犬がシャンプーを嫌がるのはなぜ?お風呂に慣らす7段階と暴れる・逃げる時の対処法

シャンプーの準備を始めると逃げる。

浴室へ連れていこうとすると、体をよじって抵抗する。

シャワーを出した瞬間に暴れたり、飼い主の手を噛もうとしたりする。

愛犬を清潔にしたいのに、毎回このような状態になると、飼い主さんも困ってしまいますよね。

しかし、犬がシャンプーを嫌がるのは、わがままやしつけ不足だけが原因ではありません。

浴室の床が滑る、シャワーの音が怖い、濡れる感覚が苦手、顔に水がかかったことがある、過去に強く押さえられたなど、犬によって嫌がる理由は異なります。

大切なのは、嫌がる犬を押さえつけて一度に全身を洗うことではありません。

浴室へ近づく、乾いた床へ乗る、水音を聞く、足先を少し濡らすというように、工程を細かく分けて慣らすことが重要です。

なお、これまで平気だった犬が急にシャンプーを嫌がるようになった場合は、皮膚、耳、足腰などに痛みや違和感がある可能性も考えられます。

皮膚の赤みや傷、強いかゆみ、耳のにおい、足腰の痛みなどがある場合は、しつけだけの問題と決めつけず、動物病院へ相談してください。

この記事では、犬がシャンプーを嫌がる理由、浴室や水へ慣らす7段階の練習方法、逃げる・暴れる・うなる・噛む時の対応、年齢別の注意点を解説します。

  1. 犬がシャンプーを嫌がる主な理由
    1. 浴室そのものが怖い
    2. 床が滑って踏ん張れない
    3. シャワーの音や振動が怖い
    4. 全身が濡れる感覚が苦手
    5. 顔や耳に水がかかった経験がある
    6. 強く押さえられたことがある
    7. 皮膚や耳、足腰に痛みがある
  2. まずは「どの段階から嫌がるか」を確認する
  3. シャンプー練習を始める前の準備
    1. 滑り止めマットを敷く
    2. 必要な物を手の届く場所へ準備する
    3. 事前にブラッシングする
    4. 練習する日と全身を洗う日を分ける
  4. 犬をシャンプーに慣らす7段階の練習
    1. ステップ1 浴室の入口でごほうびを与える
    2. ステップ2 乾いた浴室へ自分から入る
    3. ステップ3 離れた場所でシャワー音を聞かせる
    4. ステップ4 濡れた手や布で体へ触れる
    5. ステップ5 足先やお尻から少量のお湯をかける
    6. ステップ6 体の一部分だけを洗う
    7. ステップ7 全身を短時間で洗う
  5. 1回の練習時間と回数の目安
    1. ごほうびは成功した直後に与える
    2. 嫌がる前に終えられたことを成功と考える
  6. シャンプー当日の基本的な流れ
    1. 1 毛玉や皮膚の状態を確認する
    2. 2 滑り止めマットの上へ立たせる
    3. 3 ぬるま湯を体側からかける
    4. 4 犬用シャンプーでやさしく洗う
    5. 5 すすぎ残しがないように流す
    6. 6 タオルで十分に水分を取る
  7. 逃げる・暴れる・うなる・噛む時の対処法
    1. 浴室から逃げる時
    2. 体をよじって暴れる時
    3. うなる時
    4. 噛もうとする時
  8. 犬がシャンプーを嫌がる時にやってはいけないこと
    1. 逃げる犬を追いかけて捕まえる
    2. 強く押さえつけて最後まで洗う
    3. いきなり顔へシャワーをかける
    4. 嫌がったことを大声で叱る
    5. 人間用シャンプーを自己判断で使用する
    6. 赤みや痛みがあるのに何度も洗う
  9. 年齢や経験に合わせた慣らし方
    1. 子犬の場合
    2. 成犬の場合
    3. 保護犬や怖がりな犬の場合
    4. シニア犬の場合
  10. 家族全員で統一したいルール
  11. 自宅で続けず専門家へ相談したいケース
  12. よくある質問
    1. Q. シャンプー中におやつを与えてもよいですか?
    2. Q. 犬が暴れたら途中でやめてもよいですか?
    3. Q. シャワーを使わずに洗ってもよいですか?
    4. Q. 子犬はいつからシャンプーできますか?
    5. Q. トリミングサロンではおとなしいのに家では暴れます
    6. Q. シャンプーはどのくらいの頻度で行いますか?
    7. Q. 水を使わないシャンプーで代用できますか?
  13. まとめ|シャンプー嫌いは浴室へ入る前から少しずつ慣らそう
  14. 【最新版】私がおすすめする犬用品10選

犬がシャンプーを嫌がる主な理由

シャンプー嫌いを改善するには、最初に「何が嫌なのか」を確認する必要があります。

浴室へ入ることが苦手な犬と、シャワーをかけられることが苦手な犬では、必要な練習が違います。

すべてをまとめて「お風呂嫌い」と考えず、犬が反応し始める場面を細かく見てみましょう。

浴室そのものが怖い

シャンプーを経験した犬は、浴室、タオル、シャンプーボトル、飼い主の服装などを見て、これから何が始まるか予測することがあります。

浴室の入口へ近づいただけで逃げる犬は、シャンプーだけでなく、浴室そのものを嫌な場所として覚えている可能性があります。

床が滑って踏ん張れない

浴室の床は、乾いている時よりも濡れた時のほうが滑りやすくなります。

足元が不安定だと、犬は転ばないように力を入れ続けなければなりません。

特に、足腰が弱い犬、関節に不安がある犬、シニア犬では、滑ることへの恐怖が強くなる場合があります。

シャワーの音や振動が怖い

犬は、人よりも音に敏感に反応することがあります。

勢いよく水が出る音、浴室内で反響する音、ホースが動く音などを怖がる犬もいます。

シャワーを出した瞬間に逃げようとする場合は、水に濡れることよりも、最初の大きな音に驚いているのかもしれません。

全身が濡れる感覚が苦手

毛や皮膚が濡れる感覚を不快に感じる犬もいます。

足先に少量のお湯がかかるだけなら平気でも、背中やお腹まで濡れると急に抵抗することがあります。

いきなり全身を濡らさず、犬が受け入れられる範囲から少しずつ進めることが大切です。

顔や耳に水がかかった経験がある

目、鼻、耳の周りは、犬が特に敏感になりやすい場所です。

過去に顔へ突然シャワーをかけられたり、鼻へ水が入ったりした経験があると、シャワーヘッドを見るだけで警戒することがあります。

顔周りを洗う時は、正面から勢いよく水をかけないようにしましょう。

強く押さえられたことがある

逃げようとする犬を強く抱えたり、体を押さえつけて洗ったりすると、シャンプーと恐怖が結びつきやすくなります。

犬は、濡れることよりも「逃げられない状況」を怖がっている場合があります。

練習では、犬が落ち着いていられる時間内に終わらせ、小さな成功を積み重ねましょう。

皮膚や耳、足腰に痛みがある

皮膚炎、傷、湿疹、外耳炎、関節痛などがあると、体に触れられたり、お湯やシャンプー剤が触れたりした時に痛みを感じることがあります。

次のような変化がある場合は、練習を始める前に体調を確認してください。

  • 今までは平気だったのに急に嫌がる
  • 特定の場所を触ると怒る
  • 皮膚が赤い、腫れている
  • 傷、かさぶた、出血がある
  • 強くかゆがっている
  • 毛が部分的に抜けている
  • 耳から強いにおいがする
  • 耳を触ると痛がる
  • 立ち続けるのがつらそう
  • 足を引きずる、ふらつく

皮膚の赤みや部分的な脱毛も見られる場合は、換毛期だけでなく皮膚トラブルが関係していることがあります。
・犬の毛が急に抜ける原因とは?換毛期との違い・病気のサイン・受診目安を解説

まずは「どの段階から嫌がるか」を確認する

シャンプーの工程を細かく分け、犬が最初に反応する場所を探してみましょう。

  • 飼い主がタオルやシャンプーを準備した時
  • 脱衣所へ近づいた時
  • 浴室の入口へ来た時
  • 抱き上げられた時
  • 乾いた浴室へ入った時
  • 滑り止めマットへ乗った時
  • シャワーの音を聞いた時
  • 足先へお湯が触れた時
  • 背中やお腹を濡らした時
  • 顔周りを洗おうとした時
  • シャンプー剤をつけた時
  • すすいでいる時
  • タオルで拭いた時
  • ドライヤーを出した時

たとえば、浴室へ入るまでは平気なのにシャワー音で逃げる犬には、浴室へ入る練習を繰り返すだけでは十分ではありません。

反対に、浴室の入口で動けなくなる犬へ、いきなりシャワー音を聞かせても負担が大きすぎます。

犬が嫌がり始める一つ前の段階へ戻り、落ち着いて成功できる練習から始めましょう。

シャンプー練習を始める前の準備

練習を始める前に、犬が安心して立てる環境と、短時間で終えられる準備を整えます。

滑り止めマットを敷く

浴室の床には、犬が踏ん張れる滑り止めマットを敷きます。

マット自体が動くと犬が驚くため、体重をかけてもずれにくい状態か確認してください。

浴槽の中で洗う場合も、底が滑らないように整えましょう。

必要な物を手の届く場所へ準備する

犬を浴室へ入れてから道具を探すと、犬を待たせる時間が長くなります。

次の物を事前に準備しておきましょう。

  • 犬用シャンプー
  • シャンプーを泡立てる容器
  • 滑り止めマット
  • 吸水性のあるタオル
  • 小さく分けたごほうび
  • 必要に応じて柔らかいスポンジや布

シャンプー剤は、犬用として販売されている製品を使用し、製品に記載された使用方法に従ってください。

皮膚病の治療で薬用シャンプーを使っている場合は、使用量、洗う頻度、皮膚へ触れさせる時間などを自己判断で変えず、獣医師の指示を優先します。

事前にブラッシングする

毛玉やもつれがある状態で濡らすと、毛がさらに絡みやすくなります。

無理のない範囲で、シャンプー前に毛のもつれや汚れを整えておきましょう。

硬く固まった毛玉を強く引っ張ったり、皮膚に近い毛玉へ自宅で無理にハサミを入れたりするのは危険です。

ブラシを見るだけで逃げる犬は、シャンプーとは別にブラッシングへの慣らしが必要です。
・犬がブラッシングを嫌がる時の慣らし方|噛む・逃げる・暴れる時の正しい練習法

練習する日と全身を洗う日を分ける

浴室へ入った日は、必ず全身を洗わなければならないわけではありません。

浴室の入口でごほうびを食べて終わる日や、乾いたマットへ乗るだけの日を作ります。

犬が「浴室へ行くと毎回長時間拘束される」と予測しなくなることが、練習の第一歩です。

犬をシャンプーに慣らす7段階の練習

ここからは、浴室へ近づく段階から全身を洗う段階まで、7つに分けて進めます。

すべての犬が同じ速さで進めるわけではありません。

1日で次の段階へ進もうとせず、犬が落ち着いていられる段階を繰り返してください。

ステップ1 浴室の入口でごほうびを与える

最初は犬を浴室へ入れません。

浴室から少し離れた場所で、犬が落ち着いていられたら褒めて、ごほうびを与えます。

慣れてきたら、犬が自分から浴室の入口へ近づいた時に褒めます。

逃げる犬を追いかけたり、抱き上げて入口まで連れてきたりしないようにしましょう。

犬がごほうびを食べられないほど緊張している場合は、浴室からさらに離れた場所へ戻ります。

ステップ2 乾いた浴室へ自分から入る

シャワーを出さず、床も濡らしていない状態で練習します。

浴室内の滑り止めマットへ前足を乗せられたら、すぐに褒めてごほうびを与えます。

最初から四本の足すべてを乗せる必要はありません。

前足だけ、体の半分だけという小さな成功から始めましょう。

犬が自分から外へ出た時は追いかけず、その日の練習を終えても構いません。

ステップ3 離れた場所でシャワー音を聞かせる

犬へ水をかけず、犬から離れた場所で短時間だけシャワーを出します。

最初は弱い水量にし、犬が音を聞いても落ち着いていられたら褒めます。

耳を後ろへ倒す、体を低くする、出口へ向かうなどの反応が出たら、水を止めて距離を広げてください。

音に慣れる前に犬へ水をかけると、恐怖が強くなることがあります。

ステップ4 濡れた手や布で体へ触れる

犬がシャワー音を受け入れられるようになっても、いきなり全身へ水をかける必要はありません。

ぬるま湯で濡らした手や柔らかい布で、肩や背中へ一度触れます。

落ち着いていられたら、すぐに褒めて練習を終了します。

犬が振り返る、体を避ける、立ち去ろうとする場合は、触る時間や濡らす範囲を減らしましょう。

ステップ5 足先やお尻から少量のお湯をかける

顔から離れた足先やお尻側から、少量のお湯に慣らします。

シャワー音が苦手な犬には、容器やスポンジを使って少しずつお湯をかける方法もあります。

水量は弱くし、犬の反応を見ながら短時間で終えます。

足先を持たれること自体が苦手な犬は、先に足へ触れる練習から始めましょう。

足先へ触れようとすると引っ込める、うなる、噛もうとする犬には、爪切り練習と共通する段階的な慣らしが役立ちます。
・犬が爪切りを嫌がる時の慣らし方|暴れる・噛む・逃げる時の正しい練習法

ステップ6 体の一部分だけを洗う

足先や背中など、犬が比較的受け入れやすい一部分だけを洗います。

犬用シャンプーを製品の説明に従って準備し、強くこすらず、指の腹でやさしく洗います。

洗った部分は、シャンプー成分が残らないように十分すすいでください。

一部分を落ち着いて洗えたら、その日は全身へ進まずに終える方法もあります。

ステップ7 全身を短時間で洗う

これまでの段階を落ち着いて行えるようになったら、全身のシャンプーへ進みます。

全身を洗う時も、犬が苦手な顔周りから始めるのではなく、足、お尻、背中などから進めます。

きれいにしようとして長時間続けるよりも、手順を準備して短時間で終えることを優先しましょう。

犬が強く嫌がり始めた場合は、押さえつけて最後まで続けず、安全な状態で中止してください。

1回の練習時間と回数の目安

最初の練習は、数十秒から2分ほどでも構いません。

浴室の入口へ近づいて、ごほうびを食べて終わるだけでも、犬にとっては一つの練習です。

長時間の練習を週末にまとめて行うよりも、犬が落ち着いている時に短い練習を繰り返すほうが進めやすいことがあります。

  • 最初は数十秒から始める
  • 犬が落ち着いているうちに終了する
  • 毎回次の段階へ進もうとしない
  • 怖がった時は一つ前の段階へ戻る
  • 体調が悪い日は練習しない
  • 飼い主が急いでいる日は無理に行わない

ごほうびは成功した直後に与える

ごほうびは、犬が望ましい行動をした直後に与えます。

浴室へ自分から近づいた、マットへ足を乗せた、シャワー音を聞いても落ち着いていたなど、褒める行動を具体的に決めましょう。

シャンプーがすべて終わるまで待つのではなく、途中の小さな成功ごとに褒めます。

ただし、緊張が強く、むせたり飲み込みにくそうにしたりする犬へ、無理に食べ物を与えないでください。

しつけに使うごほうびは、一度にたくさん与えず、小さく分けて使うことが大切です。
・しつけ用おやつ・レビュー記事

嫌がる前に終えられたことを成功と考える

練習の成功は、必ずしも全身を洗えたことではありません。

犬が強く怖がる前に終了し、次回も同じ場所へ近づける状態を保てたことも大切な成功です。

できなかった部分ではなく、落ち着いてできた部分を基準に次の練習を決めましょう。

シャンプー当日の基本的な流れ

実際に全身を洗う日は、犬を浴室へ入れる前に準備を完了させます。

1 毛玉や皮膚の状態を確認する

ブラッシングをしながら、赤み、傷、湿疹、できもの、脱毛などがないか確認します。

触ると痛がる場所がある場合や、皮膚の状態が悪い場合は、無理に洗わず動物病院へ相談してください。

2 滑り止めマットの上へ立たせる

犬が安定して立てる場所を用意し、足元が滑っていないか確認します。

浴室内で犬を追い詰めたり、強く押さえたりしないようにします。

3 ぬるま湯を体側からかける

お湯の温度を飼い主の手で確認してから、足、お尻、背中など、顔から離れた場所へ少しずつかけます。

シャワーヘッドを犬の体へ近づけると、水が飛び散る音や刺激を抑えやすくなります。

顔へ正面からシャワーを向けるのは避けてください。

4 犬用シャンプーでやさしく洗う

シャンプー剤は製品の説明に従って準備し、必要に応じて事前に泡立てます。

爪を立てて強くこすらず、指の腹を使ってやさしく洗いましょう。

目、鼻、口、耳の中へシャンプー剤が入らないように注意します。

5 すすぎ残しがないように流す

シャンプー剤が皮膚や被毛に残ると、赤みやかゆみなどの皮膚トラブルにつながることがあります。

耳の後ろ、首周り、脇、胸、お腹、内股、足先、しっぽの付け根などは、すすぎ残しがないか確認しましょう。

顔周りを嫌がる場合は、シャワーを直接当てず、ぬるま湯を含ませた柔らかい布やスポンジで慎重に拭く方法もあります。

6 タオルで十分に水分を取る

シャンプー後は、タオルで犬の体を包み、水分を吸い取ります。

毛を強くこすると、皮膚への刺激や毛のもつれにつながるため、押さえるように拭きましょう。

ドライヤーを使う前にできるだけ水分を取ることで、乾かす時間を短くできます。

シャンプーは平気でも、ドライヤーの音や風を怖がる犬は少なくありません。
・犬がドライヤーを嫌がる時の慣らし方

逃げる・暴れる・うなる・噛む時の対処法

シャンプー中の行動には、それぞれ理由があります。

行動だけを止めようとせず、犬が何に反応したのかを確認しましょう。

浴室から逃げる時

犬が浴室から逃げる場合は、追いかけて捕まえないようにします。

追いかけられることまで嫌な経験になると、浴室へ近づく前から逃げるようになる可能性があります。

浴室へ入る練習ではなく、入口から離れた場所で落ち着く段階まで戻りましょう。

体をよじって暴れる時

まず水を止め、安全に犬を支えます。

床が滑っていないか、お湯が熱すぎないか、水量が強すぎないか、敏感な場所へ触れていないかを確認してください。

その日は一部分だけで終える、ぬるま湯で流すだけにするなど、工程を減らすことも検討します。

うなる時

うなりは、犬が不安や痛みを伝えている可能性があるサインです。

大声で叱って、うなる行動だけを抑え込もうとしないでください。

その場では手を止め、どの場所へ触れた時、どの作業をした時にうなったか記録します。

毎回同じ場所でうなる場合は、痛みがないか動物病院で確認してもらいましょう。

噛もうとする時

噛もうとする犬を、飼い主さん一人で無理に洗い続けるのは危険です。

犬も飼い主さんもケガをする可能性があるため、その日は中止してください。

急に噛むようになった場合は、皮膚、耳、首、背中、足腰などに痛みがないか、動物病院へ相談します。

痛みが見つからず、恐怖反応が強い場合は、犬の扱いに慣れたトリマーや、行動に詳しいドッグトレーナーへ相談しましょう。

犬がシャンプーを嫌がる時にやってはいけないこと

一度のシャンプーを終わらせることを優先すると、次回からさらに強く嫌がる可能性があります。

逃げる犬を追いかけて捕まえる

追いかけて捕まえると、浴室だけでなく、飼い主が近づくことや抱っこされることまで警戒する場合があります。

犬が逃げた時は、その日の練習内容が難しすぎなかったか見直しましょう。

強く押さえつけて最後まで洗う

強く押さえつけると、犬の恐怖や抵抗が大きくなることがあります。

足元が滑る場所で犬が暴れると、転倒や関節の負担にもつながります。

いきなり顔へシャワーをかける

目、鼻、耳の周りへ突然水がかかると、犬が強く驚くことがあります。

体側から少しずつ濡らし、顔周りは最後に慎重に洗いましょう。

嫌がったことを大声で叱る

怖がっている犬を叱っても、浴室や水に対する不安は解消されません。

うなりや逃げる行動だけを止めるのではなく、犬が落ち着ける難易度まで戻る必要があります。

人間用シャンプーを自己判断で使用する

犬と人では皮膚の性質が異なります。

基本的には犬用として作られた製品を使い、皮膚が敏感な犬や治療中の犬では獣医師へ相談してください。

赤みや痛みがあるのに何度も洗う

皮膚が赤い、傷がある、強くかゆがる場合に、汚れが原因だと決めつけて何度も洗うのは避けてください。

シャンプー剤や洗う頻度が合っていない可能性もあるため、動物病院で原因を確認しましょう。

年齢や経験に合わせた慣らし方

子犬の場合

子犬では、最初から全身をきれいに洗うことよりも、浴室、水音、足が濡れる感覚を怖いものにしないことが大切です。

乾いた浴室へ入ってごほうびを食べる、濡れた手で背中へ触れるなど、短い経験から始めます。

迎え入れた直後、体調が安定していない時、ワクチン接種の前後などは、シャンプーの時期を動物病院へ確認すると安心です。

成犬の場合

成犬でも、浴室の入口から練習をやり直して構いません。

過去に嫌な経験がある犬では、慣れるまでに時間がかかることがあります。

年齢だけで「もう慣れない」と決めつけず、犬が受け入れられる範囲で小さな成功を積み重ねましょう。

保護犬や怖がりな犬の場合

過去の経験が分からない犬は、抱き上げられること、狭い場所へ入ること、体へ触れられること自体を怖がる場合があります。

飼い主の都合で練習を急がず、犬が自分から近づける距離を守りましょう。

強くうなる、噛もうとする、パニックになる場合は、家庭だけで無理に進めず専門家へ相談してください。

シニア犬の場合

シニア犬では、関節痛、筋力低下、視力や聴力の変化によって、以前よりシャンプーを嫌がることがあります。

滑り止めを使い、立ち続ける時間を短くし、体が冷えないように注意します。

これまで問題なく洗えていた犬が急に怒るようになった場合は、年齢のせいだけにせず、痛みや体調不良を確認してもらいましょう。

家族全員で統一したいルール

家族によって対応が違うと、犬が何をすればよいのか分かりにくくなります。

  • 逃げる犬を追いかけない
  • 無理に浴室へ連れていかない
  • 同じ合図で練習を始める
  • できた直後に褒める
  • 犬が落ち着いているうちに終了する
  • その日にできた段階を家族で共有する
  • 一人だけが急に全身シャンプーへ進めない
  • 皮膚や体調の変化を記録する

「今日は浴室の入口まで」「今日は足先を濡らすところまで」というように、練習内容を共有すると進み具合が分かりやすくなります。

自宅で続けず専門家へ相談したいケース

次のような場合は、家庭だけで練習を続けず、動物病院や専門家へ相談してください。

  • 今まで平気だったのに急に嫌がる
  • 触ると痛がる場所がある
  • 皮膚に赤み、傷、湿疹、出血がある
  • 強いかゆみや脱毛がある
  • 耳を触ると怒る
  • 耳から強いにおいがする
  • 立っているのがつらそう
  • 足を引きずる、ふらつく
  • 強くうなる、噛みつこうとする
  • パニックになり呼びかけへ反応しにくくなる
  • 薬用シャンプーを指示されているが家庭で実施できない
  • 飼い主が安全に洗えない

皮膚、耳、足腰の痛みが疑われる場合は、最初に動物病院へ相談します。

体調に問題がなく、浴室や水への恐怖が強い場合は、犬の行動に詳しいドッグトレーナーへ相談する方法があります。

自宅では暴れるものの、トリミングサロンでは落ち着いている犬の場合は、トリマーへ苦手な工程や扱い方を確認すると、家庭での練習に役立つことがあります。

よくある質問

Q. シャンプー中におやつを与えてもよいですか?

犬が落ち着いて食べられる状態であれば、浴室や水へ慣らす練習にごほうびを使えます。

浴室へ近づいた時、マットへ乗った時、水へ触れても落ち着いていた時など、成功した直後に少量を与えましょう。

強く興奮している、むせている、飲み込みにくそうな場合は、無理に与えないでください。

Q. 犬が暴れたら途中でやめてもよいですか?

犬や飼い主さんがケガをする可能性がある場合は、安全を優先して中止してください。

次回は、暴れ始めた工程より一つ前の段階から練習します。

皮膚病の治療で薬用シャンプーが必要な場合は、途中で中止したことを獣医師へ伝え、実施方法を相談しましょう。

Q. シャワーを使わずに洗ってもよいですか?

シャワー音を強く怖がる犬では、容器、スポンジ、柔らかい布などを使って少量のお湯から慣らす方法があります。

ただし、シャンプー剤を使った場合は、皮膚や被毛へ残らないよう十分にすすぐ必要があります。

Q. 子犬はいつからシャンプーできますか?

シャンプーを始める時期は、月齢だけで一律に決められません。

子犬の健康状態、ワクチン接種の進み方、迎え入れてからの日数、汚れの程度などによって判断が変わります。

初めて洗う前に、かかりつけの動物病院へ確認すると安心です。

Q. トリミングサロンではおとなしいのに家では暴れます

場所、床の滑りにくさ、犬の支え方、作業の順番、飼い主との関係などが影響している可能性があります。

サロンでおとなしくできるからといって、家庭でも力で押さえればできるとは限りません。

担当トリマーへ、犬が苦手な工程や、落ち着きやすい洗い方を聞いてみましょう。

Q. シャンプーはどのくらいの頻度で行いますか?

適切な頻度は、犬種、被毛、皮膚の状態、生活環境、季節、治療の有無によって異なります。

汚れやにおいが気になるからといって、短期間に何度も洗うと、皮膚への負担になる場合があります。

皮膚が敏感な犬、皮膚病の治療中の犬、薬用シャンプーを使っている犬は、獣医師が指定した頻度を守ってください。

Q. 水を使わないシャンプーで代用できますか?

体調、汚れの程度、製品の用途によっては、部分洗いや犬用の清拭製品が選択肢になることがあります。

ただし、皮膚病の治療や強い汚れがある場合に、すべて代用できるとは限りません。

皮膚トラブルがある犬や、薬用シャンプーを指示されている犬は、使用前に獣医師へ相談してください。

まとめ|シャンプー嫌いは浴室へ入る前から少しずつ慣らそう

犬がシャンプーを嫌がる理由は、浴室への恐怖、床の滑り、シャワー音、濡れる感覚、過去の経験など、犬によって異なります。

最初から全身を洗おうとせず、次のように段階を分けて練習しましょう。

  • 浴室の入口へ近づく
  • 乾いた浴室へ入る
  • シャワー音を聞く
  • 濡れた手や布で触れる
  • 足先へ少量のお湯をかける
  • 体の一部分だけを洗う
  • 全身を短時間で洗う

犬が嫌がる前に終えること、落ち着いてできた直後に褒めること、難しい時は一つ前の段階へ戻ることが大切です。

逃げる、暴れる、うなる、噛む犬を押さえつけて続けると、シャンプーへの恐怖が強くなることがあります。

また、今まで平気だった犬が急に嫌がる場合は、皮膚、耳、足腰などに痛みがないか確認が必要です。

自宅で安全に洗えない時は無理をせず、動物病院、トリマー、ドッグトレーナーへ相談しましょう。

基本動作や日常のお手入れなど、ほかの練習方法も確認できます。
・犬のしつけ記事一


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