
これまで静かだった愛犬が、突然吠えるようになった。
何もない壁や部屋の隅へ向かって吠えている。
夜中に目を覚まし、落ち着かず何度も吠え続ける。
このような変化があると、「何か見えているの?」「病気や認知症では?」と心配になりますよね。
犬は、音、人、ほかの動物、においなどへ反応し、警戒や興奮を伝えるために吠えることがあります。
飼い主には何もないように見えても、人には聞こえにくい物音や、外を通る動物の気配に反応している場合があります。
一方で、今まで吠えなかった犬が急に吠え始めた場合は、環境や気持ちの変化だけでなく、痛みや体調不良が関係している可能性があります。
首や背中、関節、口、耳、お腹などに痛みがある犬は、触られた時や立ち上がる時に突然鳴くことがあります。
シニア犬では、視力や聴力の低下による不安、昼夜逆転、認知機能の低下などによって、夜鳴きや目的の分からない吠えが増える場合があります。
また、意識がぼんやりする、同じ場所を回る、顔や足が繰り返し動くといった症状がある場合は、神経の異常にも注意が必要です。
吠えたことを強く叱ったり、口を押さえたりせず、いつ、どこで、何に向かって吠えているかを確認してください。
この記事では、犬が急に吠える主な原因、何もない場所や夜中に吠える理由、危険な症状、自宅での確認方法と受診目安を解説します。
- ■■ この記事でわかること
- ■■ 犬が吠えるのは異常?
- ■■ まず確認したい緊急サイン
- ■■ 犬が急に吠える主な原因
- ■■ 何もない場所へ吠える時に考えられること
- ■■ 夜中に突然吠える場合に確認したいこと
- ■■ 短時間様子を見られる可能性があるケース
- ■■ 早めに動物病院を受診したいケース
- ■■ 子犬・成犬・シニア犬で注意点は違う?
- ■■ 自宅で確認したいこと
- ■■ 犬が急に吠える時にやってはいけないこと
- ■■ 動物病院で行われる検査と治療
- ■■ 体調に問題がない場合の対応
- ■■ 受診時に伝えるとよいこと
- ■■ よくある質問
- ■■ まとめ|突然の吠えはしつけの前に原因を確認する
- ■■ 関連リンク(重要)
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■■ この記事でわかること
- 犬が急に吠える主な原因
- 警戒吠えと体調不良による吠えの違い
- 何もない場所へ吠える理由
- 夜中に急に吠える場合の注意点
- 痛みがある犬に見られる変化
- シニア犬と認知機能低下の関係
- すぐ動物病院へ行くべき危険サイン
- 自宅でできる確認と記録
- 急に吠える犬へやってはいけない対応
■■ 犬が吠えるのは異常?

吠えること自体は、犬にとって自然なコミュニケーション手段です。
警戒、不安、興奮、要求、痛みなど、さまざまな状態を鳴き声や姿勢によって伝えています。
重要なのは、「吠えたかどうか」だけでなく、以前との違いを見ることです。
■ 一時的な警戒吠えの可能性がある状態
- インターホンや足音に反応した
- 窓の外を人や犬が通った
- 家の外で工事や物音がした
- 原因となる刺激がなくなると止まる
- 飼い主の呼びかけに反応できる
- 吠えた後は普段通り過ごしている
- 元気、食欲、歩き方に変化がない
原因が明確で、刺激から離れると短時間で落ち着く場合は、警戒や興奮による可能性があります。
■ 体調不良を疑いたい吠え方
- 今まで吠えなかった場面で突然吠え始めた
- 触れたり抱き上げたりすると鳴く
- 動こうとした瞬間にキャンと鳴く
- 何もない場所へ長時間吠える
- 呼びかけても反応が弱い
- 吠えながら震える、ハァハァする
- 落ち着かず何度も姿勢を変える
- 夜中に毎日吠えるようになった
- 元気や食欲が低下している
- 歩き方や意識にも変化がある
このような場合は、しつけの問題と決めつけず、痛みや病気がないかを確認する必要があります。
■■ まず確認したい緊急サイン
犬が急に吠える状態に、次の症状が一つでも重なる場合は、夜間や休日でも動物病院へ連絡してください。
- 突然激しく鳴き、立てなくなった
- 何度もキャンと鳴き続けている
- 首や背中を動かせない
- 足を引きずる、両後ろ足に力が入らない
- 呼吸が速い、苦しそう
- 胸やお腹を大きく動かしている
- 舌や歯ぐきが青紫色になっている
- 歯ぐきが白い
- お腹が急に膨れてきた
- 吐こうとしているのに何も出ない
- 排尿姿勢を取るのに尿が出ない
- 嘔吐や下痢を繰り返している
- 大量のよだれが出ている
- 意識がぼんやりしている
- 呼びかけに反応しない
- 突然倒れた、けいれんした
- 同じ場所をぐるぐる回っている
- 首が傾き、目が揺れている
- 壁へ頭を押しつけている
- 事故や転落の後から鳴き続けている
- 薬や有害な物を口にした可能性がある
吠えていること自体よりも、呼吸、意識、姿勢、歩き方、歯ぐきの色に異常があるかが重要です。
強い痛みや混乱がある犬は、普段おとなしくても噛むことがあります。
無理に抱き上げたり口を押さえたりせず、動物病院へ安全な移動方法を確認してください。
■ 呼吸が苦しい犬に口輪を付けない
口を開けて呼吸している犬へ口輪を付けると、パンティングや呼吸を妨げる危険があります。
呼吸が荒い、舌の色が悪い、横になれない場合は、犬が呼吸しやすい姿勢のまま緊急受診してください。
■■ 犬が急に吠える主な原因

■ ① 人・犬・物音への警戒
犬は、自宅や家族を守ろうとして、見慣れない人、ほかの犬、車、足音などへ吠えることがあります。
窓の外、玄関、壁の向こうなどを見ながら吠える場合は、飼い主には気づきにくい刺激へ反応している可能性があります。
- 耳を前へ向けている
- 窓や玄関を注視している
- 体を前へ乗り出している
- 低い声で唸ることがある
- 刺激が離れると吠え止む
急に吠える回数が増えた場合は、近隣の工事、新しい住人、野生動物など、環境の変化がなかったか確認しましょう。
■ ② 恐怖・不安・ストレス
雷、花火、工事音、来客、引っ越し、家族構成の変化などによって不安が強くなると、犬が急に吠えることがあります。
不安が関係している場合は、次のような行動が重なることがあります。
- しっぽを下げる
- 耳を後ろへ倒す
- 震える
- 飼い主から離れない
- 隠れようとする
- ハァハァする
- あくびや口元をなめる行動が増える
- 落ち着かず歩き回る
叱って静かにさせても、不安の原因が解消されるわけではありません。
刺激から距離を取り、安心できる場所へ移動させてください。
■ ③ 要求が通った経験による吠え
ごはん、散歩、遊び、抱っこなどを求めて吠えることがあります。
吠えるたびに要求がかなうと、「吠えると望みが通る」と学習し、回数が増える場合があります。
- 飼い主を見ながら吠える
- 食器やリードの前で吠える
- 要求が通るとすぐ止まる
- 決まった時間や場面で起こる
- 静かに待つことが難しくなった
ただし、トイレへ行きたい、痛くて姿勢を変えてほしいなど、本当に助けを求めている可能性もあります。
突然始まった吠えを、すぐに要求吠えと決めつけないでください。
■ ④ 運動不足・退屈・刺激不足
運動や遊び、においを嗅ぐ機会が不足すると、余ったエネルギーや退屈から吠えることがあります。
若く活動的な犬では、外を通る人や犬など、わずかな刺激へ反応しやすくなる場合があります。
ただし、急に吠えるようになった犬へ、原因を確認せず運動量を大幅に増やすのは避けてください。
関節や心臓、呼吸器に異常がある場合は、長い散歩によって症状が悪化する可能性があります。
■ ⑤ 首・背中・足腰の痛み
椎間板ヘルニア、関節炎、骨折、捻挫などによる痛みで、犬が突然鳴くことがあります。
- 立ち上がる時に鳴く
- 抱き上げるとキャンと鳴く
- 首や背中を触られるのを嫌がる
- 片足を浮かせている
- 歩き方がぎこちない
- 階段やジャンプを避ける
- 背中を丸めている
- 震えて動こうとしない
痛い場所を探すために、首、背中、関節を強く押したり曲げたりしないでください。
急に歩けなくなった、両後ろ足に力が入らない場合は緊急です。
■ ⑥ お腹や内臓の痛み
胃腸、膵臓、尿路などの異常でお腹が痛い場合も、落ち着かず鳴いたり、飼い主へ助けを求めたりすることがあります。
- お腹を触ると嫌がる
- 背中を丸めている
- 前足を伸ばしてお尻を上げる
- 何度も寝る場所を変える
- 嘔吐や下痢がある
- 食欲がない
- 排尿姿勢を取るのに尿が出ない
吐こうとしても何も出ず、お腹が膨れている場合や、尿が出ない場合は緊急受診してください。
■ ⑦ 口・歯・耳の痛み
歯周病、歯の破折、口内炎、外耳炎、中耳炎などの痛みによって、触れた時や食べる時に鳴く場合があります。
- 口臭が強い
- よだれが増えた
- 食べ物を口から落とす
- 硬い物を食べたがらない
- 顔や口を触られるのを嫌がる
- 耳を何度もかく
- 頭を激しく振る
- 耳からにおいがする
痛がる犬の口や耳を無理に確認すると、噛まれる危険があります。
見える範囲の観察にとどめ、動物病院で確認してもらいましょう。
■ ⑧ 視力の低下
視力が低下すると、人や物の形を正しく把握できず、影や動く物へ警戒して吠えることがあります。
- 暗い場所で吠える
- 家具や壁へぶつかる
- 段差で立ち止まる
- 突然近づくと驚く
- 飼い主を見つけにくそうにする
- 目が白い、赤い、痛そう
急に見えにくくなったような場合や、目を痛がる場合は、早めに受診してください。
■ ⑨ 聴力の低下
聴力が低下すると、音の方向が分からず不安になったり、突然触れられて驚いて吠えたりすることがあります。
- 名前を呼んでも反応しにくい
- 眠っている時に近づくと驚く
- 音の方向と違う場所を見る
- 以前より大きな声で吠える
- 夜間に不安そうに鳴く
眠っている犬へ急に触れず、床を軽く踏んで振動を伝えるなど、驚かせない接し方を心がけてください。
■ ⑩ 認知機能の低下
シニア犬では、脳の認知機能が低下し、夜中に吠える、目的なく歩き回るなどの変化が現れることがあります。
- 昼間に寝て夜に起きている
- 夜鳴きが増えた
- 部屋の隅で動けなくなる
- 同じ場所を歩き続ける
- 家族への反応が鈍くなった
- トイレの失敗が増えた
- 以前できたことができなくなった
- 食事をしたことを忘れたように要求する
認知機能の低下に見えても、痛み、視力・聴力の低下、脳の病気、内臓疾患などで似た変化が起こります。
年齢だけで判断せず、身体的な病気を除外してから評価することが大切です。
■ ⑪ 神経や脳の異常
脳炎、脳腫瘍、脳血管の異常、発作などによって、突然行動や反応が変わることがあります。
何もない場所へ吠えるだけでは神経の病気とは判断できませんが、次の症状が重なる場合は注意が必要です。
- 呼びかけへの反応が弱い
- 同じ場所をぐるぐる回る
- 壁へ頭を押しつける
- 首が傾いている
- 目が小刻みに揺れている
- 顔や足の一部が繰り返し動く
- 口をくちゃくちゃ動かす
- 大量のよだれが出る
- 突然倒れる、体が硬直する
- 発作後にぼんやりしている
同じ行動を繰り返し、自分では止められないように見える場合は、動画を撮って早めに受診してください。
■ ⑫ 分離不安や留守番への不安
飼い主が外出した直後から長時間吠える場合は、留守番への不安が関係していることがあります。
- 飼い主の外出準備で落ち着かなくなる
- 留守番中に吠え続ける
- ドアや窓を引っかく
- よだれやパンティングが増える
- 物を壊す
- 留守番中だけ排泄を失敗する
- 帰宅すると激しく興奮する
見守りカメラを使い、外出後の何分後から吠えるか、どのくらい続くかを記録すると原因を整理しやすくなります。
以前は留守番できていた犬が急に吠えるようになった場合は、痛みや感覚機能の低下も確認してください。
■■ 何もない場所へ吠える時に考えられること

■ 人には分かりにくい音やにおい
壁の中の配管音、家電の作動音、外を歩く動物など、人には気づきにくい刺激へ反応している場合があります。
毎回同じ時間、同じ場所で吠える場合は、その時間帯に周囲で何が起きているかを確認しましょう。
■ 影や反射への反応
カーテン、鏡、テレビ、車のライトなどで動く影ができると、犬が警戒して吠えることがあります。
夕方や夜だけ起こる場合は、窓や照明の反射も確認してください。
■ 視力・聴力の変化による混乱
感覚機能が低下すると、見えた物や聞こえた音を正しく把握できず、不安から吠えることがあります。
家具へぶつかる、名前への反応が低下した、眠っている時に驚きやすい場合は受診しましょう。
■ 認知機能や神経の異常
同じ場所へ長時間吠え続け、呼びかけへの反応も弱い場合は、認知機能や神経の状態を確認する必要があります。
旋回、顔の引きつり、よだれ、意識の変化がある場合は、長く様子を見ないでください。
■■ 夜中に突然吠える場合に確認したいこと
■ 外の音や人の気配
夜間は周囲が静かになるため、小さな足音、車、猫などの気配へ反応しやすくなります。
カーテンを閉める、寝床を窓や玄関から離すことで落ち着くか確認しましょう。
■ 排泄・空腹・室温
排泄したい、水が飲みたい、暑い、寒いなどの理由で飼い主を呼んでいることがあります。
特にシニア犬は、足腰が弱くなり、自力でトイレや水飲み場まで移動できない場合があります。
■ 痛みや呼吸の苦しさ
夜間に横になると痛みが気になったり、呼吸しにくくなったりして、眠れず鳴くことがあります。
- 寝たり起きたりを繰り返す
- ハァハァしている
- 横になれない
- 背中を丸めている
- 咳をしている
- 体を触ると嫌がる
呼吸が荒い、舌の色が悪い、痛みで鳴き続ける場合は緊急受診してください。
■ 昼夜逆転・認知機能の低下
昼間に長く眠り、夜になると起きて吠える場合は、睡眠と覚醒のリズムが変化している可能性があります。
夜鳴きに徘徊、トイレの失敗、家族への反応低下が重なる場合は、認知機能について相談しましょう。
■■ 短時間様子を見られる可能性があるケース
次の条件がすべて当てはまる場合は、刺激を減らしながら短時間様子を見られる可能性があります。
- インターホンや外の足音など原因が明確
- 原因となる刺激がなくなると止まる
- 呼びかけに普段通り反応する
- 自分で落ち着ける
- 元気と食欲が普段通り
- 歩き方に異常がない
- 震えや痛がる様子がない
- 呼吸が普段通り
- 嘔吐や下痢がない
- 意識や目の動きに変化がない
吠えた時間、場所、対象を記録し、同じ状態が繰り返されないか確認してください。
明確な原因がない、毎日続く、時間が長くなる場合は、元気があっても動物病院へ相談しましょう。
シニア犬で突然吠え方が変わった場合は、長く様子を見ない方が安心です。
■■ 早めに動物病院を受診したいケース

- 今まで静かだった犬が急に吠え始めた
- 数日以上続いている
- 日に日に吠える回数が増えている
- 夜中に毎日吠える
- 何もない場所へ長時間吠える
- 呼びかけても止まりにくい
- 抱っこや立ち上がりで鳴く
- 体を触ると嫌がる
- 足を引きずる、歩き方がおかしい
- 食べにくそうにする
- 耳をかく、頭を振る
- 家具や壁へぶつかる
- 名前への反応が低下した
- 夜間に歩き回る
- トイレの失敗が増えた
- 性格や家族への反応が変わった
- 元気や食欲が低下している
- シニア犬で突然始まった
意識障害、けいれん、呼吸困難、立てない、急な腹部膨満がある場合は、早めではなく緊急受診が必要です。
■■ 子犬・成犬・シニア犬で注意点は違う?
■ 子犬の場合
子犬では、警戒、恐怖、要求、社会化不足などによって吠えることがあります。
一方で、低血糖、誤食、感染症、外傷などで落ち着かず鳴く場合もあります。
震え、ふらつき、ぐったり、嘔吐、下痢、食欲低下がある場合は、しつけより受診を優先してください。
■ 成犬の場合
成犬では、警戒、不安、要求行動のほか、足腰、口、耳、内臓の痛みなどが考えられます。
環境が変わっていないのに突然吠え方が変わった場合は、体調の確認が必要です。
■ シニア犬の場合
シニア犬では、関節などの慢性痛、視力・聴力の低下、認知機能の低下、脳の病気に注意します。
夜鳴きや徘徊を「年齢のせい」と決めつけると、治療できる痛みや病気を見逃す可能性があります。
突然始まった場合や、昼夜逆転、旋回、意識の変化がある場合は早めに受診してください。
■■ 自宅で確認したいこと

■ 吠える時間・場所・対象を記録する
- 何時ごろ吠えるか
- どの部屋や場所で吠えるか
- 窓、玄関、壁、人など何に向かっているか
- 何秒または何分続くか
- 一日に何回起こるか
- 直前に音、来客、食事などがあったか
- 飼い主が近くにいる時か、留守番中か
曜日や時間が決まっている場合は、近隣の生活音や配送、工事などが関係していることもあります。
■ 鳴き声の種類を確認する
短く連続する警戒吠えなのか、遠吠えのような声なのか、キャンという痛みを疑う声なのかを記録します。
診察では実際の声を説明しにくいため、可能であれば音声付きの動画を残しましょう。
■ 体の姿勢と表情を確認する
- 耳としっぽの位置
- 震えやパンティング
- 背中を丸めていないか
- 足を浮かせていないか
- 落ち着かず姿勢を変えていないか
- 呼びかけに反応するか
- 目線が合うか
痛みが疑われても、体を強く触って場所を探さないでください。
■ 呼吸と歯ぐきの色を確認する
吠えながらハァハァしている場合は、興奮だけでなく痛みや呼吸困難の可能性があります。
- 安静にしても呼吸が戻らない
- 胸やお腹を大きく動かす
- 横になれない
- 舌や歯ぐきが青紫色
- 歯ぐきが白い
これらの変化がある場合は、動画撮影やほかの確認を続けず、受診を優先してください。
■ 食事・排泄・歩き方を確認する
- 食欲が普段通りか
- 水を飲めているか
- 尿や便が出ているか
- 嘔吐や下痢がないか
- 自力で立てるか
- 足を引きずっていないか
- 階段やジャンプを嫌がらないか
吠え以外の変化を一緒に記録すると、原因を判断しやすくなります。
■ 留守番中はカメラで確認する
留守番中だけ吠える場合は、見守りカメラで外出直後からの様子を記録します。
吠え始めるまでの時間、よだれ、破壊行動、排泄、落ち着ける時間があるかを確認してください。
■■ 犬が急に吠える時にやってはいけないこと

■ 大声で叱る・たたく
恐怖や不安で吠えている犬を強く叱ると、さらに不安が増し、吠えや攻撃行動が悪化する可能性があります。
痛みや混乱による吠えであれば、叱っても原因は解決しません。
■ 罰を与える道具で止める
大きな音、強い刺激、痛みなどで吠えを止めようとすると、原因となる刺激への恐怖が強くなることがあります。
突然始まった吠えでは、先に体調と環境を確認してください。
■ 口を手で押さえる・呼吸を妨げる
口を強く押さえると、犬がパニックになったり、飼い主が噛まれたりする危険があります。
ハァハァしている犬や呼吸が苦しい犬へ口輪を付けるのも避けてください。
■ 吠えるたびに食べ物を与える
要求吠えの場合、吠えるたびに食べ物や遊びを与えると、行動が強化されることがあります。
ただし、痛み、恐怖、排泄の要求などを無視してよいという意味ではありません。
まず吠える理由を確認し、体調に問題がないことを確かめてから対応を考えましょう。
■ 原因を確認せず運動量を増やす
退屈と思って長時間散歩させると、関節、脊椎、心臓、呼吸器の病気がある犬では負担になることがあります。
急な行動変化がある場合は、先に動物病院へ相談してください。
■ 人間用の薬を与える
人間用の鎮痛薬、睡眠薬、精神安定剤などを自己判断で与えないでください。
犬に中毒を起こしたり、意識や呼吸へ影響したりする危険があります。
■ 認知症と決めつけて放置する
シニア犬の夜鳴きには、痛み、視力・聴力の低下、排泄の問題、脳や内臓の病気が関係することがあります。
年齢による変化と決めつけず、身体検査を受けてください。
■■ 動物病院で行われる検査と治療

動物病院では、吠え始めた時期や場面を確認し、行動上の原因と身体的な原因を分けて調べます。
状態に応じて、次のような確認や検査が行われます。
- 体温、呼吸、心拍、血圧の確認
- 首、背中、足、関節の確認
- お腹の触診
- 口、歯、歯ぐきの確認
- 耳の中の確認
- 目と視力の検査
- 聴覚に関する反応の確認
- 歩き方と神経反応の確認
- 血液検査
- 尿検査
- レントゲン検査
- 腹部や心臓の超音波検査
- 必要に応じたCT・MRI検査
- 認知機能や行動に関する問診
診察時に吠えが出ないこともあるため、自宅で撮影した動画や見守りカメラの記録が役立ちます。
治療方法は原因によって異なります。
- 痛みに対する治療
- 口や耳の病気への治療
- 関節や脊椎の病気への治療
- 胃腸や尿路など内臓疾患への治療
- 視力・聴力低下に合わせた環境調整
- 認知機能低下に対する治療や介護相談
- 発作や脳の病気への治療
- 不安を軽減する行動療法
- 生活リズムと運動量の調整
- 必要に応じた犬用の薬
吠える声だけを止めるのではなく、犬が何に困っているのかを確認し、原因に合わせて対応することが大切です。
■■ 体調に問題がない場合の対応
■ 吠える刺激から距離を取る
窓の外へ吠える場合はカーテンや目隠しを使い、寝床を窓や玄関から離します。
大きな音を怖がる場合は、犬が自分から入れる静かな場所を用意しましょう。
■ 静かにできた瞬間を褒める
体調に問題がなく、警戒や要求による吠えと分かった場合は、吠えていない瞬間を落ち着いて褒めます。
吠え続けている最中に大声で指示を繰り返すより、静かな状態を作り、その行動を少しずつ増やすことが大切です。
■ 生活リズムを整える
食事、散歩、遊び、休息の時間を大きく変えず、予測しやすい生活を作ります。
年齢と体調に合う散歩や、においを嗅ぐ遊びを取り入れましょう。
■ 改善しない場合は専門家へ相談する
吠える原因が複数重なっている場合や、飼い主だけでは対応が難しい場合があります。
動物病院で身体的な原因を除外したうえで、獣医行動診療や犬の行動に詳しい専門家へ相談してください。
■■ 受診時に伝えるとよいこと
- いつから急に吠えるようになったか
- 一日に何回起こるか
- 何時ごろ多いか
- 何に向かって吠えるか
- 鳴き声の種類と大きさ
- 一回何分程度続くか
- 呼びかけると止まれるか
- 留守番中にも吠えるか
- 生活環境の変化がなかったか
- 触る、抱く、立つ時に鳴かないか
- 足を引きずっていないか
- 首や背中を痛がっていないか
- 口臭、よだれ、食べにくさがないか
- 耳をかく、頭を振る行動がないか
- 家具や壁へぶつからないか
- 名前への反応が低下していないか
- 夜間の徘徊や昼夜逆転がないか
- 旋回、けいれん、意識の変化がないか
- 元気と食欲があるか
- 嘔吐、下痢、排尿の変化がないか
- 現在使用している薬
- 過去の病気や発作
吠えている時の全身、顔、歩き方、対象が分かる動画も、診察時の重要な参考になります。
■■ よくある質問
■ Q. 何もない壁に向かって急に吠えます
壁の向こうの音、配管、外を通る動物など、人には分かりにくい刺激へ反応している場合があります。
毎回同じ時間に起こるか、呼びかけに反応するかを確認してください。
長時間止まらない、反応が弱い、旋回や顔の引きつりがある場合は受診しましょう。
■ Q. 夜中に突然吠えるようになりました
外の音、排泄、暑さ・寒さ、不安などが原因になることがあります。
シニア犬では、痛み、視力・聴力の低下、認知機能の低下も考えられます。
毎晩続く、徘徊や昼夜逆転を伴う場合は、動物病院へ相談してください。
■ Q. 抱き上げた時だけキャンと鳴きます
首、背中、関節、お腹などに痛みがある可能性があります。
痛い場所を探して体を押したり、何度も抱き上げたりせず、早めに受診してください。
■ Q. シニア犬なので認知症でしょうか?
認知機能の低下によって、夜鳴きや目的の分からない吠えが増える場合はあります。
ただし、関節痛、目や耳の異常、脳や内臓の病気でも似た変化が起こります。
年齢だけで判断せず、まず身体的な原因を確認してもらいましょう。
■ Q. 吠えた時は無視した方がよいですか?
要求吠えでは、吠えるたびに要求をかなえると行動が増えることがあります。
しかし、痛み、恐怖、排泄、呼吸の苦しさを訴えている犬を無視するのは危険です。
突然始まった場合は、先に体調と原因を確認してください。
■ Q. 大声で叱れば吠えなくなりますか?
一時的に止まることはあっても、不安や恐怖が強くなり、別の場面で吠えや攻撃行動が悪化する可能性があります。
吠える刺激を減らし、静かにできた行動を褒める方法を検討しましょう。
■ Q. 元気と食欲があれば様子を見ても大丈夫ですか?
原因となる音や人が明確で、刺激がなくなると完全に落ち着く場合は、記録しながら様子を見られることがあります。
元気があっても、突然の変化が数日続く、夜間に繰り返す、反応や歩き方が変わった場合は受診してください。
■■ まとめ|突然の吠えはしつけの前に原因を確認する
犬は、警戒、不安、興奮、要求などを伝えるために吠えます。
インターホンや外の足音など、明確な刺激へ反応し、刺激がなくなると落ち着く場合は、自然な警戒行動の可能性があります。
一方で、犬が急に吠える原因には、次のようなものがあります。
- 人、犬、物音への警戒
- 恐怖、不安、ストレス
- 要求が通った経験
- 運動不足や退屈
- 首、背中、足腰の痛み
- お腹や内臓の痛み
- 口、歯、耳の痛み
- 視力や聴力の低下
- 認知機能の低下
- 神経や脳の異常
- 留守番への不安
何もない場所へ吠える場合も、人には分かりにくい音や影へ反応している可能性があります。
ただし、呼びかけへの反応が弱い、同じ場所を回る、顔や足が繰り返し動く場合は、神経症状にも注意してください。
夜鳴きが続くシニア犬では、認知機能だけでなく、痛み、目、耳、内臓の状態も確認する必要があります。
突然の吠えを強く叱ったり、口を押さえたり、体調を確認せず運動量を増やしたりしないでください。
吠える時間、場所、対象、全身の様子を動画に残し、変化が続く場合は動物病院へ相談しましょう。
■■ 関連リンク(重要)
雷、来客、留守番など特定の状況で吠え、震えやパンティングも見られる場合は、ストレスとの関係を確認してください。
・犬のストレスの記事
夜中に吠えるだけでなく、歩き回る、眠れない、何度も姿勢を変える場合は、夜間の落ち着かなさも確認しましょう。
・犬が夜に落ち着かない記事
抱き上げた時や立ち上がる時にキャンと鳴き、急に歩こうとしなくなった場合は、足腰や神経の異常に注意が必要です。
・犬が急に歩かなくなる記事
・犬が足を引きずる記事
何もない場所へ吠えながら同じ方向へ回り続ける場合は、神経症状の可能性も確認してください。
・犬が同じ場所をぐるぐる回る記事
首の傾き、目の揺れ、ふらつきと一緒に突然吠える場合は、前庭や神経の状態を優先してください。
・犬が首をかしげる記事
・犬の前庭疾患の記事
意識を失う、体が硬直する、口をくちゃくちゃ動かした後に吠える場合は、発作の可能性があります。
・犬のてんかんの記事
急な吠えに加えて、ぐったりして動かない、食欲が落ちている場合は、全身状態を優先して確認してください。
・犬が元気がない記事
・犬の食欲不振記事
体調に問題がなく、インターホンや人への警戒吠えが続く場合は、行動面の練習方法を確認しましょう。
・犬の無駄吠え対策の記事
・犬のインターホン吠え対策の記事


