
パピヨンは、大きく立った耳と長い飾り毛が蝶の羽のように見える、華やかな小型犬です。
「パピヨン」という名前も、フランス語で「蝶」を意味する言葉に由来しています。
小さく優雅な見た目から、おとなしく抱っこされて過ごす愛玩犬という印象を持たれることもありますが、実際のパピヨンはかなり活発です。
周囲への関心が高く、飼い主さんとの遊びやトレーニングを楽しみ、アジリティーなどのドッグスポーツに取り組む犬もいます。
ジャパンケネルクラブ(JKC)でも、パピヨンは活発で、小型ながらたくましく、軽快でエレガントな歩様を持つ犬種とされています。
そのため、「体が小さいから散歩はほとんど必要ない」「室内だけで十分」というタイプの犬ではありません。
毎日の散歩に加えて、飼い主さんとのトレーニング、におい探し、おもちゃ遊びなど、頭と体の両方を使う活動を取り入れると満足しやすくなります。
性格面では、明るく人との関わりを楽しみやすい犬が多い一方、非常に周囲をよく観察するため、物音や来客、外を通る人などへ警戒して吠える犬もいます。
賢い犬種だからこそ、飼い主さんが意図していない行動もすぐに学習することがあります。
たとえば、吠えるたびに抱っこしてもらう、要求するたびにおやつが出てくるといった経験を重ねれば、それもひとつの学習になります。
子犬の頃から、「何をしてほしいのか」を分かりやすく教えることが大切です。
被毛は長く優雅ですが、FCI犬種標準ではアンダーコートを持たない被毛とされており、ポメラニアンのような厚いダブルコートとは異なります。
定期的なブラッシングは必要ですが、被毛を伸ばすために全身を定期的に短くカットしなければならない犬種ではありません。
健康面では、膝蓋骨脱臼、眼疾患、心臓の病気、歯周病などについて知っておきたい犬種です。
繁殖犬の健康検査でも、膝蓋骨、心臓、眼科の検査が推奨されています。
パピヨンの飼いやすさは「小さいから手がかからない」という意味ではありません。活発で頭を使うことが好きな犬なので、毎日の散歩、遊び、しつけ、安全管理を楽しめる家庭と相性を作りやすい犬種です。
この記事では、パピヨンの性格、飼いやすさ、大きさ、平均寿命、運動量、抜け毛、留守番、しつけ、注意したい病気、食事、子犬期・シニア期まで詳しく解説します。

- 1. パピヨンの基本情報
- 2. パピヨンの性格
- 3. パピヨンの飼いやすさ
- 4. パピヨンは初心者でも飼いやすい?
- 5. パピヨンの大きさ・体重
- 6. パピヨンの平均寿命
- 7. パピヨンに必要な運動量
- 8. パピヨンの抜け毛・お手入れ
- 9. パピヨンは留守番しやすい?
- 10. パピヨンのしつけのしやすさ
- 11. パピヨンの無駄吠え・噛み癖などの注意点
- 12. パピヨンがなりやすい病気
- 13. パピヨンの食事・ドッグフード選び
- 14. パピヨンの子犬期の注意点
- 15. パピヨンのシニア期の注意点
- 16. パピヨンが向いている人
- 17. パピヨンのよくある質問
- まとめ|パピヨンは小さくても活発で頭を使うことが大好きな犬種
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1. パピヨンの基本情報
| 犬種名 | パピヨン |
|---|---|
| 英名 | Papillon |
| 原産国 | フランス・ベルギー |
| 用途 | 愛玩犬・コンパニオンドッグ |
| サイズ分類 | 小型犬 |
| 体高 | 28cm以下 |
| 体重 | FCI標準では1.5kg以上、オス最大4.5kg、メス最大5kg |
| 平均寿命 | 14~16年程度がひとつの目安 |
| 運動量 | 小型犬としては活発。毎日の散歩・遊びが必要 |
| 被毛 | 長く絹糸状。FCI標準ではアンダーコートなし |
| 抜け毛 | あるが、厚いダブルコート犬ほど大量ではない傾向 |
| トリミング | ブラッシング中心。定期的な全身カットは必須ではない |
| 留守番 | 個体差あり。短時間から練習する |
| しつけやすさ | 非常に学習意欲が高い傾向 |
| 初心者向き | 運動・しつけ・安全管理を継続できる人なら候補 |
パピヨンの祖先はヨーロッパで飼育されていた小型のスパニエルとされ、古い絵画にも似た犬が描かれています。
現在のパピヨンで最も印象的なのが、大きく立った耳と長い耳の飾り毛です。
この耳が蝶の羽のように見えることから「パピヨン」と呼ばれるようになりました。
同じコンチネンタル・トイ・スパニエルには、耳が垂れた「ファレーヌ」というタイプもあります。
体は非常にコンパクトですが、華奢な飾り犬というより、軽快に動けるバランスのよい体格が理想とされています。
2. パピヨンの性格
パピヨンは一般に、明るく活発で、飼い主さんとのコミュニケーションを楽しみやすい犬種です。
- 活発で遊び好き
- 学習意欲が高い
- 周囲への関心が強い
- 人とのコミュニケーションを楽しみやすい
- 好奇心が強い犬が多い
- 小さくても行動的
- 警戒心から吠える犬もいる
パピヨンは小さな体に対して非常に活動的で、「膝の上だけで暮らす愛玩犬」というイメージとはかなり違う場合があります。
新しい遊びやトリックを覚えるのが好きな犬も多く、日常生活のルールも比較的覚えやすい傾向があります。
一方で、賢さは「飼い主さんに必ず従う」という意味ではありません。
犬にとって得になる行動を非常に早く覚えるため、家族全員が同じルールで接することが重要です。
性格には個体差があります。知らない人にも積極的に近づく犬もいれば、最初は距離を取って観察する犬もいます。
犬種だけを理由に「人懐っこいはず」と無理に触らせず、その犬自身の反応を尊重しましょう。
3. パピヨンの飼いやすさ
パピヨンは体が小さく、日本のマンションやアパートでも生活スペースを確保しやすい犬種です。
大型犬ほど大量の食事を必要とせず、キャリーを使った移動もしやすい点は暮らしやすさにつながります。
しかし、小型犬だからお世話が少ないとは限りません。
- 毎日の散歩
- 頭を使う遊び
- 基本的なしつけ
- ブラッシング
- 歯磨き
- 膝への配慮
- 小さな体を守る家庭内の安全管理
特に運動・知的刺激については、「部屋が広くないから遊べない」と考える必要はありません。
小さな部屋でも、フード探し、トリック練習、おもちゃ遊びなどはできます。
ただし、非常に小さな犬なので、高い家具からの飛び降り、人に踏まれる、ドアに挟まれるなど家庭内事故には注意が必要です。
4. パピヨンは初心者でも飼いやすい?
パピヨンは初めて犬を飼う人にも候補になります。
学習能力が高く、飼い主さんとのトレーニングを楽しみやすいため、報酬ベースの方法で基本的なしつけを進めやすい犬種です。
一方で、初心者向きだから何もしなくても飼いやすいわけではありません。
- 毎日散歩へ行ける
- 室内でも遊びやトレーニングができる
- 吠えを放置せず原因を考えられる
- ブラッシングを続けられる
- 毎日歯磨きを練習できる
- 小型犬の膝や骨格を守れる生活環境を作れる
こうした管理を楽しめる人であれば、初めて犬と暮らす家庭でも良いパートナーになりやすいでしょう。
反対に、「小さい犬なら散歩は週に数回でいい」「しつけは必要ない」と考えている場合は、実際のパピヨンとの生活とのギャップが大きくなる可能性があります。
5. パピヨンの大きさ・体重

JKCの犬種標準では、パピヨンの体高は28cm以下です。
FCI標準では体重は最低1.5kgで、2つの体重カテゴリーに分かれています。オスは最大4.5kg、メスは最大5kgです。
非常に小さな犬種ですが、家庭犬では数字そのものより、その犬自身の骨格と体型を見ることが大切です。
「できるだけ小さい方がかわいい」と考え、成長期の食事を制限してはいけません。
子犬には骨、筋肉、臓器を成長させるための十分な栄養が必要です。
成犬では、肋骨が軽く触れ、上から見た時に適度な腰のくびれがある体型を目安にします。
体重が増えすぎると、小さな膝や関節への負担が大きくなる可能性があります。
一方、急に痩せてきた場合は食事量だけでなく、歯、胃腸、内臓などの健康状態も確認しましょう。
6. パピヨンの平均寿命
パピヨンは比較的長寿な小型犬です。
現在の獣医師監修犬種情報では、平均寿命の目安として14~16年程度が紹介されています。
もちろん、すべてのパピヨンが同じ年齢まで生きるわけではありません。
遺伝、病気、事故、食事、肥満、歯の状態、運動、医療などによって寿命には大きな個体差があります。
比較的長寿な犬種だからこそ、若い頃から歯磨き、体重管理、健康診断を習慣化することが重要です。
10歳を超えても活動的なパピヨンはいますが、シニア期には心臓、目、歯、膝、腎臓などの変化を定期的に確認しましょう。
7. パピヨンに必要な運動量

パピヨンは小型犬としてはかなり活発な犬種です。
健康な成犬では毎日の散歩を基本にし、室内遊びやトレーニングを組み合わせます。
- 無理のないペースで散歩する
- 自由ににおいを嗅ぐ時間を作る
- フードを探すノーズワーク
- おもちゃ遊び
- 短いトリック練習
- 飼い主さんとのコミュニケーション
運動量は一律に「毎日何分」と決めるより、年齢、体格、膝の状態、気温、その日の体調などに合わせます。
元気なパピヨンでは、単に長く歩くだけでなく、頭を使う活動を組み合わせることが満足につながります。
学習意欲が高いため、おすわり、待て、おいでだけでなく、おもちゃの名前を覚える、指定した場所へ行くなどの遊びもおすすめです。
ただし、膝蓋骨脱臼などの整形外科疾患がある犬では、ジャンプや急旋回を含む運動を調整する必要があります。
8. パピヨンの抜け毛・お手入れ
パピヨンは、耳、胸、脚、尾などに長い飾り毛を持つ美しい犬種です。
FCI犬種標準ではアンダーコートを持たない被毛とされ、厚い二重毛を持つ犬種とは毛質が異なります。
抜け毛はありますが、ポメラニアンのように大量のアンダーコートが季節的に抜けるタイプとは異なります。
一方、長い飾り毛は耳の後ろやわきなどでもつれやすいため、定期的なブラッシングが必要です。
- 週に数回を目安にブラッシング
- 耳の後ろの毛玉を確認する
- わき・内股のもつれを確認する
- 足裏の毛を整える
- 爪を適切な長さに保つ
- 耳の状態を確認する
毛玉ができてから強く引っ張ると痛みにつながるため、小さいうちからブラッシングへ慣らしておきます。
歯磨きは毎日の習慣にしたい
パピヨンでは被毛と同じくらい、歯のお手入れも重要です。
小さな口の中へ多くの歯が並ぶ小型犬では、歯垢や歯石がたまりやすく、歯周病が進行する犬もいます。
できれば毎日の歯磨きを目標にしましょう。
いきなり歯ブラシで奥歯まで磨くのではなく、口元へ触る、唇を少しめくる、指に付けた歯磨きペーストをなめるなど段階的に練習します。
・犬が歯磨きを嫌がる時の慣らし方|噛む・逃げる犬への7段階とNG対応
9. パピヨンは留守番しやすい?
パピヨンは飼い主さんとのコミュニケーションを好む犬が多いため、迎えた初日から長時間の留守番が得意とは限りません。
一方、短い時間から練習し、一人で安全に休むことを覚えれば、留守番できる犬も多くいます。
- 飼い主さんが家にいても一人でベッドで休む
- 数秒だけ別室へ移動する
- 短時間玄関から出る
- 落ち着ける範囲で少しずつ時間を延ばす
留守番前に散歩やトイレを済ませ、過剰なエネルギーが残りすぎないようにします。
また、非常に小さな犬なので、留守番場所の安全管理も重要です。
誤飲できる物、高い家具、倒れやすい物、コードなどを片付けてください。
・犬の留守番のしつけ方とは?ひとりで待てない時の練習方法を解説
10. パピヨンのしつけのしやすさ
パピヨンは、しつけやトレーニングを楽しみやすい犬種です。
小さなおやつ、遊び、褒め言葉などを報酬に使い、「何をすると正解なのか」を分かりやすく伝える方法が向いています。
- 名前を呼んだら見る
- おすわり
- 待て
- おいで
- ハウス
- トイレ
- リードを緩めて歩く
- 拾い食いをしない
- 体を触られる
特に重要なのが呼び戻しです。
好奇心の強い犬では、鳥、小動物、ほかの犬などへ意識が向くことがあります。
安全な場所で「おいで」を繰り返し練習しましょう。
ただし、呼び戻しが完璧だと思っても、公道や囲いのない場所でノーリードにすることは避けます。
パピヨンは非常に軽いため、小さな隙間から外へ出る事故にも注意してください。
11. パピヨンの無駄吠え・噛み癖などの注意点
パピヨンは周囲への注意力が高く、刺激にすぐ気づく犬がいます。
そのため、警戒心の強い犬では吠えが悩みになることがあります。
- インターホン
- 玄関前の足音
- 窓の外を通る人
- ほかの犬
- 知らない人
- 家族の帰宅
吠えるたびに大声で叱ると、人の声が加わって興奮が強くなる犬もいます。
まず、何に反応しているのかを確認します。
窓の外が刺激なら目隠しをする、インターホンなら小さな音から練習するなど、環境管理とトレーニングを組み合わせます。
子犬では甘噛みも見られます。
手をおもちゃ代わりに激しく動かして遊ぶより、噛んでよいおもちゃを使いましょう。
成犬になって急に触ると噛むようになった場合は、性格だけでなく歯、膝、背中、耳などの痛みがないか確認してください。
12. パピヨンがなりやすい病気

パピヨンは比較的健康で長寿な犬種ですが、犬種として注意したい健康問題があります。
すべてのパピヨンが発症するわけではありませんが、早期発見のために代表的な病気を知っておきましょう。
膝蓋骨脱臼(パテラ)
パピヨンで特に注意したいのが膝蓋骨脱臼です。
膝蓋骨は膝のお皿にあたる骨で、通常は大腿骨にある溝の中を動きます。
膝蓋骨脱臼では、その骨が内側または外側へ外れます。
- 突然後ろ足を上げる
- 数歩だけ3本足になる
- スキップするように歩く
- ジャンプを嫌がる
- 階段を嫌がる
- 長時間歩いた後に足を気にする
軽度ではほとんど症状がない犬もいます。
体重管理、滑りにくい床、無理なジャンプを減らすことなどが日常管理として重要です。
・犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)とは?スキップ歩行・グレード別症状と受診目安を解説
進行性網膜萎縮(PRA)などの眼疾患
パピヨンでは眼科検査が繁殖犬の推奨健康検査に含まれています。
注意したい遺伝性眼疾患のひとつが進行性網膜萎縮(PRA)です。
PRAは網膜の機能が徐々に低下し、視力を失っていく病気です。
- 暗い場所で歩きにくそうにする
- 夜の散歩を嫌がる
- 暗い部屋へ入るのをためらう
- 家具へぶつかる
- 段差を怖がる
ただし、物にぶつかる、目が見えにくいといった症状はPRAだけで起こるものではありません。
白内障、緑内障、網膜剥離などほかの眼疾患でも視力低下が起こります。
急に見えなくなった場合はPRAのような慢性疾患だけと考えず、早めに受診してください。
・犬の進行性網膜萎縮(PRA)とは?夜見えにくい・物にぶつかる症状と失明、遺伝を解説
心臓の病気
パピヨンでは、繁殖犬の健康検査として心臓検査も推奨されています。
小型犬では年齢とともに僧帽弁閉鎖不全症などの心疾患が見つかることがあります。
- 咳が増える
- 以前より散歩で疲れやすい
- 呼吸が速い
- 寝ている時の呼吸数が増える
- 運動を嫌がる
- 重症では失神する
心雑音があっても初期には元気で症状がない犬もいます。
シニア期には定期健診で聴診を受け、必要に応じて心エコーなどを行います。
・犬の心臓病とは?咳・呼吸が速い・疲れやすい時に注意したい病気を解説
歯周病
パピヨンのような小型犬では、歯周病も重要な健康問題です。
歯垢が歯石となり、歯ぐきの炎症が進むと、最終的には歯を支える骨や組織まで傷みます。
- 口臭が強くなる
- 歯石が増える
- 歯ぐきが赤い
- 口を触られるのを嫌がる
- 食べ物を落とす
- 硬い物を噛まなくなる
- 歯がぐらつく
「小型犬だから口臭があるのは普通」と考えないでください。
若いうちから毎日の歯磨きを習慣にすることで、歯垢の蓄積を減らせます。
・犬の歯周病とは?口臭・歯ぐきの腫れ・歯がぐらつく時に注意したい病気を解説
泉門が閉じずに残ることがある
非常に小さな犬では、子犬の頭蓋骨にある泉門が成長後も完全に閉じずに残る場合があります。
多くは大きな症状を起こさないこともありますが、頭部へ強い衝撃が加わることは避ける必要があります。
子犬を迎えた時に泉門について指摘された場合は、家庭で何度も強く触って確認せず、獣医師から日常生活の注意点を聞いてください。
小さな子犬では低血糖にも注意
非常に小さなパピヨンの子犬では、食事を長時間取れない時などに低血糖が問題になることがあります。
- 急に元気がなくなる
- 震える
- ふらつく
- ぼんやりする
- 立てない
- けいれんする
特に、食欲不振、嘔吐、下痢などが続いている子犬では注意します。
反応が弱い、意識が低下している、けいれんしている犬へ、フードや水を無理に口へ流し込まないでください。誤嚥する危険があります。
ぐったりしている場合はすぐ動物病院へ相談してください。
13. パピヨンの食事・ドッグフード選び

パピヨンだから必ず犬種専用フードを選ぶ必要はありません。
基本は、年齢、実際の体重、活動量、避妊・去勢の有無、体質、持病に合わせて総合栄養食を選びます。
体が小さいため、一日に必要なカロリーも大型犬よりかなり少なくなります。
人から見ると小さなおやつ一個でも、パピヨンにとっては一日の必要カロリーの大きな割合になる場合があります。
- フードを毎回計量する
- おやつを与えた分も考慮する
- 定期的に体重を測る
- 肋骨・腰のくびれを確認する
- 家族全員でおやつ量を共有する
膝蓋骨脱臼がある犬では、肥満を避けることが関節への負担を減らすうえで特に重要です。
一方、成長期の子犬を「小さく育てたい」という理由で食事制限しないでください。
子犬には成長に必要なエネルギーと栄養が必要です。
心臓病、腎臓病、尿路結石など持病がある場合は、健康犬とは異なる食事管理が必要になることがあります。
療法食は病名だけで自己判断せず、獣医師の指示に従いましょう。
14. パピヨンの子犬期の注意点

パピヨンの子犬は小さく活発なので、健康管理と家庭内事故の予防を同時に行います。
- ソファやベッドから何度も飛び降りさせない
- 抱っこから落とさない
- 人が踏まないよう足元を確認する
- 小さな異物を床へ置かない
- 食事を適切な回数で与える
- 長時間食べられない状態を作らない
- 無理のない社会化を行う
- 歯磨きやブラッシングへ慣らす
特に子犬期は、将来の性格形成に関わる経験を増やす時期でもあります。
知らない人、犬、車、自転車、生活音などを、子犬が怖がりすぎない距離で経験させます。
「社会化だから」と子犬が震えているのに無理に人へ抱かせたり、大きな犬の群れへ入れたりする必要はありません。
落ち着いて見られる距離から少しずつ経験を増やしましょう。
また、非常に小さなパピヨンでは、脱走防止も重要です。
大型犬なら通れない程度のフェンスや門の隙間でも、小型犬は通り抜けられる場合があります。
庭や玄関の隙間を確認しておきましょう。
15. パピヨンのシニア期の注意点
パピヨンは比較的長寿な犬種なので、シニア期を長く過ごす犬もいます。
年齢とともに活動量が落ちるのは自然な変化のひとつですが、すべてを「歳だから」で済ませないことが大切です。
- 散歩で急に疲れやすくなった
- 咳が増えた
- 寝ている時の呼吸が速い
- 後ろ足を上げるようになった
- 階段を嫌がる
- 暗い場所を歩きにくそうにする
- 家具へぶつかる
- 口臭が強くなった
- 硬い物を食べなくなった
- 体重が減ってきた
こうした変化には、心臓病、膝の病気、目の病気、歯周病などが隠れていることがあります。
シニア犬でも元気に歩ける場合は、完全に散歩をやめず、体調に合わせて適度に歩いて筋肉を維持しましょう。
一方、心臓や関節の病気がある犬では運動量を個別に調整する必要があります。
健康診断の頻度も若い頃より増やし、症状が出る前の変化を見つけることが長期的な健康管理につながります。
16. パピヨンが向いている人
パピヨンは次のような人と相性を作りやすい犬種です。
- 小型犬と室内で暮らしたい人
- 犬とのトレーニングを楽しみたい人
- 毎日散歩へ行ける人
- 室内でも頭を使う遊びをしたい人
- ブラッシングを定期的にできる人
- 毎日の歯磨きを習慣にできる人
- 警戒吠えへ根気よく対応できる人
- 小型犬の膝・骨格へ配慮できる人
- 子犬期から社会化を行える人
反対に、「小さいから一日中抱っこでよい」「散歩やトレーニングには時間を使いたくない」という生活とは相性がよくありません。
パピヨンは小さくても活動的で、飼い主さんと一緒に何かをすることを楽しみやすい犬種です。
その知的で活発な面を楽しめる人に向いています。
17. パピヨンのよくある質問
Q. パピヨンは初心者でも飼いやすいですか?
初めて犬と暮らす人にも候補になります。学習意欲が高く、報酬を使ったトレーニングを進めやすい犬種です。ただし、毎日の散歩、遊び、歯磨き、ブラッシング、安全管理は必要です。
Q. パピヨンは何kgくらいですか?
FCI標準では最低体重1.5kgで、オスは最大4.5kg、メスは最大5kgです。家庭犬の健康管理では犬種標準の数字だけではなく、その犬の骨格と適正体型を優先してください。
Q. パピヨンは散歩が少なくても大丈夫ですか?
小型犬ですが活発なので、健康な成犬では毎日の散歩がおすすめです。散歩だけでなく、室内でトレーニングやノーズワークなど頭を使う遊びも取り入れましょう。
Q. パピヨンは賢いですか?
学習意欲が高く、さまざまなトリックやドッグスポーツを楽しめる犬が多い犬種です。ただし、賢いから何もしなくても良い行動を選ぶわけではないため、一貫したトレーニングが必要です。
Q. パピヨンは吠えやすいですか?
周囲への注意力が高く、インターホンや人の気配へ警戒して吠える犬はいます。すべてのパピヨンが同じではなく、性格、社会化、生活環境、学習経験によって変わります。
Q. パピヨンは毛が抜けませんか?
抜け毛はあります。FCI標準ではアンダーコートを持たない被毛とされていますが、長い飾り毛が絡むため定期的なブラッシングは必要です。
Q. パピヨンはトリミングサロンで毎月全身カットが必要ですか?
プードルのように被毛が伸び続けて全身カットが必須になるタイプではありません。ただし、シャンプー、爪切り、足裏や衛生面のケアなどでサロンを利用する家庭もあります。
Q. パピヨンが後ろ足を時々上げます
膝蓋骨脱臼で見られる歩き方のひとつです。ただし、足先のケガや靭帯などほかの原因もあるため、繰り返す場合は診察を受けてください。
Q. 夜になると物にぶつかるようになりました
進行性網膜萎縮などの網膜疾患で夜間の視力が先に低下することがあります。白内障などほかの病気でも視力低下は起きるため、眼科検査を受けましょう。
Q. パピヨンは留守番できますか?
個体差がありますが、短時間から段階的に練習すれば一人で落ち着いて過ごせる犬もいます。迎えた直後から長時間留守番させず、一人で休む経験から作りましょう。
Q. パピヨンで特に注意したい病気は?
膝蓋骨脱臼、進行性網膜萎縮などの眼疾患、心臓病、歯周病などについて知っておくとよいでしょう。子犬では泉門や低血糖にも注意します。ただし、すべてのパピヨンが発症するわけではありません。
まとめ|パピヨンは小さくても活発で頭を使うことが大好きな犬種

パピヨンは、蝶の羽のような美しい耳と、小さく優雅な体つきが特徴のコンパニオンドッグです。
見た目は華奢ですが、実際には活発で行動的な犬が多く、毎日の散歩や飼い主さんとの遊び、トレーニングを楽しみやすい犬種です。
学習意欲が高いため、おすわりや待てだけでなく、さまざまなトリックやドッグスポーツにも挑戦できます。
一方、周囲への注意力が高い犬では、物音や来客に警戒して吠えることがあります。子犬期からさまざまな環境へ無理なく慣らし、静かにできた行動を褒めましょう。
被毛は長く華やかですが、FCI標準ではアンダーコートを持たない被毛です。抜け毛が全くないわけではなく、耳の後ろやわきなどの毛玉を防ぐため、定期的なブラッシングが必要です。
健康面では、膝蓋骨脱臼、進行性網膜萎縮などの眼疾患、心臓病、歯周病などについて知っておきましょう。
繁殖犬でも膝蓋骨、心臓、眼科の健康検査が推奨されているため、これから子犬を迎える場合は両親犬の健康検査について確認することも大切です。
非常に小さな子犬では、食事を長時間取れないことによる低血糖や、高い場所からの落下など家庭内事故にも注意します。
シニア期には咳、歩き方、視力、歯、体重などを定期的に確認し、変化を単なる老化と決めつけないようにしましょう。
パピヨンは「小さいから楽な犬」ではなく、小さな体に高い活動性と学習意欲を持った犬種です。毎日の散歩やトレーニングを一緒に楽しみ、安全と健康を守れる家庭で、その魅力を発揮しやすいでしょう。


