
愛犬の口を見たら、歯ぐきがいつもより白い。
歯ぐきだけでなく、舌の色も薄く見える。
呼吸が速く、ぐったりして動きたがらない。
このような変化があると、「貧血なのでは?」「すぐ病院へ行くべき?」と心配になりますよね。
健康な犬の歯ぐきは、一般的にピンク色をしています。
ただし、犬によっては黒色や茶色の色素があり、歯ぐき全体を見ても色の変化が分かりにくいことがあります。
普段はピンク色だった部分が白っぽくなった場合は、貧血、出血、血圧低下、ショックなどが関係している可能性があります。
特に、歯ぐきが白い状態に、呼吸の荒さ、ぐったり、ふらつき、立てない、お腹が急に膨れるといった症状が重なる場合は緊急です。
外から出血が見えなくても、お腹や胸の中、胃腸などで出血していることがあります。
また、赤血球が急速に壊される病気や、腎臓・骨髄の病気によって赤血球を十分に作れなくなることでも、歯ぐきが白くなる場合があります。
この記事では、犬の歯ぐきが白くなる主な原因、すぐ受診すべき危険サイン、自宅で確認するポイント、動物病院で行われる検査と治療を解説します。
- ■■ この記事でわかること
- ■■ 犬の正常な歯ぐきは何色?
- ■■ まず確認したい緊急サイン
- ■■ 犬の歯ぐきが白くなる主な原因
- ■■ 歯ぐきの色から確認したいこと
- ■■ 毛細血管再充満時間を確認する方法
- ■■ 様子を見られる可能性があるケース
- ■■ 早めに動物病院を受診したいケース
- ■■ 子犬・成犬・シニア犬で注意点は違う?
- ■■ 自宅でできる確認と対応
- ■■ 犬の歯ぐきが白い時にやってはいけないこと
- ■■ 動物病院で行われる検査と治療
- ■■ 食事や生活との関係
- ■■ 受診時に伝えるとよいこと
- ■■ よくある質問
- ■■ まとめ|犬の歯ぐきが白い時は元気でも早めに相談する
- ■■ 関連リンク(重要)
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■■ この記事でわかること
- 犬の正常な歯ぐきの色
- 歯ぐきが白くなる主な原因
- 貧血と血流低下の違い
- 外から見えない内出血の危険サイン
- すぐ動物病院へ行くべき状態
- 毛細血管再充満時間の確認方法
- 自宅でできる確認と対応
- 歯ぐきが白い時にやってはいけないこと
- 動物病院で行われる検査と治療
■■ 犬の正常な歯ぐきは何色?

健康な犬の歯ぐきは、一般的に明るいピンク色をしています。
適度に湿っており、触れた時に強いべたつきや乾燥がない状態が目安です。
ただし、歯ぐきの色には個体差があります。
黒色や茶色の色素が広い範囲にある犬では、歯ぐきだけで色の変化を判断しにくいことがあります。
色素の少ない部分、舌、下まぶたの内側なども確認できますが、犬が嫌がる場合は無理に触らないでください。
■ 普段の色を写真に残しておく
照明や犬の体質によって、ピンク色の濃さは違って見えます。
愛犬が元気な時に、自然光に近い明るさで歯ぐきの写真を撮っておくと、体調を崩した時に比較しやすくなります。
その時の色だけでなく、「いつもの愛犬と比べて白くなっているか」を確認することが大切です。
■ 照明によって白く見えることもある
青白い照明、暗い部屋、スマートフォンの光などによって、歯ぐきが実際より白っぽく見える場合があります。
犬の状態が安定している場合は、自然光に近い明るい場所で再確認します。
ただし、ぐったりしている、呼吸が荒い、立てない場合は、場所を移動して何度も確認せず、受診を優先してください。
■■ まず確認したい緊急サイン
歯ぐきが白い状態に、次の症状が一つでも重なる場合は、夜間や休日でも動物病院へ連絡してください。
- ぐったりして立てない
- 突然倒れた
- 呼びかけへの反応が弱い
- 呼吸が速い、荒い
- 胸やお腹を大きく動かして呼吸する
- 首を伸ばして呼吸している
- 脈が速く、体が震えている
- 足先や体が冷たい
- お腹が急に膨れてきた
- お腹を触ると強く痛がる
- 事故や転落の後から元気がない
- 大量の出血がある
- 血を吐いた
- 黒いタール状の便が出た
- 血便や血尿が出ている
- 鼻血や歯ぐきからの出血が止まらない
- 皮膚に紫色の斑点や内出血がある
- 吐こうとしても吐けず、お腹が張っている
- 殺鼠剤や薬を口にした可能性がある
歯ぐきが白く、呼吸が荒い、立てない、意識がぼんやりしている場合は、重度の貧血や循環不全が疑われます。
症状の撮影や自宅での検査に時間をかけず、すぐに受診先へ電話してください。
■ 外から出血が見えなくても安心できない
大量の出血があれば異常に気づきやすいですが、体の内部で出血している場合は、外から血が見えないことがあります。
お腹や胸の中で出血すると、歯ぐきが白くなる、呼吸が速くなる、お腹が膨れる、急に立てなくなるといった変化が現れることがあります。
交通事故や転落だけでなく、シニア犬では腹部の臓器にできた腫瘤から出血する場合もあります。
急にぐったりして歯ぐきが白い場合は、目立つ傷がなくても緊急受診が必要です。
■■ 犬の歯ぐきが白くなる主な原因

■ ① 外傷や手術による出血
交通事故、転落、深い傷、手術後の出血などで血液を多く失うと、歯ぐきが白くなることがあります。
体の外へ出る出血だけでなく、お腹や胸の中へ血液がたまる内出血にも注意が必要です。
事故の直後は歩けていても、時間がたってから急にぐったりすることがあります。
事故や転落の後に歯ぐきが白い、呼吸が速い、腹部が張る場合は、すぐに動物病院へ連絡してください。
■ ② 胃や腸からの出血
胃潰瘍、腸の炎症、腫瘍、異物などによって、消化管から出血することがあります。
注意したい変化は次の通りです。
- 血を吐いた
- コーヒーかすのような物を吐いた
- 黒くベタつく便が出た
- 赤い血便が出た
- 食欲がない
- お腹を痛がる
- 少しずつ体重が減っている
少量の出血が長く続くと、急に倒れるような症状がなくても、徐々に貧血が進む場合があります。
■ ③ お腹や胸の中の出血
脾臓や肝臓などの臓器、腹部の腫瘤、外傷などから出血すると、お腹の中に血液がたまることがあります。
胸の中へ出血した場合は、肺が十分に広がらず、呼吸が苦しくなることもあります。
次のような場合は緊急性があります。
- 急にぐったりした
- 立ち上がれない
- 歯ぐきが白い
- 呼吸が速い
- お腹が膨れている
- 脈が速い
- 一度元気になった後、再び悪化した
自宅でお腹を強く押したり、マッサージしたりせず、犬を静かに運びましょう。
■ ④ 血液が固まりにくくなる病気や中毒
血小板の減少、血液凝固の異常、殺鼠剤などの中毒によって、血が止まりにくくなることがあります。
この場合、外傷がなくても体の各所で出血する可能性があります。
- 鼻血が止まりにくい
- 歯ぐきから出血する
- 皮膚に赤色や紫色の点がある
- あざのような内出血がある
- 血尿や血便が出る
- 咳と一緒に血が出る
- 呼吸が苦しくなる
殺鼠剤や人間用の薬を口にした可能性がある場合は、症状がなくてもすぐ動物病院へ連絡し、製品の容器や写真を持参してください。
■ ⑤ 赤血球が壊される病気
赤血球が体内で通常より速く壊されると、溶血性貧血が起こります。
免疫の異常、感染症、中毒などが関係する場合があります。
赤血球が壊されている時は、歯ぐきが白くなるだけでなく、黄色っぽく見えることがあります。
- 急に元気がなくなった
- 呼吸が速い
- 少し動くだけで疲れる
- 食欲がない
- 尿が赤色や茶色に見える
- 白目や歯ぐきが黄色い
- 発熱している
急速に貧血が進む病気もあるため、歯ぐきの白さに黄疸や尿の変色が重なる場合は、早急な検査が必要です。
■ ⑥ マダニなどが関係する感染症
マダニが媒介する感染症などによって、赤血球や血小板が減少し、貧血や出血傾向が起こることがあります。
マダニの付着歴がある、予防をしていない、山や草むらへ行った後に体調を崩した場合は、そのことを動物病院へ伝えてください。
皮膚に付いたマダニを無理に引き抜くと、口の一部が残る可能性があります。
貧血が疑われる場合は、マダニの処置だけでなく血液検査も必要です。
■ ⑦ 腎臓病による貧血
腎臓は、赤血球を作る働きに関係するホルモンを分泌しています。
腎臓病が進行すると赤血球を十分に作れなくなり、慢性的な貧血が起こることがあります。
腎臓病が関係する場合は、次のような変化が重なることがあります。
- 水を飲む量や尿が増えた
- 食欲が落ちた
- 体重が減ってきた
- 吐き気や嘔吐がある
- 口臭が変わった
- 疲れやすくなった
- 被毛の状態が悪くなった
腎臓病による貧血はゆっくり進むことがあり、飼い主が変化に気づきにくい場合があります。
■ ⑧ 骨髄の病気・造血機能の低下
骨髄は、赤血球、白血球、血小板などを作る場所です。
骨髄の病気、腫瘍、強い炎症、薬の影響などによって赤血球を十分に作れなくなると、貧血が起こります。
赤血球だけでなく白血球や血小板も減る場合は、感染しやすい、発熱する、出血が止まりにくいといった症状も現れることがあります。
血液検査だけでは原因が分からない場合は、骨髄の検査が必要になることもあります。
■ ⑨ 慢性炎症や腫瘍
慢性的な炎症、感染症、腫瘍などが続くことで、赤血球を作る働きや鉄分の利用に影響し、貧血が起こることがあります。
少しずつ進行する場合は、歯ぐきの色の変化より先に、疲れやすさ、食欲低下、体重減少などが見られることがあります。
シニア犬の活動量低下を年齢だけの問題と考えず、歯ぐきの色や体重も確認しましょう。
■ ⑩ ショック・血圧低下・循環不全
歯ぐきが白い原因は、貧血だけではありません。
血液量の低下、重い脱水、強いアレルギー反応、重度の感染、心臓の異常などで血圧が下がり、歯ぐきへの血流が減ることがあります。
ショック状態では、次のような変化が見られる場合があります。
- 歯ぐきが白い、灰色っぽい
- 脈が速く弱い
- 呼吸が速い
- 足先や体が冷たい
- ぐったりしている
- 意識がぼんやりしている
- 尿が出ない、極端に少ない
ショックは短時間で悪化するため、自宅で温め続けたり水を飲ませたりせず、すぐ動物病院へ連絡してください。
■ ⑪ 栄養や食事が関係する貧血
人では鉄分不足による貧血がよく知られていますが、総合栄養食を適量食べている犬で、単純な鉄分不足が原因となることは多くありません。
犬で鉄不足が起きている場合は、胃腸などから少量の出血が長く続いていないかを確認する必要があります。
歯ぐきが白いからといって、レバーや鉄分サプリメントを自己判断で大量に与えないでください。
貧血の原因によって治療がまったく異なるため、先に血液検査を受けることが大切です。
■■ 歯ぐきの色から確認したいこと

■ 白色・薄いピンク色
普段より白い、薄いピンク色になっている場合は、貧血、出血、血流低下などが考えられます。
呼吸が速い、ぐったり、立てない、お腹が膨れている場合は緊急です。
■ 黄色っぽい
歯ぐき、白目、耳の内側などが黄色く見える状態は、黄疸の可能性があります。
肝臓や胆道の病気だけでなく、赤血球が壊される病気でも黄疸が現れることがあります。
尿が濃い黄色、茶色、赤色に見える場合も、早めに動物病院へ相談してください。
■ 青色・紫色・灰色
歯ぐきや舌が青色、紫色、灰色に見える場合は、酸素不足が疑われます。
呼吸器や心臓の病気、気道の閉塞などで起こることがあり、緊急受診が必要です。
■ 強い赤色・暗い赤色
運動や興奮によって一時的に赤く見えることがあります。
ただし、体が熱い、激しくハァハァする、嘔吐、下痢、ぐったりなどがある場合は、熱中症や重い炎症などに注意してください。
■■ 毛細血管再充満時間を確認する方法

毛細血管再充満時間は、歯ぐきの血流が戻るまでの時間を確認する方法です。
■ 確認手順
- 犬が落ち着いている時に上唇をやさしくめくる
- 色素のないピンク色の歯ぐきを指で軽く押す
- 白くなったら指を離す
- 元のピンク色へ戻るまでの時間を見る
一般的には、1~2秒ほどで元の色へ戻ることが一つの目安です。
戻るまでに時間がかかる場合は、血圧低下、脱水、ショックなどで循環が悪くなっている可能性があります。
■ 自宅の確認だけでは診断できない
押す力、場所、照明、歯ぐきの色素などによって、結果は変わります。
すでに歯ぐき全体が白い犬や、黒い色素が多い犬では、正確に確認できないこともあります。
呼吸が苦しい、ぐったりしている、口を触られるのを嫌がる犬には行わないでください。
測定を何度も繰り返したり、結果を見てから受診を決めたりせず、全身状態に異常があればすぐ動物病院へ連絡しましょう。
■■ 様子を見られる可能性があるケース
本当に歯ぐきが白くなっている場合は、基本的に長い様子見はおすすめできません。
次の条件がすべて当てはまり、明るい場所で確認すると普段の色と変わらない場合は、短時間観察できる可能性があります。
- 暗い部屋や青白い照明で白く見えただけ
- 自然光に近い場所では普段通りの色だった
- 元気と食欲が普段通り
- 呼吸が普段通り
- ふらつきや脱力がない
- 嘔吐、下痢、血便、血尿がない
- 出血やあざがない
- 事故や誤食の可能性がない
明るい場所でも普段より白い状態が続く場合は、元気があっても当日中に動物病院へ相談してください。
急に白くなった場合は、症状が軽く見えても早めの確認が必要です。
■■ 早めに動物病院を受診したいケース

- 明るい場所でも歯ぐきが白い
- 普段よりピンク色が薄い状態が続く
- 少し動くだけで疲れる
- 散歩を嫌がるようになった
- 寝ている時間が増えた
- 食欲が落ちている
- 体重が減ってきた
- 呼吸数が増えている
- 心拍が速いように感じる
- 黒い便、血便、血尿がある
- 尿が赤色や茶色に見える
- 白目や歯ぐきが黄色い
- 鼻血や皮膚の内出血がある
- マダニに付かれた可能性がある
- 腎臓病などの持病がある
- シニア犬で急に元気がなくなった
歯ぐきが白い状態に呼吸困難、立てない、意識低下、急な腹部膨満がある場合は、早めではなく緊急受診が必要です。
■■ 子犬・成犬・シニア犬で注意点は違う?
■ 子犬の場合
子犬では、寄生虫、感染症、先天的な病気、誤食などによる貧血に注意します。
体が小さいため、出血や脱水の影響を受けやすく、短時間で状態が悪化することがあります。
歯ぐきが白く、元気や食欲がない、下痢や嘔吐がある場合は、長く様子を見ないでください。
■ 成犬の場合
成犬では、外傷、内出血、免疫が関係する貧血、中毒、感染症など、急に進行する原因にも注意が必要です。
昨日まで元気だった犬が急にぐったりし、歯ぐきが白い場合は、すぐ動物病院へ連絡しましょう。
■ シニア犬の場合
シニア犬では、腎臓病、慢性炎症、骨髄の病気、腫瘍、腹部の腫瘤からの出血などに注意します。
疲れやすい、散歩が短くなった、食欲や体重が落ちたといった変化を、年齢だけの問題と決めつけないことが大切です。
急に立てなくなった、お腹が膨れている、呼吸が速い場合は緊急です。
■■ 自宅でできる確認と対応

■ 呼吸と意識状態を最初に確認する
歯ぐきが白いことに気づいたら、色の確認を繰り返す前に、呼吸と意識状態を見ます。
- 呼吸が速くないか
- 胸やお腹を大きく動かしていないか
- 横になって休めるか
- 呼びかけに反応するか
- 自力で立てるか
- ふらついていないか
呼吸や意識に異常がある場合は、ほかの確認を続けず、動物病院へ連絡してください。
■ 出血がないか確認する
安全に確認できる範囲で、次の変化を見ます。
- けがや傷からの出血
- 鼻血
- 口からの出血
- 血を吐いていないか
- 黒い便や血便
- 血尿
- 皮膚のあざや紫色の斑点
- お腹の膨らみ
外から出血が見えなくても、内出血を否定することはできません。
■ 歯ぐきの写真を撮る
犬の状態が安定している場合は、自然光に近い明るさで歯ぐきの写真を撮ります。
舌、白目、尿、便の色にも変化がある場合は、それぞれ記録しておくと診察の参考になります。
口を触ると嫌がる犬や、呼吸が苦しい犬には無理に行わないでください。
■ 静かにして動かさない
貧血や内出血が疑われる犬を歩かせると、酸素の消費が増えたり、出血が悪化したりする可能性があります。
散歩や運動をさせず、静かな場所で休ませます。
移動時も、可能な範囲で抱えるか、毛布やキャリーを使い、胸やお腹を強く圧迫しないようにしてください。
■ 来院前に電話する
動物病院へ電話する時は、歯ぐきが白いことに加え、呼吸、意識、出血、お腹の膨らみ、事故や誤食の可能性を伝えます。
輸血や緊急処置が必要になる場合もあるため、到着前に状態を伝えておくことが大切です。
■■ 犬の歯ぐきが白い時にやってはいけないこと

■ 散歩や運動をさせる
貧血がある犬は、全身へ酸素を運ぶ力が低下している可能性があります。
歩けるように見えても、散歩や運動をさせず安静にしてください。
■ 食べ物や水を無理に与える
ぐったりしている犬や呼吸が荒い犬へ、水や食べ物を無理に与えると、誤嚥する危険があります。
緊急検査や処置で麻酔が必要になる可能性もあるため、受診先の指示を確認してください。
■ 鉄分サプリやレバーを大量に与える
歯ぐきが白いからといって、鉄分不足とは限りません。
出血、赤血球の破壊、腎臓病、骨髄の病気などでは、鉄分を補うだけでは改善しません。
人間用の鉄剤やサプリメントを自己判断で与えないでください。
■ 人間用の薬を与える
人間用の鎮痛薬、止血薬、造血剤などを自己判断で使用しないでください。
犬に中毒を起こしたり、出血を悪化させたりする成分が含まれる場合があります。
■ お腹を強く押す・マッサージする
内出血や腹部の腫瘤がある場合、強く押したり揉んだりすることは危険です。
お腹が張っていても、自宅で原因を確かめようとせず、できるだけ動かさずに受診してください。
■ 歯ぐきの色が戻るまで待ち続ける
一時的に歯ぐきの色が戻っても、内出血や貧血の原因が解決したとは限りません。
急に白くなった、元気や呼吸に変化がある場合は、色が戻るかを長時間観察せず受診してください。
■■ 動物病院で行われる検査と治療
歯ぐきが白い犬では、まず呼吸、心拍、血圧、体温、意識などを確認します。
状態が悪い場合は、詳しい検査より先に酸素吸入、点滴、止血などを行うことがあります。
必要に応じて、次のような検査が行われます。
- 血球数を調べる血液検査
- 赤血球の形や状態を調べる検査
- 血液を作れているか確認する検査
- 血液が固まる機能の検査
- 肝臓や腎臓などの血液検査
- 感染症や寄生虫の検査
- 尿検査
- 便の検査
- 腹部超音波検査
- 胸部・腹部レントゲン検査
- 心臓超音波検査
- 必要に応じたCT検査
- 原因が分からない場合の骨髄検査
腹部超音波検査では、お腹の中に血液や液体がたまっていないか、臓器に異常がないかを確認します。
治療方法は原因と貧血の重症度によって異なります。
- 酸素吸入
- 点滴による循環の安定化
- 出血を止める処置
- 重度の貧血に対する輸血
- 外傷や内出血に対する手術
- 免疫が関係する貧血への治療
- 感染症や寄生虫への治療
- 中毒に対する治療
- 腎臓病や骨髄疾患への治療
- 胃腸からの出血に対する治療
貧血という状態だけを治すのではなく、なぜ赤血球が減ったのか、どこかで出血していないかを調べることが重要です。
■■ 食事や生活との関係
■ フードだけで貧血を治そうとしない
総合栄養食を適量食べている犬では、単純な鉄不足だけで重い貧血になるケースは多くありません。
慢性的な出血、腎臓病、免疫の異常、感染症などが原因であれば、食事を変えるだけでは改善しません。
食事を見直す場合も、血液検査で貧血の種類と原因を確認し、獣医師の指示に従いましょう。
■ 誤食を防ぐ
玉ねぎやネギ類、一部の薬、殺鼠剤などは、貧血や出血につながる可能性があります。
食品、薬、殺虫剤などは、犬が届かない場所へ保管してください。
誤食した可能性がある場合は、症状が出るまで待たず、商品名、成分、食べた量、時間を動物病院へ伝えましょう。
■ ノミ・マダニ予防を続ける
ノミやマダニ、マダニが媒介する感染症などが、貧血に関係する場合があります。
予防薬の種類や使用期間は、犬の年齢、体重、生活環境に合わせて動物病院へ相談してください。
■■ 受診時に伝えるとよいこと
- いつ歯ぐきの白さに気づいたか
- 急に白くなったか、徐々に変わったか
- 普段の歯ぐきの色
- 舌や白目の色
- 呼吸が速くないか
- 自力で立てるか
- ふらつきや失神があるか
- 元気と食欲があるか
- 嘔吐や下痢があるか
- 黒い便、血便、血尿がないか
- 尿が赤色や茶色ではないか
- 鼻血や皮膚の内出血がないか
- お腹が膨れていないか
- 事故や転落がなかったか
- 誤食した可能性がないか
- マダニの付着歴がないか
- 最近受けた手術や処置
- 現在使用している薬
- 腎臓病などの持病
- 体重が減っていないか
歯ぐき、舌、尿、便の写真や、呼吸と歩き方の動画も診察時の参考になります。
■■ よくある質問
■ Q. 犬の歯ぐきが少し白いだけでも受診すべきですか?
照明の影響ではなく、普段より明らかに白い状態が続く場合は、元気があっても動物病院へ相談してください。
急に白くなった場合や、呼吸、元気、食欲に変化がある場合は、受診を急ぐ必要があります。
■ Q. 歯ぐきが白いのは必ず貧血ですか?
貧血だけでなく、血圧低下、ショック、重い脱水、循環不全などによっても白く見えることがあります。
血液検査や全身状態の確認をしなければ、原因を判断することはできません。
■ Q. 元気があれば様子を見ても大丈夫ですか?
慢性的な貧血では、犬が少しずつ状態に慣れ、初期には元気そうに見えることがあります。
明るい場所でも普段より白い状態が続く場合は、元気があっても当日中に相談してください。
■ Q. 歯ぐきが白く、呼吸も速いです
重度の貧血、内出血、ショックなどが疑われる緊急サインです。
無理に歩かせたり水を飲ませたりせず、すぐ動物病院へ連絡してください。
■ Q. 歯ぐきが白く、お腹が膨れています
お腹の中の出血や、胃の緊急疾患などが考えられます。
お腹を押したりマッサージしたりせず、犬をできるだけ動かさないようにして緊急受診してください。
■ Q. レバーや鉄分サプリを与えれば治りますか?
歯ぐきが白い原因は、単純な鉄分不足とは限りません。
内出血、赤血球が壊される病気、腎臓病などでは、鉄分を補うだけでは改善しません。
人間用の鉄剤やサプリメントを与えず、先に血液検査を受けてください。
■ Q. 歯ぐきが黒い犬はどこを確認すればよいですか?
色素のない歯ぐき、舌、下まぶたの内側などを確認できる場合があります。
ただし、口や目を触られるのを嫌がる犬には無理に行わないでください。
元気、呼吸、歩き方などに異常がある場合は、粘膜の色を確認できなくても受診を優先します。
■■ まとめ|犬の歯ぐきが白い時は元気でも早めに相談する
健康な犬の歯ぐきは、一般的に明るいピンク色をしています。
普段はピンク色だった部分が白くなっている場合は、次のような原因が考えられます。
- 外傷や手術による出血
- 胃や腸からの出血
- お腹や胸の中の内出血
- 血液が固まりにくくなる病気や中毒
- 赤血球が壊される病気
- 感染症や寄生虫
- 腎臓病
- 骨髄の病気
- 慢性炎症や腫瘍
- ショックや血圧低下
歯ぐきが白い原因は、貧血だけではありません。
特に、呼吸が荒い、立てない、意識がぼんやりする、お腹が膨れる、黒い便や血尿が出る場合は緊急です。
外から出血が見えなくても、体の内部で出血している可能性があります。
散歩や運動をさせたり、食べ物や水を無理に与えたり、お腹を押したりしないでください。
また、鉄分不足と決めつけて、人間用の鉄剤やサプリメントを与えるのも避けましょう。
明るい場所でも普段より歯ぐきが白い場合は、元気そうに見えても当日中に動物病院へ相談してください。
■■ 関連リンク(重要)
歯ぐきが白く、呼吸が速い、胸やお腹を大きく動かしている場合は、呼吸状態を優先して確認してください。
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