
散歩中に自転車が横を通ると、愛犬が突然ダッシュしようとする。
バイクの音が聞こえた瞬間にリードを強く引き、吠えながら追いかけようとする。
キックボードやジョギング中の人を見ると興奮し、飛びかかりそうになる。
このような行動があると、毎日の散歩で道路を歩くこと自体が怖くなりますよね。
犬が自転車やバイクなどを追いかける行動は、単なる「いたずら」や「飼い主さんを無視している行動」とは限りません。
素早く動く物を追うこと自体が楽しい犬もいれば、突然近づいてくる自転車が怖く、「追い払いたい」という気持ちから吠えて追いかける犬もいます。
また、リードにつながれているため相手へ近づけず、その frustration から興奮が強くなっているケースや、動く対象に反応しやすい犬種・個体の性質が関係している場合もあります。
原因は違っても、安全面では共通して注意が必要です。
自転車やバイクを追おうとして車道へ飛び出せば、犬だけでなく、自転車に乗っている人、歩行者、車の運転者まで事故へ巻き込む可能性があります。
そのため、「そのうち慣れるだろう」と何度も追いかけさせながら散歩を続けるのではなく、まず追いかけられない安全な環境を作ったうえで練習することが大切です。
しつけでは、犬が興奮してからリードを強く引いて止めるのではなく、まだ落ち着いて自転車を見られる距離から始めます。
そして、「自転車を見る→追う」ではなく、「自転車を見る→飼い主さんへ意識を戻す」「静かに見送る」という新しい行動を繰り返し練習します。
なお、今まで自転車を気にしなかった犬が急に追いかけるようになった場合は、行動だけの問題とは限りません。痛み、視力や聴力の変化、不安の増加などが行動変化へ影響することがあります。
急な性格・行動変化がある場合は、しつけを強化する前に健康状態を確認してください。
この記事では、犬が自転車やバイクを追いかける理由、危険性、散歩前の安全対策、7段階の練習方法、自転車へ吠える・飛びかかる時の対応、子犬の社会化、やってはいけないしつけまで詳しく解説します。

- 犬が自転車・バイクを追いかける主な理由
- 自転車を追いかける行動が危険な理由
- 練習前に散歩コースを変える
- 首輪だけで強く止めるより安全な装備を確認する
- 追いかける直前のサインを見つける
- 犬が自転車を追いかける時の7段階トレーニング
- おやつを使うのは「気をそらすだけ」ではない
- 自転車が急に近づいてきた時の緊急回避
- 自転車へ吠える犬は叱れば止まる?
- チョークチェーン・電気刺激などで止めない
- リードを短く張りっぱなしにしない
- 他の犬へ吠える行動とは分けて練習する
- 安全な「追いかけ遊び」で欲求を満たす方法もある
- ランナー・子どもを追いかける場合はさらに注意
- 噛む可能性がある犬ではマズルも安全管理の選択肢
- 長いリードを道路沿いで使わない
- 子犬は自転車が怖くなる前に安全な距離から経験する
- 成犬・保護犬でも練習できる
- シニア犬が急に自転車へ反応するようになった場合
- 自転車を追いかける犬へのNG対応
- 練習しても改善しない時に確認したいこと
- 散歩中の練習は「何回吠えなかったか」より余裕を見る
- よくある質問
- まとめ|自転車を追いかける犬は「追い始めてから止める」より落ち着ける距離から練習する
- 【最新版】私がおすすめする犬用品10選
犬が自転車・バイクを追いかける主な理由
最初に確認したいのは、愛犬がなぜ自転車へ反応しているのかです。
同じ「吠えて追いかける」という行動でも、犬の気持ちは同じとは限りません。
速く動くものを追いかけたくなる
動く対象を追う行動は、犬にとって自然な行動のひとつです。
特に、自転車、走っている人、ボール、小動物など、犬から離れる方向へ素早く動く物は追跡行動を引き出しやすくなります。
犬が一度追いかけて楽しいと感じれば、その行動自体が報酬になり、次回も追いたくなることがあります。
そのため、トレーニング中は実際に追跡を成功させない環境管理が重要です。
自転車やバイクが怖い
追いかける犬が必ず自転車を「好き」とは限りません。
タイヤの音、エンジン音、ベル、突然横を通り過ぎる動きなどを怖がっている犬もいます。
怖い対象が近づくと吠えて前へ出て、そのまま対象が遠ざかると、犬から見ると「自分が吠えて追ったから自転車が逃げた」ように感じることがあります。
これを何度も経験すると、自転車を見るたびに吠える行動が強くなる可能性があります。
興奮しすぎて自分をコントロールできない
自転車が見えた瞬間に興奮レベルが急上昇し、飼い主さんの声がほとんど耳に入らなくなる犬もいます。
この状態になってから「おすわり」「待て」と何度言っても、普段通りに反応するのは難しくなります。
練習では、犬がまだ食べ物を食べられ、飼い主さんへ視線を戻せる距離から始めることが重要です。
リードにつながれていることへのフラストレーション
自転車へ近づきたいのにリードで止められることで、興奮がさらに強くなる犬もいます。
リードを張ったまま自転車とすれ違う経験を毎日繰り返していると、「自転車が来る=リードが張る・興奮する」というパターンができることがあります。
犬が反応する前に進路を変えたり、十分な距離を取ったりすることが練習の第一歩です。
動きをコントロールしようとする行動
牧羊犬系など、動く対象への反応が強い犬では、自転車やランナーの動きを追い、進行方向へ回り込もうとすることがあります。
ただし、「牧羊犬だから仕方ない」と放置するのは危険です。
犬種の傾向があったとしても、公道では追跡させず、安全な代替行動を教える必要があります。
自転車を追いかける行動が危険な理由
自転車追いは単なる散歩の困りごとではなく、大きな事故につながる可能性があります。
- 犬が車道へ飛び出す
- リードが手から抜ける
- 飼い主さんが転倒する
- 自転車の人が犬を避けて転倒する
- 犬がタイヤへ接触する
- バイクや車との交通事故につながる
- 犬がランナーや子どもへ飛びつく
- 強く引いた時に首や体を傷める
「今までリードを離したことがないから大丈夫」と思っていても、大型犬や急にダッシュする犬では一瞬でリードが手から抜けることがあります。
トレーニング期間中は、安全管理をしつけより優先してください。
練習前に散歩コースを変える

自転車を追いかける犬を改善する時に、「毎日自転車が大量に通る道を歩けば、そのうち慣れる」と考えるのはおすすめできません。
興奮して追いかける経験を繰り返すほど、その行動を練習することになります。
- 自転車通行量の少ない時間を選ぶ
- 細い歩道を避ける
- 自転車専用道路の近くを避ける
- 見通しのよい広い場所を選ぶ
- いつでも道路から離れられるルートを選ぶ
「避けていたら永遠に慣れないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、普段の散歩では事故を避け、別の安全な場所で計画的に練習する方が犬も学習しやすくなります。
首輪だけで強く止めるより安全な装備を確認する
自転車を追おうとする犬では、散歩道具の安全性も重要です。
- 体に合ったハーネス
- 傷みのない丈夫なリード
- 緩すぎないバックル・ベルト
- 犬の大きさに合ったリード幅
ハーネスが緩く、犬が後ろへ下がった時に抜ける状態では危険です。
逆に、強く締めすぎて脇や胸が擦れている場合も適切ではありません。
ハーネスそのものを嫌がる場合はこちらを先に練習してください。
・犬がハーネスを嫌がる時の慣らし方|逃げる・固まる・噛む犬への7段階
なお、道路沿いで伸縮リードを長く伸ばす方法は避けましょう。急に自転車へ飛び出した時に止めるまでの距離が長くなります。
追いかける直前のサインを見つける
犬は突然ダッシュしているように見えても、その少し前に小さな変化が出ていることがあります。
- 自転車をじっと見つめる
- 耳が前を向く
- 口を閉じる
- 体が前へ傾く
- 歩く速度が落ちる
- リードが少し張り始める
- 体が硬くなる
- 低い姿勢になる
この段階で距離を広げたり飼い主さんへ意識を戻したりできれば、全力で追いかけ始めてから止めるよりずっと安全です。
愛犬がどの距離から反応し始めるのかを観察してください。
犬が自転車を追いかける時の7段階トレーニング

ここからは、自転車を見ても落ち着いていられる状態を作る練習を7段階で解説します。
犬によっては数週間から数か月かかります。1回の散歩で最後まで進める必要はありません。
ステップ1 自転車がいない場所で飼い主さんを見る練習
最初から自転車の横で練習しません。
まず室内や静かな場所で、名前を呼ばれたら飼い主さんを見る行動を練習します。
名前を一度呼び、犬がこちらを見た瞬間に小さなおやつを与えます。
何度も名前を連呼しないことがポイントです。
また、飼い主さんの横へ移動する、方向転換についてくるといった行動も静かな環境で練習します。
ステップ2 止まっている自転車を遠くから見る
次に、自転車そのものへ慣れる練習をします。
協力者が用意できる場合は、広く安全な場所で自転車を止めた状態から始めます。
犬が自転車を見ても体を硬くせず、おやつを食べられる十分な距離を確保します。
犬が自転車を見たら「いいね」など短い合図を入れ、飼い主さんから報酬を与えます。
自転車へ近づけることが目的ではありません。
「自転車が視界にあっても落ち着いていられる」ことを目標にします。
ステップ3 人が自転車を押してゆっくり歩く
止まった自転車を見ても落ち着けるようになったら、協力者に自転車を押してゆっくり歩いてもらいます。
この段階でも距離は十分に取ります。
犬が自転車を見るたびに追いかけるのではなく、見た後に飼い主さんへ意識を戻せたら報酬を与えます。
吠える、飛び出す、食べ物を無視する場合は、難易度を上げるのが早すぎます。
さらに距離を取り、ステップ2へ戻ります。
ステップ4 遠くを低速で走る自転車を見る

次は、協力者に犬から十分離れた位置を低速で自転車に乗って通過してもらいます。
犬と自転車の間には広い距離を確保し、道路ではなく安全な広場などを使います。
犬が自転車を見た瞬間に報酬を与え、自転車が通り過ぎても追いかけなければさらに褒めます。
最初は自転車が一度通るだけで終了しても構いません。
何十回も通過させて犬が限界になるまで練習する必要はありません。
ステップ5 自転車を見たら飼い主さんへ戻る行動を作る
自転車を見ることに慣れてきたら、「自転車を見た後に飼い主さんへ戻る」というパターンを作ります。
犬が自転車を発見したら、少し待ちます。
犬が自分から飼い主さんを振り返った瞬間に褒め、報酬を与えます。
これを繰り返すと、「自転車を見る→飼い主さんを見る」という行動が出やすくなります。
最初から犬が振り返らない場合は名前を一度呼ぶなど簡単な合図を使って構いません。
ステップ6 距離を少しずつ変える
遠くの自転車へ落ち着いて反応できるようになったら、少しずつ距離を変えます。
ただし、距離を半分にするような大きな変化は避けます。
犬が落ち着いて成功できる範囲で数メートルずつ調整し、反応が強くなったらすぐ距離を戻します。
距離を近づけることそのものがゴールではありません。
日常の散歩で必要な距離ですれ違えるようになれば十分です。
ステップ7 バイク・ランナー・キックボードへ少しずつ応用する
自転車が平気になっても、バイク、電動キックボード、ランナー、スケートボードなどが自動的に平気になるとは限りません。
速度、音、形が違えば、犬には別の刺激に見えることがあります。
新しい対象を練習する時は、再び十分な距離から始めてください。
特にバイクはエンジン音も加わるため、自転車より強く反応する犬がいます。
おやつを使うのは「気をそらすだけ」ではない
「おやつで気をそらしているだけでは治らないのでは?」と思う飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、適切な距離で自転車と報酬を繰り返し組み合わせることで、自転車を見た時の犬の反応そのものを変えていくことができます。
大切なのは、自転車へ突進した後に食べ物を見せて引き戻すことだけではありません。
まだ落ち着いている段階で、自転車を見る、飼い主さんへ戻る、静かに見送るといった望ましい行動へ報酬を与えます。
慣れてくれば、毎回食べ物を使わなくても歩けるようになる犬もいます。
自転車が急に近づいてきた時の緊急回避
トレーニング中でも、曲がり角などから自転車が突然現れることがあります。
その時にその場でおすわりを成功させようと粘る必要はありません。
- 道路から離れる
- 脇道へ入る
- 車や壁などを利用して視界を遮る
- 犬と自転車の間に飼い主さんが入る
- 方向転換して距離を取る
緊急時は「トレーニングを成功させること」より「追いかけられない状況を作ること」を優先します。
距離を取った後、犬が落ち着いたら再び散歩を続けます。
自転車へ吠える犬は叱れば止まる?
自転車へ吠えた瞬間に大声で叱る、リードを強く引くと、一時的に動きが止まる犬もいます。
しかし、犬が自転車を怖がっている場合、「自転車が来ると怖いうえに飼い主さんからも強い刺激が加わる」という経験になる可能性があります。
また、追跡欲求が強い犬でも、何をすれば正解なのかを教えないまま罰だけを加えても根本的な学習にはつながりにくくなります。
自転車を見る、飼い主さんへ戻る、リードを緩めて歩くという代替行動を教えましょう。
チョークチェーン・電気刺激などで止めない
自転車への突進は危険なので、「強い刺激を使ってでも一度でやめさせたい」と思うかもしれません。
しかし、首を強く締める道具、電気刺激、痛みや恐怖を与える方法はおすすめできません。
犬が自転車に対して恐怖や不安を持っている場合、その感情を悪化させる可能性があります。
また、「自転車が現れる→痛いことが起こる」という関連ができれば、吠えや攻撃的な反応が強くなる可能性もあります。
環境管理と報酬ベースの方法を中心に進めてください。
リードを短く張りっぱなしにしない
危険を防ぐためにリードを適切な長さで持つことは必要です。
一方、自転車が見えるたびに何十メートルも前から強く引き寄せ、リードを張った状態で待つと、犬の緊張を高める場合があります。
追いかけようとする犬をリードから解放するという意味ではありません。
十分な距離を取り、安全を確保したうえで、できる範囲ではリードに余裕のある状態で練習します。
他の犬へ吠える行動とは分けて練習する
散歩中に、自転車だけでなくほかの犬へも吠える犬がいます。
しかし、「動く物への追跡」と「ほかの犬への恐怖・興奮」は別のきっかけで起きていることがあります。
一度の散歩ですべてを練習しようとせず、自転車が少ない場所で犬とのすれ違いを練習する日、自転車だけを遠くから見る日というように分けると成功しやすくなります。
・犬が散歩中に他の犬へ吠える時の直し方とは?すれ違いで興奮する時のしつけ方法を解説
安全な「追いかけ遊び」で欲求を満たす方法もある
追いかけることが好きな犬に「一生何も追うな」とする必要はありません。
人や車両を追う代わりに、安全な場所で追跡欲求を満たせる遊びを用意します。
- 転がしたフードを追う
- 広い安全な室内でおもちゃを追う
- 引っ張りっこをする
- においを探すゲームをする
- 飼い主さんと短い追いかけ遊びをする
道路や人混みでは行わず、犬が興奮しすぎない安全な場所を選びます。
遊びの最後には、落ち着く時間も作りましょう。
ランナー・子どもを追いかける場合はさらに注意
自転車だけでなく、走る人や子どもを追いかけようとする犬では、人への事故防止を特に重視します。
犬に悪意がなくても、飛びつく、服をくわえる、足元へ突進することで相手が転倒する可能性があります。
子どもを練習相手として犬の近くを走らせることは避けてください。
十分な距離から成人の協力者などを使って練習し、噛みつきの可能性がある場合は専門家へ相談します。
噛む可能性がある犬ではマズルも安全管理の選択肢

自転車やランナーへ実際に噛みついた経験がある犬では、トレーニング以前に事故防止を徹底します。
適切なバスケット型マズルへ事前に慣らしておくことも、安全管理の選択肢になる場合があります。
ただし、口輪を装着したから自転車へ近づけてよいわけではありません。
口輪は追跡欲求や恐怖を治す道具ではなく、万一の接触時のリスクを下げるための安全装備です。
・犬が口輪(マズル)を嫌がる時の慣らし方|逃げる・外そうとする犬への7段階
長いリードを道路沿いで使わない
ロングリードは、安全な広場などで呼び戻し練習をする時には便利な道具です。
しかし、自転車や車が通る道路沿いで長く伸ばすのは危険です。
犬が数メートル加速してからリードの端へ到達すると、犬にも飼い主さんにも大きな衝撃がかかります。
さらに、長いリードが自転車や歩行者へ絡む可能性もあります。
道路付近では通常のリードで安全を確保し、ロングリード練習は車両のない広い場所で行います。
子犬は自転車が怖くなる前に安全な距離から経験する

子犬期には、自転車、車、バイク、走る人など街中で出会う刺激を安全な強さから経験させます。
社会化というと、自転車のすぐ横まで連れて行くことを想像するかもしれませんが、近づける必要はありません。
遠くを自転車が通っている状態で子犬がおやつを食べたり、飼い主さんと遊んだりできれば、それも立派な経験です。
- 遠くを走る自転車を見る
- 止まっている自転車を見る
- 自転車を押して歩く人を見る
- 遠くのバイク音を聞く
- ランナーを安全な距離から見る
子犬がしっぽを下げる、逃げる、固まる、食べ物を食べない場合は刺激が強すぎます。
「今のうちに慣れさせなければ」と無理に近づけず、距離を戻してください。
成犬・保護犬でも練習できる
成犬になってから自転車追いが問題になっている場合でも、段階的なトレーニングはできます。
ただし、何年も自転車を追い続けてきた犬では、行動パターンが強く定着している可能性があります。
いきなり「自転車が横を通っても完全無視」を目標にせず、まず遠くに自転車がいても食べ物を食べられる、次に飼い主さんへ視線を戻せるというように小さく進めます。
保護犬など過去の経験が分からない場合も、原因を無理に推測する必要はありません。
現在どの距離なら落ち着けるかを基準に始めます。
シニア犬が急に自転車へ反応するようになった場合
以前は自転車を気にしなかったシニア犬が突然吠える・飛び出すようになった場合は、単純なしつけ不足と決めつけないことが大切です。
- 視力が落ちて近づくまで自転車に気づかない
- 聴力が変化して突然の音へ驚く
- 関節や背中の痛みがあり余裕が減っている
- 認知機能の変化がある
- 全体的に不安が強くなっている
散歩行動が急に変化した場合は健康状態を確認し、そのうえで刺激の少ないルートへ変更します。
自転車を追いかける犬へのNG対応
- 自転車が多い場所へ連れて行き、慣れるまで我慢させる
- 追いかけるたびに首輪を強く引く
- 大声で怒鳴る
- 電気刺激や痛みを使って止める
- 追いかけてもリードがあるから大丈夫と放置する
- 道路沿いで伸縮リードを長くする
- 道路付近でノーリードにする
- 子どもやランナーを練習相手として犬の近くを走らせる
- 犬が吠え始めているのに自転車へさらに近づく
- おやつを道路側へ投げる
- 口輪を付けたから安全だと自転車へ近づける
- 一日で直そうとして長時間練習する
特に危険なのは、「どこまで近づけるか試す」ことです。
犬が限界を超えて吠えたり飛びかかったりするまで近づける必要はありません。
成功できる距離を少しずつ狭めることが、安全で効率的な練習につながります。
練習しても改善しない時に確認したいこと
- 練習距離が近すぎないか
- 毎日の散歩で追いかける経験を繰り返していないか
- 報酬が犬にとって十分魅力的か
- 一回の練習時間が長すぎないか
- 自転車以外の刺激も多すぎないか
- 散歩道具が体に合っているか
- 痛みや視聴覚の変化がないか
自転車を見ただけで数十メートル先から激しく吠える、リードを持っていられないほど突進する、実際に人へ噛みつこうとしたことがある場合は、家庭だけで無理に距離を縮めないでください。
獣医師へ健康状態を確認したうえで、報酬ベースの方法を使う行動の専門家へ相談することをおすすめします。
散歩中の練習は「何回吠えなかったか」より余裕を見る
トレーニングでは、単純に吠えた回数だけを成果にしない方がよいでしょう。
- 以前より遠くから自転車に気づけるようになった
- 自転車を見てもおやつを食べられる
- 飼い主さんへ振り返れる
- 通過後すぐ散歩へ戻れる
- リードの張る時間が短くなった
- 安全な距離ですれ違えるようになった
このような変化も大きな前進です。
特に恐怖が強い犬では、「吠えなかったけれどずっと固まっていた」という状態を成功と考えないようにしましょう。
犬が落ち着いて呼吸し、においを嗅ぎ、食べ物を受け取れる余裕があることも大切です。
よくある質問
Q. 犬が自転車を見ると必ず吠えます。まず何をすればいいですか?
まず自転車との距離を広げてください。吠える距離で何度も練習するのではなく、犬がおやつを食べたり飼い主さんを見たりできる距離から始めます。
Q. 自転車を追いかけるのは狩猟本能ですか?
動く物を追う自然な行動が関係する場合はあります。ただし、恐怖、興奮、フラストレーションなどでも追いかけます。行動だけを見て原因を一つに決めないことが大切です。
Q. 自転車をたくさん見せれば慣れますか?
犬が毎回吠えたり飛びかかったりする距離で大量に見せる方法はおすすめできません。落ち着ける距離から少しずつ経験させます。
Q. おやつを使ってしつけても大丈夫ですか?
はい。自転車を見ても落ち着く、飼い主さんを見る、静かに通過を待つといった望ましい行動の報酬として使用できます。
Q. 自転車へ吠えたら叱った方がいいですか?
大声や痛みを使って止める方法はおすすめしません。特に自転車が怖い犬では、自転車に対する悪い印象をさらに強くする可能性があります。距離を取り、落ち着いてできる行動を教えます。
Q. バイクだけに吠えるのはなぜですか?
バイクは自転車に比べてエンジン音や振動が大きく、犬にとって別の刺激になります。音への恐怖が関係している場合は、さらに遠い距離から練習してください。
Q. ジョギングしている人にも飛びかかります
速く動く人にも同じ追跡反応が出ている可能性があります。人への接触は事故につながるため、十分な距離を取り、成人の協力者などを使って安全な環境で練習します。
Q. ロングリードで練習した方がいいですか?
車両のない安全な広場での練習には使用できますが、道路沿いや自転車が通る場所で長く伸ばすのは危険です。通常のリードを使って安全距離を確保してください。
Q. 子犬のうちに自転車のすぐ横へ連れて行けば慣れますか?
すぐ近くへ連れて行く必要はありません。子犬が落ち着いて見られる距離から自転車やバイクを経験させることが大切です。
Q. 何週間で追いかけなくなりますか?
決まった期間はありません。反応の強さ、追跡経験、恐怖の程度、練習頻度などによって変わります。短期間で距離を縮めるより、安全に成功できる回数を増やしてください。
Q. 今まで平気だったのに急に自転車へ吠えるようになりました
急な行動変化では、痛み、視力・聴力の変化、不安の増加など健康面も確認します。特にシニア犬やほかの行動変化もある犬では獣医師へ相談してください。
まとめ|自転車を追いかける犬は「追い始めてから止める」より落ち着ける距離から練習する

犬が自転車、バイク、キックボード、ランナーなどを追いかける理由には、動く物を追う自然な行動、恐怖、興奮、フラストレーションなどがあります。
理由が何であっても、公道で追跡行動を繰り返すことは危険です。
まず自転車が少ない散歩ルートを選び、体に合ったハーネスとリードで犬が実際に追いかけられない環境を作りましょう。
練習は、自転車がいない場所で飼い主さんを見るところから始めます。その後、止まった自転車、人が押して歩く自転車、遠くを低速で走る自転車というように難易度を上げます。
犬が自転車を見ても食べ物を食べられ、飼い主さんへ意識を戻せる距離が練習距離の目安です。
吠える、飛びかかる、リードを強く引く、おやつを受け取れない状態になった場合は、失敗として叱るのではなく距離を広げてください。
また、自転車追いを止めるために、首への強いショック、電気刺激、大声など恐怖や痛みを使う必要はありません。望ましい行動へ報酬を与え、安全な距離で成功経験を重ねます。
追跡すること自体が好きな犬には、道路ではなく安全な場所でフードやおもちゃを追う遊びを取り入れ、追う欲求を別の方法で満たすこともできます。
子犬では、自転車のすぐ横へ無理に連れて行くのではなく、遠くを通る自転車を落ち着いて見られる経験から社会化を進めます。
一方、今まで平気だった犬が急に自転車へ反応するようになった場合は、視力・聴力・痛みなど健康上の変化も確認してください。
自転車を数十メートル先から見ただけで制御できないほど突進する、ランナーや自転車へ噛みついた経験がある、飼い主さんがリードを保持するのが難しい場合は、事故が起こる前に獣医師と報酬ベースの行動専門家へ相談してください。
自転車へ近づくことをゴールにする必要はありません。「安全な距離で見送り、飼い主さんとそのまま散歩を続けられる」ことを目標に、少しずつ練習していきましょう。


