
愛犬が急にふらふら歩き始めた。
まっすぐ歩けず、左右へよろける。
後ろ足がもつれるように見えたり、立っていても体が傾いたりする。
このような変化があると、「足が痛い?」「めまい?」「脳や神経の病気?」と心配になりますよね。
犬のふらつきは、単なる疲れだけでなく、体のバランスを保つ前庭の異常、脳や脊髄などの神経疾患、足腰の痛み、全身の脱力など、さまざまな原因で起こります。
また、貧血や循環の異常、低血糖、中毒などによって力が入らず、「ふらついている」ように見える場合もあります。
突然立てなくなった、何度も転ぶ、意識がおかしい、けいれんしている、呼吸が苦しい、歯ぐきが白い・青紫色、誤食や中毒の可能性がある場合は緊急です。
ふらついている犬を無理に歩かせたり、階段を上り下りさせたり、足腰を揉んだりしないでください。
この記事では、犬がふらつく時に考えられる原因、前庭疾患や神経疾患との関係、危険サイン、自宅で確認するポイント、動物病院で行われる検査について解説します。

- 犬がふらつくとはどんな状態?
- 「ふらつき」と「足をかばう歩き方」は少し違う
- まず確認したい緊急サイン
- 犬がふらつく主な原因
- 「ふらつき+頭が傾く・目が揺れる」場合
- 「ふらつき+後ろ足がもつれる」場合
- 「ふらつき+歯ぐきが白い」場合
- 「ふらつき+震え・けいれん」がある場合
- 「ふらつき+元気がない」場合
- 少し休んだら治った場合も注意する
- 自宅で確認しておきたいポイント
- 歩き方は動画で残しておく
- ふらついている犬を安全に休ませる方法
- 動物病院へ運ぶ時の注意点
- 犬がふらつく時にやってはいけないこと
- 動物病院で行われる主な検査
- 子犬がふらつく場合
- 成犬が突然ふらつく場合
- シニア犬がふらつく場合
- 受診時に伝えるとよいこと
- よくある質問
- まとめ|犬のふらつきは歩き方だけでなく意識・目・歯ぐきも確認する
- 【最新版】私がおすすめする犬用品10選
犬がふらつくとはどんな状態?
「ふらつく」という言葉には、いくつかの歩き方や姿勢の異常が含まれます。
- 左右へよろける
- まっすぐ歩けない
- 体が一方向へ傾く
- 何度も転びそうになる
- 後ろ足が交差する
- 足先の位置がおかしい
- 足の甲を地面へ擦る
- 腰が左右へ揺れる
- 立っていても体を支えにくい
- 歩こうとすると崩れる
医学的には、筋力そのものが極端に低下しているわけではないのに、体の動きをうまく協調できない状態を「運動失調(アタキシア)」と表現することがあります。
ただし、飼い主さんから「ふらつく」と見える状態が、すべて運動失調とは限りません。
足の痛み、筋力低下、貧血、血圧低下などによる脱力でも、似た歩き方になることがあります。
そのため、歩き方だけでなく、頭の傾き、目の動き、意識、歯ぐきの色、痛みなどを一緒に確認することが大切です。
「ふらつき」と「足をかばう歩き方」は少し違う
片足を浮かせる、特定の足だけを地面へ着けない場合は、爪・肉球・骨・関節などの痛みが関係する跛行の可能性があります。
一方、神経やバランスの異常では、左右へよろける、複数の足がもつれる、足先を正しい位置へ戻せないなどの変化が見られることがあります。
家庭で無理に原因を区別する必要はありません。
歩き方がおかしい場合は、自然に歩いている様子を安全な場所から動画に残しておくと診察時に役立ちます。
片足を浮かせる・引きずる場合はこちらも確認してください。
・犬が足を引きずる原因とは?前足・後ろ足を浮かせる時の危険サインと受診目安
まず確認したい緊急サイン

ふらつきは、軽い状態から緊急性の高い状態まで原因の幅があります。
次のような症状がある場合は、夜間や休日でも受診できる動物病院へ連絡してください。
- 突然自力で立てなくなった
- 何度立たせても崩れる
- 両方の後ろ足を引きずる
- 四肢すべてに力が入りにくい
- 足先が裏返ったまま戻らない
- 呼びかけへの反応がおかしい
- 意識がぼんやりしている
- けいれんしている
- 突然倒れた
- 目が小刻みに揺れている
- 激しい嘔吐を伴う
- 呼吸が苦しそう
- 歯ぐきが白い、灰色、青紫色に見える
- 頭や背中を強く痛がる
- 交通事故や転落の後からふらつく
- 薬、殺虫剤、薬品などを誤食した可能性がある
- 体温が異常に高い
特に「急に立てない」「意識がおかしい」「呼吸がおかしい」という状態は、自宅で歩かせて様子を確認するより受診を優先します。
意識が悪い犬、飲み込みがうまくできない犬へ、食べ物や大量の水を無理に与えないでください。
犬がふらつく主な原因
犬がふらつく原因は大きく分けて、バランスを保つ前庭、脳・脊髄などの神経、足腰、そして全身状態に関係するものがあります。

前庭疾患
前庭は、頭や体の位置を感じ取り、バランスを保つために重要な仕組みです。
前庭に異常が起こると、突然まっすぐ歩けなくなったり、片側へ倒れたりすることがあります。
- 左右へふらつく
- 一方向へ倒れる
- 頭を傾ける
- 目が小刻みに揺れる
- 同じ方向へ回る
- 吐き気がある
- 食べようとしても気持ち悪そうにする
特にシニア犬では、突然前庭症状が出ることがあります。
見た目だけで末梢性の前庭疾患なのか、脳に関係する中枢性の異常なのかを家庭で判断することはできません。
・犬の前庭疾患とは?頭を傾ける・ふらつく・目が揺れる時に注意したい病気を解説
中耳炎・内耳炎など耳の奥の異常
耳の奥には前庭機能に関わる部分があります。
中耳や内耳に強い炎症が起こると、バランスを保ちにくくなる場合があります。
- 頭を傾ける
- ふらつく
- 目が揺れる
- 耳を触られるのを嫌がる
- 頭を振る
- 耳のにおいが強い
- 耳垢が増える
耳が臭いからといって、ふらついている犬へ自己判断で大量の耳洗浄液を入れないでください。
耳の奥の状態を確認してから治療方法を決める必要があります。
頭が傾いている場合はこちらも参考にしてください。
・犬が頭を傾ける原因とは?ふらつき・目の揺れがある時の注意点を解説
脳や小脳などの神経の異常
脳や小脳、脳幹などの異常でも、体の動きをうまく調整できなくなる場合があります。
神経のどの部分に異常があるかによって、症状の出方は異なります。
- 歩幅が不自然に大きい
- 足を高く上げすぎる
- 足先の位置がおかしい
- 体が左右へ揺れる
- 頭が震える
- 意識や行動にも変化がある
- けいれんを伴う
脳炎、脳腫瘍、血管の異常など、さまざまな病気が歩行へ影響する可能性があります。
特に、ふらつきに意識の変化、けいれん、視覚の異常などが加わっている場合は、早めの神経学的評価が必要です。
椎間板ヘルニア・脊髄の異常
脊髄や脊椎に異常があると、脳から足へ情報を伝えたり、足の位置を脳へ伝えたりする働きに影響が出ます。
その結果、特に後ろ足がふらつく、足が交差する、爪の上側を擦るといった変化が見られる場合があります。
- 後ろ足がもつれる
- 足先が裏返る
- 爪を地面へ擦る
- 背中を丸める
- 首や背中を痛がる
- 抱っこを嫌がる
- 急に歩けなくなる
- 排尿がうまくできない
こうした神経症状がある場合は、マッサージやストレッチをしないでください。
・犬の椎間板ヘルニアとは?歩けない・後ろ足のふらつき・背中の痛みで注意したい病気を解説
首の脊髄が圧迫される病気
大型犬などでは、首の脊椎や脊髄の異常によって、特に後ろ足を中心にふらつく歩き方が見られる病気があります。
徐々に歩き方がおかしくなる犬もいれば、状態によっては前足にも異常が広がる場合があります。
首を低くして歩く、首を動かすのを嫌がるなどの変化があれば、そのことも診察時に伝えてください。
貧血・出血による脱力
赤血球が少なくなり、全身へ十分な酸素を運びにくくなると、犬が弱々しく歩いたり、ふらついて見えたりすることがあります。
急な大量出血では、短時間でぐったりし、倒れることもあります。
- 歯ぐきが白い
- 呼吸が速い
- 元気がない
- すぐ疲れる
- 脈が速い
- 立っていられない
- お腹が急に膨らんだ
- 血便・黒い便・血尿などがある
歯ぐきが白く、ふらつきや脱力がある場合は、神経の病気と決めつけず全身の循環状態を優先して確認する必要があります。
・犬の歯ぐきが白い原因とは?貧血・内出血の危険サインと受診目安を解説
低血糖・電解質など全身状態の異常
血糖値が大きく低下したり、体内の電解質バランスが崩れたりすると、震え、脱力、ふらつき、意識の変化などが現れることがあります。
特に子犬、超小型犬、糖尿病の治療中の犬、重い体調不良がある犬では注意が必要です。
意識が悪い犬へ砂糖水や食べ物を無理に口へ入れると、誤嚥する危険があります。
ふらつきに震えや意識低下が加わっている場合は、すぐに動物病院へ連絡してください。
心臓や循環の異常・失神
心臓や血圧の異常によって脳へ十分な血液が届かないと、急に力が抜けたり、ふらついた後に倒れたりすることがあります。
神経発作と似て見えることもあります。
- 散歩や興奮の後に倒れる
- 突然力が抜ける
- 短時間で意識が戻る
- 咳がある
- 呼吸が速い
- 運動を嫌がる
倒れた直前と直後の様子を動画やメモで残せる場合は、診察時に伝えましょう。
薬剤・中毒
薬品や毒物を誤食すると、ふらつき、震え、嘔吐、意識の変化、けいれんなどの神経症状が現れることがあります。
人間用の薬、農薬、殺虫剤、家庭内の薬品などへ接触した可能性がある場合は、その製品の容器や成分表示を持って動物病院へ相談してください。
家庭で塩水やオキシドールなどを使って吐かせないでください。
毒物の種類や犬の意識状態によっては、吐かせること自体が危険な場合があります。
関節や足腰の痛み
両後ろ足の関節が痛い、腰が痛い、筋力が低下していると、歩行が不安定になり「ふらついている」ように見える場合があります。
特にシニア犬では、神経疾患だけでなく関節炎などが同時に存在することもあります。
足を触って痛い場所を探そうとして、関節を何度も曲げ伸ばししないでください。
「ふらつき+頭が傾く・目が揺れる」場合

頭を片側へ傾け、目が左右や上下へ小刻みに動き、同じ方向へ倒れるような場合は、前庭系の異常を疑う重要な手がかりになります。
- 頭が傾いている
- 左右へよろける
- 一方向へ倒れる
- 目が小刻みに動く
- ぐるぐる回る
- 吐き気がある
- 食べ物をうまく口へ運べない
シニア犬では突然発症する前庭症状もありますが、「年齢だから前庭疾患だろう」と家庭で断定することはできません。
脳の病気や耳の奥の炎症でも似た症状が出るため、初回発症では診察を受けましょう。
「ふらつき+後ろ足がもつれる」場合
後ろ足が交差する、足先が裏返る、爪の甲側が削れる場合は、脊髄や神経の情報伝達がうまくいっていない可能性があります。
- 後ろ足を左右へ大きく開いて歩く
- 後ろ足同士が交差する
- 足先を引きずる
- 爪の上側が削れる
- 階段を上れない
- 立ち上がりにくい
- 背中や首を痛がる
急に悪化している場合は、歩けるか試すために何度も立たせないでください。
転倒や脊髄への負担を避け、できるだけ安静にして受診します。
「ふらつき+歯ぐきが白い」場合
歯ぐきが普段より白く、同時にふらつく場合は、貧血や出血、血圧低下、ショックなどを確認する必要があります。
- 急にぐったりした
- 呼吸が速い
- お腹が膨らんでいる
- 黒い便が出ている
- 血尿・血便がある
- 鼻血などほかの出血もある
- 事故や転落があった
この組み合わせは、歩行の問題より全身状態を優先して確認します。
運動させたり、鉄分のサプリメントを自己判断で与えたりせず、すぐに受診先へ相談してください。
「ふらつき+震え・けいれん」がある場合
震えやけいれんを伴う場合は、低血糖、中毒、神経疾患などを含めて緊急性を判断します。
全身のけいれんが起きている時は、犬の口へ手や物を入れないでください。
周囲の家具や階段から離し、安全を確保したうえで発作の時間を測ります。
安全に撮影できる場合は動画を残しますが、撮影を優先して受診を遅らせないでください。
「ふらつき+元気がない」場合
神経症状だけでなく、感染症、内臓疾患、貧血、低血糖、脱水など全身性の病気でも、元気低下と歩行不安定が同時に起こることがあります。
食欲、水分、嘔吐、下痢、尿、呼吸なども一緒に確認してください。
・犬が元気がない原因とは?ぐったりしている時の危険サインと受診目安を解説
少し休んだら治った場合も注意する
数分後に普通へ戻ったからといって、必ずしも問題がないとは限りません。
一時的なふらつきや脱力を繰り返す場合は、その発生状況が重要です。
- 散歩中だけ起こる
- 興奮した時に起こる
- 食事前に起こる
- 薬を飲んだ後に起こる
- 寝起きに起こる
- 数秒から数分で元に戻る
- 毎回同じ状況で起こる
動画や日時を記録し、繰り返す場合は動物病院へ相談してください。
自宅で確認しておきたいポイント

いつから始まったか
突然始まったのか、数日から数週間かけて徐々に悪化したのかを確認します。
発症速度は原因を考える重要な情報になります。
どちらへ倒れるか
毎回同じ方向へ傾くのか、左右どちらにもよろけるのかを確認します。
ただし、歩かせて転倒方向を何度も試さないでください。
頭の傾きと目の動き
頭を左右どちらかへ傾けていないか、目が小刻みに動いていないかを離れた位置から観察します。
犬の顔を強く固定して目を確認する必要はありません。
前足と後ろ足のどこに異常があるか
後ろ足だけなのか、前足も含めて4本すべてなのかを確認します。
足先が裏返る、爪を擦るなどの変化も記録してください。
意識と反応
- 名前を呼ぶと反応するか
- 飼い主さんを認識しているか
- ぼんやりしていないか
- 突然反応がなくならないか
意識の変化がある場合は緊急性が高くなります。
歯ぐきの色と呼吸
普段ピンク色の部分が白くなっていないか、青紫色になっていないかを確認します。
呼吸が速い、胸やお腹を大きく使って呼吸している場合は歩かせず、受診を優先します。
誤食の可能性
床へ薬が落ちていなかったか、ゴミ箱を荒らしていないか、農薬や薬品へ接触していないかを確認します。
疑わしい製品がある場合は、容器や成分表示の写真を動物病院へ見せてください。
歩き方は動画で残しておく
ふらつきは診察室へ到着した頃に軽くなっていることがあります。
安全に撮影できる場合は、自然に歩いている短い動画を残しておきましょう。
- 横からの歩き方
- 後ろから見た後ろ足
- 頭の傾き
- 目の揺れ
- 転びそうになる方向
- 発作のような動き
ただし、動画を撮るために何度も歩かせる必要はありません。
すでに立てない犬や強くふらつく犬は、転倒防止を優先してください。
ふらついている犬を安全に休ませる方法

- 滑りにくい床へ移す
- 階段へ近づけない
- ソファやベッドから飛び降りさせない
- 家具の角へぶつからないようにする
- 静かな場所で休ませる
- 無理に散歩へ連れて行かない
前庭症状が強い犬は、自分ではまっすぐ立っているつもりでも転倒することがあります。
床へ厚めのマットや寝具を置き、安全な範囲を狭くすると転倒時のけがを減らしやすくなります。
ただし、犬を狭い場所へ強く押し込めて興奮させないでください。
動物病院へ運ぶ時の注意点
自力で安全に歩けない犬は、無理に駐車場まで歩かせないでください。
小型犬はキャリーや丈夫な箱などを使い、体が大きく傾かないようタオルを入れて安定させます。
大型犬では毛布などを使い、複数人で体を支えて移動する方法があります。
首や背中の強い痛み、外傷、両後ろ足の麻痺などがある場合は、体を大きく曲げないようにします。
呼吸が苦しい場合は、胸や首を圧迫する抱き方を避けてください。
犬がふらつく時にやってはいけないこと
- 歩けるか何度も試す
- 散歩へ連れて行く
- 階段を上り下りさせる
- ジャンプさせる
- 足や腰を揉む
- 関節を強く曲げ伸ばしする
- 首や背中をストレッチする
- 人間用の痛み止めを与える
- 人間用の酔い止めを与える
- 以前処方された薬を自己判断で使用する
- 意識が悪い犬へ水を流し込む
- 飲み込めない犬へフードを押し込む
- 誤食した犬を家庭で吐かせる
- シニア犬だから老化と決めつける
ふらつきの原因によって必要な治療はまったく異なります。
「めまいだろう」「足腰が弱っただけだろう」と自己判断して薬やマッサージを行わないことが大切です。
動物病院で行われる主な検査

歩き方と神経学的検査
まず、犬がどのように立ち、歩き、足を動かしているかを確認します。
姿勢、反射、足先の位置を認識する反応、目の動き、頭の傾きなどから、異常が神経のどの部分と関係しているかを検討します。
耳の検査
頭の傾きや眼振など前庭症状がある場合は、耳の炎症や鼓膜などを確認します。
必要に応じて耳の分泌物を調べたり、鎮静下で詳しく確認したりすることがあります。
血液検査
貧血、血糖、電解質、肝臓や腎臓など全身状態を調べます。
神経の異常に見えていても、血液検査で全身性の原因が分かる場合があります。
血圧・心臓の検査
失神や循環異常が疑われる場合は、血圧測定、心電図、胸部レントゲン、心臓超音波などが検討されます。
レントゲン検査
骨折、脊椎の変化、関節疾患などを調べるためにレントゲン検査を行うことがあります。
ただし、脳や脊髄そのものを詳しく評価するには、レントゲンだけでは十分でない場合があります。
MRI・CT検査
脳、脊髄、内耳などの詳しい評価が必要な場合は、MRIやCT検査が検討されます。
どの検査が必要かは、神経学的検査で疑われる場所や犬の全身状態によって決まります。
子犬がふらつく場合
子犬では、低血糖、誤食・中毒、先天的な神経異常、感染症、外傷など幅広い原因を確認します。
特に小さな子犬は、食べられない状態が続くと短時間で全身状態が悪化する場合があります。
ふらつきに、食欲低下、震え、ぐったり、嘔吐、下痢などが加わっている場合は早めに受診してください。
成犬が突然ふらつく場合
成犬では、前庭疾患、脊髄疾患、外傷、誤食・中毒、代謝の異常などを確認します。
特に昨日まで正常だった犬が急にふらつき始めた場合は、長期間様子を見ないでください。
発症直前に何をしていたか、薬や食べ物を口にしていないか、転落や激しい運動がなかったかを記録します。
シニア犬がふらつく場合
シニア犬では、前庭疾患、脳や脊髄の病気、関節疾患、筋力低下、心臓病、貧血など複数の原因が考えられます。
加齢によって少しずつ歩く速度が遅くなることはありますが、突然まっすぐ歩けなくなることを「老化だけ」と考えないでください。
特に、急な頭の傾き、眼振、転倒、意識変化、食欲低下がある場合は早めに診察を受けましょう。
受診時に伝えるとよいこと
- いつからふらつき始めたか
- 突然か徐々にか
- 常にふらつくか、時々か
- 頭が傾いているか
- 目が揺れているか
- どちらへ倒れやすいか
- 前足・後ろ足のどこがおかしいか
- 痛がる場所があるか
- 嘔吐や下痢があるか
- 食欲と元気
- 歯ぐきの色
- けいれんや意識変化
- 最近使った薬
- 誤食の可能性
- 事故・転落・激しい運動の有無
可能であれば、自宅で自然に出ていた歩行異常の動画も見せてください。
よくある質問
Q. 犬が急にふらつきました。少し休ませれば大丈夫ですか?
軽い疲れで一時的に足元がおぼつかなく見えることもありますが、突然のふらつきは前庭疾患、神経疾患、循環異常、中毒などでも起こります。
初めて急に起こったふらつきは、長く様子を見ず動物病院へ相談してください。
Q. 頭が傾いてふらふら歩いています
前庭系の異常で見られる組み合わせです。
内耳の病気、特発性前庭疾患、脳の病気など原因は複数あります。
目の揺れ、嘔吐、転倒などがないか確認し、早めに受診してください。
Q. 後ろ足だけがふらつきます
椎間板ヘルニアなど脊髄・神経の異常、関節疾患、筋力低下などが考えられます。
足が交差する、足の甲を擦る、立てない、排尿できない場合は緊急性があります。
Q. フローリングだけでふらつきます
滑りやすい床では、関節や筋力に問題がある犬の歩行異常が目立つことがあります。
滑らない床では普通に見えても、以前より足が開く、立ち上がりにくいなどの変化がある場合は一度相談しましょう。
Q. ふらつく犬をマッサージしてもよいですか?
原因が分かるまではおすすめできません。
脊髄や首・背中の病気、骨折などがある場合は、揉んだり伸ばしたりすることで痛みや状態を悪化させる可能性があります。
Q. ふらついていますが食欲はあります
食欲があるだけでは神経やバランスの病気を否定できません。
歩き方がおかしい状態が続く、頭が傾く、足がもつれる場合は、元気や食欲があっても受診してください。
Q. シニア犬なので足腰が弱っただけでしょうか?
加齢による筋力低下はありますが、急なふらつき、転倒、頭の傾き、足先の異常を老化だけで説明することはできません。
シニア犬では複数の病気が同時に存在することもあるため、以前との変化を基準にしてください。
Q. 一度ふらついた後、今は普通に歩いています
一時的な脱力、失神に近い状態、発作、低血糖などでは、診察時には普通に見える場合があります。
初めての症状でも、発生時の動画や状況を記録し、再発する前に動物病院へ相談してください。
まとめ|犬のふらつきは歩き方だけでなく意識・目・歯ぐきも確認する
犬がふらつく原因には、さまざまなものがあります。
- 前庭疾患
- 中耳・内耳の異常
- 脳や小脳などの神経疾患
- 椎間板ヘルニアや脊髄疾患
- 足腰の痛み
- 貧血や出血
- 低血糖など全身状態の異常
- 心臓や循環の異常
- 薬剤・中毒
ふらつきがある時は、歩き方だけではなく、頭が傾いていないか、目が揺れていないか、意識は普段どおりか、歯ぐきの色がおかしくないかも確認してください。
自宅では、滑らない安全な場所で休ませ、可能であれば症状が自然に出ている短い動画を残します。
無理に歩かせる、階段を使わせる、足腰を揉む、人間用の薬を与えるといった対応は避けてください。
突然立てない、何度も転倒する、意識がおかしい、けいれん、呼吸困難、歯ぐきが白い・青紫色、中毒の可能性がある場合は緊急です。すぐに動物病院へ連絡してください。
一度症状が治まった場合でも、原因不明のふらつきや繰り返すふらつきは、動画や発生状況を記録して獣医師へ相談しましょう。


