犬の歯周病とは?口臭・歯ぐきの腫れ・歯がぐらつく時に注意したい病気を解説

愛犬の口臭が強くなった。
歯に茶色い歯石がついている。
歯ぐきが赤い。
硬いフードを食べにくそうにしている。
口を触られるのを嫌がるようになった。

このような様子があると、「年齢のせいかな」「犬は多少口がにおうものかな」と思う飼い主さんもいるかもしれません。

しかし、犬の口臭や歯ぐきの赤みは、歯周病のサインであることがあります。

犬の歯周病とは、歯の表面や歯ぐきのまわりにたまった歯垢や歯石がきっかけとなり、歯ぐきや歯を支える組織に炎症が起こる病気です。

初期には口臭や歯ぐきの赤みが中心ですが、進行すると歯ぐきから出血したり、歯がぐらついたり、歯が抜けたりすることがあります。

また、口の中の痛みから、食欲が落ちる、片側だけで噛む、硬いものを嫌がる、元気がないように見えることもあります。

犬は口の痛みを言葉で伝えられません。

そのため、かなり進行するまで飼い主さんが気づきにくいことがあります。

この記事では、

・犬の歯周病とはどんな病気か
・よく見られる症状
・歯周病が起こる原因
・すぐ受診したいサイン
・検査と治療方法
・自宅でできる口腔ケア
・やってはいけないこと
・再発予防のポイント

を、飼い主さん向けにわかりやすく解説します。


  1. 犬の歯周病とは?
  2. 犬の歯周病で見られる主な症状
    1. ① 口臭が強くなる
    2. ② 歯ぐきが赤い・腫れている
    3. ③ 歯石がついている
    4. ④ 食べ方が変わる
    5. ⑤ 歯がぐらつく・抜ける
  3. 犬の歯周病が進行するとどうなる?
    1. 歯を支える骨が失われる
    2. 痛みで食べ方が変わる
    3. 顔やあごが腫れることがある
    4. 全身の健康にも関係することがある
  4. 犬の歯周病の主な原因
    1. ① 歯みがき不足
    2. ② 小型犬や短頭種の口の構造
    3. ③ 年齢
    4. ④ 食事やおやつの内容
    5. ⑤ 持病や体質
  5. 歯周病になりやすい犬の特徴
  6. すぐ受診すべきサイン
  7. 検査と治療方法
    1. 主な検査
    2. 治療方法
    3. 無麻酔歯石取りについて
  8. 自宅でできること
    1. ① 口を触る練習から始める
    2. ② 犬用歯みがきペーストに慣らす
    3. ③ 歯ブラシは少しずつ慣らす
    4. ④ 毎日少しずつ続ける
    5. ⑤ 歯みがき以外のケアも組み合わせる
  9. 歯周病の時にやってはいけないこと
    1. ① 歯石を自分で無理に削る
    2. ② 痛がるのに歯みがきを続ける
    3. ③ 硬すぎるおやつで歯石を取ろうとする
    4. ④ 口臭を年齢のせいにして放置する
    5. ⑤ 食べているから大丈夫と判断する
  10. 再発予防と毎日の口腔ケア
    1. ① 歯みがきを習慣にする
    2. ② 定期的に口の中をチェックする
    3. ③ 動物病院で定期チェックを受ける
    4. ④ 歯みがきが苦手な犬は慣らしから始める
  11. 食事やおやつとの関係
    1. デンタルケア用おやつは補助として考える
    2. 食欲が落ちた時は口の痛みも考える
    3. フード選びだけに頼りすぎない
  12. 受診時に伝えるとよいこと
  13. よくある質問
    1. Q. 犬の歯周病は自然に治りますか?
    2. Q. 口臭があるだけでも受診した方がいいですか?
    3. Q. 歯石は家で取ってもいいですか?
    4. Q. 歯みがきを嫌がる犬はどうすればいいですか?
    5. Q. シニア犬でも歯科治療はできますか?
  14. まとめ|犬の歯周病は「口臭だけ」と軽く見ないことが大切
  15. 関連リンク(重要)
  16. 愛犬の歯磨きにおすすめ
  17. 【最新版】私がおすすめする犬用品10選

犬の歯周病とは?

犬の歯周病とは、歯を支える歯ぐきや骨などの組織に炎症が起こる病気です。

歯の表面に歯垢がつき、そこに細菌が増えることで歯ぐきに炎症が起こります。

最初は歯ぐきが赤くなる歯肉炎の段階です。

この段階で適切にケアできれば、改善を目指せることがあります。

しかし、炎症が進むと、歯ぐきの奥や歯を支える組織まで影響し、歯周炎へ進行します。

歯周炎になると、歯を支える骨が失われたり、歯がぐらついたり、最終的に歯が抜けたりすることがあります。

犬の歯周病で特に注意したいのは、見た目だけでは分かりにくいことです。

歯の表面に歯石が少なく見えても、歯ぐきの下で炎症が進んでいることがあります。

また、犬は痛みを我慢することが多いため、食べているから大丈夫とは言い切れません。

口臭、歯ぐきの赤み、出血、食べ方の変化、口を触られるのを嫌がる様子がある場合は、早めに動物病院で確認しましょう。


犬の歯周病で見られる主な症状

犬の歯周病では、口の中だけでなく、食べ方や行動にも変化が出ることがあります。

代表的な症状は以下です。

・口臭が強い
・歯に黄色や茶色の歯石がついている
・歯ぐきが赤い
・歯ぐきが腫れている
・歯ぐきから血が出る
・よだれが増える
・口を触られるのを嫌がる
・硬いフードを食べにくそうにする
・片側だけで噛む
・食べるのに時間がかかる
・食欲が落ちる
・歯がぐらつく
・歯が抜ける
・顔やあごが腫れる
・くしゃみや鼻水が出ることがある
・元気がないように見える

症状が軽い時は、口臭や歯石くらいしか気づかないこともあります。

しかし、進行すると痛みや感染が強くなり、食欲や元気にも影響することがあります。

① 口臭が強くなる

犬の歯周病で飼い主さんが最初に気づきやすいのが口臭です。

顔を近づけた時に強くにおう、あくびをした時ににおう、以前より明らかに口のにおいがきつい場合は注意しましょう。

ただし、口臭があるから必ず歯周病とは限りません。

胃腸の不調、腎臓病、糖尿病、口の中の腫瘍などでも口臭が変わることがあります。

それでも、犬の口臭で多い原因のひとつが歯垢や歯石、歯ぐきの炎症です。

「犬だから多少におう」と放置せず、歯ぐきや歯の状態も確認しましょう。

② 歯ぐきが赤い・腫れている

健康な歯ぐきは、犬によって色に差はありますが、炎症があると赤くなったり腫れたりします。

特に歯と歯ぐきの境目が赤い場合は、歯肉炎が起こっている可能性があります。

歯みがきの時に血がつく、硬いおやつを噛んだ後に出血する場合も注意が必要です。

歯ぐきからの出血は、強くこすったからだけではなく、炎症で出血しやすくなっていることがあります。

③ 歯石がついている

歯に黄色や茶色の硬いものがついている場合、それは歯石の可能性があります。

歯石は歯ブラシだけでは簡単に取れません。

見える部分の歯石だけでなく、歯ぐきの下にある歯垢や細菌が歯周病に関係します。

そのため、歯石を見た目だけで削っても、根本的な治療にはならないことがあります。

動物病院では、麻酔下で歯の表面だけでなく歯ぐきの下まで確認し、必要な処置を行います。

④ 食べ方が変わる

歯周病が進むと、口の中に痛みが出ることがあります。

犬は痛みを隠すことが多いため、はっきり鳴くとは限りません。

次のような変化が見られることがあります。

・硬いフードを残す
・食べるのに時間がかかる
・片側だけで噛む
・食べ物を口から落とす
・おやつを噛みにくそうにする
・急に硬いおもちゃを噛まなくなる
・食器の前で迷う

「食欲があるように見えるけれど、食べ方が変わった」という場合も注意が必要です。

⑤ 歯がぐらつく・抜ける

歯周病が進行すると、歯を支える組織が壊れて、歯がぐらつくことがあります。

さらに進むと、歯が抜けることもあります。

歯が抜けると一見痛みがなくなったように見えることもありますが、その前には長い期間、炎症や痛みがあった可能性があります。

歯がぐらついている場合や、抜けた歯に気づいた場合は、口の中全体を確認してもらいましょう。


犬の歯周病が進行するとどうなる?

歯周病は、口臭や歯石だけの問題ではありません。

進行すると、痛みや感染が強くなり、食事や生活の質に影響することがあります。

歯を支える骨が失われる

歯周病が進むと、歯ぐきの奥で炎症が続き、歯を支える骨が少しずつ失われることがあります。

この状態になると、歯がぐらついたり、噛みにくくなったりします。

見た目では歯が残っていても、実際には支えが弱くなっていることがあります。

痛みで食べ方が変わる

犬は口の痛みを我慢することがあります。

そのため、食べているから痛くないとは限りません。

片側だけで噛む、硬いものを避ける、食べ物を落とす、食べるのに時間がかかる場合は、口の中に痛みがあるかもしれません。

顔やあごが腫れることがある

歯の根元に感染が広がると、顔やあごの腫れとして見えることがあります。

目の下が腫れる、頬が腫れる、口の周りを触ると嫌がる場合は、歯の根元の炎症や膿が関係していることがあります。

このような場合は早めの受診が必要です。

全身の健康にも関係することがある

歯周病は口の中だけの問題に見えますが、進行した感染や炎症は体全体への負担になることがあります。

心臓、腎臓、肝臓などへの影響が語られることもあり、特に持病がある犬では口腔ケアが重要になります。

ただし、どの程度関係するかは犬の状態によって違います。

「歯の病気だから後回し」で済ませず、全身の健康管理の一部として考えることが大切です。


犬の歯周病の主な原因

歯周病の大きな原因は、歯垢に含まれる細菌です。

歯垢は、食べかすだけではありません。

細菌が集まってできる膜のようなもので、歯の表面や歯ぐきの周りに付着します。

歯垢がたまると歯ぐきに炎症が起こり、時間がたつと歯石になります。

歯石になると歯みがきだけでは落としにくくなります。

① 歯みがき不足

犬も人と同じように、歯垢がたまると口の中の環境が悪くなります。

毎日の歯みがき習慣がない犬では、歯垢や歯石がたまりやすくなります。

ただし、すでに歯ぐきが腫れて痛みがある犬に、いきなり強い歯みがきをすると、かえって嫌がるようになることがあります。

まずは動物病院で口の状態を確認し、その犬に合ったケアを考えましょう。

② 小型犬や短頭種の口の構造

小型犬は、口が小さい中に歯が密に並んでいることが多く、歯垢がたまりやすい傾向があります。

また、歯並びや噛み合わせによって、汚れが残りやすい場所ができることもあります。

短頭種では、歯の並びが複雑になり、歯みがきがしにくいこともあります。

犬種や体格によって、歯周病になりやすさが変わることがあります。

③ 年齢

年齢を重ねるほど、歯垢や歯石が蓄積しやすくなります。

シニア犬では、歯周病が進んでから気づくこともあります。

ただし、若い犬でも歯周病になることはあります。

「まだ若いから大丈夫」と思わず、口臭や歯ぐきの赤みがあれば確認しましょう。

④ 食事やおやつの内容

食事やおやつの種類によって、歯につきやすいもの、噛む回数が増えるものがあります。

ただし、「硬いものを噛ませれば歯石が取れる」と単純には考えない方がよいです。

硬すぎるおやつや骨は、歯が欠ける原因になることがあります。

歯周病予防では、食事だけに頼るのではなく、歯みがきや動物病院でのチェックを組み合わせることが大切です。

⑤ 持病や体質

糖尿病、クッシング症候群、免疫に関わる病気などがある犬では、感染や炎症が起こりやすいことがあります。

また、体質や歯並び、唾液の性質なども関係することがあります。

歯周病を繰り返す犬では、口だけでなく全身状態も確認することが大切です。


歯周病になりやすい犬の特徴

歯周病はどの犬にも起こりますが、特に注意したい犬がいます。

・小型犬
・シニア犬
・歯みがき習慣がない犬
・口を触られるのが苦手な犬
・歯並びが密な犬
・歯石がつきやすい犬
・糖尿病などの持病がある犬
・硬いものを噛みにくくなった犬
・口臭が強くなってきた犬

小型犬では、若いうちから歯石や歯ぐきのトラブルが目立つことがあります。

シニア犬では、長年の歯垢や歯石が蓄積し、気づいた時には歯がぐらついていることもあります。

また、口を触られるのが苦手な犬は、歯みがきや口のチェックが難しく、異変に気づきにくいことがあります。

歯周病は、症状が出てから慌てるより、若いうちから慣らしておくことが大切です。


すぐ受診すべきサイン

次のようなサインがある場合は、早めに動物病院へ相談してください。

・口臭が急に強くなった
・歯ぐきが赤く腫れている
・歯ぐきから血が出る
・口を触ると嫌がる
・硬いものを食べにくそうにする
・食べ物を口から落とす
・片側だけで噛む
・よだれが増えた
・歯がぐらついている
・歯が抜けた
・顔やあごが腫れている
・目の下が腫れている
・口の中から膿のようなにおいがする
・食欲が落ちた
・元気がない
・くしゃみや鼻水が続く

特に、

・顔が腫れている
・歯がぐらついている
・食べられない
・出血が続く
・強い痛みがありそう
・歯が抜けた
・高齢犬で急に食欲が落ちた

場合は、様子見を長くしないでください。

口の中の病気は、見えない部分で進行していることがあります。

「歯石があるだけ」と思っても、歯ぐきの下では炎症や感染が進んでいることもあります。


検査と治療方法

歯周病の診断や治療では、口の中を見て終わりではありません。

歯ぐきの下や歯を支える骨の状態を確認するために、詳しい歯科検査が必要になることがあります。

主な検査

動物病院では、次のような確認を行います。

・問診
・口の中の視診
・歯ぐきの状態確認
・歯石の量の確認
・歯のぐらつきの確認
・歯周ポケットの確認
・歯科レントゲン
・血液検査
・麻酔前検査
・必要に応じた全身検査

歯周病は、表面から見ただけでは進行度が分かりにくいことがあります。

歯の根元や骨の状態を確認するために、歯科レントゲンが必要になることもあります。

また、歯科処置では麻酔が必要になることが多いため、年齢や持病に応じて麻酔前検査を行います。

治療方法

治療方法は、歯周病の進行度によって変わります。

主な治療には、

・歯石除去
・歯の表面のクリーニング
・歯ぐきの下の清掃
・歯周ポケットの処置
・歯科レントゲンによる確認
・ぐらついた歯の抜歯
・感染や痛みに対する治療
・自宅ケアの指導

などがあります。

軽い歯肉炎であれば、適切なクリーニングと自宅ケアで改善を目指せることがあります。

一方で、歯を支える組織が大きく失われている場合や、歯がぐらついている場合は、抜歯が必要になることもあります。

抜歯と聞くとかわいそうに感じるかもしれません。

しかし、強い炎症や痛みの原因になっている歯を残し続ける方が、犬にとって負担になることもあります。

治療方針は、犬の年齢、持病、歯の状態、痛みの程度を含めて、獣医師と相談しましょう。

無麻酔歯石取りについて

犬の歯石取りには、麻酔下で行う処置と、無麻酔で表面だけを取るものがあります。

見える部分の歯石を取ると、見た目はきれいになったように見えることがあります。

しかし、歯周病で重要なのは、歯ぐきの下の歯垢や炎症の確認です。

無麻酔で表面だけを削っても、歯ぐきの下の病気は残ることがあります。

また、犬が動く状態で器具を使うことにはリスクもあります。

歯周病の治療として考えるなら、動物病院で歯科検査と処置について相談することが大切です。


自宅でできること

歯周病の予防や再発対策では、自宅ケアが大切です。

ただし、すでに歯ぐきが腫れている、痛みがある、歯がぐらついている場合は、無理に歯みがきを始める前に動物病院で確認してください。

① 口を触る練習から始める

歯みがきが苦手な犬に、いきなり歯ブラシを入れるのは難しいことがあります。

まずは口の周りを触る練習から始めましょう。

・口元を1秒触る
・すぐにほめる
・唇を少しめくる
・またすぐにほめる
・できたら終わる

このように、短く終えることが大切です。

犬が嫌がる前に終わることで、「口を触られても大丈夫」と覚えやすくなります。

② 犬用歯みがきペーストに慣らす

人間用の歯みがき粉は使わないでください。

犬は歯みがき粉を吐き出せないため、犬用のものを使います。

最初は歯ブラシを使わず、犬用ペーストを少しなめさせるだけでもよいです。

味に慣れてから、指で歯の外側を軽く触る練習へ進めましょう。

③ 歯ブラシは少しずつ慣らす

歯ブラシを使う時も、最初から全部の歯を磨く必要はありません。

まずは前歯や犬歯の外側に軽く当てるだけでも十分です。

慣れてきたら、少しずつ奥歯へ進めます。

奥歯は歯石がつきやすい場所ですが、犬が嫌がりやすい場所でもあります。

焦らず、少しずつ慣らしましょう。

④ 毎日少しずつ続ける

歯垢は日々たまっていきます。

歯みがきは、たまに長時間行うより、短時間でも続けることが大切です。

ただし、完璧を目指しすぎると飼い主さんも犬も疲れてしまいます。

最初は1日数秒でも大丈夫です。

継続できる形を作りましょう。

⑤ 歯みがき以外のケアも組み合わせる

どうしても歯ブラシが難しい場合は、動物病院で相談しながら、歯みがきシート、デンタルガム、デンタルフード、口腔ケア用品などを組み合わせる方法もあります。

ただし、デンタル用品だけで歯周病が治るわけではありません。

歯ぐきの腫れや歯のぐらつきがある場合は、まず診察を受けましょう。


歯周病の時にやってはいけないこと

歯周病が疑われる時、自己判断で行うと悪化につながることがあります。

① 歯石を自分で無理に削る

家庭で硬い器具を使って歯石を削るのは危険です。

歯や歯ぐきを傷つけることがあります。

また、表面の歯石だけ取れても、歯ぐきの下の炎症は残ることがあります。

歯石が気になる場合は、動物病院で相談しましょう。

② 痛がるのに歯みがきを続ける

歯ぐきが腫れている、出血する、口を触ると怒る場合は、痛みがある可能性があります。

その状態で無理に歯みがきをすると、歯みがき嫌いが強くなることがあります。

まずは動物病院で口の状態を確認してもらいましょう。

③ 硬すぎるおやつで歯石を取ろうとする

硬い骨や硬すぎるおやつを噛ませると、歯が欠けることがあります。

「硬いものを噛めば歯がきれいになる」と考えすぎないことが大切です。

歯に負担がかかるほど硬いものは避けましょう。

④ 口臭を年齢のせいにして放置する

シニア犬で口臭が強くなると、年齢のせいと思われがちです。

しかし、強い口臭の背景には歯周病や口の中の感染があることがあります。

年齢のせいと決めつけず、口の中を確認してもらいましょう。

⑤ 食べているから大丈夫と判断する

犬は口が痛くても食べることがあります。

食べているから歯周病がない、痛みがないとは言い切れません。

食べ方、噛み方、食べるスピード、片側だけで噛む様子がないかを見てあげましょう。


再発予防と毎日の口腔ケア

歯周病は、治療後の再発予防も大切です。

動物病院で歯石除去をしても、その後のケアがなければ歯垢はまたたまります。

① 歯みがきを習慣にする

歯周病予防で基本になるのは、毎日の歯みがきです。

ただし、最初から完璧に磨こうとしなくて大丈夫です。

口を触る、唇をめくる、歯ブラシを当てる、数秒磨く。

このように段階を分けて慣らすことが大切です。

② 定期的に口の中をチェックする

日頃から口の中を見る習慣をつけましょう。

確認したいのは、

・口臭
・歯石
・歯ぐきの赤み
・出血
・歯のぐらつき
・食べ方
・よだれ
・口を触られる時の反応

です。

毎日じっくり見る必要はありませんが、少しずつ確認できるようにしておくと異変に気づきやすくなります。

③ 動物病院で定期チェックを受ける

自宅でのケアだけでは、歯ぐきの下の状態までは分かりません。

定期的に動物病院で口の中を見てもらい、必要に応じて歯科処置を相談しましょう。

特に小型犬、シニア犬、歯周病を経験した犬では、定期チェックが大切です。

④ 歯みがきが苦手な犬は慣らしから始める

歯みがきが苦手な犬に無理をさせると、口を触られること自体を嫌がるようになります。

まずは、口元を触るだけ、唇を少しめくるだけ、歯ブラシを見せるだけでも大丈夫です。

ごほうびを使いながら、短く楽しく終わることを意識しましょう。


食事やおやつとの関係

食事やおやつは、口の健康にも関係します。

ただし、食事だけで歯周病を完全に防げるわけではありません。

デンタルケア用おやつは補助として考える

デンタルガムやデンタルケア用のおやつは、補助として役立つことがあります。

ただし、噛むだけで歯周病が治るわけではありません。

また、硬すぎるものは歯が欠ける原因になることがあります。

犬の体格や歯の状態に合ったものを選びましょう。

食欲が落ちた時は口の痛みも考える

食欲が落ちた時、胃腸の問題だけでなく、口の痛みが関係していることがあります。

硬いフードだけ食べにくそうにする、食べ物を落とす、片側だけで噛む場合は、歯周病や歯の痛みも考えます。

フード選びだけに頼りすぎない

口の健康を考えてフードを見直すことは大切です。

しかし、歯周病対策はフードだけでは不十分です。

歯みがき、定期的な口腔チェック、動物病院での歯科ケアを組み合わせて考えましょう。


受診時に伝えるとよいこと

受診時には、次のことを伝えると診察がスムーズです。

・いつから口臭が気になるか
・歯石が気になり始めた時期
・歯ぐきの赤みや出血の有無
・食べ方の変化
・硬いものを嫌がるか
・食欲の変化
・よだれの量
・口を触られるのを嫌がるか
・歯みがき習慣の有無
・使っているデンタル用品
・食べているフード
・よく与えるおやつ
・持病や服用中の薬
・過去に歯科処置を受けたことがあるか

可能であれば、口臭や食べ方の変化に気づいた時期をメモしておくと役立ちます。

口の中を無理に開けて写真を撮ろうとすると、犬が嫌がることがあります。

痛みがありそうな場合は無理に触らず、そのまま受診してください。


よくある質問

Q. 犬の歯周病は自然に治りますか?

軽い歯肉炎の段階であれば、適切なケアや治療で改善を目指せることがあります。

ただし、歯周炎まで進行して歯を支える組織が壊れている場合、自然に元通りになることは難しいです。

口臭、歯ぐきの腫れ、出血、歯のぐらつきがある場合は、動物病院へ相談してください。

Q. 口臭があるだけでも受診した方がいいですか?

強い口臭が続く場合は、一度確認してもらうと安心です。

歯周病、歯石、口内炎、腫瘍、内臓の病気など、原因はさまざまです。

特に食べ方の変化や歯ぐきの赤みがある場合は早めに相談しましょう。

Q. 歯石は家で取ってもいいですか?

おすすめできません。

硬い器具で歯石を削ると、歯や歯ぐきを傷つけることがあります。

また、見える部分だけを取っても、歯ぐきの下の炎症は残ることがあります。

歯石が気になる場合は、動物病院で歯科処置について相談しましょう。

Q. 歯みがきを嫌がる犬はどうすればいいですか?

いきなり歯ブラシを入れず、口元を触る練習から始めましょう。

唇を少し触る、すぐにほめる、犬用ペーストをなめさせる、歯ブラシを見せるだけというように、段階を分けます。

すでに痛みがある場合は、先に診察を受けてください。

Q. シニア犬でも歯科治療はできますか?

シニア犬でも、状態によっては歯科治療が検討されます。

ただし、麻酔が必要になることが多いため、血液検査などで全身状態を確認しながら判断します。

年齢だけで諦めず、犬の状態に合わせて獣医師と相談しましょう。


まとめ|犬の歯周病は「口臭だけ」と軽く見ないことが大切

犬の歯周病は、歯ぐきや歯を支える組織に炎症が起こる病気です。

主な症状は、

・口臭
・歯石
・歯ぐきの赤み
・歯ぐきの腫れ
・出血
・よだれ
・食べ方の変化
・歯のぐらつき
・食欲不振
・顔やあごの腫れ

などです。

原因には、

・歯垢や歯石の蓄積
・歯みがき不足
・小型犬や短頭種の口の構造
・加齢
・歯並び
・持病や体質

などがあります。

特に、

・口臭が急に強くなった
・歯ぐきから血が出る
・歯がぐらつく
・硬いものを食べにくそう
・顔やあごが腫れている
・食欲が落ちている

場合は、早めに動物病院へ相談してください。

歯周病は、進行すると痛みや歯の喪失につながることがあります。

また、口の中の炎症は、犬の生活の質にも大きく関わります。

予防では、毎日の歯みがき、口を触る練習、定期的な動物病院でのチェックが大切です。

歯みがきが苦手な犬でも、口元を触る練習から少しずつ始めれば、ケアの第一歩になります。


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