
愛犬のしっぽが、いつもより低く下がっている。
足の間へ巻き込んだまま、なかなか元の位置へ戻らない。
しっぽが力なく垂れ下がり、触ろうとすると嫌がる。
このような変化があると、「怖がっているだけ?」「腰やしっぽを痛めたのでは?」と心配になりますよね。
犬は、不安、恐怖、緊張を感じた時に、しっぽを低くしたり足の間へ巻き込んだりすることがあります。
原因となる音や場所から離れると元へ戻り、歩き方や元気にも変化がなければ、一時的な感情表現の可能性があります。
一方で、しっぽのケガ、筋肉の炎症、肛門周辺の痛み、腰や神経の異常によって、しっぽを上げたくても上げられない場合があります。
特に、しっぽを触ると強く痛がる、後ろ足がふらつく、立てない、排尿や排便がうまくできない場合は注意が必要です。
ドアへ挟んだ、踏まれた、引っ張られたなどの事故後にしっぽが動かなくなった場合も、骨や神経を傷めている可能性があります。
しっぽを手で持ち上げたり、付け根を揉んだり、歩けるか何度も試したりしないでください。
この記事では、犬のしっぽが下がったままになる主な原因、気持ちによる変化との見分け方、危険な症状、受診目安、自宅でできる確認を解説します。
この記事でわかること
- 犬のしっぽが下がる主な原因
- 恐怖で巻き込む状態と、動かせない状態の違い
- しっぽのケガを疑うサイン
- コールドテールで見られる変化
- 肛門やお尻の痛みとの関係
- 腰や神経の病気を疑う症状
- すぐ動物病院へ行くべき危険サイン
- 短時間様子を見られる可能性がある状態
- 自宅で確認するポイントと注意事項
犬のしっぽが下がるのは普通?

しっぽの高さや動きは、犬の気持ちや体調を知る手がかりの一つです。
ただし、しっぽが低いという一点だけで、恐怖や病気を断定することはできません。
犬種、体格、しっぽの形によって、普段の位置や上げ方には違いがあります。
ほかの犬と比べるのではなく、その犬が普段どの位置でしっぽを保っているかと比較しましょう。
一時的な感情表現の可能性がある状態
- 雷や大きな音がした時だけ下げる
- 知らない人や犬へ会った時に巻き込む
- 動物病院など苦手な場所で下げる
- 耳を後ろへ倒し、姿勢を低くしている
- 原因から離れると普段の位置へ戻る
- しっぽを左右へ動かせる
- 触らなくても痛がる様子がない
- 歩き方、元気、食欲が普段通り
このような場合は、不安や緊張による一時的な反応の可能性があります。
痛みや異常を疑いたい状態
- きっかけがないのに急に下がった
- 安心できる自宅でも上がらない
- しっぽが力なく垂れ下がっている
- しっぽを振らなくなった
- 付け根や途中を触ろうとすると嫌がる
- しっぽが曲がっている、腫れている
- 座ることを嫌がる
- 後ろ足の歩き方がおかしい
- 元気や食欲も低下している
- 排尿や排便に変化がある
このような変化がある場合は、気持ちの問題と決めつけず、体の痛みや神経の状態を確認する必要があります。
まず確認したい緊急サイン
しっぽが下がっている状態に、次の症状が一つでも重なる場合は、夜間や休日でも動物病院へ連絡してください。
- 交通事故や転落の後から動かない
- しっぽをドアへ挟んだ、強く引っ張られた
- しっぽが不自然な方向へ曲がっている
- 骨や深い傷が見えている
- 出血が止まらない
- 急に大きく腫れてきた
- しっぽの先が冷たい、白色や紫色になっている
- 強く痛がり鳴き続けている
- 後ろ足に力が入らない
- 両後ろ足を引きずっている
- 足先が裏返ったまま戻らない
- 自力で立てない
- 排尿できない
- 尿や便を漏らすようになった
- 排便姿勢を取れない
- 意識がぼんやりしている
- 呼吸が速い、苦しそう
- 歯ぐきが白い、青紫色になっている
- ぐったりして反応が弱い
- 嘔吐や下痢を繰り返している
- お腹が急に膨れている
事故後にしっぽだけが下がっているように見えても、骨盤、腰、腹部などを同時に傷めている可能性があります。
歩けるか確認するために何度も立たせず、胸とお尻を支えて体を安定させ、受診してください。
後ろ足や排泄の異常がある場合
腰からしっぽにかけての神経は、しっぽの動きだけでなく、後ろ足や排尿・排便にも関係しています。
しっぽが動かない状態に、後ろ足のふらつきや排泄異常が重なる場合は、神経の病気や外傷が疑われます。
お腹を押して尿を出そうとしたり、しっぽを持ち上げて排便を助けようとしたりせず、すぐ動物病院へ連絡してください。
犬のしっぽが下がったままになる主な原因

① 不安・恐怖・緊張
犬は、怖い物や苦手な状況に直面すると、体を小さく見せるように姿勢を低くし、しっぽを足の間へ巻き込むことがあります。
- 雷、花火、工事音が聞こえる
- 知らない人や犬が近くにいる
- 初めての場所へ来た
- 動物病院やトリミング施設にいる
- 飼い主に強く叱られた
- 耳を伏せ、震えている
- 隠れたり逃げたりしようとする
安全な場所へ移動すると、しっぽが自然に戻り、歩き方や食欲にも変化がなければ、一時的な反応の可能性があります。
無理に人や犬へ近づけたり、叱ってしっぽを上げさせようとしたりしないでください。
② ストレス・生活環境の変化
引っ越し、家族構成の変化、長時間の留守番、生活リズムの乱れなどが続くと、犬が警戒した姿勢で過ごすことがあります。
- 以前よりしっぽを下げている時間が長い
- 飼い主から離れない
- 隠れることが増えた
- 体をなめ続ける
- あくびや口元をなめる行動が増えた
- 落ち着かず歩き回る
- 食欲が不安定になった
ストレスが疑われても、痛みや体調不良で似た行動が出ることがあります。
自宅でもしっぽが上がらない、歩き方や食欲に変化がある場合は、身体的な原因を先に確認しましょう。
③ しっぽの打撲・捻挫・筋肉の痛み
家具へぶつけた、踏まれた、激しく遊んだなどの後に、しっぽの筋肉や周囲の組織を傷めることがあります。
- 急にしっぽを上げなくなった
- しっぽを振ろうとしない
- 付け根を触ると嫌がる
- 座り方が不自然
- しっぽの一部が腫れている
- 運動や遊びの後から始まった
軽い筋肉痛に見えても、骨折や脱臼との区別は自宅ではできません。
無理に曲げ伸ばしせず、散歩や遊びを控えて受診してください。
④ 骨折・脱臼・尾の外傷
しっぽをドアへ挟む、踏まれる、強く引っ張られる、車や自転車と接触するといった事故で、尾の骨や関節を傷めることがあります。
- 事故の直後から動かない
- 一部が不自然に曲がっている
- 大きく腫れている
- 出血や傷がある
- 触れなくても痛がっている
- 先端の感覚がないように見える
しっぽを引っ張って元の形へ戻そうとしたり、自宅で添え木を当てたりしないでください。
骨、神経、血管をさらに傷つける可能性があります。
⑤ かみ傷・皮膚の傷・炎症
犬同士のトラブルや事故により、しっぽへかみ傷ができることがあります。
小さな穴に見えても、皮膚の奥まで傷が広がり、後から腫れや膿が出る場合があります。
- しっぽをなめ続けている
- 皮膚が赤い、腫れている
- 傷やかさぶたがある
- 血や膿が出ている
- 強いにおいがする
- 元気や食欲が低下している
傷へ人間用の消毒薬や軟膏を塗らず、なめないよう注意して早めに受診してください。
⑥ コールドテール・急性の尾の筋肉痛
水泳、激しい運動、寒い環境での活動などの後に、突然しっぽが力なく下がることがあります。
コールドテール、リンバーテールなどと呼ばれ、しっぽの付け根にある筋肉の痛みが関係すると考えられています。
- 水遊びや長時間の運動後に始まった
- 付け根から少し先までは伸び、その先が垂れている
- しっぽの付け根を痛がる
- 座りにくそうにする
- しっぽを振らなくなった
- 排便姿勢を嫌がる
自然に改善するケースもありますが、骨折、外傷、腰や神経の病気でも似た状態になります。
自己判断で温めたり揉んだりせず、初めて発症した場合や痛みがある場合は診察を受けましょう。
⑦ 肛門腺・肛門周辺の痛み
肛門の左右にある肛門腺へ分泌物がたまったり、炎症や化膿が起きたりすると、しっぽを上げることや座ることを嫌がる場合があります。
- お尻を床へこする
- お尻やしっぽの付け根をなめる
- 肛門周辺から強いにおいがする
- 肛門の横が赤い、腫れている
- 排便時に鳴く
- 座ることを嫌がる
- しっぽを上げると痛がる
腫れや強い痛みがある状態で肛門腺を自宅で絞ると、炎症や痛みを悪化させる可能性があります。
無理に確認せず、動物病院で処置してもらいましょう。
⑧ お尻・しっぽ周辺の皮膚トラブル
皮膚炎、寄生虫、毛玉、排泄物による汚れなどで、しっぽの付け根やお尻にかゆみ・痛みが出ることがあります。
- しっぽの付け根をかむ
- お尻を頻繁になめる
- 脱毛や赤みがある
- 皮膚がべたついている
- かさぶたや湿った傷がある
- お尻を床へこする
かゆみが原因に見えても、肛門腺や神経の痛みが隠れている場合があります。
皮膚を強くこすったり、人間用の薬を塗ったりしないでください。
⑨ 腰・骨盤・股関節の痛み
腰、骨盤、股関節などに痛みがあると、しっぽ自体に異常がなくても、体を動かすことやしっぽを上げることを嫌がる場合があります。
- 立ち上がるまでに時間がかかる
- 階段やジャンプを嫌がる
- 後ろ足を引きずる
- 腰やお尻を触ると嫌がる
- 座る姿勢が左右どちらかへ傾く
- 散歩の途中で座り込む
- 背中を丸めている
痛い場所を探すために、腰を押したり、後ろ足やしっぽを持ち上げたりしないでください。
⑩ 椎間板ヘルニア
椎間板ヘルニアでは、背骨の中にある脊髄や神経が圧迫され、腰の痛み、ふらつき、麻痺などが起こります。
- しっぽを下げたまま動かない
- 背中を丸めている
- 抱っこをすると鳴く
- 後ろ足がふらつく
- 足先の甲を地面へ擦る
- 両後ろ足を引きずる
- 急に歩かなくなった
- 排尿や排便がうまくできない
立てない、麻痺が進んでいる、排尿できない場合は緊急です。
歩かせず、胸とお尻を同時に支えて背中をできるだけ曲げないように運びましょう。
⑪ 馬尾症候群・腰仙部の神経障害
背骨の腰からしっぽに近い部分には、後ろ足、しっぽ、排尿・排便に関係する複数の神経があります。
これらの神経が圧迫される馬尾症候群では、腰やしっぽの付け根の痛み、後ろ足の異常などが現れます。
- しっぽを上げると痛がる
- しっぽの動きが弱くなった
- 腰やお尻を触られるのを嫌がる
- 座る動作が遅くなった
- 階段やジャンプを避ける
- 後ろ足がふらつく
- 立ち上がりにくい
- 尿や便を漏らす
- 排尿や排便がしにくい
初期には歩ける犬もいるため、しっぽの付け根を痛がる状態を軽く考えないことが大切です。
排泄異常や後ろ足の麻痺がある場合は早急に受診してください。
⑫ 腹痛・泌尿器や消化器の異常
お腹や腰に痛みがある犬は、背中を丸め、しっぽを下げた姿勢で動かなくなることがあります。
- 食欲がない
- 嘔吐や下痢がある
- お腹を触ると嫌がる
- 寝たり起きたりを繰り返す
- 排尿姿勢を取るのに尿が出ない
- 何度も少量の尿をする
- 排便時に痛がる
- 前足を伸ばし、お尻を上げる姿勢を取る
しっぽ自体を触っても痛がらないのに元気や食欲がない場合は、全身状態を確認する必要があります。
尿が出ない、吐こうとしても何も出ずお腹が膨れている場合は緊急です。
⑬ 発熱・感染症・全身の体調不良
発熱、感染症、脱水などで体調が悪い犬は、姿勢が低くなり、しっぽを上げなくなる場合があります。
- ぐったりしている
- 食欲がない
- 震えている
- 嘔吐や下痢がある
- 呼吸が速い
- 普段より寝ている時間が長い
- 触られることを嫌がる
しっぽの位置だけでなく、元気、食欲、呼吸、排泄の変化を一緒に確認してください。
⑭ 加齢による筋力低下・関節の痛み
シニア犬では、しっぽや後ろ足の筋力が低下し、以前ほど高く上げなくなることがあります。
関節炎や脊椎の痛みが重なり、しっぽの動きが小さくなる場合もあります。
- しっぽを振る幅が小さくなった
- 立ち上がるまでに時間がかかる
- 散歩の速度が遅くなった
- 階段や段差を避ける
- 後ろ足の筋肉が細くなった
- 寝ている時間が増えた
急にしっぽが下がった場合や、痛み・歩行異常を伴う場合は、年齢のせいと決めつけないでください。
しっぽの状態から確認したいこと

足の間へ巻き込んでいる
体を低くして足の間へしっぽを巻き込む場合は、恐怖や不安が関係している可能性があります。
ただし、お尻や腰が痛い犬も、しっぽを体へ近づけた姿勢を取ることがあります。
安全な場所へ移動しても戻らない、触らなくても痛がる場合は受診してください。
力なく真下へ垂れている
しっぽに力が入らず、振ることもできない場合は、しっぽの筋肉、骨、神経の異常が疑われます。
運動や水遊び後なら急性の尾の筋肉痛、事故後なら骨折や神経損傷などを考える必要があります。
付け根だけ上がり、その先が垂れている
水泳や激しい運動後に、しっぽの付け根から少し先までは伸び、その先が力なく下がる場合は、コールドテールなどが疑われます。
見た目だけでは骨や神経の異常と区別できないため、初めての場合は診察を受けましょう。
途中から曲がっている
以前にはなかった曲がり、腫れ、段差がある場合は、骨折や脱臼などの外傷が疑われます。
形を確かめようとして触ったり伸ばしたりせず、そのままの状態で受診してください。
しっぽを振らなくなった
緊張やストレスでもしっぽを振る回数は減りますが、しっぽ、腰、股関節などの痛みによって動かさなくなる場合もあります。
うれしい場面でもまったく動かさない、数日続く、歩き方にも変化がある場合は相談してください。
短時間様子を見られる可能性があるケース
次の条件がすべて当てはまる場合は、安全な環境へ移しながら短時間様子を見られる可能性があります。
- 雷や知らない人など明確な原因がある
- 原因から離れると短時間で元へ戻る
- しっぽを左右へ動かせる
- しっぽに腫れ、傷、変形がない
- 触らなくても痛がる様子がない
- まっすぐ歩ける
- 後ろ足にふらつきがない
- 元気と食欲が普段通り
- 排尿と排便が普段通り
- 事故や激しい運動の直後ではない
その後も、安心できる自宅でしっぽが普段の位置へ戻るか確認してください。
同じ状態を繰り返す、下げている時間が長くなる、元気や歩き方にも変化が出た場合は受診しましょう。
しっぽを自分で動かせない、触ると痛がる状態は、長時間様子を見るケースではありません。
早めに動物病院を受診したいケース

- 自宅でもしっぽが上がらない
- 半日以上たっても普段の位置へ戻らない
- しっぽを振らなくなった
- 付け根や途中を触ろうとすると嫌がる
- しっぽが腫れている
- 傷、出血、かさぶたがある
- しっぽやお尻をなめ続ける
- お尻を床へこする
- 肛門周辺から強いにおいがする
- 座ることを嫌がる
- 排便時に鳴く
- 階段やジャンプを嫌がる
- 後ろ足の歩き方が変わった
- 元気や食欲が低下している
- 嘔吐や下痢がある
- シニア犬で急に症状が始まった
- 水遊びや激しい運動後から下がった
立てない、後ろ足の麻痺、排尿・排便障害、事故後の変形や大量出血がある場合は、早めではなく緊急受診が必要です。
子犬・成犬・シニア犬で注意点は違う?
子犬の場合
子犬は、初めての場所、人、音を怖がり、しっぽを巻き込むことがあります。
一方で、踏まれた、ドアへ挟んだ、ほかの犬にかまれたなどの外傷にも注意が必要です。
元気がない、食事を取れない、嘔吐や下痢がある場合は、恐怖だけと判断せず早めに相談してください。
成犬の場合
成犬では、不安やストレスのほか、しっぽの外傷、筋肉痛、肛門腺、腰や神経の異常などが考えられます。
水泳、激しい運動、犬同士の遊びの後から急に下がった場合は、しっぽと腰の状態を確認してもらいましょう。
シニア犬の場合
シニア犬では、筋力低下、関節炎、腰仙部の神経障害、内臓疾患などに注意します。
以前よりしっぽが上がらないだけでなく、立ち上がり、階段、排泄にも変化がないか確認してください。
急にしっぽが下がった、痛がる、後ろ足がふらつく場合は、年齢のせいと決めつけず受診しましょう。
自宅でできる確認と対応

普段のしっぽの位置と比較する
犬種ごとの一般的な位置ではなく、その犬が普段どのようにしっぽを保っているかと比較します。
- いつから下がっているか
- 一日中か、特定の場面だけか
- 足の間へ巻き込むのか、力なく垂れるのか
- 自分で左右へ動かせるか
- うれしい場面でも振らないか
しっぽを手で持ち上げて可動範囲を確認しないでください。
外から見える範囲を観察する
犬が落ち着いており、近づいても痛がらない場合だけ、外見を確認します。
- 傷や出血がないか
- 腫れや曲がりがないか
- 皮膚が赤くないか
- 脱毛やかさぶたがないか
- 血や膿が付いていないか
- 肛門周辺が赤く腫れていないか
痛みがある犬は、普段おとなしくても噛むことがあります。
嫌がる場合は触らず、見える範囲の観察だけにしてください。
歩き方を確認する
犬が自然に歩ける場合だけ、数歩の様子を確認します。
- まっすぐ歩けるか
- 後ろ足がふらつかないか
- 片足を浮かせていないか
- 足先の甲を擦っていないか
- 腰やお尻が左右へ揺れないか
- 立ち上がるまでに時間がかからないか
立てない犬、強く痛がる犬を確認のために歩かせないでください。
排尿と排便を確認する
- 自力で尿を出せているか
- 何度も排尿姿勢を取っていないか
- 尿や便を漏らしていないか
- 排便姿勢を保てるか
- 排便時に痛がらないか
- 便秘や下痢がないか
尿が出ない、後ろ足の麻痺と一緒に尿や便を漏らす場合は、すぐ受診してください。
動画と写真を残す
普段のしっぽの位置が分かる写真と、症状が出ている時の姿勢を比べられるようにします。
安全に撮影できる場合は、立ち上がり方、歩き方、しっぽの自然な動きを動画に残してください。
撮影のために、しっぽを触ったり興奮させたりする必要はありません。
運動を控えて安静にする
原因が分かるまでは、長い散歩、走る遊び、水泳、ジャンプ、階段を控えます。
排泄のために外へ出る場合も短時間にし、滑りにくい場所を歩かせてください。
犬のしっぽが下がっている時にやってはいけないこと

しっぽを持ち上げる・引っ張る
骨折、脱臼、筋肉の炎症、神経の異常がある場合、しっぽを動かすことで痛みや損傷が悪化する可能性があります。
動くかどうかを確認するために、上下左右へ曲げないでください。
付け根や腰を揉む
筋肉痛に見えても、外傷や椎間板ヘルニア、馬尾症候群との区別は自宅ではできません。
診断前のマッサージやストレッチは避けてください。
急激に温める・冷やす
コールドテールと思っても、熱い湯たんぽやドライヤーを直接当てないでください。
外傷や炎症がある場合、自己判断の温熱・冷却が適さないことがあります。
自宅で肛門腺を強く絞る
肛門周辺が腫れている、痛がる、血や膿が出ている場合は、自宅で絞らないでください。
炎症や化膿を悪化させたり、犬に強い痛みを与えたりする可能性があります。
人間用の痛み止めや軟膏を使う
人間用の鎮痛薬には、犬に中毒を起こす成分が含まれる場合があります。
人間用の湿布、塗り薬、消毒薬も自己判断で使用しないでください。
怖がっている犬を叱る
不安や恐怖によってしっぽを巻き込んでいる犬を叱ると、さらに警戒や恐怖が強くなることがあります。
刺激から距離を取り、自分から落ち着ける場所を用意しましょう。
何日も改善を待ち続ける
しっぽが動かない原因が、骨折や神経障害である場合は、早期の診察が必要になることがあります。
痛み、歩行異常、排泄異常がある場合は、自然に戻るかを何日も待たないでください。
動物病院で行われる検査と治療

動物病院では、しっぽが下がり始めた状況、痛み、歩き方、排泄状態などを確認します。
感情による変化なのか、しっぽ、肛門周辺、腰、神経、内臓の異常によるものかを分けて調べます。
状態に応じて、次のような確認や検査が行われます。
- しっぽの位置、形、動きの確認
- 傷、腫れ、皮膚の状態の確認
- しっぽの骨や筋肉の触診
- 肛門と肛門腺の確認
- 腰、骨盤、股関節の確認
- 立ち方と歩き方の確認
- 後ろ足の反射や感覚を調べる神経学的検査
- 排尿・排便状態の確認
- 血液検査
- 尿検査
- レントゲン検査
- 腹部超音波検査
- 必要に応じたCT検査
- 脊髄や神経を確認するMRI検査
痛みが強い犬や、しっぽを触ることが危険な犬では、安全に検査するため鎮静が必要になる場合があります。
治療方法は原因によって異なります。
- 運動制限と安静
- 犬用の鎮痛薬や抗炎症薬
- 傷の洗浄や縫合
- 感染に対する治療
- 骨折や脱臼への固定・手術
- 肛門腺の処置と炎症への治療
- 皮膚病への治療
- 椎間板ヘルニアへの内科治療や手術
- 馬尾症候群への内科治療や手術
- 腹部・泌尿器・消化器疾患への治療
- 状態が安定した後のリハビリ
しっぽを一時的に上げられるようにするのではなく、痛みや動かしにくさを起こしている原因を確認することが大切です。
受診時に伝えるとよいこと
- いつからしっぽが下がっているか
- 急に始まったか、徐々に変わったか
- 一日中か、特定の場面だけか
- 足の間へ巻き込むか、力なく垂れるか
- 自分でしっぽを動かせるか
- しっぽを振らなくなったか
- 触ろうとすると痛がるか
- 腫れ、傷、出血、変形があるか
- 踏まれた、挟まれた、引っ張られた可能性
- 水泳や激しい運動をしなかったか
- ほかの犬にかまれなかったか
- お尻を床へこすっていないか
- 肛門周辺に腫れやにおいがないか
- 座る、立つ、階段を嫌がらないか
- 後ろ足がふらついていないか
- 足先を引きずっていないか
- 排尿と排便ができているか
- 元気と食欲があるか
- 嘔吐や下痢がないか
- 怖い音や環境変化がなかったか
- 現在使用している薬
- 過去の腰、関節、神経の病気
普段のしっぽの位置が分かる写真と、症状が出ている時の全身や歩き方の動画も診察の参考になります。
よくある質問
Q. 犬がしっぽを足の間へ巻き込んでいます
雷、知らない人、慣れない場所などへの恐怖や不安が関係している可能性があります。
安全な場所へ移ると元へ戻り、元気や歩き方にも変化がなければ、短時間様子を見られる場合があります。
自宅でも戻らない、痛がる、食欲がない場合は受診してください。
Q. しっぽが下がっていますが元気はあります
緊張など一時的な理由で下がることはあります。
ただし、しっぽのケガや軽度の腰痛では、元気と食欲を保っている犬もいます。
自分で動かせない、触ると嫌がる、翌日も戻らない場合は相談しましょう。
Q. 水遊びの後からしっぽが上がりません
急性の尾の筋肉痛であるコールドテールなどが考えられます。
外傷や神経の異常でも似た状態になるため、しっぽを揉まず、運動を控えて診察を受けてください。
Q. しっぽを触るとキャンと鳴きます
しっぽの外傷、筋肉の炎症、肛門周辺の痛み、腰や神経の異常などが考えられます。
痛い場所を探すために何度も触らず、当日中に動物病院へ相談してください。
Q. お尻を床へこすり、しっぽも下げています
肛門腺、肛門周辺の皮膚、寄生虫などによる違和感が考えられます。
赤み、腫れ、出血、強いにおいがある場合は、自宅で肛門腺を絞らず受診してください。
Q. しっぽが動かず、後ろ足もふらつきます
椎間板ヘルニアや馬尾症候群など、脊髄・神経の異常が疑われます。
排尿できない、立てない、足先が裏返る場合は緊急です。
歩かせず、胸とお尻を支えて早急に受診してください。
Q. シニア犬なので老化でしょうか?
加齢による筋力低下で、しっぽの位置や動きが変わることはあります。
ただし、関節炎、腰仙部の神経障害、内臓疾患でもしっぽが下がることがあります。
急な変化、痛み、歩行や排泄の異常がある場合は、年齢のせいと決めつけないでください。
Q. しっぽをマッサージしてもよいですか?
原因が分からない状態でのマッサージやストレッチは避けてください。
骨折、脱臼、炎症、神経の圧迫などを悪化させる可能性があります。
まとめ|しっぽを動かせない場合は痛みや神経の異常を確認する
犬は、不安、恐怖、緊張を感じた時に、しっぽを低くしたり足の間へ巻き込んだりすることがあります。
原因となる刺激から離れると短時間で元へ戻り、歩き方や元気にも変化がなければ、一時的な反応の可能性があります。
一方で、犬のしっぽが下がったままになる原因には、次のようなものがあります。
- 不安、恐怖、緊張
- 慢性的なストレス
- しっぽの打撲や筋肉の痛み
- 骨折、脱臼、かみ傷
- コールドテール
- 肛門腺や肛門周辺の痛み
- 皮膚炎やお尻の違和感
- 腰、骨盤、股関節の痛み
- 椎間板ヘルニア
- 馬尾症候群
- 腹痛や泌尿器・消化器の異常
- 発熱や全身の体調不良
- 加齢による筋力低下
特に、しっぽを自分で動かせない、触ると痛がる、事故後から変形している場合は、早めの診察が必要です。
後ろ足に力が入らない、立てない、排尿や排便ができない場合は、神経が強く影響を受けている可能性があるため緊急受診してください。
しっぽを手で持ち上げたり、付け根を揉んだり、自宅で肛門腺を強く絞ったりしないことが大切です。
普段との違い、しっぽの形、歩き方、排泄状態を記録し、変化が続く場合は動物病院へ相談しましょう。
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