
愛犬が、体を小刻みにブルブル震わせている。
寒くない室内なのに、震えがなかなか止まらない。
震えながら元気がなく、食事も食べようとしない。
このような変化があると、「寒いだけ?」「痛みや病気では?」「けいれんではないか」と心配になりますよね。
犬は、寒さ、恐怖、緊張、興奮などによって、一時的に体を震わせることがあります。
原因となる状況から離れると短時間で治まり、元気、食欲、歩き方に変化がなければ、生理的な反応の可能性があります。
一方で、犬の震えには、足腰やお腹の痛み、強い吐き気、低血糖、発熱、中毒、神経や内臓の病気が関係することもあります。
また、呼びかけに反応しない、突然倒れる、体が硬直する、手足を激しく動かす場合は、通常の震えではなく、けいれん発作の可能性があります。
特に、震えながら立てない、呼吸が苦しい、歯ぐきが白い・青紫色、意識がぼんやりしている場合は緊急です。
震えを止めようとして強く抱き締めたり、急激に温めたり、人間用の薬を与えたりしないでください。
この記事では、犬が震える主な原因、けいれんとの違い、危険な症状、受診の目安、自宅で確認できることを解説します。
- ■■ この記事でわかること
- ■■ 犬が震えるのは普通?
- ■■ 犬の震えとけいれん発作の違い
- ■■ まず確認したい緊急サイン
- ■■ 犬が震える主な原因
- ■■ 震えるタイミングから確認したいこと
- ■■ 短時間様子を見られる可能性があるケース
- ■■ 早めに動物病院を受診したいケース
- ■■ 子犬・成犬・シニア犬で注意点は違う?
- ■■ 自宅で確認したいこと
- ■■ 犬が震えている時にやってはいけないこと
- ■■ 動物病院で行われる検査と治療
- ■■ 日頃からできる予防と生活管理
- ■■ 受診時に伝えるとよいこと
- ■■ よくある質問
- ■■ まとめ|犬の震えは意識・呼吸・歩き方も確認する
- ■■ 関連リンク(重要)
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■■ この記事でわかること
- 犬が震える主な原因
- 寒さや緊張による震えの特徴
- 痛みや体調不良で震える理由
- 震えとけいれん発作の違い
- 低血糖や中毒を疑う症状
- すぐ動物病院へ行くべき危険サイン
- 短時間様子を見られる可能性がある状態
- 自宅で確認するポイント
- 震えている犬にやってはいけないこと
■■ 犬が震えるのは普通?

犬の震えには、健康な犬にも起こる一時的な反応と、体の異常によって起こる震えがあります。
震えていることだけで原因を判断せず、震えが始まった状況、続く時間、意識、呼吸、歩き方、食欲を一緒に確認することが大切です。
■ 一時的な震えの可能性がある状態
- 寒い場所へ出た時だけ震える
- 雷や花火など怖い音がした
- 動物病院や慣れない場所で緊張している
- 飼い主の帰宅や散歩前に興奮している
- 原因から離れると短時間で止まる
- 呼びかけに普段通り反応する
- 自力で立ち、まっすぐ歩ける
- 元気と食欲が普段通り
原因が明確で、状況が落ち着くと震えも完全に止まる場合は、緊急性が低い可能性があります。
■ 病気や痛みを疑いたい震え
- 暖かい室内でも震え続ける
- 明確な理由がないのに突然始まった
- 震えが長く続く、何度も繰り返す
- ぐったりしている
- 食欲がない
- 嘔吐や下痢がある
- 背中を丸めている
- 体を触ると嫌がる、鳴く
- 足を引きずる、立ち上がれない
- 呼吸が速い、苦しそう
- 意識や反応が普段と違う
このような場合は、寒さや性格による震えと決めつけず、動物病院へ相談してください。
■■ 犬の震えとけいれん発作の違い
犬の体が細かく動いていると、震えなのか、けいれんなのか判断しにくいことがあります。
見分ける時は、震えの大きさだけでなく、意識と反応を確認します。
■ 一般的な震えで見られやすい状態
- 名前を呼ぶと飼い主を見る
- 周囲の音や動きに反応する
- 自分で姿勢を変えられる
- 立つ、座る、歩くことができる
- 寒さや恐怖などの原因がある
- 原因がなくなると徐々に治まる
- 大量のよだれや失禁がない
■ けいれん発作が疑われる状態
- 呼びかけに反応しない
- 突然倒れた
- 体が硬直している
- 手足を泳ぐように激しく動かす
- 口をくちゃくちゃ動かす
- 顔や足の一部が一定のリズムで動く
- 大量のよだれが出る
- 尿や便を漏らす
- 発作後にぼんやりする
- 発作後にふらつく、壁へぶつかる
部分的な発作では、片足、顔、口元など体の一部だけが繰り返し動く場合があります。
意識があるように見えるケースもあるため、同じ動きを繰り返す場合は動画を撮り、動物病院へ相談してください。
■ 寝ている時のピクピクした動き
犬は眠っている時に、足先、まぶた、口元などを小さく動かすことがあります。
呼吸が穏やかで、声をかけると自然に目を覚まし、起きた後も普段通りであれば、睡眠中の動きの可能性があります。
体が強く硬直する、激しく手足を動かす、よだれや失禁がある、起きた後も反応が戻らない場合は、発作を疑ってください。
■■ まず確認したい緊急サイン
犬の震えに次の症状が一つでも重なる場合は、夜間や休日でも動物病院へ連絡してください。
- 呼びかけに反応しない
- 突然倒れた
- 自力で立てない
- けいれんが5分近く続いている
- 短時間に発作を繰り返している
- 発作後も意識が戻らない
- 呼吸が速い、苦しそう
- 胸やお腹を大きく動かしている
- 舌や歯ぐきが青紫色になっている
- 歯ぐきが白い
- ぐったりして動けない
- 体が異常に熱い
- 体が冷たく反応が弱い
- 嘔吐や下痢を繰り返している
- 大量のよだれが出ている
- お腹が急に膨れている
- 強く痛がり鳴き続けている
- 両後ろ足に力が入らない
- 足先が裏返ったまま戻らない
- 排尿できない
- 事故や転落の後から震えている
- 薬や有害な物を食べた可能性がある
- 子犬が食事を取れず震えている
- 糖尿病治療中に震えやふらつきが出た
震えの強さだけでは、緊急性を判断できません。
呼吸、意識、歯ぐきの色、立てるかどうかを優先して確認してください。
重い症状がある場合は、動画撮影や体温測定に時間をかけず、すぐ動物病院へ連絡しましょう。
■ 誤食や中毒の可能性がある場合
チョコレート、キシリトールを含む食品、人間用の薬、殺虫剤、除草剤などによって、震えやけいれんが起こることがあります。
誤食した可能性がある場合は、症状が軽くてもすぐ動物病院へ連絡してください。
自宅で吐かせようとせず、商品名、成分、食べた量、食べた時間が分かる容器や写真を用意しましょう。
■■ 犬が震える主な原因

■ ① 寒さ
寒い環境では、筋肉を細かく動かして熱を作るため、犬の体が震えることがあります。
特に、子犬、シニア犬、小型犬、短毛の犬、痩せている犬は冷えの影響を受けやすい傾向があります。
- 寒い屋外へ出た時に震える
- 濡れた後に震え始めた
- 暖かい場所へ移すと治まる
- 元気と食欲は普段通り
- 歩き方や意識に変化がない
暖かい室内へ移しても震えが治まらない、元気がない、体が冷たい場合は、寒さだけではない可能性があります。
■ ② 緊張・恐怖・ストレス
雷、花火、工事音、来客、車での移動、動物病院などに強い不安を感じると、体が震えることがあります。
- 耳を後ろへ倒す
- しっぽを下げる
- 飼い主から離れない
- 隠れようとする
- ハァハァする
- 口元をなめる
- あくびを繰り返す
- 落ち着かず歩き回る
刺激から離れ、安心できる場所へ移ると震えが治まる場合は、恐怖や不安が関係している可能性があります。
ただし、痛みがある犬も震えて飼い主へ寄り添うことがあるため、歩き方や触られた時の反応も確認してください。
■ ③ 興奮
飼い主の帰宅、食事、散歩、遊びなどを前にして、興奮から体が震える犬もいます。
興奮が落ち着くと震えも止まり、普段通り行動できる場合は、一時的な反応の可能性があります。
興奮後に咳をする、呼吸が戻らない、ふらつく、倒れる場合は、心臓や呼吸器の状態も確認する必要があります。
■ ④ 運動後の疲労
長時間の散歩や激しい運動の後に、筋肉が疲れて足や体が震えることがあります。
休ませると短時間で治まり、足を引きずらず普段通り歩ける場合は、一時的な疲労の可能性があります。
同じ足だけ震える、足を浮かせる、翌日も続く場合は、筋肉、関節、靭帯などを傷めている可能性があります。
■ ⑤ 首・背中・足腰の痛み
骨折、捻挫、関節炎、膝や股関節の異常、椎間板ヘルニアなどの痛みによって、犬が震えることがあります。
- 背中を丸めている
- 動こうとしない
- 立ち上がる時に震える
- 片足を浮かせている
- 足を引きずる
- 階段やジャンプを嫌がる
- 抱き上げると鳴く
- 首や背中を触ると嫌がる
痛い場所を探すために、足や関節を曲げたり、首や背中を強く押したりしないでください。
両後ろ足に力が入らない、足先が裏返る、排尿できない場合は緊急です。
■ ⑥ お腹や内臓の痛み
胃腸、膵臓、尿路などに強い痛みがある場合も、犬は体を震わせることがあります。
- 背中を丸めて動かない
- 前足を伸ばしてお尻を上げる
- お腹を触ると嫌がる
- 寝たり起きたりを繰り返す
- 食欲がない
- 嘔吐や下痢がある
- 排尿姿勢を取るのに尿が出ない
吐こうとしているのに何も出ず、お腹が膨れている場合や、尿が出ない場合は緊急受診してください。
■ ⑦ 吐き気
強い吐き気がある犬は、嘔吐する前から震えることがあります。
- 口元を何度もなめる
- よだれが増える
- 何度もつばを飲み込む
- 落ち着かず歩き回る
- 食事を拒否する
- 吐こうとする
- 嘔吐や下痢がある
嘔吐を繰り返す、水を飲んでも吐く、ぐったりしている場合は、脱水や重い病気に注意が必要です。
■ ⑧ 発熱・体温低下
感染や炎症などで発熱している時に、寒気のような震えが現れることがあります。
反対に、低体温になった犬も震えることがあります。
- 元気や食欲がない
- 体が熱い、または冷たい
- 呼吸や心拍が普段と違う
- 嘔吐や下痢がある
- ぐったりして動かない
- 子犬やシニア犬である
家庭での体温測定に慣れていない場合は、無理に体温計を入れないでください。
犬の反応が弱い、体が極端に熱い・冷たい場合は、測定より受診を優先します。
■ ⑨ 低血糖
血糖値が低下すると、筋肉や脳へ十分なエネルギーを送れなくなり、震え、ふらつき、脱力、意識低下などが起こります。
特に注意したいのは、体の小さな子犬、長時間食事を取れていない犬、糖尿病でインスリン治療を受けている犬です。
- 急に震え始めた
- 足元がふらつく
- 力が入らず立てない
- ぼんやりしている
- 異常に眠そうにする
- けいれんする
- 食事を取れていない
- インスリン使用後に症状が出た
意識が低下している犬へ、食べ物や砂糖水を無理に流し込むと、気管へ入る危険があります。
すぐ動物病院へ連絡し、口から糖分を与えるかどうかも指示を確認してください。
■ ⑩ 中毒・誤食
犬に有害な食品、薬、薬品などを口にすると、震え、興奮、嘔吐、下痢、けいれんなどが起こることがあります。
- チョコレートを食べた可能性がある
- キシリトールを含む食品を食べた
- 人間用の薬がなくなっている
- 殺虫剤や除草剤へ触れた
- 震えと一緒に大量のよだれが出る
- 興奮して落ち着かない
- 嘔吐や下痢がある
- ふらつきやけいれんがある
中毒症状は、食べた直後ではなく、時間がたってから現れる場合もあります。
症状が出るまで待たず、誤食の可能性が分かった時点で動物病院へ連絡してください。
■ ⑪ 薬の影響
処方薬や予防薬を使用した後に、震え、ふらつき、嘔吐などが現れる場合があります。
自己判断で薬を追加したり、量を減らしたり、中止したりせず、薬の名前、使用量、使用時間を動物病院へ伝えてください。
人間用の薬を誤って与えた場合は、少量でもすぐ連絡しましょう。
■ ⑫ 脳・脊髄・神経の異常
脳炎、脳腫瘍、脊髄疾患、神経の炎症などによって、体や足に震えが現れることがあります。
- 歩くとふらつく
- 足先が裏返る
- 両後ろ足を引きずる
- 首が傾いている
- 目が小刻みに揺れている
- 同じ場所をぐるぐる回る
- 顔や足の一部が繰り返し動く
- 意識や反応が普段と違う
痛がらなくても神経の異常が進んでいる場合があります。
立てない、麻痺、意識障害がある場合は、歩かせず緊急受診してください。
■ ⑬ けいれん発作
てんかん、脳の病気、低血糖、中毒、肝臓や腎臓の異常などによって、けいれん発作が起こることがあります。
全身が激しく動く発作だけでなく、顔、口元、片足など一部だけに症状が出る場合もあります。
発作中は犬を押さえつけず、周囲の家具や段差から離し、発作が始まった時間を確認してください。
発作が5分近く続く、短時間に繰り返す、意識が戻らない場合は緊急です。
■ ⑭ 肝臓・腎臓など内臓の病気
肝臓や腎臓の機能が低下すると、体内に不要な物質がたまったり、血糖値やミネラルのバランスが乱れたりして、震えや神経症状が出ることがあります。
- 水を飲む量や尿量が変わった
- 食欲が落ちている
- 嘔吐や下痢がある
- 体重が減ってきた
- 歯ぐきや白目が黄色い
- 口臭が変わった
- ぼんやりしている
- ふらつきやけいれんがある
足や筋肉に異常が見つからなくても、全身症状がある場合は、血液検査や尿検査が必要です。
■ ⑮ ホルモンや体内バランスの異常
副腎の病気、血糖値の異常、カルシウムやナトリウムなどのバランス異常でも、震え、脱力、嘔吐などが起こることがあります。
症状だけで原因を区別することはできません。
震えを繰り返し、元気や食欲の低下、嘔吐、下痢、体重変化などがある場合は、動物病院へ相談してください。
■ ⑯ 貧血・血圧低下・ショック
出血、重い貧血、血圧低下などで全身への血流が不足すると、震え、脱力、呼吸の速さなどが現れることがあります。
- 歯ぐきが白い
- 呼吸が速い
- 足先や体が冷たい
- ぐったりしている
- 立たせても倒れる
- お腹が膨れている
- 事故や転落の後から震えている
- 黒い便や血便が出ている
外から出血が見えなくても、体の内部で出血している可能性があります。
歯ぐきが白く、震えながら立てない、呼吸が速い場合は緊急です。
■ ⑰ シニア犬の筋力低下
シニア犬では、筋肉量が減り、立っている時や排泄姿勢を保つ時に足や体が震えることがあります。
- 立っていられる時間が短くなった
- 立ち上がるまでに時間がかかる
- 後ろ足の筋肉が細くなった
- 散歩の速度が遅くなった
- 滑る床で踏ん張れない
- 階段や段差を避ける
ただし、震えをすべて年齢のせいにすることはできません。
関節、脊椎、神経、内臓の病気が隠れている場合があるため、突然始まった震えや悪化する震えは受診してください。
■■ 震えるタイミングから確認したいこと

■ 寒い時だけ震える
暖かい室内へ移し、毛布などを用意すると短時間で止まる場合は、寒さが関係している可能性があります。
温めても止まらない、元気がない、体が冷たい場合は、低体温や体調不良にも注意してください。
■ 食事前・空腹時に震える
子犬や糖尿病治療中の犬が、空腹時に震え、ふらつく場合は、低血糖の可能性があります。
意識が悪い場合は食べ物を口へ入れず、すぐ動物病院へ連絡してください。
■ 食後や誤食後に震える
犬に適さない食品、中毒物質、消化器の異常などが関係する可能性があります。
何を、いつ、どのくらい食べたかを確認し、容器や成分表示を用意して動物病院へ連絡しましょう。
■ 運動後に震える
筋肉疲労や興奮で一時的に震える場合があります。
休んでも呼吸が戻らない、体が熱い、ふらつく、同じ足だけ震える場合は、熱中症や足腰のケガにも注意してください。
■ 抱っこや体を触った時に震える
首、背中、関節、お腹などに痛みがあり、触られることを警戒して震えている可能性があります。
震えの場所を探すために何度も抱き上げたり、体を押したりしないでください。
■ 夜中に震える
寒さ、不安、痛み、吐き気、排泄の問題などが考えられます。
ハァハァする、寝たり起きたりを繰り返す、背中を丸める、鳴き続ける場合は、痛みや呼吸状態を確認してください。
■■ 短時間様子を見られる可能性があるケース
次の条件がすべて当てはまる場合は、原因を取り除きながら短時間様子を見られる可能性があります。
- 寒さ、恐怖、興奮など明確な理由がある
- 原因から離れると短時間で震えが止まる
- 呼びかけに普段通り反応する
- 自力で立ち、まっすぐ歩ける
- 呼吸が普段通り
- 歯ぐきの色が普段通り
- 痛がる様子がない
- 元気と食欲が普段通り
- 嘔吐や下痢がない
- 事故や誤食の可能性がない
震えが止まった後も、その日は激しい運動を避け、再び震えないか確認してください。
同じ日に繰り返す、翌日も続く、原因が分からない場合は、元気があっても動物病院へ相談しましょう。
子犬、シニア犬、糖尿病などの持病がある犬は、長く様子を見ない方が安心です。
■■ 早めに動物病院を受診したいケース

- 明確な原因がないのに震える
- 震えが何度も繰り返す
- 翌日になっても治まらない
- 暖かくしても震え続ける
- 以前より震えが強くなっている
- 同じ足や体の一部だけが動く
- 立ち上がる時に毎回震える
- 足を引きずる
- 首や背中を痛がる
- 食欲が落ちている
- よだれや吐き気がある
- 嘔吐や下痢がある
- 水を飲む量や尿量が変わった
- 体重が減ってきた
- 薬を使用してから震え始めた
- シニア犬で突然症状が始まった
意識障害、呼吸困難、立てない、けいれん、中毒の可能性がある場合は、早めではなく緊急受診が必要です。
■■ 子犬・成犬・シニア犬で注意点は違う?
■ 子犬の場合
子犬では、寒さ、環境への不安、低血糖、感染症、誤食などに注意が必要です。
特に体の小さな子犬は、食事を取れない時間が続くと、低血糖によって震えやふらつきが起こる場合があります。
食欲がない、ぐったりしている、嘔吐や下痢がある場合は、長く様子を見ないでください。
■ 成犬の場合
成犬では、恐怖や興奮のほか、足腰の痛み、腹痛、吐き気、中毒、神経疾患などが考えられます。
環境が変わっていないのに突然震え始めた場合は、体調や誤食の可能性を確認してください。
■ シニア犬の場合
シニア犬では、筋力低下、関節炎、脊椎や神経の病気、肝臓・腎臓などの内臓疾患に注意します。
寒がりになった、立っている時に後ろ足が震えるといった変化を、年齢だけのせいにしないことが大切です。
突然始まった、元気や食欲がない、歩き方がおかしい場合は早めに受診してください。
■■ 自宅で確認したいこと

■ 震えが始まった状況を確認する
- 寒い場所にいたか
- 雷や大きな音がしたか
- 運動や散歩の直後か
- 食事前や空腹時か
- 薬を使用した後か
- 食べてはいけない物が減っていないか
- 事故や転落がなかったか
震えが始まった時刻と、その直前に何をしていたかを記録しましょう。
■ 震えている場所を確認する
- 全身が震えているか
- 前足や後ろ足だけか
- 片側だけか
- 顔や口元も動いているか
- 立っている時だけか
- 寝ている時だけか
片足だけが震え、足を浮かせる場合は、その足に痛みや違和感がある可能性があります。
■ 意識と反応を確認する
- 名前を呼ぶと飼い主を見るか
- 周囲の音へ反応するか
- 自分で姿勢を変えられるか
- 目線が合うか
- ぼんやりしていないか
- よだれや失禁がないか
呼びかけに反応せず、体が硬直している場合は、けいれん発作の可能性があります。
■ 呼吸と歯ぐきの色を確認する
- 安静にしても呼吸が速くないか
- 胸やお腹を大きく動かしていないか
- 横になって休めるか
- 歯ぐきが白くないか
- 舌や歯ぐきが青紫色ではないか
呼吸や歯ぐきの色に異常がある場合は、ほかの確認を続けず、すぐ動物病院へ連絡してください。
■ 自然に立てるかを確認する
犬が自分から立とうとした時の姿勢を観察します。
- 自力で立てるか
- 立ったまま体を支えられるか
- 足を引きずっていないか
- 足先が裏返っていないか
- 腰がふらついていないか
- すぐ倒れないか
立てない犬を確認のために何度も起こしたり、歩かせたりしないでください。
■ 動画を撮る
震えは、動物病院へ着く頃には止まっていることがあります。
安全に撮影できる場合は、犬の顔、全身、足、呼吸、周囲の状況が分かる動画を残してください。
震えの始まりから終わりまでの時間も記録すると、診察時の参考になります。
■ 静かで安全な場所へ移す
照明や音を抑え、滑りにくい床で休ませます。
ふらつきがある犬は、階段、家具の角、高いソファなどへ近づけないようにしてください。
■■ 犬が震えている時にやってはいけないこと

■ 原因を確認せず急激に温める
震えているからといって、熱い湯たんぽ、保温器具、ドライヤーなどを直接当てないでください。
発熱や熱中症が原因の場合は状態を悪化させる可能性があり、低温やけどの危険もあります。
■ 体や足を揉む・伸ばす
痛みや椎間板ヘルニアなどが原因の場合、マッサージやストレッチで症状が悪化する可能性があります。
痛い場所を探すために、首、背中、お腹、関節を強く押さないでください。
■ 歩けるか何度も試す
立てない、ふらつく、足を引きずる犬を何度も歩かせると、ケガや神経症状が悪化する可能性があります。
動画を撮るために無理に立たせることも避けてください。
■ 人間用の薬を与える
人間用の痛み止め、解熱剤、睡眠薬、精神安定剤などを自己判断で与えないでください。
犬に中毒を起こしたり、肝臓や腎臓、意識、呼吸へ影響したりする危険があります。
■ 食べ物や水を無理に与える
意識が低下している犬や、けいれんしている犬へ、食べ物や液体を流し込まないでください。
気管へ入り、呼吸器のトラブルを起こす危険があります。
■ 自宅で吐かせる
誤食が疑われても、塩、オキシドール、指などを使って吐かせないでください。
食べた物によっては、吐かせることで食道や肺を傷つける危険があります。
■ 発作中に押さえつける
けいれんが疑われる場合は、犬を強く抱き締めたり、手足を押さえたりしないでください。
周囲の危険物を遠ざけ、頭をぶつけないようにしながら、発作の時間を測ります。
■ 発作中に口へ手や物を入れる
舌をかまないようにと、犬の口へ手、タオル、棒などを入れないでください。
飼い主がかまれたり、犬の口や歯を傷つけたりする危険があります。
■■ 動物病院で行われる検査と治療

動物病院では、震えが始まった状況、震えている場所、意識、歩き方、誤食や薬の可能性などを確認します。
呼吸や意識状態が悪い場合は、詳しい検査より先に、酸素吸入、点滴、体温管理、けいれんを抑える処置などを行うことがあります。
状態に応じて、次のような検査が行われます。
- 体温、呼吸、心拍、血圧の確認
- 歯ぐきの色と脱水状態の確認
- 首、背中、足、関節の確認
- お腹の触診
- 立ち方と歩き方の確認
- 意識や反射を調べる神経学的検査
- 血糖値の測定
- 血液検査
- 尿検査
- 中毒物質や感染症に関する検査
- レントゲン検査
- 腹部や心臓の超音波検査
- 必要に応じたCT検査
- 脳や脊髄を確認するMRI検査
- 必要に応じた脳脊髄液の検査
治療方法は原因によって異なります。
- 保温または適切な体温管理
- 点滴による水分・電解質の補給
- 低血糖に対するブドウ糖の投与
- 犬用の鎮痛薬や吐き気止め
- ケガや関節・脊椎疾患への治療
- 感染症や内臓疾患への治療
- 中毒に対する解毒・吸収を抑える処置
- けいれんを抑える治療
- 脳や神経疾患への治療
- 状態が安定した後のリハビリ
震えだけを一時的に止めるのではなく、痛み、血糖値、中毒、神経、内臓など、震えを起こしている原因を確認することが大切です。
■■ 日頃からできる予防と生活管理
■ 室温を犬に合わせる
子犬、シニア犬、小型犬、短毛の犬は、室温や寝床の冷えに注意します。
冷暖房器具を犬の体へ直接当てず、自分で暖かい場所と涼しい場所を選べる環境を作りましょう。
■ 誤食を防ぐ
食品、薬、サプリメント、殺虫剤などは、犬が届かない扉付きの場所へ保管してください。
バッグや上着のポケットに入ったガムや薬も、犬が取り出すことがあります。
■ 子犬の食事間隔に注意する
体の小さな子犬は、食事を一度に多く取れず、空腹時間が長くなると体調を崩すことがあります。
一日の食事回数や量は、年齢、体重、健康状態に合わせて動物病院へ相談してください。
■ 滑りやすい床を見直す
フローリングで足が滑ると、関節や腰へ負担がかかり、立っている時の震えが目立つ場合があります。
犬が歩く場所や立ち上がる場所へ、ずれにくいマットを敷きましょう。
■ 持病の薬を正しく使用する
糖尿病などの治療中は、薬の量や使用時刻を自己判断で変更しないでください。
食事を取れない、嘔吐した、薬の後に震えが出た場合は、次の投薬について動物病院へ確認しましょう。
■■ 受診時に伝えるとよいこと
- いつから震えているか
- 急に始まったか、徐々に増えたか
- 全身か体の一部だけか
- 前足、後ろ足、顔など震える場所
- 一回何分程度続くか
- 一日に何回起こるか
- 寒さ、音、運動、食事との関係
- 呼びかけに反応するか
- 意識を失ったことがあるか
- よだれや失禁があるか
- 自力で立って歩けるか
- 足を引きずっていないか
- 首や背中を痛がらないか
- 呼吸が速くないか
- 歯ぐきの色
- 元気と食欲があるか
- 嘔吐や下痢があるか
- 水を飲む量や尿量の変化
- 事故や転落がなかったか
- 誤食した可能性がないか
- 現在使用している薬と使用時刻
- 糖尿病、肝臓病、腎臓病などの持病
震えている時の顔、全身、足、呼吸、呼びかけへの反応が分かる動画も、診察時の重要な参考になります。
■■ よくある質問
■ Q. 暖かい部屋なのに犬が震えています
恐怖、興奮、痛み、吐き気、低血糖、発熱、神経や内臓の病気などが考えられます。
震えが続く、元気や食欲がない、歩き方がおかしい場合は、寒さ以外の原因を疑って受診してください。
■ Q. 犬が震えていますが、元気と食欲はあります
寒さや緊張など明確な理由があり、原因から離れると完全に治まる場合は、短時間様子を見られる可能性があります。
理由が分からない、何度も繰り返す、翌日も続く場合は、元気があっても相談してください。
■ Q. 犬が震えながらハァハァしています
恐怖や興奮のほか、痛み、発熱、熱中症、呼吸器や心臓の異常などが考えられます。
安静にしても呼吸が戻らない、舌や歯ぐきの色が悪い、横になれない場合は緊急受診してください。
■ Q. 犬が震えてごはんを食べません
痛み、吐き気、発熱、低血糖、中毒、内臓疾患などの可能性があります。
特に子犬や持病のある犬では状態が悪化しやすいため、当日中に動物病院へ相談してください。
■ Q. 子犬が震えています
寒さや環境への不安のほか、低血糖、感染症、脱水などに注意が必要です。
食事を取れない、ふらつく、ぐったりしている、嘔吐や下痢がある場合は、すぐ受診してください。
■ Q. シニア犬が立っている時に震えます
筋力低下のほか、関節炎、脊椎や神経の病気、内臓疾患などが関係することがあります。
立ち上がりにくい、足を引きずる、元気や食欲が落ちている場合は、年齢のせいと決めつけず受診しましょう。
■ Q. 震えとけいれんの見分けがつきません
呼びかけへの反応、体の硬直、大量のよだれ、失禁、発作後の意識状態を確認してください。
判断できない場合も、安全に動画を撮り、早めに動物病院へ相談しましょう。
■ Q. 震えている犬を温めてもよいですか?
寒い環境にいたことが明らかで、意識や呼吸に異常がなければ、暖かい室内へ移して毛布などでゆっくり保温します。
熱い物やドライヤーを直接当てず、体が熱い場合は温めないでください。
■ Q. 震えている犬をマッサージしてもよいですか?
原因が分からない状態でのマッサージやストレッチは避けてください。
骨折、関節の炎症、腹痛、椎間板ヘルニアなどを悪化させる可能性があります。
■■ まとめ|犬の震えは意識・呼吸・歩き方も確認する
犬は、寒さ、恐怖、緊張、興奮などによって、一時的に震えることがあります。
原因となる状況から離れると短時間で治まり、元気、食欲、歩き方に変化がなければ、緊急性が低い可能性があります。
一方で、犬の震えには次のような原因が関係することがあります。
- 寒さ、緊張、恐怖、興奮
- 運動後の疲労
- 首、背中、足腰の痛み
- お腹や内臓の痛み
- 強い吐き気
- 発熱や低体温
- 低血糖
- 中毒や薬の影響
- 脳、脊髄、神経の異常
- けいれん発作
- 肝臓や腎臓などの内臓疾患
- 体内のミネラルやホルモンの異常
- 貧血、血圧低下、ショック
- シニア犬の筋力低下
震えとけいれんを見分ける時は、呼びかけへの反応、意識、体の硬直、よだれや失禁の有無を確認してください。
呼びかけに反応しない、立てない、呼吸が苦しい、歯ぐきが白い・青紫色の場合は緊急です。
嘔吐や下痢を繰り返す、誤食した可能性がある、子犬が食事を取れず震えている場合も、長く様子を見ないでください。
震えを止めようとして強く抱き締めたり、急激に温めたり、マッサージしたり、人間用の薬を与えたりしないことが大切です。
震えている時の全身と反応を動画に残し、症状が続く、繰り返す、ほかの異常を伴う場合は、動物病院へ相談しましょう。
■■ 関連リンク(重要)
片足や後ろ足だけが震え、足を浮かせる、立ち上がりにくい場合は、足や関節の原因も確認してください。
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震えながら急に立てない、両後ろ足に力が入らない場合は、神経や脊椎の異常に注意が必要です。
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雷、花火、来客など特定の状況で震え、隠れる、パンティングする場合は、ストレスとの関係も確認しましょう。
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呼びかけに反応せず、体が硬直する、よだれや失禁がある場合は、けいれん発作の可能性があります。
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首の傾き、目の揺れ、ふらつきと一緒に震えている場合は、前庭や神経の異常を確認してください。
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震えながら同じ場所を回る、反応が弱い場合は、旋回行動の原因も確認しましょう。
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震えに加えて、ぐったりして動かない、食欲がない場合は、全身状態を優先してください。
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震えながらハァハァし、安静にしても呼吸が戻らない場合は、呼吸状態を確認してください。
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震えに加えて歯ぐきが白い、立てない、呼吸が速い場合は、貧血や循環状態の異常に注意が必要です。
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