
チャイニーズ・クレステッド・ドッグは、ほとんど被毛のない「ヘアレス」と、全身を柔らかな長毛で覆われた「パウダー・パフ」という、見た目が大きく異なる2つのバラエティーを持つ小型犬です。
ヘアレスでは頭部の冠毛(クレスト)、足先のソックス、尾のプルームが特徴で、滑らかな皮膚とのコントラストが非常に印象的です。
一方、パウダー・パフは全身が柔らかなベールのような被毛に覆われ、同じ犬種とは思えないほど外見が異なります。
ジャパンケネルクラブ(JKC)では、チャイニーズ・クレステッド・ドッグの用途を「コンパニオン・ドッグ」としています。
性格は「明るく、決して攻撃的ではない」とされ、人との距離が近く、家族とのコミュニケーションを楽しみやすい犬種です。
体が小さく、必要な運動量も極端に多くないため、マンションなどの室内生活にも比較的適応しやすいでしょう。
ただし、「毛がないからお手入れが簡単な犬」と考えるのはおすすめできません。
ヘアレスでは被毛の代わりに皮膚そのものを守る必要があり、強い日差し、寒さ、乾燥、毛穴の詰まりなどへのケアが必要です。
パウダー・パフでは、長く柔らかな被毛が絡まないよう、定期的なブラッシングが欠かせません。
また、チャイニーズ・クレステッド・ドッグでは歯の健康管理も重要です。特にヘアレスでは歯の欠損などが見られる犬もいるため、子犬期から口の中を確認し、歯磨きへ慣らしておきたい犬種です。
健康面では、原発性水晶体脱臼(PLL)、進行性網膜萎縮(PRA)などの遺伝性眼疾患、膝蓋骨脱臼、レッグ・カルベ・ペルテス病などにも注意します。
アメリカのナショナルブリードクラブによる健康活動でも、眼科、膝蓋骨、心臓の評価に加え、PLLやPRAに関連する遺伝子検査が重視されています。
特に目が突然赤くなる、白・青っぽく濁る、強く痛がる、片目を閉じる、急に見えにくそうになる場合は、「犬種によくある目の病気だから」と様子を見続けないことが重要です。水晶体が前方へ脱臼した場合など、急いで治療が必要な眼科疾患もあります。
この記事では、チャイニーズ・クレステッド・ドッグの性格、飼いやすさ、大きさ、寿命、運動量、抜け毛、お手入れ、留守番、しつけ、注意したい病気、食事、子犬期・シニア期まで詳しく解説します。

- 1. チャイニーズ・クレステッド・ドッグの基本情報
- 2. チャイニーズ・クレステッド・ドッグの性格
- 3. チャイニーズ・クレステッド・ドッグの飼いやすさ
- 4. チャイニーズ・クレステッド・ドッグは初心者でも飼いやすい?
- 5. チャイニーズ・クレステッド・ドッグの大きさ・体重
- 6. チャイニーズ・クレステッド・ドッグの平均寿命
- 7. チャイニーズ・クレステッド・ドッグに必要な運動量
- 8. チャイニーズ・クレステッド・ドッグの抜け毛・お手入れ
- 9. チャイニーズ・クレステッド・ドッグは留守番しやすい?
- 10. チャイニーズ・クレステッド・ドッグのしつけのしやすさ
- 11. チャイニーズ・クレステッド・ドッグの無駄吠え・噛み癖などの注意点
- 12. チャイニーズ・クレステッド・ドッグがなりやすい病気・注意したい健康問題
- 13. チャイニーズ・クレステッド・ドッグの食事・ドッグフード選び
- 14. チャイニーズ・クレステッド・ドッグの子犬期の注意点
- 15. チャイニーズ・クレステッド・ドッグのシニア期の注意点
- 16. チャイニーズ・クレステッド・ドッグが向いている人
- 17. チャイニーズ・クレステッド・ドッグのよくある質問
- まとめ|チャイニーズ・クレステッド・ドッグは明るく個性的なコンパニオン、皮膚・被毛・歯・目の管理が重要
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1. チャイニーズ・クレステッド・ドッグの基本情報
| 犬種名 | チャイニーズ・クレステッド・ドッグ |
|---|---|
| 英名 | Chinese Crested Dog |
| 原産国 | 中国 |
| 用途(JKC) | コンパニオン・ドッグ |
| サイズ分類 | 小型犬 |
| 理想体高 | 牡28~33cm/牝23~30cm |
| 体重 | 約3.6~5.4kg程度がひとつの目安 |
| 平均寿命 | 13~18年程度がひとつの目安 |
| 運動量 | 少なめ~中程度。毎日の散歩と室内遊びが必要 |
| バラエティー | ヘアレス/パウダー・パフ |
| 毛色 | あらゆる色・色の組み合わせが認められる |
| 抜け毛 | ヘアレスは少ない/パウダー・パフは被毛管理が必要 |
| お手入れ | ヘアレスは皮膚管理、パウダー・パフはブラッシングが重要 |
| 留守番 | 個体差あり。短時間から練習 |
| しつけやすさ | 人との交流を好み、報酬を使った優しいトレーニングと相性が良い |
| 初心者向き | 皮膚・被毛・歯・目の健康管理を理解できれば候補 |
JKCではチャイニーズ・クレステッド・ドッグの原産国を中国としています。
一方で、そのさらに古い祖先がどこから来たのかについては明確ではなく、犬種の歴史にはさまざまな説があります。
JKCの犬種標準では、中国の漢時代に家庭で飼われていたとされ、かつては現在より大型で番犬や狩猟犬として利用された犬もいたと紹介されています。
現在では家庭で暮らすコンパニオン・ドッグとして定着しています。
ヘアレスとパウダー・パフの2種類がいる
チャイニーズ・クレステッド・ドッグを理解するうえで最も大きな特徴が、2つのバラエティーです。
- ヘアレス:頭、足先、尾などを除き、体の大部分に被毛がない
- パウダー・パフ:全身が柔らかな長毛で覆われる
ヘアレスだけがチャイニーズ・クレステッド・ドッグだと思われることがありますが、パウダー・パフも正式な同犬種のバラエティーです。
JKCではさらに体つきについて、骨量が軽く優雅な「ディアー・タイプ」と、より骨量のある「コビー・タイプ」があるとしています。
毛色については特定の一色に限定されず、さまざまな色や組み合わせが認められています。
2. チャイニーズ・クレステッド・ドッグの性格
チャイニーズ・クレステッド・ドッグは一般に、明るく、人との交流を好みやすい犬種です。
- 家族への愛着が強い犬が多い
- 明るく遊び好き
- 人のそばで過ごすことを好みやすい
- 飼い主さんの様子をよく見る
- 知らない人には慎重な犬もいる
- 室内での遊びを楽しみやすい
- 甘えん坊な一面を持つ犬も多い
体は小さいものの、置物のように一日中静かにしている犬ではありません。
飼い主さんとおもちゃで遊んだり、簡単なトリックを覚えたり、家の中を元気に動き回ったりする犬もいます。
一方、人への愛着が強い犬では、常に飼い主さんの後をついて歩くこともあります。
そのため、迎えた直後からいつでも抱っこし続けるのではなく、一人でベッドに休む時間も少しずつ教えることが大切です。
性格には個体差があります。
子犬期の社会化、親犬から受け継いだ気質、生活環境、経験によって、活発さ、人や犬への反応、警戒心などは変わります。
3. チャイニーズ・クレステッド・ドッグの飼いやすさ
チャイニーズ・クレステッド・ドッグは、体が小さく、家庭内で必要なスペースも比較的少ないため、日本の住宅環境でも検討しやすい犬種です。
激しい運動を何時間も続ける犬種ではなく、毎日の適度な散歩と室内遊びを組み合わせて運動量を確保できます。
ただし、お手入れの特徴を理解してから迎えることが重要です。
- ヘアレスでは皮膚を日差しや寒さから守る
- 皮膚の乾燥・赤み・毛穴の状態を確認する
- パウダー・パフでは毛玉を防ぐ
- 歯磨きを習慣にする
- 目の変化を確認する
- 膝や股関節へ負担をかけない
- 毎日の適度な運動を続ける
- 一人で過ごす練習も行う
特にヘアレスでは「毛がない=手入れ不要」ではありません。
皮膚が直接外気や日光に触れるため、季節と環境に合わせた管理が必要です。
パウダー・パフは皮膚が被毛に覆われていますが、長毛が絡まりやすいため、ブラッシングを怠ると毛玉が皮膚を引っ張り、痛みや蒸れにつながることがあります。
4. チャイニーズ・クレステッド・ドッグは初心者でも飼いやすい?
チャイニーズ・クレステッド・ドッグは、人との交流を好みやすく、体も小さいため、初めて犬を迎える人にも候補になる犬種です。
ただし、一般的な短毛犬とは異なるお手入れが必要です。
- ヘアレスの皮膚ケアを理解できる
- パウダー・パフなら定期的にブラッシングできる
- 毎日歯を確認し歯磨きできる
- 目の異常を早く発見できる
- 小型犬の膝や股関節へ配慮できる
- 毎日の散歩と遊びを続けられる
- 留守番を段階的に練習できる
- 必要な時に動物病院へ相談できる
特にヘアレスの皮膚については、犬に使用できる製品か分からない人間用の化粧品、日焼け止め、ニキビ薬などを自己判断で使用しないことが大切です。
皮膚を保護する必要がある場合は、犬用として安全性が確認された製品や衣類について獣医師へ相談しましょう。
こうした犬種特有の管理を楽しめる人であれば、チャイニーズ・クレステッド・ドッグとの生活を楽しみやすいでしょう。
5. チャイニーズ・クレステッド・ドッグの大きさ・体重

JKCの理想体高は、牡で28~33cm、牝で23~30cmです。
体重は約3.6~5.4kg程度がひとつの目安で、非常にコンパクトな小型犬です。
ただし、JKCの犬種標準ではディアー・タイプとコビー・タイプの2つの体型が示されているため、同じ犬種でも骨量や見た目には差があります。
体重の数字だけで太っている・痩せていると判断せず、骨格に対するボディコンディションを確認しましょう。
- 肋骨が軽く触れるか
- 上から見て腰に適度なくびれがあるか
- 横から見て腹部が適度に引き締まっているか
- 以前より急に体重が増減していないか
小型犬では数百グラムの体重増加でも体格に対する割合が大きくなることがあります。
肥満は膝や股関節へ余分な負担をかけるため、フードだけでなく、おやつや家族からもらう食べ物まで含めて管理してください。
6. チャイニーズ・クレステッド・ドッグの平均寿命
チャイニーズ・クレステッド・ドッグは比較的長寿な小型犬で、寿命は13~18年程度がひとつの目安です。
資料によって示される年齢幅には違いがありますが、15歳を超えて生活する犬も珍しくない犬種です。
ただし、平均寿命は愛犬が実際に何歳まで生きるかを保証する数字ではありません。
遺伝的な体質、眼疾患、歯の状態、関節、心臓、体重、日常のケアなどによって個体差があります。
長寿な犬種では、シニア期も長くなる可能性があります。
- 定期的な健康診断
- 適正体重の維持
- 歯磨き
- 目の確認
- 皮膚または被毛のお手入れ
- 年齢に合った運動
若い頃からこうした管理を習慣にしておくことが、生涯を通した健康管理につながります。
7. チャイニーズ・クレステッド・ドッグに必要な運動量

チャイニーズ・クレステッド・ドッグは活動的な一面がありますが、長時間激しい運動を続けるタイプの犬種ではありません。
健康な成犬では毎日の散歩を基本とし、室内遊びや短いトレーニングを組み合わせます。
- 体調に合わせた散歩
- 自由ににおいを嗅ぐ時間
- おもちゃ遊び
- ノーズワーク
- フードを探すゲーム
- 短時間のトリックトレーニング
小型犬だから散歩へ行かなくてもよいということではありません。
外のにおいや音、景色を安全に経験することも、犬にとって大切な刺激になります。
ヘアレスは季節に合わせて散歩環境を調整する
ヘアレスでは被毛による保護が少ないため、強い直射日光や寒さへ注意します。
夏は日差しの強い時間を避け、日陰や涼しい時間帯を選びましょう。
冬は気温が低い時間帯を避け、必要に応じて犬の動きを妨げない衣類などで保温します。
ただし、衣類を着せればどのような気温でも散歩できるわけではありません。
震える、足を上げる、歩かなくなるなどの変化があれば、予定していた時間にこだわらず帰宅しましょう。
8. チャイニーズ・クレステッド・ドッグの抜け毛・お手入れ
チャイニーズ・クレステッド・ドッグのお手入れは、ヘアレスとパウダー・パフで大きく異なります。
ヘアレスは皮膚そのものを確認する
ヘアレスでは体の大部分に被毛がないため、ブラッシングの負担は少ない一方、皮膚の観察が重要です。
- 赤くなっていないか
- 乾燥して粉をふいていないか
- 毛穴が黒く詰まっていないか
- できものや傷がないか
- 日光を浴びた後に皮膚が赤くなっていないか
- 衣類がこすれていないか
皮膚を清潔にすることは大切ですが、汚れや毛穴が気になるからと強くこすったり、頻繁に刺激の強い洗浄剤を使用したりするのは避けます。
乾燥や皮膚炎がある場合は、洗う頻度や保湿方法も犬によって変わるため獣医師へ相談してください。
・犬の皮膚病とは?かゆみ・赤み・脱毛で考えられる原因と受診目安
パウダー・パフは毛玉を防ぐ
パウダー・パフでは、全身を覆う柔らかな長毛を定期的にブラッシングします。
- 耳の後ろ
- 脇
- 胸
- 足
- お腹
- 尾の付け根
こうした場所は毛がこすれやすく、もつれを確認したい場所です。
毛玉を強く引っ張ると皮膚が痛むため、毛先から少しずつほぐしましょう。
どちらのタイプも歯のお手入れが重要
チャイニーズ・クレステッド・ドッグでは歯の健康を日常のお手入れに含めることが重要です。
- 毎日の歯磨きを目標にする
- 歯ぐきの赤みを確認する
- 歯石や口臭を確認する
- 食べ物を落とさないか確認する
- 硬い物を急に食べなくなっていないか確認する
特にヘアレスでは歯の欠損がみられる犬もいます。
残っている歯を守るためにも、子犬期から優しく口元へ触る練習と歯磨きを始めましょう。
9. チャイニーズ・クレステッド・ドッグは留守番しやすい?
チャイニーズ・クレステッド・ドッグは家族との距離が近い犬が多いため、迎えた直後から長時間の留守番が得意とは限りません。
人が大好きだからこそ、一人で安心して休む練習も必要です。
- 飼い主さんが同じ部屋にいてもベッドで休む
- 数秒だけ別室へ移動する
- 短時間だけ玄関の外へ出る
- 落ち着いていられる範囲で少しずつ時間を延ばす
犬がすでにパニックになっている状態で「そのうち慣れる」と長時間放置する方法はおすすめできません。
留守番中に吠え続ける、大量によだれが出る、ドアを壊そうとする、排泄を繰り返すなどの強い不安がある場合は、留守番時間を見直して専門家へ相談します。
ヘアレスでは留守番中の室温にも注意してください。
冷暖房を適切に使用し、日差しが直接当たり続ける場所や寒すぎる場所を避け、安全に休める寝床を用意します。
・犬の留守番のしつけ方とは?ひとりで待てない時の練習方法を解説
10. チャイニーズ・クレステッド・ドッグのしつけのしやすさ
チャイニーズ・クレステッド・ドッグは、人とのコミュニケーションを楽しみやすく、報酬を使ったトレーニングと相性の良い犬種です。
できた行動をおやつ、遊び、褒め言葉などで評価し、「何をすればよいのか」を分かりやすく教えましょう。
- 名前を呼んだら見る
- おすわり
- 待て
- おいで
- ハウス
- トイレ
- リードを緩めて歩く
- 拾い食いを防ぐ
- 一人で休む
- 皮膚・被毛・歯・目を触られることに慣れる
体が小さい犬では、困った時にすぐ抱っこして解決できてしまいます。
しかし、おいで、待て、ハウスなどの基本行動は、散歩中の事故防止、災害時、動物病院などさまざまな場面で役立ちます。
一度に長時間練習するより、数分程度の短い練習を毎日繰り返す方が取り組みやすいでしょう。
11. チャイニーズ・クレステッド・ドッグの無駄吠え・噛み癖などの注意点
チャイニーズ・クレステッド・ドッグはJKCで「決して攻撃的ではない」とされていますが、もちろん全く吠えない、絶対に噛まないという意味ではありません。
- インターホン
- 玄関前の音
- 知らない人
- 要求
- 興奮
- 留守番への不安
- 退屈
こうした場面で吠える犬もいます。
吠えた瞬間に毎回大声で叱るだけでは、不安や興奮が強くなる場合があります。
窓の外へ反応するなら視界を調整し、インターホンなら小さな音量から練習するなど、吠える原因に合わせて環境を変えます。
静かに飼い主さんを見る、マットへ移動する、ハウスへ入るといった代わりの行動も教えましょう。
子犬では甘噛みも見られます。
噛んでよいおもちゃへ誘導し、興奮しすぎる前に休憩させましょう。
成犬が突然噛むようになった場合は、性格だけではなく歯、皮膚、目、膝、股関節などに痛みがないか確認してください。
12. チャイニーズ・クレステッド・ドッグがなりやすい病気・注意したい健康問題

チャイニーズ・クレステッド・ドッグを迎えるなら、目、膝、股関節、歯、皮膚など犬種で知られている健康問題を理解しておくことが大切です。
アメリカのチャイニーズ・クレステッド・ドッグの犬種クラブでは、繁殖犬について眼科検査、膝蓋骨、心臓などの評価に加え、進行性網膜萎縮(PRA)や原発性水晶体脱臼(PLL)の遺伝子検査を健康管理の重要項目として挙げています。
ただし、以下の病気がすべてのチャイニーズ・クレステッド・ドッグに発症するわけではありません。
犬種で知られる病気を知る目的は、愛犬を病気だと決めつけることではなく、異常の早期発見や子犬を迎える際の健康確認に役立てることです。
原発性水晶体脱臼(PLL)
原発性水晶体脱臼(PLL)は、目の中で水晶体を支えている組織が弱くなり、水晶体が正常な位置からずれる遺伝性眼疾患です。
チャイニーズ・クレステッド・ドッグではPLLに関連する遺伝子検査が利用されています。
- 目が急に赤くなる
- 片目を閉じる
- 涙が増える
- 目を痛がる
- 黒目が白・青っぽく濁る
- 瞳孔の形や大きさがいつもと違う
- 急に物へぶつかる
水晶体が前方へ脱臼すると眼圧が急激に上昇し、緑内障や失明につながる可能性があります。
急な目の赤み・濁り・強い痛み・視力低下がある場合は緊急性があります。次の日まで様子を見るのではなく、すぐに動物病院へ連絡してください。
・犬が目をしょぼしょぼする原因とは?片目を細める時の危険サインと受診目安
・犬が急に見えなくなった?物にぶつかる・段差を怖がる原因と緊急受診の目安
進行性網膜萎縮(PRA)
進行性網膜萎縮(PRA)は、目の奥にある網膜が徐々に機能を失い、視力が低下していく遺伝性眼疾患です。
チャイニーズ・クレステッド・ドッグでは、prcd-PRAやrcd3-PRAに関連する遺伝子検査が利用されています。
- 暗い場所で動きにくそう
- 夜の散歩を嫌がる
- 暗い部屋で物へぶつかる
- 階段や段差をためらう
- 進行すると昼間も見えにくくなる
PRAそのものは一般に強い目の痛みを伴う病気ではありません。
そのため、初期には飼い主さんが気づきにくいことがあります。
自宅を問題なく歩けるから視力も正常とは限りません。犬は家具の配置を覚えて行動できるため、暗い場所での変化などを確認しましょう。
・犬が急に見えなくなった?物にぶつかる・段差を怖がる原因と緊急受診の目安
乾性角結膜炎(ドライアイ・KCS)などの眼科疾患
チャイニーズ・クレステッド・ドッグでは、PLLやPRA以外の眼科疾患にも注意します。
- 粘り気のある目やに
- 白目が赤い
- 目をしょぼしょぼする
- 目をこする
- 黒目の表面につやが少ない
- 目が白・青っぽく濁る
こうした症状はドライアイだけでなく、角膜潰瘍、緑内障、ぶどう膜炎などでも見られます。
見た目だけで病名を判断せず、眼科検査を受けましょう。
・犬の乾性角結膜炎(ドライアイ・KCS)とは?目やに・充血・目の乾燥の症状と治療を解説
膝蓋骨脱臼(パテラ)
チャイニーズ・クレステッド・ドッグでは、膝のお皿にあたる膝蓋骨が正常な位置から外れる膝蓋骨脱臼にも注意します。
- 突然後ろ足を上げる
- 数歩だけ3本足になる
- スキップするように歩く
- 後ろ足を伸ばした後に普通に歩く
- ジャンプを嫌がる
- 階段をためらう
軽度ではほとんど症状が出ない犬もいます。
一方、脱臼を繰り返す犬では痛み、関節炎、骨格の変形などにつながる場合があります。
滑りにくい床を用意し、肥満を防ぐことは日常管理として重要ですが、それだけで膝蓋骨脱臼そのものが治るわけではありません。
・犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)とは?スキップ歩行・グレード別症状と手術、受診目安を解説
レッグ・カルベ・ペルテス病
レッグ・カルベ・ペルテス病は、大腿骨頭への血流が障害され、股関節を構成する骨が壊死・変形する病気です。
小型犬の若い時期に発症することがあり、チャイニーズ・クレステッド・ドッグでも注意したい整形外科疾患です。
- 後ろ足をかばう
- 徐々に歩き方がおかしくなる
- 走ることを嫌がる
- ジャンプしなくなる
- 股関節付近を触ると嫌がる
- 後ろ足の筋肉が細くなる
若い犬が何週間も足をかばっている場合、「成長期だから」と長期間様子を見ないようにしてください。
膝蓋骨脱臼、外傷など別の原因でも似た歩き方が出るため、必要に応じてレントゲン検査などで確認します。
歯の欠損・歯周病など口腔内の問題
チャイニーズ・クレステッド・ドッグでは歯の問題も重要です。
特にヘアレスでは生まれつき歯が不足している犬もいます。
- 口臭が強い
- 歯ぐきが赤い
- 歯石が増えた
- 硬い物を嫌がる
- フードを口から落とす
- 顔や口を触られることを嫌がる
- 歯がぐらつく
小型犬では歯周病が進みやすいこともあるため、家庭での歯磨きと動物病院での定期的な口腔チェックを続けます。
歯が少ない場合でも、残っている歯の歯周病予防は必要です。
ヘアレスの皮膚トラブル
ヘアレスでは皮膚が直接外部環境へさらされるため、乾燥、毛穴の詰まり、赤み、日光による皮膚へのダメージなどに注意します。
- 皮膚が急に赤くなった
- ぶつぶつが増えた
- 皮膚をなめる・かく
- 出血している
- 膿が出る
- 強いにおいがする
- 痛がる
こうした変化がある場合は、単なる乾燥や「ニキビ」と自己判断しないようにしましょう。
細菌感染、アレルギー、寄生虫など別の皮膚病が関係している可能性もあります。
人間用のニキビ薬や強い消毒薬などを自己判断で塗らないでください。
・犬の皮膚病とは?かゆみ・赤み・脱毛で考えられる原因と受診目安
13. チャイニーズ・クレステッド・ドッグの食事・ドッグフード選び

チャイニーズ・クレステッド・ドッグだから、必ず犬種専用ドッグフードを選ばなければならないわけではありません。
年齢、体重、活動量、避妊・去勢、体質、持病などに合った総合栄養食を基本にします。
小型犬は少量のおやつでもカロリーが増えやすい
体が小さい犬では、人間から見るとわずかな量のおやつでも、一日の必要カロリーに対して大きな割合になる場合があります。
- フードを毎回計量する
- おやつも一日の摂取量へ含める
- 定期的に体重を測る
- 肋骨と腰のくびれを確認する
トレーニングのおやつは一粒を小さくするか、普段のフードの一部を取り分けて使用すると管理しやすくなります。
歯が少ない犬は食べ方を確認する
歯が欠損していても、問題なく一般的なドッグフードを食べられる犬はいます。
歯の本数だけを理由に、必ず柔らかい食事へ変更する必要はありません。
ただし、歯周病や歯の痛みがある犬では、食べ方が変化することがあります。
- 硬い物だけ残す
- 片側だけで噛む
- 食べ物を落とす
- 食事に以前より時間がかかる
- 口を触られるのを嫌がる
このような場合はフードの形を変える前に、まず口の中に痛みがないか確認してもらいましょう。
皮膚トラブルを食事だけで治そうとしない
ヘアレスの皮膚に赤みやぶつぶつがあると、ドッグフードが原因だと考えることがあります。
しかし、皮膚トラブルには乾燥、紫外線、摩擦、感染、寄生虫、アレルギーなどさまざまな原因があります。
フードを何種類も短期間で変更するのではなく、症状が続く場合は原因を確認してください。
14. チャイニーズ・クレステッド・ドッグの子犬期の注意点

チャイニーズ・クレステッド・ドッグの子犬期では、社会化と基本的なしつけに加え、生涯必要になるお手入れへ早くから慣らしておくことが重要です。
- 口元と歯へ触られる練習
- 歯磨き
- 足先を触られる練習
- 爪切り
- 目を確認される練習
- ヘアレスでは皮膚を確認される練習
- パウダー・パフではブラッシング
- ハーネスやリードへ慣らす
- 一人で休む練習
一度にすべてを行う必要はありません。
一瞬触る、褒める、おやつを与えるという短い練習から始め、嫌がる前に終了します。
若い犬の歩き方も確認する
膝蓋骨脱臼やレッグ・カルベ・ペルテス病など、若い時期から問題が現れる整形外科疾患があります。
後ろ足を何度も上げる、徐々に足をかばう、走らなくなったなどの変化があれば、「子犬だから歩き方がぎこちない」と決めつけないでください。
親犬の健康検査を確認する
子犬を迎える場合は、親犬についてどのような健康検査が行われているか確認しましょう。
- 眼科検査
- 膝蓋骨評価
- 心臓検査
- PLLに関する遺伝子検査
- prcd-PRAに関する遺伝子検査
- rcd3-PRAに関する遺伝子検査
健康検査を受けた親犬から生まれたから、子犬が絶対に病気にならないという意味ではありません。
しかし、犬種で知られている遺伝性疾患を考慮して繁殖しているかを判断する重要な材料になります。
15. チャイニーズ・クレステッド・ドッグのシニア期の注意点
チャイニーズ・クレステッド・ドッグは長寿な犬も多いため、シニア期の健康管理も重要です。
- 暗い場所で動きにくくなった
- 物へぶつかる
- 目が赤い・濁る
- 目やにが増えた
- 後ろ足をかばう
- 散歩時間が短くなった
- 体重が増えた・減った
- 口臭が強くなった
- 硬い物を食べなくなった
- 皮膚にしこりや傷ができた
- 水を飲む量が増えた
シニア犬の変化を「年だから仕方ない」とだけ考えないことが大切です。
散歩を嫌がる原因が関節痛の場合もあれば、視力低下、心臓病、腎臓病などが関係している場合もあります。
以前と比べて何が変化したのかを記録し、歩き方などは安全に撮影できる場合に動画を残しておくと診察時の参考になります。
健康で歩けるシニア犬では、年齢だけを理由に運動を完全にやめる必要はありません。
距離や速度を調整し、無理のない散歩と室内遊びを続けて筋力を維持しましょう。
16. チャイニーズ・クレステッド・ドッグが向いている人
チャイニーズ・クレステッド・ドッグは、次のような人と相性を作りやすい犬種です。
- 人との距離が近い小型犬と暮らしたい人
- 犬とのコミュニケーションを楽しみたい人
- 毎日適度な散歩と遊びができる人
- ヘアレスなら皮膚管理を続けられる人
- パウダー・パフならブラッシングを続けられる人
- 歯磨きを習慣にできる人
- 目の状態を日常的に確認できる人
- 小型犬の関節へ配慮できる人
- 長く続く健康管理を楽しめる人
マンションなどでも暮らしやすい犬種ですが、人との交流を好む犬が多いため、一緒に過ごす時間を大切にできる家庭との相性が良いでしょう。
反対に、「ヘアレスならシャンプーもブラッシングも必要なく、何も手入れしなくてよい」と考えている人には向きません。
また、パウダー・パフの長毛を定期的にとかす時間を取れない場合も、毛玉や皮膚の問題につながる可能性があります。
この犬種の個性的な見た目だけではなく、2つのバラエティーそれぞれに必要なケアまで理解して迎えることが重要です。
17. チャイニーズ・クレステッド・ドッグのよくある質問
Q. チャイニーズ・クレステッド・ドッグは初心者でも飼いやすいですか?
人との交流を好み、体も小さいため初心者にも候補になります。ただし、ヘアレスでは皮膚、パウダー・パフでは被毛のお手入れが必要で、歯・目・膝などの健康管理も理解しておきましょう。
Q. ヘアレスとパウダー・パフは別の犬種ですか?
別の犬種ではありません。どちらもチャイニーズ・クレステッド・ドッグで、ヘアレスと全身が長毛で覆われたパウダー・パフという2つのバラエティーがあります。
Q. 何kgくらいになりますか?
約3.6~5.4kg程度がひとつの目安です。JKCの理想体高は牡28~33cm、牝23~30cmです。体格には個体差があります。
Q. 寿命はどのくらいですか?
13~18年程度がひとつの目安とされる比較的長寿な犬種です。ただし実際の寿命は遺伝、病気、体重、生活環境などによって異なります。
Q. 散歩は必要ですか?
必要です。激しい運動を長時間行う犬種ではありませんが、毎日の適度な散歩と室内遊びを行いましょう。ヘアレスでは強い日差しや寒さにも注意します。
Q. ヘアレスは本当に毛が全くありませんか?
体の大部分には被毛がありませんが、一般に頭部にはクレスト、足先にはソックス、尾にはプルームと呼ばれる被毛があります。
Q. ヘアレスはお手入れが簡単ですか?
ブラッシングの範囲は少ないですが、皮膚の乾燥、赤み、毛穴の詰まり、日差し、寒さなどへの管理が必要です。そのため、必ずしもお手入れが簡単とはいえません。
Q. パウダー・パフはブラッシングが必要ですか?
必要です。柔らかな長毛は絡むことがあるため、定期的にブラッシングし、耳の後ろ、脇、足など毛玉になりやすい場所を確認してください。
Q. チャイニーズ・クレステッド・ドッグは歯が弱いですか?
特にヘアレスでは歯の欠損がみられる犬がいます。また小型犬では歯周病にも注意が必要なため、毎日の歯磨きと定期的な口腔チェックがおすすめです。
Q. 目が突然赤く濁っています
原発性水晶体脱臼や急性緑内障など、緊急性の高い眼疾患を確認する必要があります。強く痛がる、片目を閉じる、急に見えない場合はすぐに動物病院へ連絡してください。
Q. 後ろ足を時々上げて歩きます
膝蓋骨脱臼で見られることがある歩き方です。ただし、レッグ・カルベ・ペルテス病、外傷、靭帯など別の原因もあります。繰り返す場合は診察を受けてください。
Q. 留守番できますか?
個体差があります。人との距離が近い犬が多いため、最初から長時間留守番させず、短い時間から練習してください。
Q. 特に注意したい病気は?
原発性水晶体脱臼(PLL)、進行性網膜萎縮(PRA)、乾性角結膜炎などの眼疾患、膝蓋骨脱臼、レッグ・カルベ・ペルテス病、歯周病などの口腔疾患、ヘアレスの皮膚トラブルなどについて知っておくとよいでしょう。すべての犬に発症するわけではありません。
まとめ|チャイニーズ・クレステッド・ドッグは明るく個性的なコンパニオン、皮膚・被毛・歯・目の管理が重要

チャイニーズ・クレステッド・ドッグは、ヘアレスとパウダー・パフという2つのバラエティーを持つ、非常に個性的な小型犬です。
JKCでは中国原産、用途は「コンパニオン・ドッグ」とされ、性格は明るく、決して攻撃的ではないとされています。
人とのコミュニケーションを好み、体が小さく、必要な運動量も極端に多くないため、家庭生活へ適応しやすい犬種です。
ただし、2つのバラエティーでは日常のお手入れが大きく異なります。
ヘアレスでは被毛が少ないため、皮膚を日差し、寒さ、乾燥、摩擦などから守ります。
皮膚に赤みやぶつぶつがある時に、人間用のニキビ薬や強い消毒薬を自己判断で使わないようにしてください。
パウダー・パフでは、柔らかな長毛が絡まないよう定期的にブラッシングします。
また、どちらのバラエティーでも歯の健康管理は重要です。
特にヘアレスでは歯の欠損が見られる犬もいるため、残っている歯を歯周病から守るためにも子犬期から歯磨きを習慣にしましょう。
健康面では眼疾患についても知っておく必要があります。
チャイニーズ・クレステッド・ドッグでは、原発性水晶体脱臼(PLL)や進行性網膜萎縮(PRA)に関する遺伝子検査が利用されています。
PLLで水晶体が前方へ脱臼すると、眼圧が上がり、強い痛みや失明につながる可能性があります。
目が急に赤い、白・青く濁る、強く痛がる、片目を閉じる、突然見えなくなった場合は、すぐに動物病院へ連絡してください。
膝蓋骨脱臼やレッグ・カルベ・ペルテス病などの整形外科疾患にも注意し、子犬や若い犬が後ろ足を繰り返しかばう場合は早めに原因を確認しましょう。
子犬を迎える時には、親犬の眼科検査、膝蓋骨、心臓の評価、PLLやPRAに関する遺伝子検査などの健康情報を確認することも大切です。
食事は年齢、体重、活動量に合った総合栄養食を基本にし、小型犬だからこそおやつの量にも注意します。
長寿な犬も多いため、若い頃から歯、皮膚、目、関節を確認する習慣を作っておくと、シニア期の小さな変化にも気づきやすくなります。
チャイニーズ・クレステッド・ドッグは、個性的な外見だけでなく、人との距離が近い明るい性格も魅力の犬種です。「毛がないから手入れが楽」「小さいから飼育が簡単」と考えるのではなく、ヘアレスとパウダー・パフそれぞれのお手入れ、歯、目、関節まで理解することが、長く安心して暮らすための大切なポイントです。


