼科検査、膝蓋骨評価、良性家族性若年性てんかん(BFJE)のDNA検査、Lagotto Storage Disease(LSD)のDNA検査の5項目が必要です。
AKCが掲載するNational Breed Club推奨項目も同じ5項目です。LRCAではIncorrect Coat(不適切な被毛)に関するDNA検査などを追加の検査として扱っていますが、CHIC必須5項目とは分けて考えます。
| 区分 | 検査・考え方 |
|---|---|
| LRCA CHIC必須 | 股関節評価、眼科検査、膝蓋骨評価、BFJE DNA、LSD DNA |
| 追加検査の例 | Incorrect Coatなど。CHIC必須項目とは別 |
| 家庭犬 | 歩き方、発作、ふらつき、視力などの症状に応じて獣医師と相談 |
CHIC番号があることは、指定された検査を受けて結果を公開していることを示す仕組みで、すべての結果が正常だったという意味ではありません。子犬を迎える場合は、親犬のCHIC番号だけでなく各検査結果まで確認しましょう。
股関節形成不全
股関節形成不全は、股関節の発育やかみ合わせに問題が生じ、痛みや変形性関節症につながることがある病気です。ロマーニャ・ウォーター・ドッグでは繁殖犬の股関節評価がCHIC必須項目に含まれています。
立ち上がりに時間がかかる、階段を嫌がる、腰を振るように歩く、走る時に後ろ足をそろえる、運動後に足をかばうなどの変化があれば診察を受けます。活動量の多い犬では軽い痛みがあっても遊び続けることがあるため、運動後の歩き方も確認してください。
・犬の股関節形成不全とは?後ろ足のふらつき・腰を振る歩き方・立ち上がりにくい時に注意したい病気
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼は、膝のお皿にあたる膝蓋骨が本来の溝から外れる状態です。LRCAではこの犬種で一般的な問題ではないとしつつ、検査が簡単で遺伝性の要素があるためCHIC必須項目にしています。
歩いている途中で後ろ足を上げる、数歩だけスキップする、後ろ足を後方へ伸ばすなどの変化が繰り返される場合は相談します。急に足を全く着けない、強く痛がる場合は骨折や靱帯損傷など別の問題も考え、早めに受診しましょう。
・犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)とは?スキップ歩行・グレード別症状と手術、受診目安を解説
良性家族性若年性てんかん(BFJE)
BFJEはラゴット・ロマニョーロで知られる遺伝性疾患で、LRCAによると、影響を受ける子犬では通常5~9週齢頃から発作がみられ、8~13週齢頃までに自然に消失することがあります。繁殖時にはDNA検査がCHIC必須です。
「良性」という名前が付いていても、家庭で子犬がけいれんした時に自己判断でBFJEと決めつけることはできません。低血糖、中毒、感染症、ほかの神経疾患などでも発作が起こるため、動画を撮れる場合は安全を確保して記録し、動物病院へ相談します。
長く続く発作、短時間に繰り返す発作、発作後に意識が戻らない場合は緊急性があります。
・犬のてんかんとは?けいれん発作・意識がない時に注意したい病気を解説
Lagotto Storage Disease(LSD)
Lagotto Storage Diseaseは、この犬種で知られる重い遺伝性の神経変性疾患です。LRCAでは発症犬を繁殖に用いず、キャリア犬を使う場合はクリア犬との組み合わせにすることを重視しており、DNA検査をCHIC必須項目としています。
LRCAによると症状は4か月齢頃から4歳頃までに現れる可能性があり、進行性です。ふらつき、運動機能の変化、神経症状などがみられる場合があります。ただし、家庭犬のふらつきには関節疾患、外傷、中毒、前庭疾患など多くの原因があるため、犬種だけでLSDと判断しません。
急に立てない、歩けない、意識がおかしいなどの症状がある場合は、自宅で様子を見ず動物病院へ連絡してください。
眼疾患
LRCAでは繁殖犬に毎年の眼科専門医による検査を求めています。DNA検査だけで目の健康すべてを確認するのではなく、実際の眼科検査を定期的に行うことが重要です。
暗い場所で動きにくい、物へぶつかる、目が赤い、涙が増える、目を細めるといった変化があれば診察を受けます。強い眼痛や急な視力低下がある場合は早めの受診が必要です。人間用の目薬や以前処方された点眼薬を自己判断で使わないでください。

13. ロマーニャ・ウォーター・ドッグの食事・ドッグフード選び
フードは犬種名だけで選ばず、年齢、体重、活動量、去勢・避妊の有無、健康状態に合った総合栄養食を基本にします。活動量が多い犬でも、家庭犬とドッグスポーツや探索作業を行う犬では必要エネルギーが異なります。
ノーズワークやトレーニングでフードを使う場合は、1日の給与量へ含めます。探す遊びは食べ物との相性がよい反面、練習回数が増えると知らないうちに摂取カロリーも増えやすくなります。
成長期は急激に体を大きくする必要はありません。子犬用の総合栄養食を適量与え、体重増加とボディコンディションを確認します。股関節や膝への負担を考えても、過体重を避けることは重要です。
BFJEやLSDなどの遺伝性疾患を特定の一般食で予防できるとは言えません。病気で療法食が必要になった場合は、診断後に獣医師の指導で使用してください。
14. ロマーニャ・ウォーター・ドッグの子犬期の注意点
子犬期は、将来の探索欲と活動性を安全に扱うための基礎を作る時期です。たくさん走らせて疲れさせることだけを優先せず、社会化、呼び戻し、待て、休むこと、グルーミングへの慣らしをバランスよく進めます。
- 名前を呼ばれたら飼い主さんを見る
- 短い呼び戻しを楽しく練習する
- 安全な場所でにおい探しを楽しむ
- ハーネスとリードへ慣らす
- ブラシ、コーム、ドライヤーへ段階的に慣らす
- 耳・目の周囲・口・足を触られる練習をする
- マットやクレートでひとりで休む
- 短時間の留守番を練習する
社会化は、知らない人や犬へ無理に近づけることではありません。安全な距離から見て落ち着ける、生活音がしても食べ物を受け取れる、新しい場所でも飼い主さんへ意識を戻せるといった経験を増やします。
BFJEでは非常に若い時期に発作が出ることがあるため、繁殖者から両親犬のDNA結果を確認することも重要です。LSD、股関節、膝蓋骨、眼科についても親犬の検査結果を確認できるか聞きましょう。
成長中は滑る床で急旋回を繰り返す、高い場所から飛び降りる、長距離ランニングを習慣にするといった負荷を避けます。一方、健康な子犬をほとんど動かさない必要もなく、月齢に合った散歩や遊びで体と頭を育てます。

15. ロマーニャ・ウォーター・ドッグのシニア期の注意点
シニア期は若い頃と同じ運動時間へこだわらず、関節、視力、神経機能、心肺機能などに合わせて内容を調整します。長い散歩が負担なら短い散歩へ分け、体への衝撃が少ないノーズワークを増やすと、嗅覚を使う楽しみを残しやすくなります。
立ち上がりが遅い、階段を嫌がる、後ろ足をかばう場合は股関節や膝などの痛みを確認します。室内には滑りにくいマットを敷き、車にはステップを用意するなど日常の負担を減らしましょう。
暗い場所で動きにくい、家具へぶつかる場合は視力の変化を確認します。ふらつきや運動機能の低下がある場合も「年齢のせい」と決めつけず、神経系や関節など複数の原因を考えて診察を受けます。
巻き毛のお手入れは、長時間立たせるのが負担になったら短時間へ分けます。急にブラッシングを嫌がるようになった場合は、毛玉だけでなく皮膚や関節の痛みがないかも確認してください。
16. ロマーニャ・ウォーター・ドッグが向いている人
ロマーニャ・ウォーター・ドッグは、犬と一緒に散歩するだけでなく、「探す」「考える」「学ぶ」といった活動を楽しみたい人に向いています。特にノーズワークやアウトドア、ドッグスポーツなどへ興味がある家庭では、犬種の能力を生かしやすいでしょう。
- 毎日十分な運動時間を確保できる人
- ノーズワークやトレーニングを楽しめる人
- 巻き毛のブラッシングと定期的なカットを続けられる人
- 水遊び後に耳・皮膚・被毛を乾かせる人
- 長時間の留守番をできるだけ避けられる人
- 親犬の股関節・膝・眼科・BFJE・LSD検査を確認できる人
反対に、散歩は短時間だけで済ませたい、犬のお手入れへ時間を使いたくない、留守番が毎日長時間になるという家庭では、犬の活動欲求や被毛管理を負担に感じる可能性があります。
子どもと暮らす場合は、犬が休んでいる時に邪魔をしない、耳や被毛を引っ張らない、興奮した追いかけ遊びを大人が管理するといったルールを共有します。犬と幼い子どもだけにせず、大人が見守りましょう。
17. ロマーニャ・ウォーター・ドッグのよくある質問
Q. ロマーニャ・ウォーター・ドッグとラゴット・ロマニョーロは同じ犬ですか?
はい。同じ犬種です。JKCの英名表記は「ROMAGNA WATER DOG」で、日本語では「ロマーニャ・ウォーター・ドッグ」としています。海外ではイタリア語由来の「Lagotto Romagnolo(ラゴット・ロマニョーロ)」が広く使われています。
Q. トリュフを探させないと飼えませんか?
いいえ。家庭犬としてトリュフ探索をする必要はありません。ただし、嗅覚を使う欲求が強い犬種なので、ノーズワーク、フード探し、おもちゃ探しなど家庭でできる探索遊びを取り入れると満足しやすくなります。
Q. 抜け毛がない犬ですか?
Royal Kennel Clubでは「Sheds:No」、AKCでも抜け毛は最小限としています。ただし、毛がまったく抜けないという意味ではなく、抜けた毛が巻き毛の中へ残って絡むことがあります。定期的なブラッシングとカットは必要です。
Q. 毎日2時間以上散歩しないといけませんか?
Royal Kennel Clubは運動量を1日2時間超の目安としていますが、年齢、健康状態、個体差によって調整します。時間だけを満たすのではなく、散歩、におい嗅ぎ、ノーズワーク、短いトレーニングを組み合わせることが大切です。
Q. 初心者でも飼えますか?
しつけは入りやすい犬種ですが、運動量と被毛管理は少なくありません。毎日の活動時間を確保し、トリミングや毛玉対策を継続できる人なら、初めての犬でも候補になります。
Q. 繁殖犬で確認したい健康検査は何ですか?
LRCAの現行CHIC要件では、股関節評価、膝蓋骨評価、眼科検査、BFJEのDNA検査、Lagotto Storage DiseaseのDNA検査が必要です。「健康検査済み」という言葉だけでなく、両親犬それぞれの検査結果を確認しましょう。
まとめ

ロマーニャ・ウォーター・ドッグは、イタリアの湿地で働くウォーター・ドッグから、優れた嗅覚を生かすトリュフ探索犬へ発達した中型犬です。JKCでは用途を「トリュフ・ドッグ」とし、従順で感覚が鋭く、愛情深く、飼い主との絆が強く、訓練しやすい犬と説明しています。
家庭では、毎日の十分な運動に加え、におい探しやノーズワークのように頭と鼻を使う活動を取り入れることが重要です。抜け毛は比較的少ないものの、密な巻き毛は毛玉になりやすいため、ブラッシングと定期的なカットも生活の一部になります。
健康面では、股関節、膝蓋骨、眼科に加え、BFJEとLagotto Storage DiseaseのDNA検査が繁殖時の重要な項目です。CHIC番号があるだけで全結果が正常という意味ではないため、親犬の実際の検査結果まで確認しましょう。
犬と一緒に歩き、探し、学ぶ時間を楽しみ、被毛のお手入れも継続できる家庭なら、ロマーニャ・ウォーター・ドッグの知性と探索能力を生かした充実した暮らしを送りやすいでしょう。見た目のかわいらしい巻き毛だけでなく、運動量と作業意欲まで理解して迎えることが大切です。


