
バーニーズ・マウンテン・ドッグは、漆黒を基調に白とリッチタンが入る美しいトライカラー、穏やかな表情、大きく力強い体が特徴的なスイス原産の大型犬です。
もともとはベルン周辺の農場で、家畜を追い、農場を見張り、荷車を引くなど複数の仕事を担ってきたファーム・ドッグでした。現在は家庭犬として世界中で親しまれていますが、体には作業犬としての力強さと持久力が残っています。
ジャパンケネルクラブ(JKC)の現行犬種標準での用途は、「元来はガード・ドッグ、牽引用の犬として又、ベルン州では農場でキャトル・ドッグとして用いられていたが、現在でも多用途に用いられており、家庭犬としても飼育されている。」です。
性格は自信があり、注意深く、怖いもの知らずで、飼い主さんへ献身的。他人に対しても穏やかで、ムラがなく従順な性格が理想とされています。
大きな体から番犬のような強さを想像されることがありますが、家庭では人との距離が近く、家族と一緒に過ごすことを好む犬が多い犬種です。
一方、成犬では30kg台後半から50kg前後になることもあるため、子犬期から飛びつき、引っ張り、玄関での飛び出しなどを丁寧に教える必要があります。
豊かな長毛のダブルコートを持ち、寒さには比較的強い反面、日本の高温多湿な夏は大きな負担になります。暑い季節は運動量を落とし、冷房の効いた室内で休める環境を用意することが重要です。
健康面では、股関節、肘関節、眼科、心臓、変性性脊髄症(DM)の検査が繁殖犬で重視されています。さらに、フォン・ヴィレブランド病、甲状腺、組織球性肉腫リスク検査なども犬種クラブの追加項目として利用されています。
バーニーズではがん、特に組織球性肉腫が犬種の重要な健康課題として研究されています。ただし、犬種名だけで将来の発症を決めることはできず、しこりや体調変化を見つけたら個別に診断を受けることが大切です。
バーニーズ・マウンテン・ドッグは、穏やかで愛情深い大型犬ですが、「おとなしいから手がかからない犬」ではありません。大きな体、豊かな被毛、暑さ、関節、短めの平均寿命まで理解し、日々の運動・体重・健康管理を続けられる家庭に向いています。
この記事では、バーニーズ・マウンテン・ドッグの性格、飼いやすさ、大きさ・体重、寿命、運動量、抜け毛、留守番、しつけ、注意したい病気、食事、子犬期、シニア期まで詳しく解説します。

- 1. バーニーズ・マウンテン・ドッグの基本情報
- 2. バーニーズ・マウンテン・ドッグの性格
- 3. バーニーズ・マウンテン・ドッグの飼いやすさ
- 4. バーニーズ・マウンテン・ドッグは初心者でも飼いやすい?
- 5. バーニーズ・マウンテン・ドッグの大きさ・体重
- 6. バーニーズ・マウンテン・ドッグの平均寿命
- 7. バーニーズ・マウンテン・ドッグに必要な運動量
- 8. バーニーズ・マウンテン・ドッグの抜け毛・お手入れ
- 9. バーニーズ・マウンテン・ドッグは留守番しやすい?
- 10. バーニーズ・マウンテン・ドッグのしつけのしやすさ
- 11. バーニーズ・マウンテン・ドッグの無駄吠え・噛み癖などの注意点
- 12. バーニーズ・マウンテン・ドッグがなりやすい病気・注意したい健康問題
- 13. バーニーズ・マウンテン・ドッグの食事・ドッグフード選び
- 14. バーニーズ・マウンテン・ドッグの子犬期の注意点
- 15. バーニーズ・マウンテン・ドッグのシニア期の注意点
- 16. バーニーズ・マウンテン・ドッグが向いている人
- 17. バーニーズ・マウンテン・ドッグのよくある質問
- まとめ|バーニーズ・マウンテン・ドッグは家族に寄り添う力強く穏やかなスイスの作業犬
- 【最新版】私がおすすめする犬用品10選
1. バーニーズ・マウンテン・ドッグの基本情報
| 犬種名 | バーニーズ・マウンテン・ドッグ |
|---|---|
| 英名 | Bernese Mountain Dog |
| 原産国 | スイス |
| 用途(JKC) | 元来はガード・ドッグ、牽引用の犬として又、ベルン州では農場でキャトル・ドッグとして用いられていたが、現在でも多用途に用いられており、家庭犬としても飼育されている。 |
| サイト内サイズ分類 | 大型犬 |
| 体高 | 牡64~70cm/牝58~66cm |
| 体重 | 約32~52kg程度がひとつの目安 |
| 平均寿命 | 7~10年程度がひとつの目安 |
| 運動量 | 中~多め。毎日の散歩と家族との活動が必要 |
| 被毛 | 長毛のダブルコート |
| 毛色 | ジェット・ブラックを基調にリッチタンとホワイトのマーキング |
| 抜け毛 | 多い。換毛期はさらに増える |
| トリミング | 定期的な全身カットは基本不要 |
| 留守番 | 長時間の孤立は苦手な犬も多い。段階的な練習が必要 |
| しつけやすさ | 比較的高い。穏やかで人に協力的だが繊細な面もある |
| 初心者向き | 大型犬の力・被毛・暑さ・健康管理まで継続できれば候補 |
バーニーズ・マウンテン・ドッグは、かつて「デュールベッヘラー」と呼ばれていたスイスの古いファーム・ドッグです。ベルン周辺の農場で見張り、牛追い、荷車の牽引などを行っていました。
1907年には犬種クラブが設立され、1910年頃から現在の「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」という名称が定着していきました。
JKCでの体高は牡64~70cm、牝58~66cm。一般的な体重では牡約36~52kg、牝約32~43kg程度がひとつの目安で、大型犬の中でもかなり存在感があります。
毛色はジェット・ブラックを基調に、頬・目の上・四肢・胸にリッチタン、頭部や胸などに白いマーキングが入る特徴的なトライカラーです。
見た目は重厚ですが、犬種標準では頑健であるだけでなく機敏さも求められます。単に体重を増やして大きく見せることは健康面でも犬種らしさの面でも望ましくありません。
2. バーニーズ・マウンテン・ドッグの性格
バーニーズ・マウンテン・ドッグは、穏やかで家族に愛情深く、落ち着いた成犬になりやすい犬種です。
- 家族への愛情が深い
- 人と一緒に過ごすことを好む
- 穏やかで安定した気質が理想
- 知的で学習しやすい
- 飼い主さんを喜ばせることを好む犬が多い
- 知らない人には少し距離を取る犬もいる
- 繊細で強い叱責が苦手な犬もいる
JKCでは、飼い主には献身的で、他人に対しても穏やかに自信を持って接することが理想とされています。
「大きくて穏やかだから、子どもに何をされても平気」と考えるのは危険です。寝ている犬へ覆いかぶさる、食事中に触る、耳や尾を引っ張るといった接し方は避け、犬にも逃げられる休息場所を用意してください。
若い時期は大きな体で遊び回り、人へ飛びつくこともあります。落ち着いた成犬のイメージだけで迎えず、子犬から若齢期の活動性も想定しましょう。
3. バーニーズ・マウンテン・ドッグの飼いやすさ
性格面では家庭犬として暮らしやすい犬種ですが、体格と被毛、暑さ、医療・介護まで考えると、生活管理の負担は小さくありません。
- 30~50kg級の犬を安全に扱えること
- 毎日適度な散歩と活動を行うこと
- 抜け毛と長毛のお手入れを続けること
- 日本の夏は冷房管理を徹底すること
- 子犬期から飛びつき・引っ張りを教えること
- 大型犬を運べる移動手段を考えること
- 関節や腫瘍を含む健康管理を続けること
バーニーズは家族と一緒に過ごすことを好みます。広い庭へ一頭で出しておけば満足するというより、飼い主さんと散歩や作業をする方が精神的な満足につながりやすいでしょう。
室内では滑りにくい床を用意し、階段の上り下りや高い場所からの飛び降りを繰り返させないようにします。大型犬は一度足腰を痛めると介助そのものが大きな負担になるため、予防的な環境づくりが重要です。
・犬のハウスの教え方とは?ケージやクレートに入らない時のしつけ方法を解説
4. バーニーズ・マウンテン・ドッグは初心者でも飼いやすい?
人との協調性が高く、比較的トレーニングしやすいため、初めて大型犬を飼う人にも候補にはなります。
ただし「初心者向き=簡単」という意味ではありません。特に次の条件を確認してください。
- 大きな犬を安全に散歩できる
- 毎日のブラッシングや掃除を負担に感じすぎない
- 夏は24時間を含めた室温管理を考えられる
- 大型犬の食費・医療費・介護費を準備できる
- 車や災害時の移動方法を用意できる
- 子犬期から報酬を使ったしつけを続けられる
- 親犬の健康検査や血統情報を確認できる
バーニーズは繊細な面を持つ犬が多く、強い叱責や恐怖を使ったしつけは向きません。何をしてほしいのかを分かりやすく教え、成功した行動を褒める方が安定した家庭犬へ育てやすいでしょう。
大型犬では「待て」「おいで」「リードを緩めて歩く」「玄関で飛び出さない」など、安全に直結する行動を早い時期から教えることが大切です。
・犬の待ての教え方とは?初心者でもできる基本のしつけ手順を解説
5. バーニーズ・マウンテン・ドッグの大きさ・体重

体高は牡64~70cm、牝58~66cmです。一般的な体重は約32~52kg程度がひとつの目安で、牡の方が大きくなる傾向があります。
被毛が豊かなため、外見だけでは太ったことに気づきにくい犬種です。ブラッシングの時に肋骨や腰へ直接触れ、体型を確認してください。
- 肋骨を軽く触れられるか
- 上から見て腰に適度なくびれがあるか
- 横から見て腹部が適度に引き締まっているか
- 後ろ足の筋肉が保たれているか
- 急な体重増減がないか
体重過多は股関節や肘関節への負担を増やし、暑い季節の体温管理も難しくします。大型犬だから多少太っていてもよいと考えず、機能的に動ける体型を維持しましょう。
6. バーニーズ・マウンテン・ドッグの平均寿命
平均寿命は7~10年程度がひとつの目安です。大型犬の中でも寿命が短めの犬種として知られています。
もちろん7歳になれば必ず病気になるわけではなく、10歳を超えて元気に暮らす犬もいます。一方で、犬種として腫瘍、関節、神経などの健康課題があるため、若いうちから体調を記録しておくことが重要です。
- 体重と筋肉量
- 歩き方と立ち上がり
- 新しいしこりの有無
- 食欲・飲水量の変化
- 散歩後の疲れ方
- 安静時の呼吸
- 歯ぐきの色
新しいしこりができた時は、柔らかい・動く・小さいという理由だけで良性と判断しないでください。大きさや場所を記録し、必要に応じて細胞診などで確認します。
・犬のしこりの原因とは?硬い・柔らかい・急に大きくなる時の危険サインと受診目安
7. バーニーズ・マウンテン・ドッグに必要な運動量

バーニーズは働く大型犬ですが、シベリアン・ハスキーのように長時間走り続けることを前提とした犬種ではありません。健康な成犬では、毎日の散歩と家族との活動を無理なく続けることが基本です。
- 朝夕を中心とした散歩
- におい嗅ぎ
- 短時間のトレーニング
- 涼しい季節のハイキング
- 成犬後の適切なドラフト・カーティング系活動
- 無理のない遊び
歴史的には荷車を引く仕事をしてきましたが、成長途中の子犬へ重い物を引かせることは避けます。骨や成長板が十分に成熟する前の負荷は関節へのリスクになります。
夏は運動量より暑さ対策を優先
厚い被毛を持つため、日本の夏は特に注意が必要です。早朝や日没後でも湿度が高い日は体温が下がりにくくなります。
呼吸が激しく続く、よだれが増える、歩きたがらない、ふらつく、反応が鈍い場合は熱中症を含む緊急状態を考えます。
真夏は「運動不足にしないこと」より「熱中症を起こさないこと」を優先し、室内でノーズワークや簡単なトレーニングを取り入れましょう。
8. バーニーズ・マウンテン・ドッグの抜け毛・お手入れ
バーニーズは長く豊かなダブルコートを持ち、抜け毛は多い犬種です。通常期は週に数回、換毛が増える時期は必要に応じて毎日ブラッシングします。
- 耳の後ろのもつれを確認する
- 首・胸・脇の下を確認する
- 後ろ足や尾の飾り毛を確認する
- 肉球と爪を確認する
- 皮膚の赤みやしこりを確認する
- 歯磨きを習慣にする
長毛ですが、プードルのように全身を一定の形へカットし続ける犬種ではありません。暑そうだからという理由だけで全身を極端に短く刈るより、室温、日陰、散歩時間で暑さを管理してください。
毛量が多い大型犬はシャンプー後の乾燥にも時間がかかります。下毛の根元まで濡れたままにすると皮膚が蒸れやすいため、無理なく十分に乾かします。
自宅でのブラッシングやシャンプーが難しい場合は、子犬期からサロン環境へ少しずつ慣らしておくと安心です。
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9. バーニーズ・マウンテン・ドッグは留守番しやすい?
バーニーズは人とのつながりが強く、長時間の孤立を好まない犬が多い犬種です。
だからといって常に家族と一緒に過ごし、一人になる経験をまったく作らないと、留守番が必要になった時に不安が強くなる場合があります。
- 同じ部屋でも自分の寝床で休む
- 飼い主さんが短時間別室へ行く
- 数十秒~数分の外出から練習する
- 落ち着ける範囲で少しずつ延ばす
- 留守番前に排泄と適度な散歩を済ませる
留守番スペースは大型犬が無理なく立ち上がり、向きを変え、休める広さを確保します。夏は停電時の暑さもリスクになるため、室温管理と緊急時の対応も考えてください。
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10. バーニーズ・マウンテン・ドッグのしつけのしやすさ
バーニーズは知的で、人と協力することを好むため、比較的トレーニングしやすい犬種です。
一方、繊細な面を持つ犬も多く、強い叱責や乱暴なリード操作では萎縮することがあります。食べ物、遊び、褒め言葉を使い、成功した行動を増やす方法が向いています。
- 名前を呼ばれたら見る
- おすわり
- 待て
- おいで
- ハウス
- リードを緩めて歩く
- 人へ飛びつかず挨拶する
- 玄関で飛び出さず待つ
- 体を触られることへ慣れる
- 車や動物病院へ落ち着いて移動する
特に大型犬では、力で止めるより「引っ張らない方が前へ進める」「四本足で立っていると人に近づける」と日常のルールそのものを教えることが大切です。
子犬期に家族全員で合図やルールをそろえると、犬が混乱しにくくなります。
11. バーニーズ・マウンテン・ドッグの無駄吠え・噛み癖などの注意点
バーニーズは農場を見張る役割も担っていたため、来客や家の外の変化に声を出す犬はいます。ただし、常に激しく吠えることが犬種らしさというわけではありません。
- 来客への知らせ吠え
- 家族への要求
- 遊びの興奮
- 留守番への不安
- 退屈
- 外の犬や人への反応
吠えを減らす時は原因を確認し、窓の外が刺激なら視界を調整し、要求なら静かに待つ行動を褒め、退屈なら散歩や知的刺激を見直します。
子犬期の甘噛みや物をくわえる行動は、適切なおもちゃへ誘導します。大きくなってからも家具や布を飲み込まないよう、誤飲しやすい物は床へ置かないことが重要です。
また、これまで穏やかだった成犬が突然うなる・噛もうとするようになった場合は、性格だけでなく関節、耳、歯、皮膚などの痛みも確認してください。
12. バーニーズ・マウンテン・ドッグがなりやすい病気・注意したい健康問題

バーニーズでは、繁殖前の健康評価と、家庭犬としての日常的な早期発見の両方が特に重要です。
現在AKCが掲載するナショナルブリードクラブ推奨項目は、股関節、肘関節、心臓、眼科、DMの2種類のDNA検査、AKC DNA Profileです。
BMDCAでは最低限の推奨検査を、股関節、肘関節、眼科、心臓、DMに加え、フォン・ヴィレブランド病、甲状腺、組織球性肉腫リスク検査のいずれか1つとしています。
検査を受けていることと、すべてが正常であることは同じではありません。BMDCAもCHICなどは「必要検査が行われ結果が公開されている」ことを示すもので、すべての病気をクリアした保証ではないと説明しています。
股関節形成不全
股関節形成不全は、大腿骨頭と骨盤側の関節のかみ合わせが十分でなく、不安定性や変形性関節症につながることがある病気です。
- 寝起きに立ち上がりにくい
- 腰を振るように歩く
- 階段を嫌がる
- ジャンプしなくなる
- 運動後に後ろ足をかばう
- 後ろ足の筋肉が減る
遺伝的要因だけでなく、体重や成長速度、運動環境なども関節への負担に関係します。
・犬の股関節形成不全とは?後ろ足のふらつき・腰を振る歩き方・立ち上がりにくい時に注意したい病気
肘関節形成不全
肘関節形成不全も繁殖前検査で重視されます。肘を構成する骨の発達異常などによって、若い時期から前足の痛みや跛行が出る場合があります。
- 前足をかばう
- 歩き始めがぎこちない
- 運動後に前足を引きずる
- 走ることを嫌がる
前足の跛行には肩、爪、肉球など別の原因もあるため、歩き方だけで肘関節形成不全と決めつけないでください。
変性性脊髄症(DM)
DMは主に中高齢で後ろ足の協調運動が徐々に低下していく神経疾患です。バーニーズでは一般的なSOD1関連変異に加え、犬種で確認されている別のDM関連変異についてもDNA検査が利用されています。
- 後ろ足の爪を擦る
- 足先が裏返る
- 後ろ足が交差する
- ふらつく
- 徐々に後肢で体を支えにくくなる
DNA検査は遺伝的リスクを知るための情報であり、歩行異常がある犬をDNA結果だけでDMと診断することはできません。股関節、腰仙部、椎間板、末梢神経などでも似た症状が出ます。
組織球性肉腫などのがん
バーニーズで特に知っておきたい健康課題のひとつが、組織球性肉腫を含むがんです。
組織球性肉腫は免疫機能に関わる組織球から発生する悪性腫瘍で、局所性と全身へ広がるタイプなどがあります。BMDCAでも独立した健康情報と研究支援の対象になっています。
現在は組織球性肉腫の「リスク検査」も利用できますが、これは将来必ず発症するかどうかを診断する検査ではありません。繁殖集団のリスク低減に利用する情報として考えます。
- 新しいしこりができた
- 原因不明の体重減少がある
- 食欲が落ちた
- 以前より疲れやすい
- 跛行や痛みが続く
- 急にぐったりする
これらはがんだけの症状ではありません。犬種名だけで原因を決めず、変化が続く場合は診察を受けてください。
心臓・目・甲状腺など
心臓と眼科の評価も主要な繁殖前検査です。また、BMDCAでは甲状腺検査やフォン・ヴィレブランド病検査も追加項目として利用されています。
これらの検査が推奨されているからといって、すべてのバーニーズに同じ病気が高頻度で起きるという意味ではありません。親犬と血統全体の情報を集めることが大切です。
胃拡張胃捻転(GDV)
バーニーズのような大型犬では、胃拡張胃捻転(GDV)の緊急症状も知っておきたいポイントです。
- 何度も吐こうとしているのに何も出ない
- 急にそわそわする
- よだれが増える
- お腹が張る
- 呼吸が速くなる
- ぐったりする・倒れる
吐こうとして吐けない状態を繰り返し、お腹が急に張る、ぐったりする場合は自宅で様子を見ず、すぐに動物病院へ連絡してください。
・犬の胃拡張胃捻転(GDV)とは?吐こうとして吐けない・お腹が張る時の緊急症状と手術を解説
13. バーニーズ・マウンテン・ドッグの食事・ドッグフード選び

食事は年齢、体重、活動量、避妊・去勢、持病に合った総合栄養食を基本にします。
大型犬の子犬は急激に太らせない
成長期の大型犬では、体を大きくするために過剰なカロリーを与えるのではなく、適切な速度で成長させることが大切です。
大型犬の成長に対応した総合栄養食を利用し、自己判断でカルシウムなどを追加しないようにします。完全栄養食へ不必要なサプリメントを足すと栄養バランスを崩す場合があります。
成犬は体重を定期的に確認する
- フードを毎回計量する
- おやつも一日の摂取量へ含める
- 月単位で体重を確認する
- 肋骨と腰へ触れて体型を見る
- 運動量が減れば給与量も見直す
バーニーズでは関節の健康を守るためにも肥満を避けることが重要です。シニア期は活動量が低下しやすいので、若い頃と同じ食事量を続けないようにしましょう。
療法食やサプリメントは、病気の診断内容や薬との関係もあるため、必要な場合は獣医師と相談してください。
14. バーニーズ・マウンテン・ドッグの子犬期の注意点

バーニーズの子犬は急速に大きくなるため、「今は小さいから大丈夫」と行動を放置しないことが大切です。
- 四本足を床につけて挨拶する
- 名前を呼ばれたら見る
- おいでで戻る
- 玄関で待つ
- リードを緩めて歩く
- ハウスで休む
- ブラシや爪切りへ慣れる
- 口・耳・足を触られることへ慣れる
- 短時間ひとりで休む
成長途中で重い荷車を引かせない
バーニーズは歴史的に牽引作業をしてきた犬ですが、子犬へ重い物を引かせて体を鍛える必要はありません。
成長板が閉じる前の高負荷運動は避け、自然な散歩や遊びで基礎体力を育てます。カーティングなど本格的な牽引活動は成長後に適切な指導のもとで始めましょう。
親犬の健康検査と家系情報を確認する
バーニーズでは一頭だけの検査結果だけでなく、兄弟姉妹や親族の健康情報を公開していることも重要です。
- 股関節評価
- 肘関節評価
- 眼科専門医による評価
- 心臓評価
- DMのDNA検査
- 必要に応じたvWD・甲状腺・組織球性肉腫リスク検査
- 近親犬の寿命や死因の情報
BMDCAは、繁殖犬だけでなく兄弟姉妹を含む「家系全体の情報」を共有することを重視しています。検査結果が多いことだけでなく、異常結果や死因も含めて情報公開しているかを確認するとよいでしょう。
15. バーニーズ・マウンテン・ドッグのシニア期の注意点
バーニーズは大型で平均寿命が短めなため、一般的な小型犬より早い年齢からシニア期の変化を意識することがあります。
- 立ち上がりに時間がかかる
- 後ろ足が滑る
- 散歩速度が落ちる
- 車への乗り降りを嫌がる
- 体重が減る
- 新しいしこりができる
- 安静時の呼吸が変わる
- 食欲が落ちる
歩き方の変化を「年だから仕方ない」で終わらせず、関節炎、DM、腰の病気など原因を確認します。
また、しこりだけでなく、原因不明の体重減少、持続する跛行、急な元気低下なども受診のきっかけになります。
大型犬では介護時に人の力だけで抱き上げることが難しいため、滑りにくい床、段差用スロープ、介助ハーネス、車への乗せ方を元気なうちから考えておきましょう。
健康で歩けるシニア犬なら、年齢だけを理由に散歩を完全にやめる必要はありません。短い散歩やにおい嗅ぎを続け、筋肉と生活の楽しみを維持します。
16. バーニーズ・マウンテン・ドッグが向いている人
バーニーズ・マウンテン・ドッグは、次のような人と相性を作りやすい犬種です。
- 穏やかな大型犬と暮らしたい人
- 犬を家族の近くで生活させたい人
- 毎日の散歩とトレーニングを続けられる人
- 長毛と大量の抜け毛を受け入れられる人
- 夏の冷房管理を徹底できる人
- 大型犬の費用・移動・介護まで考えられる人
- 親犬や家系の健康情報を確認できる人
- 犬の短めの平均寿命も理解して迎えられる人
涼しい季節の散歩やハイキング、家族と一緒の外出、カーティングなどを楽しみたい家庭には大きな魅力があります。
反対に、暑い環境で屋外中心に飼いたい、抜け毛を極力避けたい、長時間の留守番が毎日続く、50kg前後の犬を安全に移動させる準備が難しい家庭には向きにくいでしょう。
「大きくて優しい」というイメージだけでなく、健康管理と介護まで含めて生涯を想像してから迎えることが大切です。
17. バーニーズ・マウンテン・ドッグのよくある質問
Q. バーニーズ・マウンテン・ドッグは初心者でも飼えますか?
人との協調性が高いため候補にはなりますが、大型犬の力、長毛、暑さ、医療費、介護まで管理できることが前提です。
Q. 何kgくらいになりますか?
一般に約32~52kg程度がひとつの目安です。牡は約36~52kg、牝は約32~43kg程度になる犬が多く、個体差があります。
Q. 寿命はどのくらいですか?
7~10年程度がひとつの目安です。これより長く生きる犬もいますが、腫瘍や関節などの健康管理を若いうちから意識してください。
Q. 抜け毛は多いですか?
多い犬種です。通常期も定期的なブラッシングが必要で、換毛期には抜け毛がさらに増えます。
Q. 夏でも外で飼えますか?
日本の高温多湿な夏ではおすすめできません。厚いダブルコートを持つため、冷房の効いた室内を基本にし、散歩は涼しい時間へ変更してください。
Q. バーニーズは子どもと暮らしやすいですか?
穏やかで家族に愛情深い犬が多いですが、大型犬なので興奮時に子どもを倒す可能性があります。幼い子どもと犬だけにせず、犬の休息場所も守ってください。
Q. 毎日どのくらい運動が必要ですか?
健康な成犬では毎日の散歩が必要ですが、長距離を全力で走り続けさせる犬種ではありません。散歩、におい嗅ぎ、短いトレーニング、涼しい季節のハイキングなどを組み合わせます。
Q. 荷車を引かせても大丈夫ですか?
歴史的に牽引犬ですが、成長途中の子犬に重い荷を引かせるのは避けてください。本格的なカーティングは十分に成長してから適切な指導のもとで行います。
Q. DMのDNA検査でリスク型なら必ず発症しますか?
必ず発症するという意味ではありません。DNA検査は遺伝的リスク情報であり、現在の歩行異常の診断は神経学的検査やほかの病気の除外も含めて行います。
Q. 組織球性肉腫リスク検査で将来のがんが分かりますか?
将来必ず発症するかどうかを診断する検査ではありません。繁殖時に集団としてリスクを下げるための情報として利用されます。しこりや体調変化がある犬の診断は別途必要です。
Q. しこりを見つけたらバーニーズなのでがんですか?
いいえ。しこりには脂肪腫、嚢胞、炎症など腫瘍以外の原因もあります。触った感覚だけでは判断できないため、新しいしこりや大きくなるしこりは動物病院で確認してください。
Q. 留守番できますか?
段階的に練習すればできますが、人との結びつきが強く、長時間の孤立を苦手とする犬もいます。短時間から練習し、運動と安心して休める環境を用意してください。
Q. 子犬を迎える時に確認したい健康検査は?
股関節、肘関節、眼科、心臓、DMが現在の主要な確認項目です。さらにvWD、甲状腺、組織球性肉腫リスク検査などが利用されます。検査結果だけでなく近親犬の寿命や死因も確認するとよいでしょう。
Q. バーニーズで特に注意したい健康問題は?
股関節・肘関節形成不全、DM、組織球性肉腫を含む腫瘍、心臓・眼科の問題などについて知っておくとよいでしょう。大型犬としてGDVの緊急症状も覚えておくことが重要です。
まとめ|バーニーズ・マウンテン・ドッグは家族に寄り添う力強く穏やかなスイスの作業犬

バーニーズ・マウンテン・ドッグは、スイスのベルン周辺で農場の見張り、牛追い、荷車の牽引などを行ってきた大型のファーム・ドッグです。
JKCでの用途は、元来のガード・ドッグ、牽引用、キャトル・ドッグという歴史に加え、現在も多用途で家庭犬として飼育されていることまで含む長い表記になっています。
性格は自信があり、注意深く、飼い主さんへ献身的で、他人にも穏やかに接することが理想です。
人との共同生活に向く一方、成犬では30~50kg台になるため、飛びつき、引っ張り、玄関での飛び出しなどを子犬期から教える必要があります。
運動は毎日の散歩を基本に、におい嗅ぎ、短いトレーニング、涼しい季節のハイキングなどを組み合わせます。
長毛のダブルコートを持ち、抜け毛は多めです。特に換毛期はブラッシング頻度を増やし、皮膚やしこりも同時に確認するとよいでしょう。
寒さに強い一方、日本の夏には弱いため、冷房の効いた室内を基本にし、暑い時間帯の運動を避けます。
健康面では、股関節、肘関節、眼科、心臓、DMの検査が現在の主要な繁殖前評価です。
BMDCAではさらにvWD、甲状腺、組織球性肉腫リスク検査のいずれかを追加する最低推奨検査を示し、正常結果だけでなく異常結果や近親犬の情報も公開することを重視しています。
組織球性肉腫はバーニーズで重要ながん研究分野ですが、リスク検査だけで個々の犬の将来を診断することはできません。
日常では新しいしこり、原因不明の体重減少、続く跛行、元気低下などを見逃さず、必要に応じて診断を受けてください。
また、大型犬としてGDVの緊急症状も覚えておき、吐こうとして吐けない、お腹が張る、急にぐったりするといった場合はすぐに受診します。
子犬を迎える時は、トライカラーの美しさや穏やかな顔だけでなく、親犬の健康検査、家系の寿命や死因、性格、飼育環境、繁殖方針まで確認してください。
バーニーズ・マウンテン・ドッグは、家族への深い愛情と穏やかさ、農場犬としての力強さを併せ持つ魅力的な大型犬です。十分な散歩とトレーニング、被毛と暑さの管理、適正体重、関節・神経・腫瘍を含む健康管理を続け、生涯を通じて大型犬を支えられる環境を整えることが大切です。


