
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、真っ白な被毛、ピンと立った小さな耳、黒い鼻と目が印象的なイギリス原産の小型テリアです。
長い犬種名から「ウエスティ」の愛称で呼ばれることも多く、ぬいぐるみのようなかわいらしい外見で世界中から親しまれています。
しかし、その見た目だけから「おとなしい小型の愛玩犬」と考えると、実際の性格とのギャップを感じるかもしれません。
ジャパンケネルクラブ(JKC)では、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの用途を「テリア」としています。
性格についても、小さく活動的で勇敢、自尊心が高く、いたずらっ子で、鋭敏かつ陽気、独立心が強い一方で友好的な犬種とされています。
つまり、体は小さくても「自分で考えて動くテリアらしさ」をしっかり持った犬種です。
散歩中に気になるにおいを夢中で追ったり、小動物へ反応したり、庭や土を掘ったり、気になる物音へ吠えたりする犬もいます。
一方で、人との遊びやトレーニングを楽しみ、家族へ愛情深く接する犬も多く、十分な運動と刺激を用意できれば家庭犬として魅力的なパートナーになります。
健康面では、特に皮膚の状態を日常的に確認したい犬種です。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは犬アトピー性皮膚炎への犬種素因が知られており、足先をなめる、耳をかく、顔をこする、お腹や脇が赤いといった変化を繰り返す犬では注意が必要です。
また、犬種クラブでは繁殖犬の健康確認として膝蓋骨、股関節、眼科、頭蓋下顎骨症(CMO)に関する評価が推奨されています。
ドライアイ、レッグ・カルベ・ペルテス病、アジソン病なども犬種で知られている健康問題です。
「ウエスティは皮膚が弱い犬種だから、かゆがっていても仕方ない」と考えないことが重要です。強いかゆみや赤み、耳の炎症を繰り返す場合は、原因を確認し、その犬に合った治療や皮膚管理を行う必要があります。
この記事では、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの性格、飼いやすさ、大きさ、寿命、運動量、抜け毛、留守番、しつけ、注意したい病気、食事、子犬期・シニア期まで詳しく解説します。

- 1. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの基本情報
- 2. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの性格
- 3. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの飼いやすさ
- 4. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは初心者でも飼いやすい?
- 5. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの大きさ・体重
- 6. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの平均寿命
- 7. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアに必要な運動量
- 8. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの抜け毛・お手入れ
- 9. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは留守番しやすい?
- 10. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのしつけのしやすさ
- 11. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの無駄吠え・噛み癖などの注意点
- 12. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアがなりやすい病気・注意したい健康問題
- 13. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの食事・ドッグフード選び
- 14. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの子犬期の注意点
- 15. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのシニア期の注意点
- 16. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアが向いている人
- 17. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのよくある質問
- まとめ|ウエスティは陽気で勇敢な小型テリア、皮膚・関節・目の健康管理も大切
- 【最新版】私がおすすめする犬用品10選
1. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの基本情報
| 犬種名 | ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア |
|---|---|
| 英名 | West Highland White Terrier |
| 愛称 | ウエスティ(Westie) |
| 原産国 | イギリス |
| 用途(JKC) | テリア |
| サイズ分類 | 小型犬 |
| 体高 | 約28cm |
| 体重 | 約7~9kg程度がひとつの目安 |
| 平均寿命 | 13~15年程度がひとつの目安 |
| 運動量 | 中程度。毎日の散歩と遊び、頭を使う活動が必要 |
| 被毛 | 硬い上毛と柔らかい下毛を持つダブルコート |
| 毛色 | ホワイト |
| 抜け毛 | 少なめ~中程度だが、ブラッシングは必要 |
| トリミング | 定期的な被毛の整えが必要 |
| 留守番 | 練習次第。退屈対策も重要 |
| しつけやすさ | 賢いが独立心があり、一貫したトレーニングが必要 |
| 初心者向き | テリアの性質・皮膚管理・トリミングを理解できる人なら候補 |
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、スコットランド地方で発展した小型のテリアです。
JKCによると、ケアーン・テリアから生まれる白い犬に注目し、白いテリアを増やしていったことが犬種の成立へ大きく影響したとされています。
長い間ケアーン・テリアとの交配も認められていましたが、その後は別犬種として確立されました。
元来のテリアは、地中や岩場へ入り、小動物を追う仕事をするため、体が小さくても勇敢さ、敏捷性、粘り強さが求められました。
現在のウエスティにもその気質が残っており、単に抱かれて過ごすだけではなく、散歩、におい嗅ぎ、遊び、トレーニングなどで心身を使うことが大切です。
JKCで定められる体高は約28cmです。
小型犬ではありますが、華奢というより、コンパクトな体にしっかりした骨格と筋肉を持つ力強い犬です。
2. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの性格
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、明るく自信があり、好奇心旺盛な犬が多い犬種です。
- 陽気で遊び好き
- 勇敢で物おじしにくい
- 好奇心が強い
- 周囲への反応が速い
- 独立心がある
- 家族へ愛情を向けやすい
- 自分で考えて行動する一面がある
- テリアらしい粘り強さがある
家族と一緒に遊ぶことを楽しむ一方、自分が気になったものを追いかけたり、夢中でにおいを嗅いだりすることもあります。
「おいで」と呼んでも、地面のにおいや動く物の方へ意識が向いてしまう犬もいるため、屋外ではリード管理が重要です。
特に小動物を追う本能が強い犬では、鳥、猫、野生動物などへ急に反応する可能性があります。
犬種の性格はあくまで傾向であり、すべてのウエスティが同じ性格ではありません。
子犬期の社会化、親犬から受け継いだ気質、生活環境、飼い主さんとの経験などによって個体差があります。
3. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの飼いやすさ
ウエスティは体がコンパクトで、住宅環境には比較的合わせやすい犬種です。
十分な散歩と遊びができれば、広い庭が必須という犬種ではありません。
しかし、小型犬だから飼育に手間がかからないわけではありません。
- 毎日の散歩が必要
- におい嗅ぎなど頭を使う活動が必要
- 退屈すると吠えや穴掘りにつながる犬もいる
- テリアの追跡本能へ配慮する
- 定期的なブラッシングが必要
- トリミングや被毛を整えるケアが必要
- 皮膚と耳を日常的に確認する
- 歯磨きを習慣にする
特に重要なのが皮膚管理です。
ウエスティで体をかく、足をなめる、耳をかゆがる状態が続く場合、「犬種だから仕方ない」で済ませず原因を確認しましょう。
アレルギーだけでなく、細菌やマラセチア、寄生虫、外耳炎などが二次的に重なり、かゆみが強くなる場合もあります。
4. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは初心者でも飼いやすい?
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、犬とのトレーニングやコミュニケーションを楽しめる人なら、初めて犬を飼う場合にも候補になります。
賢く、人と遊ぶことを好む犬も多いため、報酬を使ったトレーニングには取り組みやすいでしょう。
一方、「初心者でも飼える」と「何もしなくても飼いやすい」は違います。
- 毎日散歩ができる
- 遊びやノーズワークの時間を作れる
- 吠えを大声で叱るだけにしない
- 追いかけ行動を管理できる
- 被毛のお手入れを続けられる
- 皮膚と耳を確認できる
- 定期的にトリミングへ連れて行ける
- 必要な時に動物病院へ相談できる
こうしたことができる家庭なら、活発で陽気なウエスティとの生活を楽しみやすいでしょう。
反対に、「小型犬なので散歩はほとんどしなくていい」「家では静かに寝ていてほしい」という人とは、期待する暮らし方が合わない可能性があります。
5. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの大きさ・体重

JKCで示されるウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの体高は約28cmです。
体重は約7~9kg程度の犬がひとつの目安ですが、性別、骨格、筋肉量によって個体差があります。
ウエスティは小型犬ですが、体つきは比較的しっかりしています。
そのため、がっしり見えることと肥満を混同しないようにしましょう。
- 肋骨が軽く触れるか
- 上から見て腰のくびれがあるか
- 横から見て腹部が適度に引き締まっているか
- 以前より急に体重が増えていないか
体重が増えすぎると膝や股関節への負担が増え、運動量も低下しやすくなります。
一方で、急激な体重減少も健康問題のサインになるため、数字だけではなく体型の変化を確認してください。
6. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの平均寿命
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの平均寿命は、13~15年程度がひとつの目安です。
小型犬の中でも比較的長く一緒に暮らせる可能性がある犬種ですが、平均寿命は愛犬が何歳まで生きるかを保証する数字ではありません。
遺伝的な体質、皮膚疾患、関節、目、内分泌疾患、歯の状態、体重、生活環境などによって個体差があります。
若い頃は皮膚や耳のトラブルが目立ち、年齢を重ねるとそれに加えて心臓、腎臓、腫瘍、関節、歯など一般的なシニア犬の健康問題も増えてきます。
定期健診を受けるだけでなく、日常生活で「以前と何が変わったか」を把握することも重要です。
- 体重
- 食欲
- 飲水量
- 排尿・排便
- 散歩時間
- 呼吸
- 皮膚のかゆみ
- 歩き方
これらを普段から見ておくと、小さな変化にも気づきやすくなります。
7. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアに必要な運動量

ウエスティは小型犬ですが、活動的なテリアです。
健康な成犬では、毎日の散歩を基本として、室内遊び、におい嗅ぎ、短いトレーニングなどを組み合わせます。
- 毎日の散歩
- 十分ににおいを嗅ぐ時間
- ボールやおもちゃを使った遊び
- ノーズワーク
- フードを探すゲーム
- 短時間の服従トレーニング
単純に速く歩くだけではなく、ウエスティの好奇心を満たす活動を取り入れることがポイントです。
散歩中に安全な範囲で地面のにおいを嗅ぐことも、犬にとっては大切な刺激になります。
ノーリードでの追跡に注意する
テリアは小動物を追うために発達した背景を持っています。
普段は呼び戻しができる犬でも、鳥や猫などが急に走った瞬間に追跡スイッチが入ることがあります。
囲われていない場所ではリードを使用し、伸縮リードを使う場合も道路や人の多い場所では距離を短く管理しましょう。
穴掘りもテリアらしい行動のひとつ
庭や砂地を掘る犬もいます。
穴掘りそのものは犬にとって自然な行動なので、叱るだけではなく、掘ってよい場所を用意する方法もあります。
ただし、脱走につながるフェンス際や植物を食べる危険がある場所では管理してください。
8. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの抜け毛・お手入れ
ウエスティは、硬い上毛と柔らかい下毛からなるダブルコートを持っています。
抜け毛が全くない犬種ではありませんが、大量に抜け続けるタイプではありません。
ただし、きれいな白い被毛と皮膚の状態を維持するためには定期的なお手入れが必要です。
- 週に数回を目安にブラッシングする
- 毛玉やもつれを確認する
- 皮膚の赤みを確認する
- 足先や指の間を確認する
- 耳の赤み・におい・耳垢を確認する
- 爪を伸ばしすぎない
- 歯磨きを習慣にする
家庭犬では定期的にトリミングサロンで被毛を整えるケースが多く、ショーコートなどでは硬い被毛の質を維持するためストリッピングという方法が行われることもあります。
愛犬の生活スタイルに合わせ、ブリーダーやトリマーと相談して管理方法を決めるとよいでしょう。
白い毛を保つために洗いすぎない
白い犬では、汚れや着色が気になって頻繁にシャンプーしたくなることがあります。
しかし、皮膚にかゆみや炎症がある犬を自己判断で何度も洗うと、刺激になって状態が悪化する場合があります。
薬用シャンプーが必要な犬もいますが、製品や洗う頻度は皮膚の状態によって異なります。
強いかゆみや赤みを繰り返す場合は、先に動物病院で原因を確認しましょう。
・犬の皮膚のトラブルとは?赤み・かゆみ・脱毛・フケで注意したい原因を解説
・犬がトリミングサロンを嫌がる時の慣らし方|震える・逃げる・噛む犬への7段階
9. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは留守番しやすい?
ウエスティは、一人で過ごすことを練習すれば留守番できる犬も多いですが、退屈への対策が必要です。
家族が大好きな犬でも、常に人と一緒にいる生活だけを続けると、急に一人になった時に不安を感じることがあります。
- 同じ部屋でも一人で休ませる
- 飼い主さんが短時間別室へ移動する
- 短い外出から練習する
- 落ち着けるベッドやクレートを用意する
- 留守番前に適度な散歩をする
また、運動不足や刺激不足がある犬では、留守番中の吠え、物を壊す、掘るような動作などにつながることがあります。
ただし、長時間吠え続ける、大量によだれが出る、ドアを壊そうとするなど強い不安がある場合は、単なる退屈だけとは限りません。
犬がパニックになるまで一人にする練習は避け、必要なら専門家へ相談してください。
・犬の留守番のしつけ方とは?ひとりで待てない時の練習方法を解説
10. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのしつけのしやすさ
ウエスティは賢く、学習能力のある犬種です。
一方で独立心もあり、人の指示を待つだけではなく自分で判断して行動する傾向があります。
そのため、「賢い=何でもすぐ言うことを聞く」と考えないことが大切です。
- 名前を呼んだら飼い主さんを見る
- おすわり
- 待て
- おいで
- ハウス
- トイレ
- リードを緩めて歩く
- 拾い食いを防ぐ
- 興奮しても飼い主さんへ意識を戻す
- ブラシや足拭きを受け入れる
おやつ、遊び、におい嗅ぎなど、その犬が好きなものを報酬として利用します。
一度に長時間繰り返すより、数分程度の練習をこまめに行う方が集中しやすいでしょう。
追いかけたい物が多いウエスティでは、室内で「おいで」を十分に練習し、次に静かな屋外へ段階的に広げていく方法がおすすめです。
11. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの無駄吠え・噛み癖などの注意点
ウエスティは周囲への反応が速く、物音や動くものへ吠える犬もいます。
- インターホン
- 玄関前の足音
- 窓から見える人や犬
- 外で動く小動物
- 遊んでほしい時
- 退屈している時
- 興奮した時
吠えた時に毎回大声で叱るだけでは、犬自身の警戒や興奮がさらに高まることがあります。
窓の外へ反応する犬なら視界を調整し、インターホンへ反応するなら小さな音量から練習するなど、原因に合わせて対応しましょう。
吠える代わりに、飼い主さんを見る、マットへ行く、ハウスへ入るなど別の行動を教えることも有効です。
子犬では甘噛みもあります。
興奮して手や服を噛む場合は、噛んでよいおもちゃへ誘導し、疲れすぎる前に休憩させます。
成犬が急に触られることを嫌がったり噛むようになった場合は、皮膚、耳、口、目、背中、関節などの痛みも確認してください。
12. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアがなりやすい病気・注意したい健康問題

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアを迎えるなら、皮膚、目、膝、股関節、若齢期に起こる骨の病気など、犬種で知られている健康問題について知っておくことが大切です。
米国のナショナルブリードクラブが推奨する繁殖犬の健康確認には、膝蓋骨評価、股関節評価、眼科専門医による評価、頭蓋下顎骨症(CMO)に関する評価が含まれています。
ただし、以下の病気がすべてのウエスティに発症するわけではありません。
犬種の健康リスクを知る目的は、愛犬を病気だと決めつけることではなく、異常の早期発見や子犬を迎える際の健康確認へ役立てることです。
犬アトピー性皮膚炎・アレルギー性皮膚疾患
ウエスティで特に知っておきたい健康問題のひとつが、皮膚のかゆみです。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、犬アトピー性皮膚炎への犬種素因が知られています。
- 足先を繰り返しなめる
- 耳をかく
- 頭を振る
- 顔を床へこすりつける
- 脇やお腹が赤い
- 指の間が赤い
- 皮膚をかき壊す
- 皮膚や耳が臭う
犬アトピー性皮膚炎では環境中のアレルゲンなどに対する反応が関係しますが、症状だけでアトピー性皮膚炎と診断することはできません。
ノミ、食物反応、細菌感染、マラセチア、寄生虫など、ほかの原因も確認する必要があります。
慢性的な皮膚病では、原因がひとつだけではなく、アレルギーに二次感染などが重なっていることもあります。
人間用のかゆみ止めやステロイド軟膏を自己判断で使用せず、繰り返す場合は動物病院で相談してください。
・犬の皮膚のトラブルとは?赤み・かゆみ・脱毛・フケで注意したい原因を解説
・犬の肉球が赤い原因とは?炎症・やけど・足先をなめる時の受診目安を解説
・犬の耳がかゆい原因とは?耳をかく・頭を振る時の外耳炎やアレルギーの受診目安を解説
膝蓋骨脱臼(パテラ)
膝蓋骨脱臼は、膝のお皿にあたる膝蓋骨が正常な位置からずれる病気です。
ウエスティでは膝蓋骨評価が繁殖犬の推奨健康検査に含まれています。
- 歩いている途中で突然後ろ足を上げる
- スキップするように歩く
- 数歩だけ3本足になる
- ジャンプを嫌がる
- 階段をためらう
軽度ではほとんど症状がない犬もいますが、脱臼を繰り返すと関節炎や痛みにつながる場合があります。
滑りやすい床にはマットなどを敷き、適正体重を維持します。
ただし、床対策や体重管理だけで脱臼そのものが治るわけではありません。
・犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)とは?スキップ歩行・グレード別症状と手術、受診目安を解説
レッグ・カルベ・ペルテス病
レッグ・カルベ・ペルテス病は、大腿骨頭への血流が障害され、股関節を構成する骨が壊死・変形する病気です。
ウエスティを含む小型犬で知られており、比較的若い犬で症状が現れることがあります。
- 後ろ足をかばう
- 歩く時に痛がる
- 走らなくなる
- ジャンプを嫌がる
- 患側の後ろ足の筋肉が細くなる
子犬や若い犬が長期間後ろ足をかばう場合、「成長期だから」と長く様子を見ないようにしましょう。
膝蓋骨脱臼など別の整形外科疾患でも似た歩き方をするため、診察と必要な画像検査で原因を確認します。
頭蓋下顎骨症(CMO)
頭蓋下顎骨症は、成長期の犬で下顎骨や耳の周囲などの骨が異常に増殖する病気です。
Craniomandibular Osteopathyの頭文字から「CMO」と呼ばれます。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアで特に知っておきたい若齢期の疾患で、犬種クラブの健康確認項目にも含まれています。
- 口を開けると痛がる
- 硬いものを食べたがらない
- 食欲が落ちる
- よだれが増える
- 顎の周辺が腫れて見える
- 発熱する
- 体重が減る
症状は生後数か月の成長期に現れることがあります。
子犬が急にドライフードを食べなくなった時に、好き嫌いだけと判断しないことが重要です。
口を開けると痛がる、顎を触られるのを嫌がる、発熱などがある場合は受診してください。
乾性角結膜炎(ドライアイ・KCS)
ウエスティでは乾性角結膜炎(KCS・ドライアイ)も犬種クラブの健康調査などで確認されている眼科疾患です。
KCSでは涙の量や涙液膜の状態が十分でなくなり、角膜と結膜へ慢性的な炎症が起こります。
- 粘り気のある目やに
- 目やにが何度拭いてもたまる
- 白目が赤い
- 目をしょぼしょぼする
- 前足で目をこする
- 目の表面のつやが少ない
放置すると角膜潰瘍や色素沈着などにつながる場合があります。
目やにだけを拭き続けて長期間様子を見ず、症状が続く場合は涙の量などを検査してもらいましょう。
・犬の乾性角結膜炎(ドライアイ・KCS)とは?目やに・充血・目の乾燥の症状と治療を解説
アジソン病
アジソン病は副腎皮質機能低下症とも呼ばれ、副腎から分泌されるホルモンが不足する病気です。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、アジソン病で注意したい犬種のひとつとして知られています。
- 元気がない
- 食欲が落ちる
- 嘔吐する
- 下痢をする
- 体重が減る
- 震える
- 症状が良くなったり悪くなったりする
症状だけでは胃腸炎などほかの病気と区別しにくいことがあります。
突然ぐったりして立てない、何度も吐く、激しい下痢、震え、意識が弱い、倒れる場合はアジソンクリーゼを含む緊急状態の可能性があります。すぐに動物病院へ連絡してください。
・犬のアジソン病とは?嘔吐・下痢・ぐったりする症状とアジソンクリーゼを解説
肺線維症など呼吸器の問題
ウエスティでは肺線維症も犬種クラブの健康情報で挙げられる健康問題です。
肺線維症では肺の組織が変化し、酸素を取り込みにくくなることで、慢性的な呼吸の変化が現れる場合があります。
- 以前より呼吸が速い
- 運動するとすぐ疲れる
- 散歩距離が短くなった
- 咳をする
- 呼吸が苦しそう
これらの症状は心臓病や気道疾患などでも起こるため、症状だけで肺線維症と判断することはできません。
安静時でも呼吸が苦しい、舌や歯ぐきの色がおかしい、倒れる場合は緊急です。
13. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの食事・ドッグフード選び

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアだから必ず犬種専用ドッグフードを選ぶ必要はありません。
年齢、体重、活動量、避妊・去勢、持病などに合った総合栄養食を基本にします。
適正体重を維持する
小型犬でも食べ過ぎれば肥満になります。
ウエスティは食べることが好きな犬も多く、トレーニングでおやつを頻繁に使う場合には総摂取量へ注意します。
- フードを毎回計量する
- おやつも一日の摂取量に含める
- 定期的に体重を測る
- 肋骨と腰のくびれを確認する
トレーニングでは一粒のおやつを小さくしたり、普段のフードの一部を報酬に使ったりすると管理しやすくなります。
皮膚がかゆいからとフードを何度も変更しない
ウエスティがかゆがると、「食物アレルギーでは?」と考えてフードを変えたくなるかもしれません。
しかし、犬のかゆみは食事だけが原因とは限りません。
環境アレルギー、ノミ、細菌、マラセチア、外耳炎などでも似た症状が見られます。
短期間で何種類もフードを変更すると、原因を評価しにくくなるだけでなく、下痢など消化器症状につながることもあります。
食物反応を調べる除去食試験などが必要な場合は、獣医師と相談しながら行いましょう。
療法食やサプリメントは病気に合わせる
皮膚が弱そうだからという理由だけで、自己判断で療法食へ変更する必要はありません。
療法食は病気や目的に合わせて設計されているため、必要な場合は診断や検査結果をもとに獣医師と相談して選びます。
サプリメントも「ウエスティなら必ず必要」というものではありません。
14. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアの子犬期の注意点

ウエスティの子犬期では、社会化、基本的なしつけ、お手入れへ慣れる練習を早い段階から行います。
- ブラッシングへ慣らす
- 足先を触られることへ慣らす
- 耳を見られることへ慣らす
- 口や歯を触られることへ慣らす
- 爪切りへ慣らす
- トリミング台に近い環境へ慣らす
- ハーネスやリードへ慣らす
- 人・犬・生活音を安全に経験する
嫌がるまで長時間押さえつけるのではなく、一瞬触る、褒める、おやつを与えるという短い練習から始めましょう。
皮膚と耳を確認する習慣を作る
子犬の頃からブラッシング時に皮膚、足先、耳を確認しておくと、将来の変化に気づきやすくなります。
- 皮膚が赤くないか
- 足先をなめ続けていないか
- 耳を何度もかいていないか
- 耳から強いにおいがしないか
- 脱毛していないか
若い犬でかゆみが始まる場合もあるため、繰り返す症状を長期間放置しないことが大切です。
顎を痛がる場合はCMOにも注意する
頭蓋下顎骨症は成長期に発症する病気です。
子犬が急に食べ物を噛みにくそうにする、口を開けると痛がる、よだれが増える、顎の周囲が腫れている場合は相談してください。
「歯が生え変わる時期だから」と自己判断で長期間待つことが適切とは限りません。
親犬の健康検査も確認する
子犬を迎える場合は、親犬がどのような健康確認を受けているかブリーダーへ聞いてみましょう。
- 膝蓋骨評価
- 股関節評価
- 眼科検査
- CMOに関する健康情報
- 血統内で繰り返している病気の有無
検査を受けているから子犬が絶対に病気にならないという意味ではありません。
しかし、犬種の健康問題へ配慮して繁殖しているかを判断する重要な材料になります。
15. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのシニア期の注意点
ウエスティが年齢を重ねたら、若い頃からの皮膚や関節の状態に加え、一般的な高齢犬の病気にも注意します。
- 以前より散歩が遅くなった
- 足をかばう
- 階段を嫌がる
- 呼吸が速くなった
- 咳が増えた
- 体重が減った
- 水を飲む量が変わった
- 目やにが増えた
- 目をしょぼしょぼする
- 皮膚炎を繰り返す
- 口臭が強くなった
シニア犬が歩かなくなった時に、「年だから」とだけ考えないことが重要です。
関節痛、心臓や肺の病気、内分泌疾患、貧血などが関係している可能性もあります。
以前と比べて何が変わったのかを確認し、歩き方や呼吸がおかしい場合は安全な範囲で動画を撮っておくと診察時の参考になります。
健康で歩けるシニア犬では、年齢だけを理由に散歩を完全にやめる必要はありません。
距離や速度を調整しながら、無理のない運動を続けて筋肉と生活リズムを維持しましょう。
16. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアが向いている人
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは次のような人と相性を作りやすい犬種です。
- 明るく活発な小型犬と暮らしたい人
- テリアらしい性格を楽しめる人
- 毎日散歩へ行ける人
- 犬との遊びやトレーニングが好きな人
- ノーズワークなど頭を使う活動を取り入れられる人
- ブラッシングを続けられる人
- 定期的なトリミングができる人
- 皮膚や耳を日常的に確認できる人
- 必要な時に動物病院へ相談できる人
小さな体でも存在感があり、一緒に遊んだり、散歩したり、犬とのコミュニケーションを楽しみたい人には魅力的な犬種です。
反対に、散歩へほとんど行けない人や、犬が吠えたり地面を掘ったりする行動を一切受け入れられない人には向きにくい場合があります。
また、真っ白な見た目だけで選び、被毛や皮膚の管理に時間をかけたくない場合も慎重に考えた方がよいでしょう。
ウエスティの魅力は、かわいい外見だけではなく、自信に満ちたテリアらしい性格にあります。
17. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアのよくある質問
Q. ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは初心者でも飼いやすいですか?
初心者にも候補になりますが、独立心のあるテリアなので、毎日の散歩、しつけ、被毛・皮膚管理が必要です。小型犬だから簡単と考えず、犬種の性質を理解して迎えましょう。
Q. ウエスティは何kgくらいですか?
約7~9kg程度がひとつの目安です。体格には個体差があるため、数字だけではなく肋骨や腰のくびれを確認し、その犬に合った体型を維持してください。
Q. ウエスティの寿命はどのくらいですか?
13~15年程度がひとつの目安です。ただし実際の寿命は遺伝、病気、体重、生活環境などによって異なります。
Q. ウエスティは散歩が必要ですか?
必要です。小型犬ですが活動的なテリアなので、毎日の散歩と遊びを行いましょう。単に距離を歩くだけでなく、におい嗅ぎやノーズワークなど頭を使う活動もおすすめです。
Q. ウエスティは吠えますか?
周囲の物音や人、小動物などへ反応して吠える犬はいます。退屈や運動不足で吠えが増える場合もあるため、運動と環境調整、吠える代わりの行動を教えることが重要です。
Q. ウエスティは毛が抜けますか?
抜け毛はありますが、大量に抜け続けるタイプではありません。定期的にブラッシングし、皮膚や毛玉も一緒に確認してください。
Q. ウエスティはトリミングが必要ですか?
被毛をきれいに保つため定期的に整える必要があります。家庭犬ではトリミングサロンで整えることが多く、被毛管理の方法は生活スタイルによって異なります。
Q. ウエスティが足をずっとなめています
アレルギー、皮膚炎、細菌やマラセチア、異物などさまざまな原因が考えられます。赤み、腫れ、におい、脱毛がある場合や、なめ続ける場合は動物病院へ相談してください。
Q. ウエスティは皮膚病になりやすいですか?
犬アトピー性皮膚炎への犬種素因が知られています。ただし、すべてのウエスティが皮膚病になるわけではありません。かゆみが続く場合は原因を確認することが大切です。
Q. 子犬が口を開けると痛がります
歯や口腔内の問題だけでなく、ウエスティの成長期では頭蓋下顎骨症(CMO)も確認したい病気です。食べにくい、顎が腫れる、発熱するなどの変化があれば受診してください。
Q. ウエスティが後ろ足を時々上げます
膝蓋骨脱臼で見られることがある歩き方ですが、レッグ・カルベ・ペルテス病、靭帯、足先のケガなど別の原因もあります。繰り返す場合は診察を受けましょう。
Q. ウエスティは留守番できますか?
個体差がありますが、短時間から練習すれば落ち着いて留守番できる犬もいます。活発な犬種なので、留守番前の適度な散歩と退屈しにくい環境作りも重要です。
Q. ウエスティで特に注意したい病気は?
犬アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患、膝蓋骨脱臼、レッグ・カルベ・ペルテス病、頭蓋下顎骨症(CMO)、乾性角結膜炎(KCS)、アジソン病、肺線維症などについて知っておくとよいでしょう。すべてのウエスティに発症するわけではありません。
まとめ|ウエスティは陽気で勇敢な小型テリア、皮膚・関節・目の健康管理も大切

ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、真っ白な被毛と立った耳、黒い目と鼻が特徴的なイギリス原産の小型犬です。
「ウエスティ」の愛称で親しまれていますが、そのかわいらしい外見の中には、勇敢で好奇心旺盛なテリアらしい性格があります。
JKCでは用途を「テリア」とし、活動的で勇敢、鋭敏で陽気、独立心が強い一方で友好的な犬種としています。
小型犬だから室内だけで十分と考えず、毎日の散歩、におい嗅ぎ、遊び、トレーニングなどを通して心と体を使わせましょう。
小動物を追う本能が出る犬もいるため、屋外では安全なリード管理も重要です。
被毛は定期的なブラッシングとトリミングを行い、その際に皮膚、足先、耳も一緒に確認します。
特にウエスティでは犬アトピー性皮膚炎への犬種素因が知られています。
足先をなめる、耳をかく、顔をこする、脇やお腹が赤い、皮膚や耳が臭うといった変化を繰り返す場合は、「ウエスティだから皮膚が弱い」で済ませないでください。
アレルギーだけでなく、細菌、マラセチア、ノミなど複数の原因が関係している可能性があります。
また、繁殖犬では膝蓋骨、股関節、眼科、頭蓋下顎骨症(CMO)に関する健康確認が推奨されています。
子犬期に口を開けると痛がる、食べにくそうにする場合はCMOも確認したい健康問題です。
後ろ足を上げる、スキップするように歩く場合は、膝蓋骨脱臼だけでなく股関節などほかの問題も考えて診察を受けましょう。
ドライアイでは粘り気のある目やに、充血、目をしょぼしょぼする症状などが見られるため、慢性的な目やにを放置しないことも大切です。
食事は年齢と活動量に合った総合栄養食を基本にし、体重を増やしすぎないようフードとおやつを計量します。
皮膚がかゆいからと自己判断でフードを次々変更するのではなく、必要なら獣医師と相談しながら原因を整理してください。
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリアは、小さな体にテリアらしい勇気、自信、好奇心を詰め込んだ魅力的な犬種です。かわいい白い外見だけでなく、毎日の運動、しつけ、被毛のお手入れ、皮膚・関節・目などの健康管理まで理解することが、ウエスティと長く楽しく暮らすための大切なポイントです。


