マルチーズの性格・飼いやすさは?寿命・運動量・なりやすい病気まで解説

マルチーズは、純白の長く美しい被毛と、小さな体、黒く丸い目が印象的な小型犬です。

抱っこされている姿から「おとなしい愛玩犬」という印象を持たれやすいですが、実際のマルチーズは活発で遊び好きな一面もあり、飼い主さんとのコミュニケーションを楽しみやすい犬種です。

ジャパンケネルクラブでは、マルチーズの性格について、活発で愛情深く、非常に穏やかで大変知的とされています。

体が小さく、日本の住宅環境でも一緒に暮らしやすい一方で、「小型犬だからお世話が簡単」という犬種ではありません。

長い白い被毛は毛玉を防ぐためのブラッシングが必要で、短くカットして暮らす場合でも、顔周り、目の周り、足先、耳、歯などの日常的なお手入れが欠かせません。

また、人との距離が近い生活を好む犬では、飼い主さんと離れることを苦手とする場合があります。留守番を急に長時間経験させるのではなく、子犬の頃から一人で落ち着いて休む練習をしておくことも大切です。

健康面では、膝蓋骨脱臼(パテラ)、歯周病、心臓の異常、先天性門脈体循環シャントや肝臓の微小血管異形成などについて知っておきたい犬種です。

白い被毛では涙やけも目立ちやすくなりますが、涙やけを単なる美容上の問題として扱わないことも重要です。急に涙が増えた、目やにが多い、目をしょぼしょぼする、充血している場合は、目の病気が隠れていないか確認する必要があります。

さらに、小さな子犬では食事が十分に取れない状態が続くと低血糖を起こす危険があります。「小さく育てたい」という理由で成長期の食事量を意図的に減らすことは避けてください。

マルチーズの飼いやすさを考える時は、体の小ささだけではなく、被毛・歯・膝・留守番・毎日のコミュニケーションまで含めて考えることが大切です。

この記事では、マルチーズの性格、飼いやすさ、大きさ、寿命、運動量、抜け毛、お手入れ、留守番、しつけから、注意したい病気、食事、子犬期・シニア期の管理まで詳しく解説します。

  1. 1. マルチーズの基本情報
  2. 2. マルチーズの性格
  3. 3. マルチーズの飼いやすさ
  4. 4. マルチーズは初心者でも飼いやすい?
  5. 5. マルチーズの大きさ・体重
  6. 6. マルチーズの平均寿命
  7. 7. マルチーズに必要な運動量
  8. 8. マルチーズの抜け毛・お手入れ
    1. マルチーズの涙やけ
  9. 9. マルチーズは留守番しやすい?
  10. 10. マルチーズのしつけのしやすさ
  11. 11. マルチーズの無駄吠え・噛み癖などの注意点
  12. 12. マルチーズがなりやすい病気
    1. 膝蓋骨脱臼(パテラ)
    2. 歯周病
    3. 先天性門脈体循環シャント
    4. 肝臓の微小血管異形成
    5. 心臓の病気
    6. 目のトラブル
  13. マルチーズの健康診断で確認したいこと
  14. 13. マルチーズの食事・ドッグフード選び
    1. 小型犬はおやつの影響が大きい
    2. 涙やけだけを理由に極端な食事制限をしない
    3. 持病がある犬は治療に合った食事を選ぶ
  15. 14. マルチーズの子犬期の注意点
    1. 小さな子犬では低血糖に注意
    2. 子犬期からお手入れへ慣らす
  16. 15. マルチーズのシニア期の注意点
  17. 16. マルチーズが向いている人
  18. 17. マルチーズのよくある質問
    1. Q. マルチーズは初心者でも飼いやすいですか?
    2. Q. マルチーズの体重は何kgくらいですか?
    3. Q. マルチーズは毛が抜けない犬ですか?
    4. Q. 犬アレルギーでもマルチーズなら大丈夫ですか?
    5. Q. マルチーズは毎日散歩が必要ですか?
    6. Q. マルチーズは吠えやすいですか?
    7. Q. マルチーズの涙やけは病気ですか?
    8. Q. マルチーズで特に注意したい病気は?
    9. Q. 歩いている途中で後ろ足を上げます
    10. Q. 子犬がごはんを食べず、震えています
    11. Q. マルチーズは留守番できますか?
  19. まとめ|マルチーズは人との暮らしを楽しみながら被毛・歯・膝・目を丁寧に管理したい犬種
  20. 【最新版】私がおすすめする犬用品10選

1. マルチーズの基本情報

犬種名マルチーズ
原産地域中央地中海沿岸地域
用途コンパニオン&トイ
サイズ分類小型犬
体高牡21~25cm、牝20~23cm
体重3~4kgが犬種標準
平均寿命12~15年程度がひとつの目安
運動量小型犬としては適度。毎日の散歩と遊びが必要
被毛長くまっすぐなシルキーコート
抜け毛比較的少ないが、被毛管理は必要
トリミング長く保つ場合は毎日の手入れが重要。短いカットを選ぶ家庭も多い
留守番個体差あり。短時間からの練習が重要
しつけやすさ知的で学習しやすいが、一貫した報酬ベースの練習が必要
初心者向き被毛・歯・健康管理まで継続できる人なら候補

「マルチーズ」という名前からマルタ島だけが原産地だと思われがちですが、JKCの犬種標準では原産国・地域は中央地中海沿岸地域とされています。

古くから人との暮らしに寄り添ってきたコンパニオン犬で、現在も家庭犬として人との距離が近い生活を好む犬が多くいます。

犬種標準では体重3~4kgですが、家庭犬では骨格や筋肉量によって個体差があります。健康管理では数字だけへ無理に合わせず、肋骨の触れ方や腰のくびれなどを含めた適正体型を確認しましょう。

2. マルチーズの性格

マルチーズは、飼い主さんへの愛情が深く、人とのコミュニケーションを好みやすい犬種です。

小さな体ですが意外と活発で、室内を走ったり、おもちゃで遊んだり、簡単なトレーニングを楽しんだりする犬も多くいます。

  • 家族との距離が近い犬が多い
  • 愛情深い傾向がある
  • 活発で遊び好きな犬も多い
  • 周囲の変化へよく気づく
  • 知的で学習が速い犬がいる
  • 警戒して吠える犬もいる

ただし、「マルチーズなら必ず甘えん坊」「必ず人懐っこい」という意味ではありません。

実際の性格には遺伝的な気質、親犬の性格、子犬期の社会化、飼育環境、過去の経験なども関係します。

慎重な犬を無理に知らない人へ抱かせたり、怖がっている犬を犬の集団へ入れたりする必要はありません。犬が落ち着いていられる距離から少しずつ経験を増やしましょう。

3. マルチーズの飼いやすさ

マルチーズは体が小さく、マンションやアパートなどでも生活スペースを確保しやすい犬種です。

大型犬ほど大量の食事や広い居住スペースが必要になるわけではなく、キャリーを使った移動もしやすい点は一緒に暮らしやすい部分です。

一方で、お手入れの時間は必要です。

  • 被毛のブラッシング
  • 目周りの確認
  • 顔周りを清潔に保つ
  • 歯磨き
  • 爪切り
  • 耳の確認
  • 定期的なシャンプーやトリミング

ロングコートを美しく維持する場合は、特に被毛管理の手間が増えます。

家庭犬では短めのカットを選ぶこともできますが、短くしたからブラッシングや皮膚の確認が不要になるわけではありません。

また、体が小さいため、抱っこからの落下、人に踏まれる事故、家具からの飛び降りなどにも注意します。

4. マルチーズは初心者でも飼いやすい?

マルチーズは、初めて犬を飼う人にも候補になる犬種です。

人とのコミュニケーションを取りやすく、知的で、報酬を使ったトレーニングにも反応しやすい犬が多いことは初心者にも取り組みやすいポイントです。

ただし、初心者向きという言葉を「何もしなくても飼いやすい」と受け取らないようにしてください。

  • 毎日適度に散歩できる
  • ブラッシングを継続できる
  • 歯磨きを習慣にできる
  • 目周りを毎日確認できる
  • 一人で休む練習ができる
  • 吠えを叱るだけで解決しようとしない
  • 小型犬特有の健康管理を学べる

こうしたお世話まで無理なく続けられるなら、マルチーズは初心者でも一緒に暮らしやすい犬種です。

5. マルチーズの大きさ・体重

JKCの犬種標準では、マルチーズの体高は牡21~25cm、牝20~23cm、体重は3~4kgです。

ただし、これは犬種標準としての目安で、家庭犬の健康体重が全員まったく同じになるわけではありません。

骨格が大きい犬を3kgに合わせようとして食事を減らせば、必要な筋肉まで落としてしまう可能性があります。

反対に、「マルチーズは小さいから少しくらい太っても大丈夫」と考えることもおすすめできません。

小さな体では、数百グラムの増減でも体重に占める割合が大きくなります。膝への負担を考えても適正体型を維持することが大切です。

豊かな被毛で体型が分かりにくい場合は、ブラッシングの時に肋骨や腰周りへ実際に触れて確認しましょう。

6. マルチーズの平均寿命

マルチーズは比較的長寿な小型犬です。

海外の主要な犬種情報では12~15年程度が寿命の目安として紹介されています。

もちろん平均寿命は、個々の犬が何歳まで生きるかを保証する数字ではありません。

遺伝、食事、体重、歯の状態、膝や心臓などの病気、事故、生活環境、医療によって寿命には大きな個体差があります。

長寿になりやすい犬種だからこそ、10歳を超えてからの歯科管理、心臓のチェック、歩き方、体重、視力などまで見据えて暮らす必要があります。

7. マルチーズに必要な運動量

マルチーズは小型犬ですが、活発で遊び好きな犬種です。

室内だけで生活できる体の大きさではありますが、「家の中を歩いているから散歩はいらない」と考えるのはおすすめできません。

散歩には体を動かすだけでなく、外のにおいを嗅ぐ、さまざまな音を聞く、人や犬を安全な距離から見るなどの刺激があります。

  • 毎日の短い散歩
  • 室内でのおもちゃ遊び
  • フードを探すノーズワーク
  • 簡単なトレーニング
  • 落ち着いてにおいを嗅ぐ時間

必要な運動量は年齢、体格、気温、膝や心臓の状態によって変わります。

若く元気な犬とシニア犬で同じ運動時間へ合わせる必要はありません。

膝蓋骨脱臼がある犬では、獣医師と相談しながら無理のない運動量を決めます。運動を完全になくすのではなく、適正体重と筋肉を維持できる活動を考えましょう。

8. マルチーズの抜け毛・お手入れ

マルチーズは、床まで届くほど長く伸びる白いシルキーコートが犬種の大きな特徴です。

抜け毛は比較的少ない犬種ですが、「毛が抜けないからお手入れが簡単」という意味ではありません。

長い毛は絡みやすく、毛玉になると皮膚が引っ張られ、痛みや蒸れの原因になることがあります。

  • 毎日のブラッシングまたはこまめなコーミング
  • 顔周りを清潔に保つ
  • 目に毛が入らないよう管理する
  • 定期的なシャンプー
  • 爪切り
  • 耳の状態を確認する
  • 歯磨き

家庭犬では被毛を短く整える「ペットカット」を選ぶこともあります。

短くするとロングコートより管理しやすくなることがありますが、定期的なトリミングが必要です。

ブラッシングを嫌がる犬では、押さえつけて一度に全身を仕上げようとすると、さらにブラシを嫌いになることがあります。

・犬がブラッシングを嫌がる時の慣らし方

サロンそのものを怖がる場合は、場所やスタッフ、テーブル、ドライヤーなどを分けて慣らします。

・犬がトリミングサロンを嫌がる時の慣らし方

マルチーズの涙やけ

白い被毛のマルチーズでは、目の下が赤茶色になる涙やけが目立ちやすくなります。

涙に含まれる色素によって白い毛が着色することがあり、軽い涙やけだけなら美容上の変化である場合もあります。

しかし、涙の量が急に増えた、黄色や緑色の目やにが出る、片目を閉じる、白目が赤い、目をこするなどの症状があれば、「マルチーズだから涙やけするだけ」と決めつけないでください。

目の表面の傷、炎症、まぶたやまつ毛の異常、涙の通り道などを確認する必要があります。

・犬の目やにが多い原因とは?色・量で注意したい病気と受診目安

・犬が目をしょぼしょぼする原因とは?片目を細める時の危険サインと受診目安

9. マルチーズは留守番しやすい?

マルチーズは人との関わりを好みやすく、家族への愛着が強い犬もいます。

そのため、「人が好き=留守番が得意」とは限りません。

迎えた直後から長時間一人にすると、吠える、鳴く、落ち着かない、物を壊すなどの行動が出る犬もいます。

まずは、飼い主さんが同じ部屋にいても犬が一人でベッドで休める状態を作ります。

その後、数秒別室へ行く、短く玄関から出るというように時間を少しずつ延ばします。

  • 安心して眠れる場所を作る
  • 出かける前に排泄を済ませる
  • 適度に遊びや散歩をする
  • 室温を安全に保つ
  • 誤飲できる物を片付ける
  • 短時間から練習する

飼い主さんが外出準備をするだけで震える、毎回長時間吠え続ける、ドアや窓を傷つけて脱出しようとする場合は、不安の程度を確認する必要があります。

・犬の留守番のしつけ方とは?ひとりで待てない時の練習方法を解説

10. マルチーズのしつけのしやすさ

マルチーズは知的で、人とのやり取りを楽しみやすいため、基本的なしつけを学べる犬種です。

一方で、小型犬は困った行動が起きても「抱っこすれば止められる」ため、基本トレーニングが後回しになることがあります。

体が小さくても、犬自身が安全に生活するための練習は必要です。

  • 名前を呼んだらこちらを見る
  • おすわり
  • 待て
  • おいで
  • ハウス
  • トイレ
  • リードを付けて歩く
  • 体を触られることへ慣れる
  • ブラッシングや歯磨きを受け入れる

一度に長時間練習するより、日常生活の中で1~3分程度の短い練習を繰り返す方が続けやすくなります。

できなかった時に叱ることを中心にするのではなく、犬が正しい行動を選んだ瞬間に褒めて報酬を与えましょう。

11. マルチーズの無駄吠え・噛み癖などの注意点

マルチーズは小さな体でも周囲の変化へよく気づき、警戒して吠える犬がいます。

特にマンションでは、玄関前の足音、インターホン、宅配便、エレベーターの音、窓の外の人などへ反応することがあります。

吠えた瞬間に大声で怒鳴っても、犬には「何をすれば正解なのか」が伝わらない場合があります。

  • 何に吠えているのか確認する
  • 外が見えすぎるなら視界を調整する
  • インターホン音を小さい音から慣らす
  • 来客時にハウスへ移動する練習をする
  • 静かにできた瞬間を褒める

・犬の無駄吠えの直し方とは?吠える理由別のしつけ方法を解説

子犬期には甘噛みも見られます。手を噛んだことを力で押さえ込むより、噛んでよいおもちゃへ誘導し、興奮しすぎる前に休憩を入れます。

成犬になって急に触ると噛むようになった場合は、歯、耳、目、膝、背中などの痛みが関係していないかも確認してください。

12. マルチーズがなりやすい病気

マルチーズと暮らすうえでは、犬種として注意されている健康問題を知っておくことも大切です。

ただし、ここで紹介する病気がすべてのマルチーズに発症するわけではありません。

犬種情報は病気を決めつけるためではなく、「どんな変化があれば早めに診察を受けるか」を知るために利用しましょう。

膝蓋骨脱臼(パテラ)

マルチーズで特に知っておきたい整形外科疾患のひとつが膝蓋骨脱臼です。

膝蓋骨は、膝の前にある小さな骨です。本来は大腿骨にある溝の中を動きますが、この骨が内側または外側へ外れる状態を膝蓋骨脱臼といいます。

  • 散歩中に突然後ろ足を上げる
  • 数歩だけ3本足で歩く
  • スキップするような歩き方をする
  • ジャンプを嫌がる
  • 階段をためらう
  • 重症では後ろ足を継続的に使いにくくなる

軽度ではほとんど症状がない犬もいますが、「ときどき足を上げるだけ」と自己判断せず、繰り返す場合は膝の状態を確認してもらいましょう。

・犬の膝蓋骨脱臼(パテラ)とは?スキップ歩行・グレード別症状と手術、受診目安を解説

歯周病

マルチーズを含む小型犬では、歯の健康管理が特に重要です。

小さな口の中に多くの歯が並ぶため、歯垢や歯石を放置すると歯周病が進行することがあります。

  • 口臭が強くなる
  • 歯ぐきが赤い
  • 歯石が多い
  • 硬い食べ物を避ける
  • 食べ物を口から落とす
  • 口元を触られるのを嫌がる
  • 歯がぐらつく

「小型犬だから口臭があるのは普通」と考えないようにしてください。

歯周病が進行してから家庭で歯石を削るのではなく、日頃の歯磨きと動物病院での口腔チェックを組み合わせます。

・犬の歯周病とは?口臭・歯ぐきの腫れ・歯がぐらつく時に注意したい病気を解説

歯ブラシを嫌がる場合はこちらも参考にしてください。

・犬が歯磨きを嫌がる時の慣らし方|噛む・逃げる犬への7段階とNG対応

先天性門脈体循環シャント

マルチーズでは、先天性門脈体循環シャントについて知っておきたい犬種です。

正常では、腸から吸収された栄養やさまざまな物質を含む血液は門脈を通って肝臓へ入り、肝臓で処理された後に全身へ流れます。

門脈体循環シャントでは、本来肝臓を通るはずの血液の一部が異常な血管を通って肝臓を迂回します。

  • 子犬の成長が悪い
  • 体が小さい
  • 食欲が安定しない
  • 嘔吐や下痢を繰り返す
  • 食後にぼんやりする
  • ふらつく
  • よだれが増える
  • 行動がおかしくなる
  • けいれんする

症状には個体差があり、すべての犬が同じ経過を示すわけではありません。

マルチーズの繁殖犬や子犬では、海外の犬種クラブが血清胆汁酸検査を推奨しています。

食後に神経症状がある、成長が明らかに悪い、嘔吐を繰り返す場合は、小型犬だから食が細いだけと判断しないことが大切です。

・犬が吐く原因とは?嘔吐が続く時の危険サインと受診目安を解説

・犬が元気がない原因とは?ぐったりしている時の危険サインと受診目安を解説

肝臓の微小血管異形成

マルチーズでは、肝臓内の非常に細い血管の発達に異常がある微小血管異形成も報告されています。

大きな一本のシャント血管がある先天性門脈体循環シャントとは異なり、肝臓内部の細い血管レベルで血流の異常が起こります。

まったく症状がない犬もいますが、胆汁酸検査などで異常が確認される場合があります。

血液検査で肝臓関連の異常が続いている場合は、「マルチーズにはよくある数値」と放置せず、必要な検査について獣医師へ相談してください。

心臓の病気

マルチーズでは、繁殖犬に対する健康検査として心臓検査が推奨されています。

若い犬では動脈管開存症などの先天性心疾患が問題になることがあり、年齢を重ねると小型犬で多い僧帽弁の病気なども注意します。

  • 以前より疲れやすい
  • 散歩の途中で止まる
  • 咳をする
  • 安静時も呼吸が速い
  • 興奮すると呼吸が苦しそう
  • 突然倒れる・失神する

咳があるから心臓病、失神したから心臓病と家庭で判断することはできません。

聴診、レントゲン、心臓超音波、心電図など、症状に応じた検査で原因を調べます。

・犬の心臓病とは?咳・呼吸が苦しそう・疲れやすい時に注意したい病気を解説

目のトラブル

マルチーズでは白い被毛のため涙の着色が目立ちやすいことに加え、眼科検査も健康管理で利用されています。

涙やけそのものだけでなく、次の症状が出ていないか確認しましょう。

  • 目やにが急に増えた
  • 涙が大量に出る
  • 白目が赤い
  • 片目を閉じている
  • 前足で目をこする
  • 黒目が白・青く濁る
  • 物へぶつかる

特に目を痛がる、急に白く濁る、視力が低下したように見える場合は、単なる涙やけとして美容ケアだけで済ませないでください。

マルチーズの健康診断で確認したいこと

犬種としてのリスクを知っていても、実際の健康状態を確認するには定期的な診察が必要です。

  • 膝蓋骨の状態
  • 心雑音の有無
  • 歯・歯ぐきの状態
  • 体重と体型
  • 目と涙の状態
  • 皮膚・被毛
  • 必要に応じた血液検査

子犬では成長状態や先天性疾患、成犬では歯や膝、シニア期には心臓や全身状態など、年齢によって重点が変わります。

「病気になってから病院へ行く」だけでなく、健康な時の基準値や歩き方、心音などを確認しておくことも役立ちます。

13. マルチーズの食事・ドッグフード選び

マルチーズだから必ず犬種専用フードを選ばなければならないわけではありません。

基本は、年齢、現在の体重、活動量、避妊・去勢の有無、体質、持病などに合う総合栄養食を選びます。

小型犬はおやつの影響が大きい

マルチーズは体が小さいため、人にとって一口のおやつでも犬にとっては大きなカロリーになる場合があります。

トレーニングでおやつを使う時も、大きな物を何個も与えるのではなく、小さく分けて一日の総量を管理しましょう。

肥満は膝などへの負担を増やします。

涙やけだけを理由に極端な食事制限をしない

「この原材料をやめれば必ず涙やけが消える」といった情報もありますが、涙やけには涙の量、目やまぶた、毛の刺激など複数の要因があります。

涙やけだけを理由に栄養バランスの不明な手作り食へ変える前に、目そのものに異常がないか確認しましょう。

持病がある犬は治療に合った食事を選ぶ

先天性の肝血管異常、心臓病などが診断された犬では、一般的な健康犬と異なる栄養管理が必要になることがあります。

病名だけを見て市販の療法食へ自己判断で切り替えず、獣医師へ相談してください。

14. マルチーズの子犬期の注意点

マルチーズの子犬は非常に小さく、家庭内の事故や体調変化へ特に注意したい時期です。

  • 抱っこから落とさない
  • ソファやベッドから飛び降りさせない
  • 足元にいる犬を踏まないよう注意する
  • 小さな異物を床へ置かない
  • 適切な食事量を確保する
  • 長時間食べない状態を放置しない
  • 社会化とお手入れ練習を始める

小さな子犬では低血糖に注意

非常に小さな子犬では、長時間食べられない状態や体調不良によって低血糖が起こることがあります。

  • ぐったりする
  • 震える
  • ふらつく
  • 反応が鈍い
  • 立てない
  • 重症ではけいれんする

こうした状態がある場合は、単に眠いだけと考えないでください。

また、意識が低下している犬へフード、水、はちみつなどを無理に口へ流し込むと誤嚥する危険があります。すぐ動物病院へ連絡してください。

子犬を小さく育てようとして食事量を減らすことも避けます。成長期には骨、筋肉、脳、臓器の発達に必要な栄養があります。

子犬期からお手入れへ慣らす

マルチーズは生涯にわたってブラッシング、顔周りのケア、歯磨き、爪切りなどを行う機会が多い犬種です。

成犬になってから突然長時間押さえて行うより、子犬のうちから数秒触る、ブラシを一回当てる、口元へ軽く触るなどの練習を行いましょう。

できたらすぐ褒めて終了し、「お手入れ=長時間我慢させられる時間」にしないことがポイントです。

15. マルチーズのシニア期の注意点

マルチーズは比較的長寿なため、シニア期の健康管理を長く行う可能性があります。

年齢とともに活動量が減ることはありますが、すべてを老化のせいにしないことが大切です。

  • 散歩で疲れやすくなった
  • 咳が増えた
  • 眠っている時の呼吸が速い
  • 後ろ足を上げる
  • 階段や段差を嫌がる
  • 口臭が強くなった
  • 硬い物を食べなくなった
  • 目やにや涙が増えた
  • 体重が急に減った

こうした症状の中には、心臓病、膝の病気、歯周病、眼疾患などが隠れていることがあります。

散歩量は犬の状態に合わせて調整しますが、病気がなく歩ける犬では、完全に散歩をやめるのではなく短い距離でも体を動かす機会を作ります。

シニアになると筋肉量も低下しやすいため、適正体重を維持しながら無理のない活動を続けましょう。

16. マルチーズが向いている人

マルチーズは、次のような人と相性を作りやすい犬種です。

  • 小型犬と室内で暮らしたい人
  • 犬とのコミュニケーションを楽しみたい人
  • ブラッシングを継続できる人
  • 定期的なトリミングへ通える人
  • 歯磨きを習慣にできる人
  • 毎日適度な散歩や遊びができる人
  • 留守番を短時間から練習できる人
  • 膝や心臓などの健康管理を続けられる人
  • 小さな犬を安全に扱える人

反対に、「毛が抜けにくいからブラッシング不要」「小型犬だから散歩不要」「いつも一緒にいれば留守番練習はいらない」と考えている場合は、実際の暮らしとのギャップが大きくなる可能性があります。

これから迎える場合は、子犬のかわいらしさだけでなく、成犬になった後のお手入れ、歯科管理、シニア期の通院まで考えておきましょう。

17. マルチーズのよくある質問

Q. マルチーズは初心者でも飼いやすいですか?

人とのコミュニケーションを好みやすく、体も小さいため初心者にも候補になります。ただし、被毛、歯、目周り、膝などのケアを継続する必要があります。

Q. マルチーズの体重は何kgくらいですか?

JKCの犬種標準では3~4kgです。ただし家庭犬では骨格や筋肉量に個体差があります。数字だけへ合わせず、適正なボディコンディションを確認してください。

Q. マルチーズは毛が抜けない犬ですか?

抜け毛は比較的少ない犬種ですが、完全に抜けないわけではありません。また、抜け毛が少なくても長い被毛には毎日のブラッシングが必要です。

Q. 犬アレルギーでもマルチーズなら大丈夫ですか?

抜け毛が少ない犬種でも、アレルギーの原因となる物質がゼロになるわけではありません。家族に犬アレルギーがある場合は、「低抜け毛=必ず症状が出ない」と考えず、迎える前に実際に犬と接する機会を作るなど慎重に検討してください。

Q. マルチーズは毎日散歩が必要ですか?

健康な犬なら、短時間でも毎日外へ出る機会を作るのがおすすめです。運動だけでなく、におい、音、外の環境へ触れる刺激にもなります。

Q. マルチーズは吠えやすいですか?

警戒して物音や来客へ吠える犬はいますが、すべてのマルチーズが同じではありません。社会化、生活環境、学習経験などでも変わります。

Q. マルチーズの涙やけは病気ですか?

涙による毛の着色だけなら美容上の問題であることもあります。ただし、急に涙が増えた、目やに、充血、痛みなどを伴う場合は眼疾患を確認してください。

Q. マルチーズで特に注意したい病気は?

膝蓋骨脱臼、歯周病、先天性門脈体循環シャントや肝臓の微小血管異形成、心臓の病気などについて知っておくとよいでしょう。ただし、すべてのマルチーズが発症するわけではありません。

Q. 歩いている途中で後ろ足を上げます

膝蓋骨脱臼で見られる症状のひとつですが、足先のケガ、骨折、靭帯など別の原因でも起こります。繰り返す場合や足をまったく着けない場合は受診してください。

Q. 子犬がごはんを食べず、震えています

非常に小さな子犬では低血糖などの可能性があります。ぐったりする、ふらつく、意識が悪い場合は緊急性があります。意識が低下した犬へ無理に食べ物や水を流し込まず、動物病院へ連絡してください。

Q. マルチーズは留守番できますか?

個体差がありますが、短時間から段階的に練習することで落ち着いて留守番できる犬もいます。人が好きだからと、常に誰かと一緒の生活だけにせず、一人で休む経験も作りましょう。

まとめ|マルチーズは人との暮らしを楽しみながら被毛・歯・膝・目を丁寧に管理したい犬種

マルチーズは、純白の美しい被毛と小さな体、人への愛情深さが魅力の小型犬です。

体がコンパクトで日本の住宅でも一緒に暮らしやすく、知的で飼い主さんとのトレーニングも楽しみやすいため、初めて犬を迎える人にも候補になります。

ただし、飼育の手間が少ない犬種ではありません。

長い白い被毛にはブラッシングが必要で、短いペットカットを選んでも顔周り、目、耳、爪、歯などのケアは続きます。

特に歯磨きは、口臭を抑える美容目的だけではなく歯周病を防ぐための健康管理として子犬期から習慣にしておきたいケアです。

健康面では、膝蓋骨脱臼、歯周病、心臓の病気、先天性門脈体循環シャントや肝臓の微小血管異形成などについて知っておきましょう。

涙やけもマルチーズでは目立ちやすいものの、「この犬種だから仕方ない」で終わらせず、涙や目やにが急に増えた、充血している、目を痛がる場合は眼科的な異常を確認することが大切です。

また、小さな子犬では低血糖に注意し、十分な栄養を与えます。「小さく育てたい」という理由で食事を意図的に減らしてはいけません。

成犬になった後は適正体重を維持し、毎日の短い散歩や遊びで体を動かします。シニア期には咳、疲れやすさ、歩き方、口臭、目の変化などを老化だけと決めつけないことも重要です。

マルチーズの小さな体と愛らしい見た目だけではなく、人との結びつきを大切にする性格と日常のお手入れまで理解し、愛犬自身の性格・体格・健康状態に合わせた生活を作ることが、長く安心して暮らすためのポイントです。


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