
オーストラリアン・キャトル・ドッグは、青みがかった斑や赤い小斑の被毛、引き締まった筋肉質の体、まっすぐ立つ耳が印象的なオーストラリア原産の牧畜犬です。別名「ブルー・ヒーラー」「レッド・ヒーラー」と呼ばれることもあります。
ジャパンケネルクラブ(JKC)の現行犬種ページでは、FCIスタンダードNo.287、原産国はオーストラリア、第1グループの牧羊犬・牧畜犬です。用途は、広い場所でも制限された場所でも家畜を制御し、動かす能力を中心に説明され、敏捷で、たいへん利口で、注意深く、勇気があり、信頼のおける犬として記載されています。
家庭犬として見ると、知的で学習能力が高く、飼い主さんとの共同作業を楽しみやすい一方、運動量と作業欲求が非常に高く、暇を持て余すと吠え、物を壊す、動くものを追うなどの行動が出やすくなることがあります。中型犬だから扱いやすいと考えるより、「体は中型でも中身は本格的なワーキングドッグ」と考えた方が暮らしをイメージしやすい犬種です。
- 1. オーストラリアン・キャトル・ドッグの基本情報
- 2. オーストラリアン・キャトル・ドッグの性格
- 3. オーストラリアン・キャトル・ドッグの飼いやすさ
- 4. オーストラリアン・キャトル・ドッグは初心者でも飼いやすい?
- 5. オーストラリアン・キャトル・ドッグの大きさ・体重
- 6. オーストラリアン・キャトル・ドッグの平均寿命
- 7. オーストラリアン・キャトル・ドッグに必要な運動量
- 8. オーストラリアン・キャトル・ドッグの抜け毛・お手入れ
- 9. オーストラリアン・キャトル・ドッグは留守番しやすい?
- 10. オーストラリアン・キャトル・ドッグのしつけのしやすさ
- 11. 無駄吠え・噛み癖・追いかけ行動などの注意点
- 12. オーストラリアン・キャトル・ドッグがなりやすい病気・注意したい健康問題
- 13. オーストラリアン・キャトル・ドッグの食事・ドッグフード選び
- 14. オーストラリアン・キャトル・ドッグの子犬期の注意点
- 15. オーストラリアン・キャトル・ドッグのシニア期の注意点
- 16. オーストラリアン・キャトル・ドッグが向いている人
- 17. オーストラリアン・キャトル・ドッグのよくある質問
- まとめ
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1. オーストラリアン・キャトル・ドッグの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 犬種名 | オーストラリアン・キャトル・ドッグ |
| 英名 | AUSTRALIAN CATTLE DOG |
| 原産国 | オーストラリア |
| FCIスタンダード | No.287 |
| JKCグループ | 第1グループ(牧羊犬・牧畜犬) |
| 用途(JKC) | この名の示すように、この犬種の主要な機能であり、他より優っている機能とは、広いオープン・スペースであろうと、制限された場所であろうと、家畜を制御し、動かす能力である。また、この犬種を理想的な犬にするための献身的な努力があったため、常に敏捷で、たいへん利口で、注意深く、勇気があり、信頼がおける犬となった。 |
| サイト内サイズ分類 | 中型犬 |
| 体高 | 牡46~51cm、牝43~48cm |
| 体重 | JKC現行ページに数値記載なし。参考:AKCでは35~50lb(約15.9~22.7kg) |
| 平均寿命 | 12~16年が目安(AKC掲載値) |
| 運動量 | 非常に多い。散歩だけでなく知的刺激と作業的な活動も必要 |
| 被毛 | 短く密なダブルコート |
| 毛色 | ブルー、ブルーの斑・小斑、レッドの小斑など |
| 抜け毛 | あり。換毛期は増えやすい |
| トリミング | 定期的な全身カットは基本不要。ブラッシング中心 |
| 留守番 | 練習は可能だが、長時間の退屈が続く生活は慎重に |
| しつけやすさ | 非常に学習能力が高いが、運動・作業欲求を満たしながら一貫した練習が必要 |
| 初心者向き | 慎重。活動量と牧畜犬特有の行動を管理できる家庭向き |
2025年のJKC新規犬籍登録は7頭で、順位は108位です。これは2025年の1年間に新しく血統登録され、血統証明書が発行された頭数であり、日本国内に現在7頭しかいないという意味ではありません。
JKCでは、1840年頃にオーストラリアの牧畜環境へ適応する犬として作出された歴史が説明されています。現在の犬種にも、家畜を動かすための持久力、敏捷性、状況判断力、警戒心が強く残っています。家庭で暮らす場合は、これらの能力を「問題行動」にさせないため、毎日の生活の中に運動と学習の機会を組み込むことが重要です。
2. オーストラリアン・キャトル・ドッグの性格
オーストラリアン・キャトル・ドッグは、忠実で非常に賢く、周囲をよく観察する犬種です。JKCでは、忠誠心と保護本能を持ち、生まれつき他人に疑い深い面があることも示されています。家族には強い愛着を示しやすい一方、知らない人にすぐ親しくなるタイプとは限りません。
- 家族への忠誠心が強い
- 周囲の変化に敏感で警戒心がある
- 学習が速く、課題を理解する力が高い
- 運動やトレーニングを楽しみやすい
- 自分で状況を判断して動く力がある
- 動くものを追ったり、進路を制御しようとしたりすることがある
- 退屈すると自分で「仕事」を作ることがある
知能が高いことは、何もしなくても飼いやすいという意味ではありません。むしろ、ルールが毎回変わる、退屈な時間が長い、刺激不足が続くと、犬自身が人の望まない行動を学んでしまうことがあります。できてほしい行動を具体的に教え、成功した時にすぐ褒めることが大切です。
犬種傾向はあっても性格には個体差があります。人懐っこい犬もいれば、慎重な犬もいます。子犬期の社会化、遺伝的背景、経験、健康状態でも反応は変わるため、「この犬種は必ず攻撃的」「必ず従順」と決めつけないようにしましょう。

3. オーストラリアン・キャトル・ドッグの飼いやすさ
体高はおよそ43~51cmで、日本の住宅でも大型犬ほどのスペースを必要としない体格です。しかし、実際の飼いやすさを決めるのは体の大きさより活動量です。Royal Kennel Clubでは運動の目安を1日2時間以上としており、短い散歩だけで満足する犬種ではありません。
朝夕の散歩に加え、におい探し、オビディエンス、トリック、持来、ドッグスポーツなど頭を使う活動を組み合わせます。庭があっても、犬だけを出して自由にさせるだけでは十分な刺激にならないことがあります。飼い主さんと一緒に課題へ取り組む時間が重要です。
集合住宅でも絶対に飼えないわけではありませんが、廊下を走る人、自転車、子どもの声、来客などへ反応しやすい個体では、吠えや興奮の管理が必要です。防音だけでなく、窓からの刺激を減らす、室内で落ち着く場所を作る、十分な運動後に休む習慣を教えることが役立ちます。
日本の夏は高温多湿なので、暑い時間帯の運動は避けます。耐久力のある犬ほど自分から休まず動き続けることがあるため、飼い主さん側が運動を止め、水分と休憩を確保してください。黒や濃いブルーの被毛は日差しの影響も受けやすいため、真夏の日中のアスファルト散歩は避けましょう。
4. オーストラリアン・キャトル・ドッグは初心者でも飼いやすい?
初めて犬を飼う人でも絶対に無理という犬種ではありませんが、初心者向きとして気軽にすすめられる犬種ではありません。高い運動能力、強い作業欲求、警戒心、追跡・牧畜行動を理解し、毎日トレーニングする必要があります。
特に注意したいのが、家族の足や走っている子ども、自転車、バイクなどを追い、進路を制御しようとする行動です。家畜のかかと付近へ働きかけて動かす「ヒーラー」としての歴史があるため、動く対象へ反応する個体では、子犬期から追いかけない練習を行います。
散歩中に自転車やバイクへ反応する場合は、犬が自転車・バイクを追いかける時のしつけ|散歩中に吠える・飛びかかる犬への7段階も参考にしてください。追い始めてから力で止めるより、まだ落ち着いて見られる距離から飼い主さんへ意識を戻す練習を行います。
また、健康診断、採血、爪切り、耳の確認などを安全に行えるよう、体を触られる練習も重要です。犬が動物病院を嫌がる時の慣らし方|震える・逃げる・噛む犬への7段階のように、健康な時から協力ケアを始めると将来の負担を減らしやすくなります。
5. オーストラリアン・キャトル・ドッグの大きさ・体重
JKCの現行犬種標準では、体高は牡46~51cm、牝43~48cmです。体重の具体的な数値はJKC現行ページには記載されていません。参考としてAKCでは35~50lb、約15.9~22.7kgを目安として掲載しています。
見た目以上に筋肉質で、体重の数字よりもずっしり感じる犬もいます。JKCの一般外貌でも、力強くコンパクトで、均整の取れたワーキングドッグとされています。抱っこで簡単に制御するサイズではないため、散歩時の引っ張り、玄関の飛び出し、来客への飛びつきは子犬期から予防します。
体型管理では体重だけでなくボディコンディションを確認します。肋骨へ軽く触れられるか、上から見た時に腰のくびれがあるかなどを見て、肥満を避けます。股関節や肘関節など整形外科的な問題が健康検査の対象となる犬種なので、過体重にしないことは関節への余分な負担を減らす意味でも重要です。

6. オーストラリアン・キャトル・ドッグの平均寿命
AKCでは平均寿命の目安を12~16年としています。中型犬として比較的長く一緒に暮らせる可能性がありますが、これは犬種全体の目安であり、すべての犬に当てはまる数字ではありません。
健康寿命を支えるためには、適正体重の維持、日常的な運動、歯磨き、予防医療、定期健診が基本です。活動性の高い犬では、若い頃から無理な運動を繰り返すのではなく、筋力と持久力を少しずつ作ることも大切です。
シニア期になっても意欲が高く、若い時と同じように動きたがる犬がいます。しかし、回復には時間がかかるようになるため、翌日に跛行が残る、立ち上がりが遅い、階段をためらうといった変化があれば運動内容を見直します。
7. オーストラリアン・キャトル・ドッグに必要な運動量
この犬種を飼ううえで最も重要な要素のひとつが運動です。AKCは短い散歩と庭遊びだけでは不十分と説明し、Royal Kennel Clubも1日2時間以上の運動を目安として掲載しています。ただし、必要量は年齢、健康状態、気温、個体差によって調整します。
単に何km歩くかだけでなく、頭を使う活動を組み合わせます。におい探し、トリック、オビディエンス、アジリティー、持来、ターゲットトレーニングなどは、犬の判断力や集中力を使う機会になります。運動だけで毎日疲れさせようとすると、体力だけが上がり、さらに多くの運動が必要になることもあります。
散歩では「歩く」「においを嗅ぐ」「飼い主さんを見る」「待つ」を混ぜます。玄関や横断歩道での飛び出し防止には、犬の待ての教え方とは?初心者でもできる基本のしつけ手順を解説を生活の中で使える形へ練習しておくと役立ちます。
子犬は骨や関節が発達途中なので、成犬と同じ距離を走らせません。高い場所からの繰り返しジャンプ、長時間の強制ランニング、滑る床での激しい方向転換を避け、短い散歩と自由な遊び、トレーニングを組み合わせます。
8. オーストラリアン・キャトル・ドッグの抜け毛・お手入れ
被毛は短くてもダブルコートなので、抜け毛はあります。AKCでは通常は週1回程度のブラッシングを基本とし、換毛期には数日おきのしっかりしたブラッシングを案内しています。短毛だから掃除が少なくて済むとは限りません。
定期的な全身カットを必要とする犬種ではなく、日常のお手入れはブラッシング、爪切り、耳、歯のケアが中心です。屋外活動が多い犬では、草の種、ダニ、擦り傷、肉球の傷も散歩後に確認します。
シャンプー後は下毛までしっかり乾かします。日本の梅雨や夏は湿度が高いため、濡れた状態が長く続くと皮膚が蒸れやすくなります。被毛を極端に短く刈ることを暑さ対策の中心にするのではなく、室温、散歩時間、水分、休憩で調整してください。

9. オーストラリアン・キャトル・ドッグは留守番しやすい?
留守番は練習できますが、活動量と知的刺激を多く必要とする犬なので、毎日長時間ひとりで過ごし、その前後の運動も少ない生活とは相性がよいとは言いにくい犬種です。暇な時間が長いと、吠える、家具をかじる、物を運ぶ、窓の外へ過敏に反応するなどの行動につながることがあります。
最初から数時間ひとりにせず、短い時間から練習します。留守番前には排泄と適度な運動を済ませ、休める場所、水、安全な知育トイなどを用意します。ただし、興奮しすぎる遊びを出発直前まで続けると落ち着きにくい犬もいるため、最後は休む時間を作ります。
基本の進め方は犬の留守番のしつけ方とは?ひとりで待てない時の練習方法を解説も参考にしてください。留守番中に何時間も吠える、ドアや窓を壊そうとする、大量のよだれが出るなど強い不安がある場合は、単なる運動不足と決めつけず獣医師や行動の専門家へ相談します。
10. オーストラリアン・キャトル・ドッグのしつけのしやすさ
学習能力は非常に高く、ルールが明確で、成功した行動に一貫して報酬が返るトレーニングと相性がよい犬種です。一方、学習が速いため、飼い主さんが無意識に強化している行動もすぐ覚えます。
優先したいのは、呼び戻し、人の横を歩く、待て、離せ、マットで休む、ハーネス装着、体を触られる練習です。特に興奮時に飼い主さんへ意識を戻す練習は、散歩中の安全管理に直結します。
強い叱責や痛みを使って抑える方法では、警戒心のある犬で人や環境への不信感を強める可能性があります。短時間の練習を頻繁に行い、正しい行動を選びやすい環境を先に作ります。
ハーネスを嫌がる場合は、犬がハーネスを嫌がる時の慣らし方|逃げる・固まる・噛む犬への7段階のように、見る、鼻を通す、体へ触れる、バックルを留めるという小さな段階に分けて慣らします。
11. 無駄吠え・噛み癖・追いかけ行動などの注意点
オーストラリアン・キャトル・ドッグでは、警戒吠え、動く対象への追跡、かかと付近へ口を使う行動、興奮時の飛びつきなどに注意します。これらは「性格が悪い」からではなく、番犬・牧畜犬として選択されてきた行動傾向が家庭環境で表れることがあります。
子どもと暮らす場合は、走り回る子どもを追って服や足へ口を使わないよう、大人が管理します。子ども側にも、犬から走って逃げない、食事中や睡眠中に触らない、犬の顔を抱きしめないなどのルールを教えます。
来客や外の物音へ吠える場合は、叱り続けるより、窓からの視界を減らす、来客時にマットへ移動する、吠える前に飼い主さんへ意識を戻すなどの対応を行います。犬の無駄吠えの直し方とは?吠える理由別のしつけ方法を解説も原因整理に役立ちます。
猫や小動物との同居は個体差があります。子犬期から一緒に暮らしていても、追跡欲求がなくなる保証はありません。小動物は物理的に分け、猫には犬が追えない高い場所や別室を確保します。

12. オーストラリアン・キャトル・ドッグがなりやすい病気・注意したい健康問題
繁殖犬の健康検査では、股関節、肘関節、眼科、BAERによる聴覚検査、原発性水晶体脱臼(PLL)のDNA検査、prcd-PRAのDNA検査が重要視されています。Australian Cattle Dog Club of AmericaのCHIC要件でも、これらが基本の検査として挙げられています。
CHIC番号は、指定された検査を受け、必要な結果が公開されていることを示す仕組みで、すべての結果が正常だったという意味ではありません。また、犬種で利用できるDNA検査があることと、CHICで必須の検査であることも同じではありません。ACDCAでは膝蓋骨、心臓、rcd4 PRAなどはOptionalとして別に掲載されています。検査項目の位置づけを分けて確認しましょう。
股関節形成不全・肘関節異形成
股関節と肘関節は、親犬種クラブが繁殖犬で評価を推奨している重要な項目です。立ち上がりにくい、後ろ足をかばう、階段を嫌がる、運動後に跛行するなどの変化が続く場合は、単なる疲れと決めつけず診察を受けます。
股関節については犬の股関節形成不全とは?後ろ足のふらつき・腰を振る歩き方・立ち上がりにくい時に注意したい病気も参考にしてください。成長期の過体重を避け、滑る床や無理なジャンプを減らすことも日常管理として大切です。
先天性難聴
オーストラリアン・キャトル・ドッグでは、先天性難聴を評価するためBAER検査が健康スクリーニングに含まれます。片耳だけ聞こえにくい犬は日常生活で気づきにくいこともあるため、繁殖犬や子犬の客観的な聴覚評価に役立ちます。
呼んでも反応しない犬を「頑固」「しつけ不足」と決めつける前に、聴力の可能性も考えます。特に以前は反応していた成犬やシニア犬で急に反応が変わった場合は、耳の病気や加齢など別の原因もあるため診察を受けてください。
進行性網膜萎縮(PRA)
prcd-PRAは、この犬種でDNA検査が健康検査に組み込まれている遺伝性の網膜疾患です。夜や暗い場所で動きにくい、階段をためらう、家具へぶつかるなどの変化から気づくことがあります。
詳しくは犬の進行性網膜萎縮(PRA)とは?夜見えにくい・物にぶつかる症状と失明、遺伝を解説で解説しています。DNA検査は特定の遺伝子変異を調べるもので、すべての眼疾患を否定する検査ではありません。そのため眼科検査も別に重要です。
原発性水晶体脱臼(PLL)
原発性水晶体脱臼は、水晶体を支える構造が弱くなり、水晶体が本来の位置からずれる病気です。この犬種ではPLLのDNA検査がNational Breed Club推奨検査およびCHIC要件に含まれています。
目が赤い、強く痛がる、片目を閉じる、角膜が白っぽい、急に見えにくそうにする場合は緊急性のある眼疾患も考えます。強い眼痛や突然の視力低下がある場合は、自宅で様子を見ず動物病院へ連絡してください。人間用の目薬や以前処方された残りの点眼薬を自己判断で使わないでください。

13. オーストラリアン・キャトル・ドッグの食事・ドッグフード選び
フードは犬種名だけで決めず、年齢、体重、避妊・去勢の有無、運動量、便、皮膚・被毛、持病を見ながら総合栄養食を選びます。非常に活動的な犬でも、必要量以上に与えれば体脂肪が増えます。
反対に、運動量が多い犬で摂取エネルギーが不足すると、体重と筋肉量を維持できません。フード袋の給与量は出発点として利用し、定期的に体重と体型を確認して増減します。トレーニングでおやつを多く使う日は、その分を食事量から調整する方法もあります。
子犬では、早く大きくしようとして過剰に食べさせないことが重要です。成長段階に適した総合栄養食を使い、滑る床や激しすぎる運動を避けながら、適正な体型で成長させます。
関節や眼の遺伝性疾患は、一般的なフードを選ぶだけで予防できるものではありません。持病がある場合の療法食は、診断後、獣医師の指導で使用してください。
14. オーストラリアン・キャトル・ドッグの子犬期の注意点
子犬期は、たくさん運動させて疲れさせることより、家庭で必要な行動を教える時期です。人、犬、車、自転車、生活音、病院、ブラシ、ハーネス、車移動などを、怖がらない範囲で少しずつ経験させます。
牧畜行動として、人や動物の動きを追い、足元へ口を使うことがあります。子犬の甘噛みと混ざって見えることもありますが、追いかけて足へ噛みつく遊びを繰り返させず、おもちゃやトレーニングへ誘導します。
社会化では、知らない人全員に触ってもらう必要はありません。知らない人を見ても飼い主さんと落ち着いて通り過ぎられる、他犬がいても距離を取って歩けるなど、「刺激の中で平静を保つ」経験を増やします。
子犬を迎える前には、親犬の股関節、肘、眼科、BAER、PLL、prcd-PRAなどの検査状況も確認します。「検査済み」という言葉だけでなく、どの検査を受け、結果がどうだったかを確認しましょう。

15. オーストラリアン・キャトル・ドッグのシニア期の注意点
シニア期でも意欲的に動きたがる犬が多いため、年齢だけを理由に散歩を急に減らす必要はありません。ただし、若い頃と同じ強度のランニングやジャンプを続けるのではなく、歩く時間、路面、気温、回復の早さを見ながら調整します。
立ち上がりに時間がかかる、片側の後ろ足をかばう、滑る床で踏ん張れないなどの変化があれば、関節痛や筋力低下を確認します。生活動線に滑りにくいマットを敷き、車への乗り降りは必要に応じてステップやスロープを利用します。
視力や聴力の変化にも注意します。暗い場所で歩きにくい、呼んでも反応が減った、突然触ると驚くようになった場合は、単なる老化と決めつけず診察を受けます。感覚が低下した犬では、後ろから突然触らず、視界へ入ってから合図するなど生活を調整します。
活動量が落ちても食事量が同じなら体重が増えやすくなります。反対に病気で体重が落ちることもあるため、月1回程度の体重記録を続け、急な増減があれば相談してください。
16. オーストラリアン・キャトル・ドッグが向いている人
この犬種は、「中型でかっこいい犬がほしい」という見た目だけの理由より、犬と一緒に活動し、学び、課題を楽しみたい人に向いています。毎日の散歩を義務ではなく、トレーニングや遊びの時間として楽しめる家庭との相性がよいでしょう。
- 毎日十分な運動時間を確保できる
- 散歩以外にも知育遊びやトレーニングを続けられる
- 警戒心や追跡・牧畜行動を理解して管理できる
- 子犬期から社会化と基本トレーニングを継続できる
- 留守番ばかりにならない生活を作れる
- 換毛期の抜け毛を受け入れられる
- 日本の暑い夏に運動時間と室温を調整できる
- 健康検査や定期健診に継続して取り組める
一方、毎日の散歩を短時間で済ませたい、留守番が長い、動くものへの反応や警戒吠えのトレーニングに時間を使えない家庭では、迎える前に慎重に検討した方がよいでしょう。犬種の能力を抑え込むのではなく、安全な形で発揮できる生活を用意できるかが重要です。
17. オーストラリアン・キャトル・ドッグのよくある質問
Q. ブルー・ヒーラーとオーストラリアン・キャトル・ドッグは別の犬種ですか?
一般に「ブルー・ヒーラー」「レッド・ヒーラー」「クイーンズランド・ヒーラー」はオーストラリアン・キャトル・ドッグを指す呼び名として使われます。JKCでの正式な犬種名はオーストラリアン・キャトル・ドッグです。
Q. 中型犬ですか?
はい。当サイトでは中型犬に分類します。JKCの体高は牡46~51cm、牝43~48cmです。Royal Kennel Clubもサイズ区分をMediumとしています。
Q. 初心者でも飼えますか?
飼育できないわけではありませんが、初心者向けとして簡単な犬種ではありません。運動、知的刺激、社会化、追跡行動の管理、警戒吠えへの対応を継続する必要があります。初めて迎える場合は、報酬を使ったトレーニングを指導できる専門家へ早めに相談できる環境があると安心です。
Q. 集合住宅でも飼えますか?
体格だけなら不可能ではありませんが、運動量と警戒心を考える必要があります。毎日十分に外へ出られ、室内で落ち着く練習ができ、吠えへの環境対策ができることが前提です。建物の飼育規約も確認してください。
Q. 子どもと暮らせますか?
暮らせる個体はいますが、走る子どもを追って足元へ口を使う可能性を考えます。大人が必ず見守り、犬と子どもの双方にルールを教えます。犬が疲れている時、食事中、睡眠中は子どもから距離を取れる場所を作ります。
Q. 抜け毛は多いですか?
短毛ですがダブルコートなので抜け毛があります。通常は週1回程度を基本にし、換毛期には数日おきにしっかりブラッシングすると管理しやすくなります。
Q. 1日どれくらい散歩すればいいですか?
Royal Kennel Clubでは1日2時間以上を目安としていますが、年齢、健康状態、気温、個体差で調整します。距離だけでなく、におい嗅ぎやトレーニングなど頭を使う活動も組み合わせてください。
まとめ

オーストラリアン・キャトル・ドッグは、オーストラリアの広大な牧畜環境で家畜を動かすために発展した、非常に知的で活動的な中型犬です。JKCの体高は牡46~51cm、牝43~48cm。2025年のJKC新規犬籍登録は7頭で108位でした。
忠実で学習能力が高い一方、毎日の十分な運動と知的刺激、警戒心や追跡・牧畜行動への管理が必要です。小さな庭や短時間の散歩だけで満足する犬種ではなく、飼い主さんと一緒に「仕事」をする時間を生活の中に作ることが重要です。
健康面では、股関節、肘関節、眼科、BAERによる聴覚、PLL、prcd-PRAなどの検査が繁殖犬で重視されています。子犬を迎える場合は親犬の検査項目と実際の結果を確認し、現在一緒に暮らしている場合は、歩き方、視力・聴力、体重、運動後の回復などの変化を日頃から観察しましょう。


