犬がくわえたものを離さない時の教え方とは?取ろうとすると逃げる時のしつけ方法を解説

愛犬がスリッパやおもちゃ、落ちているものをくわえた時に、
なかなか離してくれないことはありませんか?

「取ろうとすると逃げる」
「口を開けようとすると嫌がる」
「危ないものを飲み込まないか心配」

このような場面は、飼い主さんにとって不安ですよね。

犬がくわえたものを離さないのは、
単なるわがままではありません。

取られたくない気持ち、遊びのつもり、
不安、過去の経験、交換のルールを知らないことなど、
さまざまな理由が関係しています。

特に、危険なものをくわえた時に無理に取り上げようとすると、
犬が慌てて飲み込んでしまうこともあります。

そのため、普段から「離して」や「交換」の練習をしておくことが大切です。

この記事では、

・犬がくわえたものを離さない主な原因
・無理に取り上げる危険性
・交換トレーニングのやり方
・取ろうとすると逃げる時の対策
・やってはいけない対応

をわかりやすく解説します。


犬がくわえたものを離さないのはなぜ?

犬がくわえたものを離さない理由は、
ひとつではありません。

飼い主さんから見ると困った行動でも、
犬にとっては理由があることが多いです。

① 取られたくない

犬は、自分がくわえたものを
「大事なもの」と感じることがあります。

特に、おもちゃ、食べ物、スリッパ、ティッシュなど、
犬にとって魅力的なものは離したがらないことがあります。

過去に、くわえたものを毎回すぐ取り上げられた経験があると、
「取られる前に守ろう」とする犬もいます。

この場合、犬は反抗しているのではなく、
大事なものを守ろうとしている状態です。

② 追いかけっこだと思っている

犬が何かをくわえて逃げた時に、
飼い主さんが慌てて追いかけると、
犬は遊びだと感じることがあります。

スリッパをくわえる。
飼い主さんが追いかける。
犬は楽しくなってさらに逃げる。

この流れが繰り返されると、
犬は「物をくわえると遊んでもらえる」と覚えることがあります。

特に若い犬や遊び好きな犬では、
このパターンが習慣になりやすいです。

③ 交換のルールを知らない

犬は最初から、
「離して」と言われたら口から出すものだと理解しているわけではありません。

人間にとっては危ないものでも、
犬にとっては魅力的なものに見えている場合があります。

そのため、
「離して」と言われても何をすればいいのかわからず、
くわえ続けてしまうことがあります。

この場合は、
怒るよりも、交換のルールを教えることが大切です。

④ 不安や警戒心がある

口に入れたものを取られることに不安がある犬は、
近づかれるだけで逃げたり、口を強く閉じたりすることがあります。

過去に無理に口を開けられた経験がある犬は、
「また取られるかもしれない」と警戒しやすくなります。

この場合、
無理に取り上げるほど、
さらに離さない行動が強くなることがあります。

⑤ 噛むことやくわえることが好き

犬にとって、
物をくわえる、噛む、運ぶという行動は自然なものです。

特に子犬や若い犬は、
口を使って物を確認したり、遊んだりします。

そのため、くわえる行動自体を完全に止めるのではなく、
くわえていいもの、離すタイミング、交換のルールを教えることが大切です。


無理に取り上げない方がいい理由

犬が危ないものをくわえた時、
すぐに取り上げたくなるのは当然です。

しかし、毎回無理に取り上げようとすると、
かえって問題が強くなることがあります。

たとえば、

・犬が逃げるようになる
・急いで飲み込む
・口を開けられるのを嫌がる
・唸るようになる
・飼い主さんに近づかなくなる
・物を守る行動が強くなる

このような状態につながることがあります。

特に注意したいのは、
犬が「取られる」と感じて、
急いで飲み込んでしまうケースです。

誤飲の危険があるものをくわえている時ほど、
飼い主さんが慌てて追いかけたり、
無理に口を開けたりすると、
犬が焦って飲み込む可能性があります。

もちろん、危険なものをくわえている時は安全確保が最優先です。

ただし、普段の練習では、
「奪う」のではなく、
「交換すると良いことがある」と教えておくことが大切です。


「離して」を教える前に準備するもの

「離して」を教える前に、
まずは犬が安心して練習できる環境を整えましょう。

準備したいものは次の通りです。

・犬が好きなおもちゃ
・小さめのおやつ
・静かな室内
・落ち着いた声かけ
・短い練習時間
・必要に応じてリード

最初の練習では、
犬が強く執着しすぎないおもちゃを使うのがおすすめです。

お気に入りすぎるおもちゃや、
食べ物そのものを使うと、
犬が離したがらないことがあります。

まずは、ほどよく興味を持つおもちゃから始めましょう。

また、ごほうびは、
犬がすぐに食べられる小さめのものを用意します。

大きなおやつだと、
食べるのに時間がかかり、
練習の流れが止まりやすくなります。

練習時間は1回3分から5分程度で十分です。

犬が飽きる前に終わることで、
次の練習にも前向きになりやすくなります。


犬に「離して」を教える方法

① おもちゃをくわえさせる

まずは、犬に安全なおもちゃをくわえさせます。

この時、無理に口へ入れる必要はありません。

犬が自然におもちゃをくわえるように、
軽く遊びながら始めましょう。

最初から「離して」と言うのではなく、
まずは犬がおもちゃをくわえた状態を作ります。

犬が楽しく遊べている状態から始めることで、
練習に前向きになりやすくなります。

② おやつを見せて交換する

犬がおもちゃをくわえたら、
小さなおやつを見せます。

おやつに気づいて、
犬が口からおもちゃを離したら、
その瞬間に褒めておやつをあげます。

この段階では、
まだ「離して」という言葉を強く使わなくても大丈夫です。

犬に伝えたいのは、
「口から出すと良いものと交換できる」
ということです。

おもちゃを奪うのではなく、
交換する感覚を作りましょう。

③ 離した瞬間に「離して」と言う

犬が、おやつを見ておもちゃを離せるようになってきたら、
離す瞬間に「離して」と声をかけます。

流れとしては、

犬がおもちゃをくわえる

おやつを見せる

犬が口から離す

「離して」と言う

すぐ褒める

おやつをあげる

この順番で繰り返します。

ポイントは、
犬が離した瞬間に言葉を合わせることです。

最初から何度も「離して、離して」と言い続けるより、
行動と言葉を結びつける方が覚えやすくなります。

④ 離した後におもちゃを返す

練習では、
犬が離した後に、
おもちゃを返してあげることも大切です。

離したら必ず取り上げられると思うと、
犬は離したがらなくなることがあります。

離す

褒められる

おやつがもらえる

またおもちゃで遊べる

この流れを作ることで、
犬は「離しても損しない」と覚えやすくなります。

もちろん、危険なものをくわえた時は返せません。

しかし、普段の練習では、
離しても楽しいことが続く経験を増やしておきましょう。

⑤ 少しずつおやつを見せない練習にする

交換がスムーズになってきたら、
少しずつおやつを見せない練習に進みます。

まずはおやつを見せて交換。
次に、おやつを持っているふりで声をかける。
慣れてきたら「離して」の合図だけで練習する。

このように段階的に進めます。

ただし、急にごほうびをなくすと、
犬が戸惑うことがあります。

おやつを減らしても、
声で褒めることは続けましょう。


取ろうとすると逃げる犬への対策

犬がくわえたものを持って逃げる場合、
追いかけないことが大切です。

追いかけるほど、
犬は遊びだと思ったり、
取られまいとして逃げる行動が強くなったりします。

追いかけずに呼び戻す

犬が何かをくわえて逃げた時は、
慌てて追いかけるのではなく、
落ち着いた声で呼び戻します。

普段から「おいで」の練習をしておくと、
この場面でも役立ちます。

犬が近づいてきたら、
すぐに叱らず、
交換できるようにごほうびやおもちゃを使いましょう。

交換用のごほうびを用意する

犬が離したがらない時は、
くわえているものより魅力的なごほうびを用意します。

ただし、毎回高価なおやつでなくても大丈夫です。

犬にとって、
「離した方が得をする」と感じられることが大切です。

普段から交換の練習をしておくと、
いざという時も対応しやすくなります。

犬がくわえたくなるものを出しっぱなしにしない

スリッパ、靴下、ティッシュ、リモコン、子どものおもちゃなど、
犬がくわえやすいものを床に置いたままにすると、
練習が難しくなります。

特に、まだ「離して」を覚えていない時期は、
くわえられて困るものを片付けておきましょう。

しつけだけでなく、
環境管理も大切です。

くわえてもいいおもちゃを用意する

くわえる行動をすべて禁止するのではなく、
くわえていいものを用意してあげましょう。

犬用のおもちゃ、ロープ、ぬいぐるみなど、
安全に遊べるものを使います。

くわえていいおもちゃで遊びながら、
「離して」の練習をすると、
犬も楽しく覚えやすくなります。


危険なものをくわえた時の対応

犬が危険なものをくわえた時は、
落ち着いて安全を優先しましょう。

特に、飲み込むと危険なものの場合は、
早めの対応が必要です。

慌てて追いかけない

犬が危険なものをくわえた時、
飼い主さんが慌てて追いかけると、
犬が逃げたり、急いで飲み込んだりすることがあります。

まずは落ち着いて、
犬に近づきすぎず、
交換できるものを用意します。

可能であれば、
好きなおやつやおもちゃを使って、
口から出すように誘導しましょう。

飲み込んだ可能性がある時は病院へ

もし危険なものを飲み込んだ可能性がある場合は、
自己判断せず動物病院へ相談しましょう。

特に注意したいものは次の通りです。

・薬
・タバコ
・チョコレート
・ネギ類
・尖ったもの
・電池
・プラスチック片
・ひも状のもの
・農薬や薬品が付いたもの

何を、いつ、どのくらい飲み込んだ可能性があるかを
できるだけメモしておくと、
病院へ相談する時に伝えやすくなります。

無理に吐かせようとしない

犬が危険なものを飲み込んだかもしれない時に、
自己判断で吐かせようとするのは危険です。

飲み込んだものによっては、
吐かせることでかえって危険になる場合もあります。

心配な時は、
家庭で無理に処置せず、
動物病院へ相談しましょう。


やってはいけない対応

犬がくわえたものを離さない時、
次のような対応は避けましょう。

・追いかけ回す
・無理に口をこじ開ける
・毎回力ずくで取り上げる
・離した瞬間に叱る
・くわえたものを取るだけで返さない
・名前を怒る時に使う
・危険なものを放置する

無理に口を開けると、
犬が人の手を嫌がるようになったり、
口周りを触られることに警戒したりすることがあります。

また、離した瞬間に叱ると、
犬は「離したら嫌なことが起きた」と覚えてしまうことがあります。

そうなると、次からさらに離しにくくなる場合があります。

「離して」は、
怒って奪うための合図ではありません。

犬が安心して口から出せるように、
交換と褒める経験を積み重ねましょう。


なかなか離さない時に確認したいこと

犬がなかなか物を離さない場合は、
しつけ方法だけでなく、生活環境や犬の気持ちも確認しましょう。

取られる経験が多くなっていないか

犬がくわえたものを毎回すぐ取り上げていると、
「取られたくない」という気持ちが強くなることがあります。

普段の練習では、
離した後におもちゃを返す経験も作りましょう。

離しても終わりではない。
離してもまた遊べる。

この経験が増えると、
犬は安心して離しやすくなります。

くわえて困るものが多すぎないか

床に物が多い環境では、
犬がくわえる機会も増えます。

特に子犬や若い犬は、
目についたものを口に入れやすいです。

まずは、くわえられて困るものを片付け、
犬が安全に過ごせる環境を整えましょう。

退屈や運動不足がないか

退屈している犬は、
物をくわえて遊ぼうとすることがあります。

散歩や遊び、知育トイ、短いしつけ練習などを取り入れ、
犬が退屈しにくい生活を作りましょう。

ただし、興奮しすぎる遊びばかりでは、
物をくわえて走り回る行動が増えることもあります。

落ち着く時間とのバランスも大切です。

唸る・守る行動が強い場合は注意

犬が物をくわえた時に、
唸る、歯を見せる、近づくと固まる、噛もうとするなどの様子がある場合は、
無理に取り上げないでください。

これは、物を守る行動が強く出ている可能性があります。

この場合、自己流で無理に直そうとすると危険なことがあります。

必要に応じて、
ドッグトレーナーや動物病院に相談しましょう。


まとめ|離しては奪うのではなく交換で教えよう

犬がくわえたものを離さない時、
大切なのは無理に奪うことではありません。

犬が「取られる」と感じると、
逃げる、守る、急いで飲み込むなどの行動につながることがあります。

そのため、普段から
「離して」や「交換」の練習をしておくことが大切です。

おもちゃをくわえる。
おやつを見せる。
口から離した瞬間に褒める。
ごほうびをあげる。
必要に応じておもちゃを返す。

この流れを繰り返すことで、
犬は「離しても良いことがある」と覚えていきます。

また、スリッパやティッシュ、危険なものなど、
くわえられて困るものは普段から片付けておきましょう。

しつけだけでなく、
犬が失敗しにくい環境作りも大切です。

危険なものを飲み込んだ可能性がある場合は、
自己判断せず動物病院へ相談してください。

焦らず、叱らず、
愛犬が安心して離せるように、
毎日の遊びの中で少しずつ練習していきましょう。


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