ウィペットの性格・飼いやすさは?寿命・運動量・なりやすい病気まで解説

ウィペットは、細く長い脚、深い胸、引き締まった腹部、流線形の美しい体を持つイギリス原産の視覚ハウンドです。

一見すると小型のグレーハウンドのように見えますが、ウィペットは独立した犬種であり、優れた走力と穏やかな家庭犬としての性格を兼ね備えています。

ジャパンケネルクラブ(JKC)では、ウィペットの用途を「臭跡或いは視覚による狩猟のために用いられていた犬種」としています。

JKCの犬種標準では、筋肉の力強さと機能的な美しさ、優美なアウトラインのバランスが重視され、スピードと働くために作られた体であることが特徴とされています。

走る姿は非常に速く、全力疾走では人が追いつけないほどのスピードを発揮します。

その一方、家庭内では意外なほど穏やかに過ごす犬が多く、十分に運動した後はソファやベッドで長時間くつろぐことも珍しくありません。

「外ではアスリート、家ではのんびりした家庭犬」という切り替えの良さは、ウィペットの大きな魅力です。

性格は一般に優しく、愛情深く、家族との距離が近い犬が多い傾向があります。

過度に警戒して吠え続けるタイプではない犬も多く、室内では比較的静かに暮らせます。

ただし、「静かな犬=運動が少なくてよい」という意味ではありません。

ウィペットはサイトハウンドと呼ばれる視覚ハウンドの一種で、動くものを目で発見し、素早く追跡する能力に優れています。

猫、鳥、野生動物、走る小動物などを見た瞬間に急加速する犬もいるため、屋外ではリード管理が非常に重要です。

普段は呼び戻しが上手な犬でも、追跡本能が入った瞬間には飼い主さんの声より対象へ集中する可能性があります。

囲われていない場所でのノーリードは避け、安全に走れる場所を別に用意しましょう。

また、体脂肪が少なく非常に短い被毛を持つため、寒さへの配慮も必要です。

冬の散歩で震える、体を丸める、外へ出たがらない場合は、室温や散歩時間を調整し、必要に応じて動きやすい犬用ウェアを利用します。

健康面では比較的健康な犬種ですが、繁殖犬では心臓、眼科、聴覚の検査が重視されています。

ウィペットでは運動能力の高い犬特有の心雑音がみられることもあるため、聴診で雑音があるだけで病気と決めつけず、必要に応じて心エコーなどで詳しく評価します。

また、BAER検査による聴覚確認や眼科専門医による検査も、繁殖犬で推奨されています。

ウィペットは「細くておとなしい犬」という外見だけでは分からない、高い走力と追跡本能を持つ犬種です。十分な運動、安全なリード管理、寒さ対策、そして心臓・目・聴覚などの健康管理まで理解して迎えることが大切です。

この記事では、ウィペットの性格、飼いやすさ、大きさ・体重、寿命、運動量、抜け毛、留守番、しつけ、注意したい病気、食事、子犬期・シニア期まで詳しく解説します。

  1. 1. ウィペットの基本情報
  2. 2. ウィペットの性格
  3. 3. ウィペットの飼いやすさ
  4. 4. ウィペットは初心者でも飼いやすい?
  5. 5. ウィペットの大きさ・体重
  6. 6. ウィペットの平均寿命
  7. 7. ウィペットに必要な運動量
    1. 追跡本能が入ると急加速する
    2. 急旋回・衝突・転倒によるけがにも注意
  8. 8. ウィペットの抜け毛・お手入れ
    1. 寒さに弱い犬が多い
  9. 9. ウィペットは留守番しやすい?
  10. 10. ウィペットのしつけのしやすさ
    1. 呼び戻しができてもノーリードを前提にしない
    2. 繊細な犬では強い罰を避ける
  11. 11. ウィペットの無駄吠え・噛み癖などの注意点
    1. 子犬期の甘噛み・いたずら
  12. 12. ウィペットがなりやすい病気・注意したい健康問題
    1. 心臓病・僧帽弁疾患など
    2. 先天性難聴
    3. 眼疾患
    4. 胃拡張胃捻転(GDV)
    5. 皮膚の裂傷・外傷
    6. ミオスタチン欠損症(いわゆるBully Whippet)
  13. 13. ウィペットの食事・ドッグフード選び
    1. 細身の体型を肥満と痩せすぎの両方から守る
    2. GDVが心配でも極端な食事制限をしない
  14. 14. ウィペットの子犬期の注意点
    1. 追跡行動は子犬期から安全に管理する
    2. 親犬の健康検査を確認する
  15. 15. ウィペットのシニア期の注意点
  16. 16. ウィペットが向いている人
  17. 17. ウィペットのよくある質問
    1. Q. ウィペットは初心者でも飼いやすいですか?
    2. Q. ウィペットは何kgくらいになりますか?
    3. Q. ウィペットの寿命はどのくらいですか?
    4. Q. 毎日たくさん走らせる必要がありますか?
    5. Q. ウィペットはドッグランでノーリードにして大丈夫ですか?
    6. Q. ウィペットは猫と暮らせますか?
    7. Q. ウィペットは寒さに弱いですか?
    8. Q. ウィペットは吠えやすいですか?
    9. Q. ウィペットは痩せすぎに見えます
    10. Q. 心雑音があると言われました
    11. Q. 呼んでも反応しないことがあります。難聴ですか?
    12. Q. 吐こうとしているのに何も出ず、お腹が張っています
    13. Q. 子犬を迎える時に確認したい健康検査は?
    14. Q. ウィペットで特に注意したい健康問題は?
  18. まとめ|ウィペットは家では穏やか、外では俊足の視覚ハウンド
  19. 【最新版】私がおすすめする犬用品10選

1. ウィペットの基本情報

犬種名ウィペット
英名Whippet
原産国イギリス
用途(JKC)臭跡或いは視覚による狩猟のために用いられていた犬種
サイト内サイズ分類中型犬
体高牡47~51cm/牝44~47cm
体重約11~18kg程度がひとつの目安
平均寿命12~15年程度がひとつの目安
運動量中~多め。毎日の散歩と安全な場所で走る機会が重要
被毛短く細かく密着したスムースコート
毛色マール以外のあらゆる毛色または色調
抜け毛ある。短毛なので毛玉はできにくい
トリミング定期的な全身カットは基本的に不要
留守番練習次第。家族への愛着が強い犬では段階的に慣らす
しつけやすさ賢く穏やかだが、追跡本能を考えた安全管理が重要
初心者向き運動・脱走防止・寒さ対策を理解できれば候補

ウィペットは19世紀後半のイギリスで発展した犬種です。

JKCでは、小型のグレーハウンドにマンチェスター・テリア、ベドリントン・テリアなどを交配して作出されたと紹介しています。

当初はウサギやネズミを捕らえる犬として使われ、その後、イギリスの鉱山地帯で競走犬として人気になりました。

現在は家庭犬として暮らすだけでなく、ルアーコーシングなど走力を生かしたドッグスポーツでも能力を発揮します。

FCI・JKCでは第10グループの視覚ハウンドに分類されます。

視覚ハウンドは、優れた視力と走力を利用して獲物を追う犬たちです。

ウィペットの深い胸、細い腰、長い脚、しなやかな背中は、速く走るために発達した体型です。

細く見えること自体が犬種の特徴であり、ほかの中型犬と同じ体型を目標にすると太りすぎることがあります。

2. ウィペットの性格

ウィペットは一般に、優しく愛情深く、穏やかな性格の犬種です。

  • 家族に愛情深い犬が多い
  • 室内では比較的穏やか
  • 人のそばで休むことを好む犬も多い
  • 遊ぶ時は非常に活動的
  • 繊細な面を持つ犬もいる
  • 無駄吠えは比較的少ない傾向
  • 動くものへの追跡本能が強い犬もいる
  • 強い叱責より報酬を使う方法と相性が良い

JKCでも、ウィペットは理想的なコンパニオンで、家庭でもスポーツ環境でも適応しやすく、優しく愛情豊かで、むらのない性質としています。

大型の視覚ハウンドと比べても家庭で扱いやすい体格で、人のそばで静かに過ごせることは大きな魅力です。

一方、散歩へ出ると室内とは別の犬のように活動的になる場合があります。

遠くを走る猫や鳥を素早く見つけ、瞬間的に追おうとする行動は、単なる「言うことを聞かない行動」ではなく視覚ハウンドとしての本能が関係します。

犬種の本能を罰で消そうとするのではなく、安全な環境を作りながら飼い主さんへ意識を戻す練習を行いましょう。

また、繊細な犬では大声で怒鳴られることや強い身体的な刺激に不安を感じやすい場合があります。

食べ物、遊び、褒め言葉などを使い、短く成功しやすいトレーニングを積み重ねます。

3. ウィペットの飼いやすさ

ウィペットは室内では比較的落ち着いて暮らしやすく、被毛管理もシンプルなため、家庭犬として魅力があります。

マンションや都市部でも、毎日の運動時間を確保できれば生活できます。

ただし、次の特徴を理解しておく必要があります。

  • 毎日の散歩が必要
  • 安全な場所で走れる機会があるとよい
  • 動くものを追う行動へ注意する
  • 囲われていない場所ではノーリードにしない
  • 首輪・ハーネスの抜けを防ぐ
  • 寒さに弱い犬が多い
  • 皮膚が薄いためけがを確認する
  • 家族への愛着が強い犬では留守番練習が必要

特に注意したいのが、細い首と頭部を持つ体型です。

一般的な首輪では、後ろへ下がった時に頭から抜ける可能性があります。

犬の体型に合った首輪やハーネスを選び、装着した時に緩すぎないか定期的に確認してください。

怖がって突然後ずさりする犬では、ハーネスから抜けないか安全な室内で確認してから外へ出ます。

・犬がハーネスを嫌がる時の慣らし方|逃げる・固まる・噛む犬への7段階

4. ウィペットは初心者でも飼いやすい?

ウィペットは、特徴を理解できる人なら初めて犬を飼う家庭にも候補になります。

穏やかで愛情深く、室内では静かな犬が多く、長毛犬のような複雑なお手入れも必要ありません。

一方、初心者が特に理解しておきたいのは追跡本能と脱走防止です。

  • 屋外ではリードを外さない
  • 安全に走れる場所を確保できる
  • ハーネスや首輪の抜けを防げる
  • 呼び戻しを段階的に練習できる
  • 猫や小動物への反応を管理できる
  • 冬の防寒を考えられる
  • 運動後はしっかり休ませられる
  • 必要な健康検査について理解できる

これらを守れる人であれば、「速く走る犬だから毎日何時間も走らせなければならない」という犬種ではありません。

短時間の全力運動と毎日の散歩、におい嗅ぎ、遊びを組み合わせた後は、室内でゆっくり休む犬も多いです。

反対に、ドッグランや公園で常にノーリードにしたい人や、小動物への追跡を確実に止められると考えている人には向きにくいでしょう。

5. ウィペットの大きさ・体重

JKCではウィペットの体高を牡47~51cm、牝44~47cmとしています。

体重は約11~18kg程度が一般的な目安ですが、犬種標準で体重は指定されておらず、性別や骨格、筋肉量によって適正体重は異なります。

ウィペットは細身の体型が正常です。

深い胸から腹部へ大きく切れ上がるラインがあり、腰には余分な脂肪が少なく、脚や肩には走るための筋肉があります。

ほかの犬種と同じ感覚で「肋骨が見えるからもっと太らせよう」とすると、肥満につながる可能性があります。

一方、細い犬だから体重減少を放置してよいわけでもありません。

  • 以前より肋骨や背骨が目立つ
  • 筋肉が落ちた
  • 食欲が低下した
  • 短期間で体重が減った
  • 運動を嫌がるようになった

このような変化がある場合は、単に「ウィペットだから細い」と判断せず原因を確認しましょう。

体型判断に迷う場合は、獣医師にボディコンディションを確認してもらうと安心です。

6. ウィペットの平均寿命

ウィペットの平均寿命は12~15年程度がひとつの目安です。

中型犬として比較的長く一緒に暮らせる可能性がある犬種ですが、平均寿命は個々の犬が何歳まで生きるかを保証するものではありません。

遺伝的な体質、心臓、目、聴覚、体重、歯、けが、生活環境などによって差があります。

特にシニア期では、「走らなくなった=年齢だけの問題」と考えないようにしましょう。

  • 以前より疲れやすい
  • 散歩中に立ち止まる
  • 安静時の呼吸が速い
  • 咳が増えた
  • 一瞬倒れることがある
  • 音への反応が弱くなった
  • 暗い場所で歩きにくい

このような変化の背景には、加齢だけでなく心臓病、聴力低下、目の病気などが隠れている場合があります。

若い頃から体重、散歩の速度、安静時の様子を知っておくと変化へ気づきやすくなります。

7. ウィペットに必要な運動量

ウィペットは非常に速く走る犬ですが、一日中走り続ける持久走タイプの犬ではありません。

健康な成犬では毎日の散歩を基本にし、時々安全に走れる機会を作ります。

  • 朝夕を中心とした毎日の散歩
  • 自由ににおいを嗅ぐ時間
  • 安全な柵のある場所でのランニング
  • おもちゃ遊び
  • ノーズワーク
  • 短時間のトレーニング
  • ルアーを追う安全なスポーツ

運動時間は年齢、体力、気温、持病によって異なるため、すべての犬へ同じ時間を当てはめる必要はありません。

若く健康なウィペットでは全力で走りたがることがありますが、安全性の低い公園や河川敷でリードを外すことは避けます。

追跡本能が入ると急加速する

ウィペットは視覚ハウンドなので、遠くにいる猫、鳥、小動物、自転車、ランナーなど素早く動く対象へ注意が向く場合があります。

特に道路沿いでは、犬が対象を発見する前に周囲を確認し、リードが長く伸びすぎないよう管理してください。

自転車やランナーを追おうとする犬では、十分な距離を取り、「対象を見る→飼い主さんへ意識を戻す」という行動を練習します。

・犬が自転車・バイクを追いかける時のしつけ|散歩中に吠える・飛びかかる犬への7段階

急旋回・衝突・転倒によるけがにも注意

非常に速く走れる一方、皮膚が薄く、脚の皮下組織も厚くありません。

木の枝、金網、硬い物へ高速で接触すると、切り傷や裂傷になる場合があります。

自由運動をさせる場所では、鋭利な金属、壊れた柵、突き出た枝、穴などがないか事前に確認しましょう。

8. ウィペットの抜け毛・お手入れ

ウィペットは非常に短く滑らかな被毛を持つため、被毛管理は比較的シンプルです。

長毛犬のような毛玉は基本的にできず、定期的な全身カットも必要ありません。

ただし、短毛でも抜け毛はあります。

  • ラバーブラシなどで定期的に抜け毛を取る
  • 皮膚の赤みを確認する
  • 切り傷や擦り傷を確認する
  • 爪を適切な長さに保つ
  • 耳を確認する
  • 歯磨きを習慣にする

短毛で皮膚が見やすいので、散歩やランニングの後には傷がないか全身を軽く確認しましょう。

小さな擦り傷のように見えても、皮膚が大きく裂けている、出血が止まらない、深い傷がある場合は動物病院へ相談してください。

寒さに弱い犬が多い

ウィペットは被毛が短く、体脂肪も少ないため、寒い場所では体温を保ちにくい犬種です。

冬に震えている犬へ「運動すれば暖かくなる」と無理に長時間歩かせる必要はありません。

室温を調整し、屋外では必要に応じて胸や腹部を覆えるウェアを利用します。

雨で体が濡れるとさらに冷えやすいため、帰宅後は早めに水分を拭き取ってください。

9. ウィペットは留守番しやすい?

ウィペットは室内で静かに休むことが得意な犬も多い一方、家族への愛着が強い犬種です。

飼い主さんと一緒にソファで休んだり、同じ部屋で過ごしたりすることを好む犬も多いため、迎えた日から長時間一人にしても平気とは限りません。

留守番は短時間から練習します。

  • 飼い主さんが同じ部屋にいても自分のベッドで休む
  • 数秒だけ別室へ移動する
  • 短い外出を行う
  • 落ち着いていられる範囲で徐々に延ばす
  • 暖かく安心して眠れる寝床を用意する

ウィペットは柔らかく暖かい場所を好む犬が多いため、冬の留守番では室温にも注意してください。

運動不足のまま長時間留守番すると、いたずらや破壊行動が出る犬もいます。

一方、留守番前に限界まで走らせて疲れさせる必要はありません。

適度な散歩と排泄を済ませ、落ち着いて休める状態を作りましょう。

長時間鳴き続ける、ドアを壊そうとする、大量によだれが出る、食べ物にも手をつけない場合は、強い不安がないか確認してください。

・犬の留守番のしつけ方とは?ひとりで待てない時の練習方法を解説

10. ウィペットのしつけのしやすさ

ウィペットは賢く、人との関係を作りやすい犬種ですが、しつけではサイトハウンドらしい性質を理解することが重要です。

室内で集中できる時は多くの行動を覚えられても、外で走る動物を見つけた時は難易度が大きく上がります。

  • 名前を呼んだら見る
  • おすわり
  • 待て
  • おいで
  • ハウス
  • リードを緩めて歩く
  • 玄関で飛び出さず待つ
  • 動く対象から飼い主さんへ意識を戻す
  • 首輪やハーネスを落ち着いて装着する
  • 体を触られることへ慣れる

呼び戻しができてもノーリードを前提にしない

呼び戻しは非常に重要ですが、「おいでができるようになれば道路でもリードを外せる」という意味ではありません。

視覚ハウンドは動く対象を発見した瞬間に急加速することがあり、その速度は人が走って追いつけるものではありません。

呼び戻しは室内から始め、次に囲われた場所、ロングリードを使える安全な場所という順に難易度を上げます。

犬が戻ってきた時は、時間がかかった場合でも強く叱らないでください。

「戻ると嫌なことが起きる」と学習すると、次の呼び戻しが難しくなる可能性があります。

繊細な犬では強い罰を避ける

ウィペットは優しい性格の犬が多く、強い叱責や身体的な罰に敏感な場合があります。

失敗を罰することを中心にするより、できた行動を褒め、犬が成功しやすい環境を作る方法を基本にしましょう。

11. ウィペットの無駄吠え・噛み癖などの注意点

ウィペットは一般に、室内では比較的静かに過ごす犬種です。

番犬として頻繁に声を出す犬種ではありませんが、もちろん全く吠えないわけではありません。

  • 遊んでほしい時
  • 興奮した時
  • 知らない音へ反応した時
  • 留守番で不安になった時
  • 窓の外の動物を見つけた時

このような状況では吠えることがあります。

長時間続く場合は「ウィペットなのにおかしい」と考えるのではなく、要求、不安、警戒、退屈など原因を確認してください。

・犬の無駄吠えの直し方とは?吠える理由別のしつけ方法を解説

子犬期の甘噛み・いたずら

ウィペットの子犬は成犬より活動的で、家具、クッション、布類などを噛むことがあります。

噛まれて困る物を片付け、安全に噛めるおもちゃを用意し、遊びと休息をバランスよく取ります。

また、成犬が突然触られることを嫌がるようになった場合は、行動だけの問題と決めつけません。

傷、関節痛、歯の痛みなどがあると、触られることを避けようとして口を使う場合があります。

12. ウィペットがなりやすい病気・注意したい健康問題

ウィペットは全体として比較的健康で長寿な犬も多い犬種ですが、繁殖犬で特に確認されている健康項目があります。

現在のナショナルブリードクラブが推奨している主要な健康検査は、心臓検査、眼科専門医による検査、BAER聴覚検査です。

以下の健康問題がすべてのウィペットに起こるわけではありません。

心臓病・僧帽弁疾患など

ウィペットでは心臓の健康確認が犬種クラブによって重視されており、繁殖犬では獣医循環器専門医による心エコー検査が推奨されています。

犬種では僧帽弁疾患について研究が行われてきました。

注意したいのは、ウィペットのような運動能力の高い犬では、健康な犬でも機能性・運動性の心雑音が聞こえることがある点です。

つまり、「心雑音がある=必ず心臓病」「聴診だけで問題なし=心臓病は絶対にない」と単純には判断できない場合があります。

必要に応じて心エコー、心電図などで詳しく確認します。

  • 以前より疲れやすい
  • 運動を嫌がる
  • 咳が続く
  • 安静時にも呼吸が速い
  • 散歩中に急に立ち止まる
  • 一瞬意識を失って倒れる

突然倒れる、呼吸が非常に苦しそう、舌や歯ぐきが青紫色になる、意識が戻らない場合は緊急性があります。すぐに動物病院へ連絡してください。

・犬が突然倒れる・失神する原因とは?すぐ戻る時も注意したい病気と緊急受診の目安

・犬の呼吸が荒い原因とは?安静時もハァハァする時の危険サインと受診目安

先天性難聴

ウィペットでは聴覚の健康確認としてBAER検査が繁殖犬に推奨されています。

BAERは音に対する脳幹の電気的反応を調べる検査で、片耳だけ聞こえない犬も確認できます。

片耳だけの難聴は日常生活では気づきにくいことがあります。

  • 音がする方向を間違える
  • 片側から呼ぶと気づきにくい
  • 眠っている時に音だけでは起きない
  • 呼んでも反応しないことがある

ただし、呼んでも来ないから難聴と決めつけることはできません。

周囲への集中、加齢、耳の炎症などでも反応が低下します。

生まれつき聴覚に障害がある犬でも、視覚的な合図や振動を利用して安全に生活することは可能です。

眼疾患

ウィペットでは繁殖犬に眼科専門医による定期的な評価が推奨されています。

犬種で遺伝性の目の異常が確認されることはありますが、犬種クラブの資料では眼疾患は全体として多い問題ではないとされています。

それでも、目の異常は犬種に関係なく起こります。

  • 目が白く濁る
  • 目が赤い
  • 片目を細める
  • 涙が急に増えた
  • 暗い場所で動きにくい
  • 物へぶつかる

急に目が見えなくなった、強い痛みがある、急に目が赤く濁った場合は、白内障だけとは考えず緑内障など緊急性の高い病気も確認してください。

・犬の白内障とは?目が白い・物にぶつかる時に注意したい病気を解説

胃拡張胃捻転(GDV)

ウィペットは大型犬ではありませんが、胸が非常に深い体型をしています。

深胸犬では胃拡張胃捻転(GDV)が起こる可能性があるため、症状を知っておくと安心です。

  • 急に落ち着きがなくなる
  • 何度も吐こうとするのにほとんど出ない
  • よだれが増える
  • お腹が急に張る
  • 呼吸が苦しそうになる
  • ぐったりする
  • 倒れる

GDVは様子を見て翌日に受診する病気ではありません。吐こうとして吐けない、お腹が急に張る、急速に元気がなくなる場合は緊急受診してください。

・犬の胃拡張胃捻転(GDV)とは?吐こうとして吐けない・お腹が張る時の緊急症状と手術を解説

皮膚の裂傷・外傷

ウィペットは短毛で皮膚が薄く、脚にも厚い皮下脂肪がありません。

高速で走っている時に金網、枝、硬い物へぶつかると、ほかの被毛の厚い犬より皮膚が裂けやすいことがあります。

安全な運動場所を選び、走った後は脚、胸、腹部などを確認してください。

傷が深い、皮膚が開いている、出血が止まらない場合は小さな傷に見えても診察を受けましょう。

ミオスタチン欠損症(いわゆるBully Whippet)

ウィペットでは、筋肉の発達を調節するミオスタチン遺伝子に関連する遺伝的変異が知られています。

変異を2コピー持つ犬では、通常のウィペットより極端に筋肉量が多い体型となることがあり、「Bully Whippet」と呼ばれることがあります。

現在DNA検査を利用できますが、これはナショナルブリードクラブが主要な繁殖前スクリーニングとして挙げる心臓・眼科・BAERの3検査とは位置づけが異なります。

また、ウィペットではPFK欠損症や変性性脊髄症の一般的変異など、ほかにも犬種で利用可能なDNA検査があります。

「検査が存在する=全頭に必須」ではないため、血統や犬種クラブの最新指針を踏まえて判断します。

13. ウィペットの食事・ドッグフード選び

ウィペットだから必ず犬種専用ドッグフードを選ぶ必要はありません。

年齢、体重、実際の活動量、避妊・去勢、持病に合った総合栄養食を基本にします。

細身の体型を肥満と痩せすぎの両方から守る

ウィペットは一般的な中型犬より細く見える体型です。

「細いからかわいそう」と必要以上に食べさせれば、本来の軽く機能的な体型を崩す可能性があります。

  • 毎回フードを計量する
  • 定期的に体重を記録する
  • 筋肉量を見る
  • 急な体重減少を放置しない
  • おやつも一日の摂取量へ含める

成長期の子犬、よく運動する成犬、シニア犬では必要なエネルギー量が違います。

ルアーコーシングなど運動量の多い活動をする犬は、一般家庭犬と同じ量が適切とは限りません。

反対に、冬場など運動量が減った犬へ同じ量を与え続ければ体重が増えることがあります。

GDVが心配でも極端な食事制限をしない

深い胸を持つことから胃拡張胃捻転が心配になる人もいますが、自己判断で必要な栄養まで減らすことは避けてください。

一日量や食事回数、食後の運動について不安がある場合は、愛犬の体格や病歴を踏まえて獣医師へ相談しましょう。

療法食についても、病気が診断されていない健康犬へ予防目的で使用するものではありません。

14. ウィペットの子犬期の注意点

ウィペットの子犬期では、社会化、呼び戻し、リード管理、一人で休む練習を特に重視します。

  • 名前を呼ばれたら飼い主さんを見る
  • おいでを練習する
  • 玄関前で待つ
  • 首輪・ハーネスへ慣れる
  • リードを緩めて歩く
  • 自転車やランナーから意識を戻す
  • 一人で静かに休む
  • 足・耳・口を触られることへ慣れる
  • さまざまな場所や生活音を経験する

ウィペットの子犬は成犬より活発で、室内でも急に走り出すことがあります。

滑りやすい床では足を取られる可能性があるため、必要な場所には滑りにくいマットなどを利用しましょう。

追跡行動は子犬期から安全に管理する

猫や鳥、自転車を追おうとした時に、犬が悪いと考えて強く叱るだけでは本能そのものはなくなりません。

十分な距離を取り、対象を見た後に飼い主さんへ振り向くことを褒めます。

安全なリードとハーネスを使い、追跡できない環境を作ったうえで練習してください。

親犬の健康検査を確認する

ウィペットの子犬を迎える場合は、親犬の健康検査について確認しましょう。

  • 循環器専門医による心臓検査・心エコー
  • 眼科専門医による検査
  • BAER聴覚検査

この3項目が現在、ナショナルブリードクラブが主要な繁殖前スクリーニングとして推奨している項目です。

必要に応じて犬種で利用可能なDNA検査についても確認できます。

ただし、「DNA検査をたくさんしている=必ず健康な子犬になる」という意味ではありません。

心臓、目、聴覚のように実際の体を評価する検査も重要です。

15. ウィペットのシニア期の注意点

ウィペットがシニア期に入ったら、心臓、視力、聴力、筋肉量、体重、歯などの変化を確認します。

  • 散歩の速度が落ちた
  • 以前より疲れやすい
  • 走りたがらなくなった
  • 安静時にも呼吸が速い
  • 咳が増えた
  • 突然倒れる
  • 音への反応が弱い
  • 暗い場所でぶつかる
  • 体重や筋肉が減った

特に運動能力の高かった犬が走らなくなると、「もう年だから」と考えがちです。

しかし、心臓病、関節の痛み、貧血などによって運動を避けている可能性もあります。

散歩中に突然倒れて数秒~短時間で元に戻った場合も、失神の可能性があります。

一度だけでも心臓や不整脈などを確認するため受診してください。

・犬が突然倒れる・失神する原因とは?すぐ戻る時も注意したい病気と緊急受診の目安

健康で歩けるシニア犬では、年齢だけを理由に散歩を完全にやめる必要はありません。

全力疾走の回数は減らしても、ゆっくり歩く、においを嗅ぐ、短い遊びをするなど、その犬に合った活動を続けます。

16. ウィペットが向いている人

ウィペットは、次のような人と相性を作りやすい犬種です。

  • 優しく穏やかな犬と暮らしたい人
  • 毎日の散歩を続けられる人
  • 安全に走れる場所を用意できる人
  • 屋外でノーリードにしない人
  • 追跡本能を理解できる人
  • ハーネス・首輪の安全管理を徹底できる人
  • 短毛犬を希望している人
  • 冬の寒さ対策ができる人
  • 犬と一緒にゆっくり室内で過ごす時間も楽しめる人

ウィペットは「毎日激しい運動を何時間も続ける犬」ではなく、活動と休息の切り替えが得意な犬種です。

外では気持ちよく体を動かし、家では家族のそばで静かに休む生活を作れる家庭には非常に魅力的でしょう。

短毛でトリミングの負担も少ないため、長毛犬のお手入れが難しい人にも候補になります。

一方、散歩中に自由にリードを外したい人や、猫・小動物を追う可能性を全く受け入れられない人には向きにくい場合があります。

また、冬の寒い屋外で長時間飼育するような生活にも向いていません。

17. ウィペットのよくある質問

Q. ウィペットは初心者でも飼いやすいですか?

特徴を理解できれば初心者にも候補になります。穏やかで室内では静かな犬が多い一方、屋外での追跡本能と非常に速い走力があるため、リード管理と脱走防止を徹底する必要があります。

Q. ウィペットは何kgくらいになりますか?

約11~18kg程度がひとつの目安です。JKCの体高は牡47~51cm、牝44~47cmです。犬種標準では体重の指定はないため、骨格や筋肉量に合わせて適正体重を判断します。

Q. ウィペットの寿命はどのくらいですか?

12~15年程度がひとつの目安です。実際の寿命は遺伝的な体質、病気、生活環境、体重管理などによって異なります。

Q. 毎日たくさん走らせる必要がありますか?

毎日の散歩は必要ですが、一日中走らせ続ける必要はありません。安全に囲われた場所で短時間走る機会と、散歩やにおい嗅ぎ、遊びを組み合わせるとよいでしょう。

Q. ウィペットはドッグランでノーリードにして大丈夫ですか?

完全に囲われ、柵や扉に問題がないドッグランなら運動場所の候補になります。ただし、ほかの犬との相性や小型犬への追跡反応も確認してください。囲われていない公園や河川敷ではノーリードにしないでください。

Q. ウィペットは猫と暮らせますか?

猫と問題なく暮らすウィペットもいますが個体差があります。視覚ハウンドなので動く小動物への追跡本能が強い犬もいます。最初はリードやゲートを利用し、猫が逃げられる場所を確保して慎重に慣らしてください。

Q. ウィペットは寒さに弱いですか?

短毛で体脂肪が少ないため、寒さを苦手とする犬が多いです。震える、体を丸める、外へ出たがらない場合は室温や散歩時間を調整し、必要に応じて犬用ウェアを利用してください。

Q. ウィペットは吠えやすいですか?

一般に室内では比較的静かな犬種です。ただし、遊び、要求、不安、外の刺激などによって吠えることはあります。全く吠えない犬種という意味ではありません。

Q. ウィペットは痩せすぎに見えます

ウィペットはもともと細身で腹部が大きく切れ上がる犬種なので、健康でもほかの犬種より細く見えます。ただし、急に体重が減った、筋肉が落ちた、食欲がない場合は病気を確認する必要があります。

Q. 心雑音があると言われました

ウィペットでは健康な運動犬で機能性の心雑音が聞かれる場合もあり、聴診だけでは病的な雑音との区別が難しいことがあります。必要に応じて獣医循環器専門医による心エコーなどで確認してください。

Q. 呼んでも反応しないことがあります。難聴ですか?

周囲へ集中しているだけの場合もありますが、ウィペットではBAER聴覚検査が繁殖犬に推奨されています。片耳だけの難聴は日常生活では分かりにくいこともあるため、聴力が気になる場合は獣医師へ相談してください。

Q. 吐こうとしているのに何も出ず、お腹が張っています

胃拡張胃捻転(GDV)などの緊急疾患を疑う症状です。ウィペットは深い胸を持つため、吐こうとして吐けない、お腹が急に張る、落ち着かない、ぐったりする場合はすぐに動物病院へ連絡してください。

Q. 子犬を迎える時に確認したい健康検査は?

現在のナショナルブリードクラブでは、心臓検査、眼科専門医による評価、BAER聴覚検査が主要な推奨項目です。検査済みという言葉だけでなく、親犬の実際の検査結果を確認しましょう。

Q. ウィペットで特に注意したい健康問題は?

心臓の異常、先天性難聴、眼疾患について繁殖時の健康評価が重視されています。また、深い胸を持つため胃拡張胃捻転の症状、短く薄い被毛による皮膚の外傷にも注意しましょう。ミオスタチン欠損症など犬種でDNA検査を利用できる遺伝的変異もありますが、すべてのウィペットに起こるわけではありません。

まとめ|ウィペットは家では穏やか、外では俊足の視覚ハウンド

ウィペットは、細く優美な体と優れた走力を持つイギリス原産の視覚ハウンドです。

JKCでは、かつて「臭跡或いは視覚による狩猟のために用いられていた犬種」とされています。

外見から常に走り回っている犬を想像する人もいますが、家庭内では穏やかに休む犬が多いこともウィペットの魅力です。

十分に散歩や運動をした後は、暖かいベッドやソファで家族のそばにいることを好む犬もいます。

一方、視覚ハウンドとしての追跡本能は忘れてはいけません。

遠くを走る猫、鳥、小動物、自転車などへ突然反応し、人が追いつけない速度で走り出す可能性があります。

囲われていない場所ではノーリードにせず、首輪やハーネスが抜けないか定期的に確認してください。

運動は毎日の散歩を基本にし、安全に囲われた場所で走れる機会を取り入れます。

速く走る犬だからと、毎日長時間全力疾走させる必要はありません。

運動、におい嗅ぎ、短いトレーニング、十分な休息を組み合わせることが大切です。

短い被毛はお手入れしやすい一方、寒さと皮膚の外傷へ注意します。

冬は犬の様子に合わせて室温や防寒を調整し、激しく走った後には脚や体へ切り傷がないか確認しましょう。

健康面では、繁殖犬に心臓、眼科、BAER聴覚検査が推奨されています。

ウィペットでは健康な運動犬でも心雑音が聞こえることがあるため、心雑音だけで病気の有無を決めつけず、必要に応じて心エコーなどで評価します。

聴覚については片耳だけの難聴が日常生活では分かりにくい場合があり、BAER検査によって客観的に確認できます。

眼科についても、DNA検査だけでは確認できない異常があるため、実際の目を診てもらうことが重要です。

また、深い胸を持つ犬なので、吐こうとして吐けない、お腹が急に張る、ぐったりするといった胃拡張胃捻転の危険サインも覚えておきましょう。

子犬を迎える場合は、犬種名や見た目だけでなく、親犬の心臓・目・聴覚の健康検査を確認してください。

ウィペットは、俊足のアスリートとしての能力と、家庭で人に寄り添って静かに暮らす穏やかさを併せ持った魅力的な中型犬です。十分な運動、安全なリード管理、追跡本能への理解、冬の防寒、そして心臓・目・聴覚を中心とした健康管理まで行うことが、ウィペットと長く快適に暮らすための大切なポイントです。


【最新版】私がおすすめする犬用品10選

👉実際に私が使用して、おすすめする10選はこちらから