
ボルゾイは、長い脚、細長い頭部、流れるような被毛、そして非常に優雅なシルエットが印象的なロシア原産の大型サイトハウンドです。
見た目は穏やかで静かな家庭犬に見えますが、本来は広い土地で野ウサギやキツネなどの獲物を目で捉え、高速で追跡するために発達した猟犬です。獲物を見つけると一気にフル・ギャロップへ移る能力を持ち、その走力と追跡本能は現在の家庭犬にも残っています。
ジャパンケネルクラブ(JKC)の現行犬種標準での用途は、正確に「ハンティング・サイトハウンド、レーシング・ハウンド及びコーシング・ハウンド。」です。
性格は穏やかで、人に対して自然または友好的であることが理想とされています。一方、独立心があり、飼い主さんの指示を待ち続けるというより、自分で状況を判断して動く面があります。
そのため「静かな犬だから散歩も少なくてよい」「大人しいからノーリードでも逃げない」と考えるのは危険です。ボルゾイは室内では落ち着いていても、動く小動物を見つけた瞬間に追跡スイッチが入ることがあります。
囲いのない場所ではリードを外さず、安全に走らせる場合は十分な高さと強度のある柵で囲われた場所を利用します。呼び戻しを練習していても、獲物を追う本能が強く出た場面では難易度が大きく上がります。
健康面では、現在のBorzoi Club of AmericaのCHIC必須項目として、変性性脊髄症(DM)のSOD1A DNA検査、眼科専門医によるCAER検査、循環器専門医による心エコー検査、甲状腺検査が推奨されています。
また、スクリーニング検査が確立していない健康課題として、骨肉腫、血管肉腫、胃拡張胃捻転(GDV)、乳び胸、肺葉捻転、老年性喉頭麻痺多発ニューロパチー(GOLPP)などが犬種クラブから挙げられています。
ボルゾイは、優雅な外見と静かな家庭内での姿だけで判断する犬種ではありません。強い追跡本能、大型犬としての体格、独立心、全力疾走できる安全な環境、被毛管理、GDVや心臓・神経を含む健康管理まで理解して迎えることが大切です。
この記事では、ボルゾイの性格、飼いやすさ、大きさ・体重、寿命、運動量、抜け毛、留守番、しつけ、注意したい健康問題、食事、子犬期、シニア期まで詳しく解説します。

- 1. ボルゾイの基本情報
- 2. ボルゾイの性格
- 3. ボルゾイの飼いやすさ
- 4. ボルゾイは初心者でも飼いやすい?
- 5. ボルゾイの大きさ・体重
- 6. ボルゾイの平均寿命
- 7. ボルゾイに必要な運動量
- 8. ボルゾイの抜け毛・お手入れ
- 9. ボルゾイは留守番しやすい?
- 10. ボルゾイのしつけのしやすさ
- 11. ボルゾイの無駄吠え・噛み癖などの注意点
- 12. ボルゾイがなりやすい病気・注意したい健康問題
- 13. ボルゾイの食事・ドッグフード選び
- 14. ボルゾイの子犬期の注意点
- 15. ボルゾイのシニア期の注意点
- 16. ボルゾイが向いている人
- 17. ボルゾイのよくある質問
- まとめ|ボルゾイは静かな家庭犬の顔と高速サイトハウンドの本能を併せ持つ犬種
- 【最新版】私がおすすめする犬用品10選
1. ボルゾイの基本情報
| 犬種名 | ボルゾイ |
|---|---|
| 英名 | Borzoi |
| 原産国 | ロシア |
| 用途(JKC) | ハンティング・サイトハウンド、レーシング・ハウンド及びコーシング・ハウンド。 |
| サイト内サイズ分類 | 大型犬 |
| 理想体高 | 牡75~85cm/牝68~78cm |
| 体重 | 約27~48kg程度がひとつの目安 |
| 平均寿命 | 9~14年程度がひとつの目安 |
| 運動量 | 中~多め。毎日の散歩と安全な場所での走行機会が重要 |
| 被毛 | 長く絹のような被毛。平滑・ウェーブ・カールがみられる |
| 毛色 | ホワイトからブラックまで多様。JKCで一部認められない希釈色あり |
| 抜け毛 | 中~多め。換毛期は増える |
| トリミング | 定期的な全身カットは基本不要 |
| 留守番 | 比較的静かに過ごせる犬もいるが、長時間の孤立は避けたい |
| しつけやすさ | 知的だが独立心が強く、短く穏やかな練習が向く |
| 初心者向き | 追跡本能・大型犬の力・安全管理を理解できる人向き |
ボルゾイの歴史は15世紀頃まで遡り、ロシアでさまざまなサイトハウンドや強靭な犬が交配されながら、広大な土地で獲物を追うための犬として発達しました。
JKCの現行標準では、野ウサギやキツネを主な獲物として追い、高い敏捷性と持久力を持ち、コーシングやレーシングにも用いられると説明されています。
理想体高は牡75~85cm、牝68~78cmと非常に高く、脚が長く細身に見えます。しかし骨格や筋肉は弱いわけではなく、高速走行に必要な強さと柔軟性を備えています。
被毛は長く、絹のような質感で、平滑なものからウェーブ、カールまでみられます。毛色は非常に多彩で、ホワイト、フォーン、グレー、レッド、ブラック、ブリンドルなど幅広い組み合わせが認められています。
2. ボルゾイの性格
ボルゾイは、家庭内では穏やかで静かに過ごす犬が多く、家族に対して愛情深い一面を持ちます。
- 穏やかで落ち着いた成犬になりやすい
- 家族に愛情深い
- 過度に吠え続ける犬は比較的少ない
- 独立心が強い
- 感受性が高く、荒い扱いを好まない
- 視覚的な刺激への反応が非常に速い
- 獲物を追う本能が強い
- 知らない人には少し距離を取る犬もいる
JKCでは「穏やかな気質」で、人に対する態度は自然または友好的としています。攻撃的であることが犬種らしさではありません。
一方、ボルゾイはサイトハウンドなので、視界に入った動くものへ瞬時に反応することがあります。散歩中の猫、鳥、走る小型犬、自転車などへ強く意識が向く個体では、安全な距離を取りながら落ち着く練習を進めます。
3. ボルゾイの飼いやすさ
室内では静かな犬が多いため、意外に家庭犬として暮らしやすい面があります。しかし、飼いやすさを決めるのは室内での静けさだけではありません。
- 非常に背が高い大型犬である
- 追跡本能が強い
- ノーリード管理に向かない
- 全力疾走できる安全な環境があると理想的
- 独立心があり単調な訓練を嫌う犬もいる
- 長毛のお手入れが必要
- 胸が深くGDVの緊急症状を知る必要がある
特に重要なのは、逃走と追跡を防ぐ管理です。庭がある場合でも、低い柵、隙間、開閉しやすい門扉では十分とは限りません。サイトハウンドは獲物を見つけると急加速するため、道路へ出れば重大事故につながります。
散歩用品は体型に合うものを使い、後ずさりしても抜けにくいハーネスや首輪を選びます。装着後は指が入りすぎないか、脇が擦れていないか、金具が劣化していないかを確認してください。
・犬がハーネスを嫌がる時の慣らし方|逃げる・固まる・噛む犬への7段階
4. ボルゾイは初心者でも飼いやすい?
初めて犬を飼う人でも飼育は可能ですが、大型サイトハウンド特有の管理を学べることが前提です。
- 囲いのない場所でノーリードにしない
- 追跡本能を理解する
- 大型犬を安全に散歩できる
- 短く楽しいトレーニングを続けられる
- 長毛のブラッシングを習慣にできる
- GDVなど緊急疾患の症状を覚えられる
- 健康検査を確認して子犬を選べる
「おとなしいから初心者向け」と単純には言えません。室内で静かな一方、屋外では一瞬の判断が安全を左右する犬種です。
力で従わせようとすると信頼関係を損ないやすいため、報酬を使い、犬が成功しやすい環境で練習します。感情的に叱るより、リード管理と予防で失敗を減らすことが重要です。
5. ボルゾイの大きさ・体重

JKCの理想体高は牡75~85cm、牝68~78cmで、大型犬の中でも非常に背が高い犬種です。
一般的な体重はおよそ27~48kg程度が目安です。雄では45kgを超えることもありますが、マスティフ系のような重厚な体格ではなく、細く引き締まった体が特徴です。
細いからといって「もっと太らせた方がよい」と考え、過剰に食べさせる必要はありません。サイトハウンドらしい機能的な体型を保つことが重要です。
- 肋骨を軽く触れられるか
- 腰のくびれが保たれているか
- 筋肉が落ちていないか
- 急な体重減少がないか
- 左右の脚の使い方に差がないか
長毛で体型が隠れるため、見た目だけではなくブラッシング時に手で体へ触れて確認しましょう。
6. ボルゾイの平均寿命
平均寿命は9~14年程度がひとつの目安です。大型犬としては比較的長く暮らす犬もいますが、個体差があります。
寿命には遺伝的な体質、心臓、甲状腺、神経、腫瘍、GDV、体重、運動環境など多くの要因が影響します。
- 体重と筋肉量
- 歩き方
- 運動後の疲れ方
- 安静時の呼吸
- 新しいしこり
- 食欲・飲水量の変化
- 後ろ足の爪の擦れ方
大型犬では「年齢のせいで動きが遅い」と見える変化に、関節痛、神経疾患、心疾患などが隠れることがあります。普段の歩き方や活動量を記録しておくと変化に気づきやすくなります。
7. ボルゾイに必要な運動量

ボルゾイは室内では静かでも、運動が不要な犬種ではありません。毎日の散歩に加えて、安全な環境で体を伸ばして走る機会があると理想的です。
- 朝夕を中心とした散歩
- におい嗅ぎ
- 安全に囲われた場所での自由運動
- ルアーコーシング
- 短時間のトレーニング
- 無理のないハイキング
AKCも、ボルゾイは落ち着いた家庭犬である一方、定期的な運動と安全に走れる機会が必要で、囲いのない場所ではノーリードにしないことを勧めています。
全力疾走は非常に速いため、滑りやすい地面、狭い場所、障害物が多い場所で急旋回させないようにします。成長期の子犬は骨や関節が発達途中なので、長時間の強制走行や高いジャンプを繰り返させません。
8. ボルゾイの抜け毛・お手入れ
ボルゾイの被毛は長く絹のようで、首、胸、後肢、尾などに豊かな飾り毛があります。
毛質は比較的汚れが落ちやすい一方、絡みや毛玉を防ぐため定期的なブラッシングが必要です。
- 耳の後ろを確認する
- 首・胸の飾り毛をとかす
- 脇・内股の絡みを確認する
- 尾の飾り毛を丁寧にとかす
- 足裏の毛と爪を確認する
- 皮膚の赤みやしこりを確認する
通常は全身を短くカットする必要はありません。換毛期には抜け毛が増えるため、ブラッシング頻度を上げます。
お手入れを嫌がる大型犬を力だけで押さえるのは難しいため、子犬期からブラシ、爪切り、足先を触られることへ少しずつ慣らしてください。
9. ボルゾイは留守番しやすい?
成犬のボルゾイは室内で静かに休むことが得意な犬も多く、適切に練習すれば留守番できる個体は少なくありません。
ただし、長時間の孤立が毎日続く生活が理想という意味ではありません。家族への愛着が強い犬も多く、退屈や不安が続けば落ち着かなくなる場合があります。
- 同じ部屋でも自分のベッドで休む
- 短時間別室で過ごす
- 数分の外出から始める
- 留守番前に散歩と排泄を済ませる
- 誤飲・転倒・脱走の危険物を片付ける
ボルゾイは背が高いため、低い棚やテーブル上の物にも簡単に届きます。留守番環境では食べ物、薬、ひも、ビニール、割れ物などを高い場所へ置くだけでなく、扉のある収納へ片付ける方が安全です。
・犬の留守番のしつけ方とは?ひとりで待てない時の練習方法を解説
10. ボルゾイのしつけのしやすさ
ボルゾイは知的ですが、何度でも同じ動作を繰り返すことを喜ぶタイプとは限りません。独立して獲物を追うために発達した犬なので、短く意味のある練習が向いています。
- 名前を呼ばれたら見る
- おすわり
- 待て
- おいで
- ハウス
- リードを緩めて歩く
- 玄関で飛び出さない
- 獲物を見ても飼い主さんへ意識を戻す
- 体を触られることへ慣れる
呼び戻しは非常に重要ですが、呼び戻しが上手だから囲いのない場所でリードを外してよい、ということではありません。サイトハウンドの追跡は瞬間的に始まり、犬自身が遠くまで移動してから人の声へ気づくこともあります。
室内、囲いのある場所、ロングリードを使える安全な環境と段階を分けて練習します。
・犬の待ての教え方とは?初心者でもできる基本のしつけ手順を解説
11. ボルゾイの無駄吠え・噛み癖などの注意点
ボルゾイは一般に、警戒吠えを一日中続けるタイプではなく、室内では比較的静かな犬が多いとされています。
ただし、すべての犬が静かとは限りません。退屈、不安、来客、要求などで吠えることはあります。
むしろ生活上の注意点として大きいのは、獲物を追う行動です。小型犬、猫、ウサギ、鳥などへ強い追跡反応を示す個体がいます。
- 散歩ではリードを外さない
- 小動物との同居は慎重に管理する
- 庭の柵と門扉を確認する
- 急発進に備えてリードを適切に持つ
- 猫や鳥を見た時の注目切り替えを練習する
同居猫と穏やかに暮らすボルゾイもいますが、家庭内で慣れている猫と、屋外で突然走る猫への反応が同じとは限りません。
12. ボルゾイがなりやすい病気・注意したい健康問題

Borzoi Club of Americaの2024年Health Statementでは、CHIC取得に必要な検査としてDMのSOD1A DNA検査、CAER眼科検査、循環器専門医による心エコー、甲状腺検査の4項目を挙げています。
これらは繁殖時の健康情報として重要ですが、CHIC番号や正常検査が犬の将来の健康を保証するわけではありません。犬種クラブも、検査できない健康問題が残ることを明記しています。
変性性脊髄症(DM)
DMは脊髄が徐々に変性し、主に中高齢で後肢の協調運動低下や筋力低下が進む神経疾患です。ボルゾイではSOD1AのDNA検査がCHIC必須項目に含まれています。
- 後ろ足がふらつく
- 爪の先を擦る
- 足の甲が返る
- 後ろ足が交差する
- 徐々に立ち上がりにくくなる
ただし、DNA検査でリスク型だから現在DMという意味ではなく、後ろ足のふらつきには関節、脊椎、末梢神経など別の原因もあります。症状がある場合は神経学的検査を含めて評価します。
・犬がふらつく原因とは?まっすぐ歩けない・倒れる時の危険サインと受診目安
心臓の健康問題
ボルゾイでは循環器専門医による心エコー検査がCHIC必須項目です。繁殖犬では心臓の構造や機能を確認し、結果を公開することが推奨されています。
家庭犬でも、運動不耐性、安静時の呼吸増加、失神、急な虚脱などがみられる場合は心臓や不整脈を含めて診察が必要です。
甲状腺の病気
甲状腺検査もCHIC必須項目です。甲状腺機能低下では、元気がない、体重が増えやすい、被毛が薄くなる、寒がるなどの変化がみられることがあります。
これらの症状は甲状腺だけで起こるものではないため、血液検査などで総合的に評価します。
眼疾患
ボルゾイでは眼科専門医によるCAER検査がCHIC必須項目です。DNA検査だけでなく、実際に目を診察するスクリーニングが重要とされています。
目が赤い、白く濁る、暗い場所で動きにくい、物へぶつかるなどの変化がある場合は、犬種だけで原因を決めず眼科診察を受けてください。
骨肉腫・血管肉腫などの腫瘍
Borzoi Club of Americaは、現在確立したスクリーニング検査がない健康課題として骨肉腫と血管肉腫を挙げています。
大型犬で長く続く跛行や局所の腫れがある場合、関節炎だけでなく骨の病気も含めて確認することがあります。また、急な虚脱や歯ぐきが白い状態では、出血や循環異常など複数の緊急疾患を考えます。
・犬のしこりの原因とは?硬い・柔らかい・急に大きくなる時の危険サインと受診目安
胃拡張胃捻転(GDV)
ボルゾイは胸が深い大型犬で、GDVは犬種クラブが重要な健康課題として挙げています。
- 何度も吐こうとするのに何も出ない
- 急にそわそわする
- よだれが増える
- お腹が張る
- 呼吸が速くなる
- ぐったりする・倒れる
吐こうとして吐けない状態を繰り返し、お腹が張る、ぐったりする場合は自宅で様子を見ず、すぐに動物病院へ連絡してください。
・犬の胃拡張胃捻転(GDV)とは?吐こうとして吐けない・お腹が張る時の緊急症状と手術を解説
乳び胸・肺葉捻転・GOLPP
犬種クラブは、乳び胸、肺葉捻転、老年性喉頭麻痺多発ニューロパチー(GOLPP)も、現在一般的な繁殖前スクリーニングがない健康課題として挙げています。
これらはすべてのボルゾイに起こる病気ではありません。呼吸が苦しそう、声が変わる、運動時に異常な呼吸音がする、後肢の弱りが進むなどの変化では、年齢や犬種だけで決めつけず診察を受けてください。
13. ボルゾイの食事・ドッグフード選び

食事は年齢、体重、活動量、避妊・去勢、健康状態に合った総合栄養食を基本にします。
成長期は急激に太らせない
ボルゾイは脚が長く大型に成長するため、子犬期に「早く大きくしたい」と過剰なカロリーを与える必要はありません。
大型犬の成長に対応した総合栄養食を使い、適正な成長速度を保ちます。完全栄養のフードへ自己判断でカルシウムなどを大量に追加しないでください。
成犬は細身の犬種らしい体型を保つ
- フードを毎回計量する
- おやつも一日の摂取量へ含める
- 定期的に体重を測る
- 肋骨と腰を手で確認する
- 運動量が変われば給与量も調整する
GDVが心配でも、食事方法だけで完全に予防できるわけではありません。家族歴や体形を含めて、予防的胃固定術について相談する場合は獣医師と個別に検討してください。
14. ボルゾイの子犬期の注意点

ボルゾイの子犬期では、社会化、呼び戻し、リード管理、お手入れ、成長期の関節管理を早くから始めます。
- 人・犬・車・自転車へ安全に慣れる
- 名前を呼ばれたら見る
- おいでを練習する
- 玄関で待つ
- リードを緩めて歩く
- ハーネスへ慣れる
- ブラッシングと爪切りへ慣れる
- 短時間ひとりで休む
サイトハウンドの子犬は、幼い頃は飼い主さんから離れず「逃げない犬」に見えることがあります。しかし成長して視野が広がると、動く対象を追う反応が強くなることがあります。
子犬の頃からノーリードを習慣にせず、玄関や門で待つ、リードを着けるまで外へ出ないというルールを作ります。
親犬の健康検査を確認する
現在のBCOA CHIC必須項目は次の4つです。
- DM SOD1A DNA検査
- CAER眼科検査
- 循環器専門医による心エコー検査
- OFA承認検査機関による甲状腺検査
検査結果があることと、すべてが正常であることは同じではありません。CHIC番号がある場合も、個々の結果を確認してください。
また、スクリーニング検査のない病気もあるため、近親犬の寿命、死因、GDVや腫瘍の発症歴などを説明できるブリーダーかどうかも大切です。
15. ボルゾイのシニア期の注意点
シニア期では、神経、心臓、腫瘍、筋肉量、関節の変化を意識します。
- 後ろ足がふらつく
- 爪を擦るようになった
- 立ち上がりが遅い
- 散歩速度が落ちた
- 安静時の呼吸が変わった
- 新しいしこりができた
- 体重が急に減った
ボルゾイは脚が長いため、滑る床で踏ん張りにくくなると転倒リスクが高まります。マットを敷く、段差を減らす、寝床を低くするなど環境を調整してください。
全力疾走を好む犬でも、シニア期は突然の方向転換や滑る地面での高速走行を避け、体調に合わせて運動内容を見直します。
健康で歩ける間は、年齢だけを理由に散歩をやめる必要はありません。短めの散歩やにおい嗅ぎを続け、筋肉と生活の楽しみを維持しましょう。
16. ボルゾイが向いている人
ボルゾイは、次のような人と相性を作りやすい犬種です。
- 静かな大型犬と暮らしたい人
- サイトハウンドの追跡本能を理解できる人
- 囲いのない場所でノーリードにしない人
- 安全に走れる環境を用意できる人
- 独立心のある犬を尊重できる人
- 定期的なブラッシングを続けられる人
- 大型犬の医療・移動・介護まで考えられる人
- 健康検査を確認して子犬を選べる人
室内では静かな犬と穏やかに暮らしつつ、外では安全な散歩やルアーコーシングなど犬種らしい活動を楽しみたい家庭には魅力があります。
反対に、公園で自由にノーリードにしたい、小動物との同居を管理できない、呼び戻しさえ教えれば追跡を止められると考える家庭には向きにくいでしょう。
17. ボルゾイのよくある質問
Q. ボルゾイは初心者でも飼えますか?
飼育は可能ですが、大型サイトハウンドの追跡本能と安全管理を理解する必要があります。特にノーリード管理、脱走防止、散歩用品のフィットを徹底してください。
Q. ボルゾイは何kgくらいになりますか?
一般に約27~48kg程度が目安です。JKCの理想体高は牡75~85cm、牝68~78cmで、体重以上に背が高く見える犬種です。
Q. 寿命はどのくらいですか?
9~14年程度がひとつの目安です。心臓、神経、腫瘍、GDVなどの健康問題もあるため、定期的な健康確認が重要です。
Q. ボルゾイはよく吠えますか?
一般に室内では比較的静かな犬が多いとされています。ただし、要求、不安、来客などで吠える個体もいるため、すべてのボルゾイが無駄吠えしないわけではありません。
Q. 猫と一緒に暮らせますか?
同居猫と穏やかに暮らす個体もいますが、強い追跡本能を持つ犬種です。特に屋外で走る猫への反応は別と考え、慎重に管理してください。
Q. ノーリードで走らせても大丈夫ですか?
囲いのない場所ではおすすめできません。動く対象を見つけると非常に速く追跡するため、安全に囲われた場所を利用してください。
Q. 毎日かなり走らせる必要がありますか?
毎日の散歩は必要ですが、長時間走り続けさせる必要はありません。適度な散歩と、安全な囲いの中で体を伸ばして走る機会を組み合わせます。
Q. 被毛のお手入れは大変ですか?
長毛なので定期的なブラッシングが必要です。特に耳の後ろ、脇、内股、尾の飾り毛は絡みやすいため確認してください。
Q. DMのDNA検査でリスク型なら必ず発症しますか?
DNA検査は遺伝的リスク情報のひとつです。結果だけで現在の症状を診断するものではなく、歩行異常がある場合は別の神経・整形外科疾患も含めて評価します。
Q. CHIC番号があれば健康な犬ですか?
CHIC番号は、犬種クラブが指定した検査を受け、結果が公開されていることを示すものです。すべての結果が正常であることや、将来病気にならないことを保証するものではありません。
Q. ボルゾイで特に注意したい健康問題は?
DM、心臓・甲状腺・眼科の問題に加え、骨肉腫、血管肉腫、GDV、乳び胸、肺葉捻転、GOLPPなどが犬種クラブで健康課題として扱われています。
Q. 子犬を迎える時に確認したい健康検査は?
現在のBCOA CHIC必須項目では、DM SOD1A DNA検査、CAER眼科検査、循環器専門医による心エコー、甲状腺検査の4項目を確認します。
まとめ|ボルゾイは静かな家庭犬の顔と高速サイトハウンドの本能を併せ持つ犬種

ボルゾイは、ロシアで長い歴史を持つ大型のサイトハウンドです。
JKCでの用途は「ハンティング・サイトハウンド、レーシング・ハウンド及びコーシング・ハウンド。」。視覚で獲物を捉え、高速で追跡する能力を持っています。
家庭内では穏やかで静かな犬が多く、家族へ愛情深い一方、独立心があり、単調な反復訓練より短く楽しい練習が向いています。
最も重要な生活上の注意点は追跡本能です。囲いのない場所ではリードを外さず、安全に走らせる時は十分に囲われた場所を利用します。
理想体高は牡75~85cm、牝68~78cmと非常に背が高く、一般的な体重は約27~48kg程度です。細身でも大型犬なので、移動や介護まで考えた生活環境が必要です。
被毛は長く絹のようで、通常は全身カットを必要としませんが、耳の後ろ、脇、内股、尾などを定期的にブラッシングします。
健康面では、BCOAのCHIC必須項目としてDM SOD1A、CAER眼科検査、循環器専門医による心エコー、甲状腺検査が挙げられています。
一方、骨肉腫、血管肉腫、GDV、乳び胸、肺葉捻転、GOLPPなど、現在一般的なスクリーニング検査がない健康課題もあります。
特にGDVでは、吐こうとして吐けない、お腹が張る、よだれが増える、急にぐったりするといった症状があれば緊急受診が必要です。
子犬を迎える時は、外見だけでなく親犬の健康検査、近親犬の寿命や死因、性格、追跡本能を安全に管理する飼育環境まで確認してください。
ボルゾイは、優雅さ、静けさ、圧倒的な走力を併せ持つ魅力的な犬種です。サイトハウンドらしい本能を尊重し、リードと柵による安全管理、適切な運動、被毛のお手入れ、心臓・眼・甲状腺・神経を含む健康管理を続けることが、長く安全に暮らすための大切な条件です。


