犬が水を飲まない原因とは?脱水の危険サインと受診目安を解説

愛犬が水を飲まない。

器の水がほとんど減っていない。

食欲はあるけれど、水だけ飲まない。

暑い日なのに水を飲まない。

このような時、飼い主さんはとても不安になりますよね。

犬が水を飲まない理由には、軽いものもあります。

涼しい日で喉が渇いていない。

ウェットフードを食べていて、食事から水分を取れている。

水の器が気に入らない。

水が古い。

場所が落ち着かない。

こうした理由で、一時的に飲水量が少なくなることがあります。

しかし、水を飲まない状態が続く場合や、元気がない、吐く、下痢をする、口を痛がる、ぐったりしている場合は注意が必要です。

犬は水分が不足すると、脱水を起こすことがあります。

脱水が進むと、体の循環や内臓に負担がかかり、体調が急に悪化することもあります。

特に、子犬、シニア犬、持病がある犬、嘔吐や下痢をしている犬、暑い場所にいた犬では早めの対応が大切です。

また、犬が水を飲まない時に、無理に口へ水を入れるのは危険です。

誤嚥につながることもあるため、無理に飲ませるより、原因と全身状態を確認することが大切です。水を飲まない犬に無理やり水を飲ませるのではなく、必要に応じて獣医師に相談し、点滴などの処置を受けることがすすめられています。

この記事では、犬が水を飲まない時に考えられる原因、食欲がある場合の見方、脱水の危険サイン、受診目安、自宅でできる工夫、やってはいけない対応をわかりやすく解説します。

この記事でわかること

・犬が水を飲まない時に考えられる原因
・食欲があるのに水を飲まない時の注意点
・脱水の危険サイン
・すぐ受診すべきケース
・自宅でできる飲水量チェック
・水を飲ませるための工夫
・やってはいけない対応
・食事や生活環境との関係


  1. 犬が水を飲まないのはどんな状態?
    1. 水を飲まない時は「尿」も見る
  2. 犬に必要な水分量の目安
    1. いつもより少ないかが大切
  3. まず確認したい危険サイン
    1. 「食欲があるから大丈夫」とは限らない
  4. 犬が水を飲まない時に考えられる原因
    1. ① 涼しい日・運動量が少ない
    2. ② ウェットフードやふやかしフードを食べている
    3. ③ 水の鮮度や器が気に入らない
    4. ④ 環境の変化やストレス
    5. ⑤ 口や歯の痛み
    6. ⑥ 吐き気・胃腸の不調
    7. ⑦ 痛みや体調不良
    8. ⑧ 熱中症・脱水
    9. ⑨ 病気や薬の影響
  5. 食欲があるのに水を飲まない場合
    1. 食欲があるならまず確認したいこと
  6. 脱水で見られるサイン
    1. 皮膚の戻りを見る時の注意点
  7. 様子見できる可能性があるケース
    1. 様子見は短めに考える
  8. すぐ受診すべきケース
  9. 子犬・成犬・シニア犬で注意点は違う
    1. 子犬の場合
    2. 成犬の場合
    3. シニア犬の場合
  10. 自宅でできる確認と工夫
    1. 水を新しくする
    2. 器を変える
    3. 水の場所を増やす
    4. ぬるめの水にする
    5. フードをふやかす
    6. 無塩のゆで汁を少量使う
    7. 飲水量を測る
  11. 犬が水を飲まない時にやってはいけないこと
    1. 無理に口へ水を入れる
    2. 人間用のスポーツドリンクを与える
    3. 味の濃いスープを使う
    4. 暑い場所で様子を見る
    5. 長く様子を見すぎる
  12. 動物病院で行われる検査と処置
  13. 食事や生活習慣との関係
    1. ドライフードとウェットフード
    2. おやつや人の食べ物
    3. 室温と水の場所
    4. シニア犬は器の高さも大切
  14. 受診時に伝えるとよいこと
  15. よくある質問
    1. Q. 犬が水を飲まないけど元気です。様子を見てもいいですか?
    2. Q. 食欲はあるのに水を飲みません。大丈夫ですか?
    3. Q. 水を飲まない時、無理に飲ませてもいいですか?
    4. Q. 何時間飲まなければ危険ですか?
    5. Q. 犬用ミルクやスープを飲ませてもいいですか?
    6. Q. 尿が少ない気がします。受診した方がいいですか?
  16. まとめ|犬が水を飲まない時は「脱水」と「尿の変化」を見逃さない
  17. 関連リンク(重要)
  18. 【最新版】私がおすすめする犬用品10選

犬が水を飲まないのはどんな状態?

犬が水を飲まない状態とは、普段より明らかに飲水量が少ない状態です。

たとえば、次のような変化があります。

・水の器がほとんど減っていない
・水の場所へ行かない
・器を近づけても顔をそむける
・口をつけてもすぐやめる
・散歩後でも飲まない
・暑い日なのに飲まない
・食欲はあるのに水だけ飲まない
・水を飲もうとしてやめる
・口元を気にしている
・よだれが少ない、または多い
・尿の量が少ない
・尿の色が濃い

ただし、1回水を飲まなかっただけで、すぐに病気とは限りません。

涼しい日や運動量が少ない日は、飲水量が減ることがあります。

ウェットフードや手作り食のように水分が多い食事を食べている犬は、器から飲む水が少なく見えることもあります。

大切なのは、普段の飲水量と比べてどうかです。

「いつもより明らかに飲まない」
「尿の量も少ない」
「元気や食欲も落ちている」

このような場合は注意が必要です。

水を飲まない時は「尿」も見る

水を飲まない時は、尿の状態も確認しましょう。

水分が足りないと、尿の量が減ったり、色が濃くなったりすることがあります。

特に、

・尿が少ない
・尿の色が濃い
・尿のにおいが強い
・半日以上尿が出ていない
・排尿時に痛がる
・何度もトイレに行くのに少ししか出ない

という場合は、単なる飲水量の問題ではなく、脱水や泌尿器のトラブルが関係していることもあります。


犬に必要な水分量の目安

犬に必要な水分量は、体重、気温、運動量、食事内容、体調によって変わります。

一般的には、1日あたり体重1kgにつき約50〜60ml前後がひとつの目安です。

たとえば、

・体重3kgなら約150〜180ml
・体重5kgなら約250〜300ml
・体重10kgなら約500〜600ml
・体重15kgなら約750〜900ml
・体重20kgなら約1,000〜1,200ml

が目安になります。

ただし、これは飲み水だけではありません。

ウェットフード、ふやかしたフード、手作り食、野菜やスープなどから取る水分も含めて考えます。

ドライフード中心の犬は、飲み水の量が多くなりやすいです。

ウェットフード中心の犬は、器から飲む量が少なく見えることがあります。

いつもより少ないかが大切

数字だけで判断するより、普段との違いを見ることが大切です。

いつもよく水を飲む犬が、急に飲まなくなった。

散歩後も水を飲まない。

暑いのに飲まない。

尿が少ない。

このような変化がある場合は、目安量だけでなく、全身状態を確認しましょう。


まず確認したい危険サイン

犬が水を飲まない時は、最初に緊急性を確認してください。

次のような症状がある場合は、様子を見すぎず、早めに動物病院へ相談してください。

・半日以上ほとんど水を飲まない
・24時間以上水を飲まない
・元気がない
・ぐったりしている
・食欲もない
・何度も吐く
・下痢が続く
・血便がある
・尿が少ない
・尿が濃い
・尿が出ない
・口の中が乾いている
・歯ぐきがベタつく
・目がくぼんで見える
・皮膚の戻りが遅い
・呼吸が荒い
・暑い場所にいた
・体が熱い
・よだれが多い
・口を痛がる
・口臭が急に強い
・子犬やシニア犬で水を飲まない
・持病がある

特に、嘔吐や下痢がある犬は、水分を失いやすくなります。

水を飲まない状態が重なると、脱水が進みやすいため注意が必要です。

「食欲があるから大丈夫」とは限らない

水を飲まないけれど、ご飯やおやつは食べる。

この場合、少し安心したくなりますよね。

しかし、食欲があるからといって脱水の心配がないとは限りません。

ドライフードを食べているのに水を飲まない場合は、体に必要な水分が足りなくなることがあります。

また、口の痛みや器への嫌悪感があると、食べることはできても水を飲む動作を嫌がることがあります。

食欲だけで判断せず、尿、元気、口の状態も一緒に見ましょう。


犬が水を飲まない時に考えられる原因

犬が水を飲まない原因は、環境や好みの問題から、病気や痛みまで幅があります。

ここでは、よくある原因を整理します。

① 涼しい日・運動量が少ない

涼しい日や、あまり動かなかった日は、水を飲む量が少なくなることがあります。

室温が低い。

散歩が短かった。

寝ている時間が長かった。

このような日は、喉が渇きにくく、飲水量が減ることがあります。

元気、食欲、尿が普段通りで、翌日には戻るなら大きな問題ではないこともあります。

ただし、暑い日なのに飲まない、尿が少ない、元気がない場合は注意してください。

② ウェットフードやふやかしフードを食べている

ウェットフード、ふやかしたドライフード、手作り食などは水分が多いため、器から飲む水が少なくなることがあります。

この場合は、見た目には「水を飲んでいない」ように見えても、食事から水分を取れている場合があります。

ただし、尿が少ない、口が乾いている、元気がない場合は、食事からの水分だけでは足りていない可能性があります。

③ 水の鮮度や器が気に入らない

犬は水のにおいや器の状態に敏感なことがあります。

次のような場合、水を飲みたがらないことがあります。

・水が古い
・器がぬめっている
・器に洗剤のにおいが残っている
・金属やプラスチックのにおいが苦手
・器の高さが合わない
・器が滑る
・水の場所が落ち着かない
・多頭飼いで他の犬が近くにいる

器を洗う、水を新しくする、場所を変えるだけで飲むようになる犬もいます。

④ 環境の変化やストレス

引っ越し、旅行、ペットホテル、来客、家族構成の変化、留守番時間の増加などで、水を飲まなくなる犬もいます。

緊張している時は、水を飲みに行く余裕がないことがあります。

ストレスが関係する場合は、

・隠れる
・落ち着かない
・急に甘える
・夜に眠れない
・吠えが増える
・食欲も変わる
・下痢をする

などの変化が出ることがあります。

ただし、ストレスだけで決めつけるのは危険です。

水を飲まない状態が続く場合は、病気や痛みも考えます。

⑤ 口や歯の痛み

水を飲む時は、舌や口、喉を使います。

そのため、口内炎、歯周病、歯の痛み、歯ぐきの腫れ、口の中の傷があると、水を飲むのを嫌がることがあります。

口のトラブルでは、

・口臭が強い
・よだれが増える
・歯ぐきが赤い
・歯ぐきから血が出る
・硬いものを嫌がる
・片側だけで噛む
・口を触られるのを嫌がる
・前足で口元を気にする
・水を飲もうとしてやめる

などが見られることがあります。

食欲がある場合でも、口の痛みがないとは限りません。

やわらかい食べ物は食べるけれど、水や硬いフードを嫌がることもあります。

⑥ 吐き気・胃腸の不調

胃がムカムカしている時や、お腹の調子が悪い時に、水を飲みたがらないことがあります。

水を飲むと気持ち悪くなる、飲んでも吐いてしまう、という状態です。

胃腸の不調では、

・吐く
・吐きそうで吐かない
・下痢をする
・お腹が鳴る
・お腹を痛がる
・よだれが増える
・口をくちゃくちゃする
・草を食べたがる
・食欲が落ちる

などが見られることがあります。

嘔吐や下痢がある時に水を飲まない場合は、脱水が進みやすいため注意が必要です。

⑦ 痛みや体調不良

犬は体のどこかが痛い時、動きたがらず、水を飲みに行かないことがあります。

腰や足が痛い。

首を動かすと痛い。

お腹が痛い。

発熱がある。

このような場合、水の場所まで行くこと自体が負担になることがあります。

痛みがある犬では、

・寝てばかりいる
・立ち上がりたがらない
・歩き方がおかしい
・抱っこを嫌がる
・触ると怒る
・階段を嫌がる
・背中を丸める

などが見られることがあります。

⑧ 熱中症・脱水

暑い日に水を飲まない場合は、熱中症や脱水にも注意が必要です。

特に、短頭種、シニア犬、子犬、肥満気味の犬、心臓や呼吸器に不安がある犬は暑さに弱い傾向があります。

暑い場所にいた後に、

・ハアハアが止まらない
・ぐったりしている
・よだれが多い
・体が熱い
・ふらつく
・吐く
・下痢をする
・水を飲めない

という場合は、緊急性が高くなります。

⑨ 病気や薬の影響

内臓の病気、感染症、発熱、薬の影響などで水を飲まなくなることもあります。

腎臓病や糖尿病では水をよく飲むイメージがありますが、体調が悪くなると食欲や飲水量が落ちることもあります。

また、薬の副作用で吐き気や食欲低下が出て、水を飲みにくくなることもあります。

薬を飲み始めてから水を飲まない場合は、自己判断で中止せず、処方した動物病院へ相談しましょう。


食欲があるのに水を飲まない場合

食欲があるのに水を飲まない場合は、次のような原因が考えられます。

・食事から水分を取れている
・涼しくて喉が渇いていない
・水の器が気に入らない
・水のにおいが気になる
・食事場所と水の場所が合わない
・口の違和感がある
・軽いストレスがある
・水より食べ物への関心が強い

食欲がある場合でも、尿が少ない、口が乾いている、元気がない場合は注意が必要です。

特にドライフードを食べているのに水を飲まない場合は、水分不足になりやすいことがあります。

食欲があるならまず確認したいこと

次の点を確認してください。

・フードはドライかウェットか
・ふやかしフードを食べているか
・尿の量は普段通りか
・尿の色は濃くないか
・口臭やよだれはないか
・水の器は清潔か
・水の場所は落ち着けるか
・水を変えると飲むか
・散歩中なら飲むか
・別の器なら飲むか

食欲があり、尿も普段通りで、元気がある場合は、器や水の鮮度、食事からの水分量を見直してみましょう。

ただし、24時間以上ほとんど水を飲まない場合は、食欲があっても相談した方が安心です。


脱水で見られるサイン

犬が水を飲まない時に一番心配なのは脱水です。

脱水は、体に必要な水分が不足している状態です。

嘔吐、下痢、暑さ、発熱、水を飲まない状態が重なると起こりやすくなります。

脱水では、次のようなサインが見られることがあります。

・元気がない
・ぐったりしている
・口の中が乾いている
・歯ぐきがベタつく
・目がくぼんで見える
・皮膚の戻りが遅い
・尿が少ない
・尿の色が濃い
・呼吸が荒い
・食欲がない
・ふらつく

脱水は軽く見てはいけません。

動物病院では、必要に応じて皮下点滴や静脈点滴などで水分を補うことがあります。水を飲まない犬には、獣医師が点滴などで水分補給を行い、原因を調べることがあります。

皮膚の戻りを見る時の注意点

脱水の確認方法として、背中や首の皮膚を軽くつまんで戻りを見る方法が紹介されることがあります。

ただし、これはあくまで目安です。

シニア犬や皮膚の状態によっては、脱水でなくても戻りが遅く見えることがあります。

逆に、軽い脱水ではわかりにくいこともあります。

皮膚の戻りだけで判断せず、元気、尿、口の中、食欲、嘔吐や下痢の有無も一緒に見ましょう。


様子見できる可能性があるケース

犬が水を飲まない時でも、次のような場合は短時間だけ様子を見られることがあります。

・涼しい日で運動量が少ない
・ウェットフードやふやかしフードを食べている
・元気がある
・食欲がある
・尿が普段通り出ている
・尿の色が濃くない
・嘔吐や下痢がない
・口を痛がらない
・数時間後には少し飲む
・水を新しくしたら飲む
・器を変えたら飲む

ただし、様子を見る場合でも、完全に放置するのは避けましょう。

水の量、尿の量、元気、食欲を確認しながら見守ります。

様子見は短めに考える

水を飲まない状態は、食べない状態より早く体調に影響することがあります。

特に暑い日、嘔吐や下痢がある時、子犬やシニア犬では、様子見の時間を短めに考えてください。

24時間以上ほとんど水を飲まない場合は、動物病院へ相談した方が安心です。動物病院の解説でも、24時間以上水を飲まない場合や子犬・シニア犬では受診目安として紹介されています。


すぐ受診すべきケース

次のような場合は、早めに動物病院へ相談してください。

・24時間以上ほとんど水を飲まない
・半日以上飲まず、元気もない
・何度も吐く
・水を飲んでも吐く
・下痢が続く
・血便がある
・尿が少ない
・尿が出ない
・口の中が乾いている
・歯ぐきがベタつく
・ぐったりしている
・呼びかけへの反応が弱い
・ふらつく
・呼吸が荒い
・暑い場所にいた
・体が熱い
・口を痛がる
・よだれが多い
・子犬やシニア犬で水を飲まない
・腎臓病、糖尿病、心臓病などの持病がある

特に、嘔吐や下痢がある犬が水を飲まない場合は、脱水が進みやすくなります。

水を飲めない、飲んでも吐く、ぐったりしている場合は、自宅で飲ませようとするより受診を優先してください。


子犬・成犬・シニア犬で注意点は違う

犬が水を飲まない時は、年齢によって注意点が変わります。

子犬の場合

子犬は体が小さく、体力も少ないため、水分不足の影響を受けやすいです。

水を飲まないだけでなく、食欲がない、元気がない、吐く、下痢をする場合は早めに受診してください。

子犬では、感染症、寄生虫、低血糖、誤飲、胃腸の不調なども考えます。

「少し様子を見よう」と思っている間に悪化することがあるため、早めの相談が安心です。

成犬の場合

成犬では、涼しい日や食事内容によって一時的に水を飲む量が少なくなることがあります。

元気があり、尿も普段通りなら、器や水の鮮度を見直してみてもよいでしょう。

ただし、嘔吐、下痢、口の痛み、尿の減少、元気低下がある場合は、早めに受診してください。

シニア犬の場合

シニア犬では、口の痛み、歯周病、腎臓病、心臓病、関節痛、認知機能の変化などが関係することがあります。

水を飲まない理由が、単なる好みではなく、体の不調や動きにくさにあることもあります。

水の場所まで行くのがつらい。

首を下げて飲むのが痛い。

口の中が痛い。

こうした理由で飲水量が落ちることもあります。

シニア犬で急に水を飲まなくなった場合は、早めに相談しましょう。


自宅でできる確認と工夫

危険サインがない場合は、自宅でできる工夫を試します。

ただし、ぐったりしている、吐く、下痢をする、尿が出ない場合は、自宅ケアより受診を優先してください。

水を新しくする

まず、水を新鮮なものに替えましょう。

器も洗い、ぬめりやにおいを取り除きます。

犬は水のにおいや器の汚れに敏感なことがあります。

1日1回ではなく、こまめに水を替えると飲みやすくなる場合があります。

器を変える

器の素材や形が苦手で飲まない犬もいます。

プラスチック、金属、陶器などで反応が変わることがあります。

器が深すぎる、浅すぎる、滑る、音がする、高さが合わない場合もあります。

特にシニア犬や首・腰に痛みがある犬では、器の高さを調整すると飲みやすくなることがあります。

水の場所を増やす

水の場所が遠いと、犬が飲みに行かないことがあります。

特にシニア犬、足腰に不安がある犬、留守番中の犬では、水の場所を複数にするのもよい方法です。

リビング、寝床の近く、廊下など、犬が行きやすい場所に置いてみましょう。

ぬるめの水にする

冷たい水を嫌がる犬もいます。

特に寒い時期やシニア犬では、常温や少しぬるめの水の方が飲みやすいことがあります。

ただし、熱すぎる水は避けてください。

フードをふやかす

水を直接飲まない場合、ドライフードをぬるま湯でふやかして水分を補う方法があります。

食欲があり、吐き気がない場合には試しやすい方法です。

ただし、ふやかしたフードは傷みやすいため、長時間置きっぱなしにしないようにします。

無塩のゆで汁を少量使う

香りがあると飲みやすくなる犬もいます。

獣医師に相談のうえ、塩や調味料を使っていない鶏ささみのゆで汁などを少量混ぜる方法が合う犬もいます。

ただし、玉ねぎ、ねぎ、にんにく、味付けされたスープ、人用のだしは使わないでください。

持病がある犬や療法食を食べている犬では、勝手に混ぜない方が安全です。

飲水量を測る

水を飲んでいないように見えても、実際には少しずつ飲んでいることもあります。

朝、計量カップで水を測って器に入れます。

途中で足した量も記録します。

翌朝、残った量を引きます。

これで1日の飲水量がわかります。

家族が水を足す場合は、足した量をメモするようにしましょう。


犬が水を飲まない時にやってはいけないこと

水を飲まない時、焦って無理に対応すると危険なことがあります。

無理に口へ水を入れる

シリンジやスポイトで無理に水を入れるのは危険です。

犬が嫌がって暴れると、誤嚥する可能性があります。

特に、ぐったりしている、呼吸が荒い、意識がぼんやりしている犬に無理に飲ませるのは避けてください。

水を飲めない状態なら、動物病院で点滴などの処置を受ける方が安全です。

人間用のスポーツドリンクを与える

人間用のスポーツドリンクを自己判断で与えるのは避けましょう。

糖分や塩分が多く、犬の体調や持病によっては負担になることがあります。

犬用の経口補水製品を使う場合も、状態によって合わないことがあるため、迷う時は動物病院へ相談してください。

味の濃いスープを使う

味噌汁、ラーメンスープ、コンソメ、鍋の汁、人用のだしなどは使わないでください。

塩分が多いだけでなく、玉ねぎやにんにくなど犬に危険な食材が含まれることがあります。

香りづけをする場合でも、無塩・無調味を基本にします。

暑い場所で様子を見る

水を飲まない犬を暑い場所で様子見するのは危険です。

室温を整え、直射日光を避け、涼しい場所で休ませます。

暑い日にぐったりしている場合は、熱中症の可能性もあるため早めに相談してください。

長く様子を見すぎる

水を飲まない状態は、長く続くほど脱水のリスクが高くなります。

特に、嘔吐、下痢、発熱、暑さ、子犬、シニア犬、持病がある犬では、様子見を短く考えましょう。


動物病院で行われる検査と処置

動物病院では、水を飲まない原因や脱水の程度を確認します。

主な確認内容は以下です。

・問診
・体重測定
・体温測定
・口腔内の確認
・歯ぐきの状態確認
・皮膚や粘膜の確認
・腹部の触診
・聴診
・血液検査
・尿検査
・便検査
・レントゲン検査
・超音波検査
・感染症検査
・電解質の確認

脱水が疑われる場合は、状態に応じて皮下点滴や静脈点滴を行うことがあります。

嘔吐や下痢がある場合は、胃腸炎、膵炎、異物誤飲、感染症などを確認することがあります。

口の痛みが疑われる場合は、歯周病、口内炎、歯のトラブルなどを確認します。

尿が少ない、尿が出ない場合は、腎臓や泌尿器の異常も考えます。

大切なのは、「水を飲ませること」だけでなく、「なぜ飲まないのか」を確認することです。


食事や生活習慣との関係

犬の飲水量は、食事や生活環境によって変わります。

ドライフードとウェットフード

ドライフードは水分量が少ないため、通常は飲み水で水分を補います。

そのため、ドライフードを食べているのに水をあまり飲まない場合は注意が必要です。

一方、ウェットフードやふやかしフードを食べている犬は、食事から水分を取っているため、器から飲む量が少なく見えることがあります。

おやつや人の食べ物

おやつや人の食べ物が多いと、食事バランスが乱れることがあります。

味の濃いものを食べると本来は喉が渇きやすくなりますが、体調不良や口の違和感があると、水を飲まないこともあります。

犬に人用の味付け食品を与えるのは避けましょう。

室温と水の場所

室温が高いのに水を飲まない場合は注意が必要です。

水の場所が遠い、寝床から行きにくい、他の犬が邪魔をする、器が滑るなど、環境が原因で飲みにくくなっていることもあります。

犬が落ち着いて飲める場所に、清潔な水を置きましょう。

シニア犬は器の高さも大切

シニア犬や首・腰に痛みがある犬では、床に置いた器に首を下げるのがつらいことがあります。

台を使って器の高さを調整すると、飲みやすくなることがあります。

ただし、急に飲まなくなった場合は、環境だけでなく体調不良も考えてください。


受診時に伝えるとよいこと

動物病院へ相談する時は、次の内容を伝えると診察がスムーズです。

・いつから水を飲まないか
・1日にどれくらい飲んでいるか
・普段の飲水量と比べてどうか
・食欲はあるか
・ドライフードかウェットフードか
・ふやかしフードを食べているか
・尿は出ているか
・尿の量や色はどうか
・嘔吐はあるか
・下痢はあるか
・元気はあるか
・口臭やよだれはあるか
・口を痛がるか
・暑い場所にいたか
・体が熱くないか
・最近フードやおやつを変えたか
・薬やサプリを使っているか
・持病があるか
・子犬かシニア犬か

可能であれば、飲水量のメモ、尿の写真、便の写真、食事内容、症状の動画を用意しておくと伝えやすくなります。


よくある質問

Q. 犬が水を飲まないけど元気です。様子を見てもいいですか?

元気があり、食欲もあり、尿が普段通り出ていて、ウェットフードやふやかしフードを食べている場合は、短時間様子を見られることもあります。

ただし、24時間以上ほとんど飲まない、尿が少ない、暑い日なのに飲まない場合は相談してください。

Q. 食欲はあるのに水を飲みません。大丈夫ですか?

食事から水分を取れている場合や、涼しい日なら飲水量が少なくなることがあります。

ただし、ドライフード中心なのに水を飲まない、尿が少ない、口の痛みがある、元気がない場合は注意が必要です。

食欲だけで判断しないようにしましょう。

Q. 水を飲まない時、無理に飲ませてもいいですか?

無理に口へ水を入れるのは避けてください。

誤嚥や強いストレスにつながることがあります。

自分で飲めない状態なら、動物病院で点滴などの処置が必要な場合があります。

Q. 何時間飲まなければ危険ですか?

暑さ、年齢、体調、食事内容によって変わります。

ただし、半日以上ほとんど飲まず元気もない場合、24時間以上飲まない場合、嘔吐や下痢がある場合は早めに相談してください。

子犬やシニア犬ではもっと早めの判断が安心です。

Q. 犬用ミルクやスープを飲ませてもいいですか?

一時的な工夫として使える場合もありますが、体質や持病によって合わないことがあります。

人用の牛乳、味付きスープ、塩分の多い汁物は避けてください。

使う場合は、無調味のものを少量からにし、体調不良がある時は獣医師に相談しましょう。

Q. 尿が少ない気がします。受診した方がいいですか?

水を飲まない状態に加えて尿が少ない、濃い、出にくい、出ない場合は受診を考えてください。

特に尿が出ない場合は緊急性があります。


まとめ|犬が水を飲まない時は「脱水」と「尿の変化」を見逃さない

犬が水を飲まない原因には、涼しい日、運動量の少なさ、ウェットフード、器や水のにおい、環境の変化などがあります。

一方で、口の痛み、吐き気、胃腸の不調、熱中症、脱水、内臓の病気、薬の影響が関係していることもあります。

特に注意したいのは、

・24時間以上ほとんど水を飲まない
・元気がない
・食欲もない
・何度も吐く
・下痢がある
・尿が少ない
・尿が出ない
・口の中が乾いている
・歯ぐきがベタつく
・暑い場所にいた
・ぐったりしている
・子犬やシニア犬で水を飲まない

という場合です。

水を飲まない時は、無理に口へ水を入れるのではなく、まず全身状態を確認しましょう。

水の鮮度、器、場所、食事からの水分量を見直すことも大切です。

ただし、脱水や体調不良が疑われる場合は、自宅で長く様子を見ず、早めに動物病院へ相談してください。


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