犬の椎間板ヘルニアとは?歩けない・後ろ足のふらつき・背中の痛みに注意したい病気を解説

愛犬が急に歩きたがらない。

後ろ足がふらつく。

背中を丸めている。

抱っこしようとすると痛がる。

段差を嫌がる。

後ろ足を引きずっている。

このような様子があると、とても心配になると思います。

犬の歩き方の異常には、足先のケガ、関節の病気、神経の病気、腰の痛みなど、さまざまな原因があります。

その中でも注意したい病気のひとつが、椎間板ヘルニアです。

犬の椎間板ヘルニアとは、背骨と背骨の間にある椎間板が変性したり飛び出したりして、脊髄や神経を圧迫する病気です。

軽い場合は、背中や首の痛みだけに見えることがあります。

しかし重い場合は、後ろ足が動かない、立てない、排尿がうまくできないなど、緊急性の高い状態になることがあります。

特にダックスフンド、コーギー、ビーグル、フレンチブルドッグ、シーズーなど、胴が長い犬や椎間板の変性が起こりやすい犬種では注意が必要です。

ただし、椎間板ヘルニアは特定の犬種だけの病気ではありません。

どの犬にも起こる可能性があります。

この記事では、

・犬の椎間板ヘルニアとはどんな病気か
・よく見られる症状
・原因やなりやすい犬
・すぐ受診すべきサイン
・検査と治療方法
・自宅でできること
・やってはいけないこと
・再発予防の生活管理

を、飼い主さん向けにわかりやすく解説します。


  1. 犬の椎間板ヘルニアとは?
  2. 犬の椎間板ヘルニアで見られる主な症状
    1. ① 背中を丸める
    2. ② 抱っこを嫌がる
    3. ③ 後ろ足がふらつく
    4. ④ 足先をひっくり返して歩く
    5. ⑤ 歩けない・立てない
  3. 首のヘルニアと背中・腰のヘルニアの違い
    1. 首の椎間板ヘルニア
    2. 背中・腰の椎間板ヘルニア
    3. 痛みだけでも軽く見ない
  4. 犬の椎間板ヘルニアの主な原因
    1. ① 椎間板の変性
    2. ② ジャンプや段差
    3. ③ 肥満
    4. ④ 加齢
    5. ⑤ 体型や犬種の影響
  5. 椎間板ヘルニアになりやすい犬の特徴
  6. 椎間板ヘルニアと間違えやすい病気
    1. 股関節形成不全
    2. 膝蓋骨脱臼
    3. 前十字靭帯損傷
    4. 関節炎
    5. 足先や肉球のトラブル
  7. すぐ受診すべきサイン
  8. 検査と治療方法
    1. 主な検査
    2. 内科的治療
    3. 外科的治療
    4. リハビリ
  9. 自宅でできること
    1. ① まず安静にする
    2. ② 抱っこは体を水平に支える
    3. ③ 滑りにくい床にする
    4. ④ 段差を減らす
    5. ⑤ 症状を記録する
  10. やってはいけないこと
    1. ① 無理に歩かせる
    2. ② マッサージを自己判断で行う
    3. ③ 人間用の痛み止めを使う
    4. ④ 痛みが引いたからすぐ運動させる
    5. ⑤ 段差やジャンプをそのままにする
  11. 再発予防と生活環境の見直し
    1. ① ジャンプを減らす
    2. ② 階段を避ける
    3. ③ 首輪よりハーネスを使う
    4. ④ 適度な筋力を保つ
    5. ⑤ 爪や肉球も整える
  12. 体重管理と食事の関係
    1. 適正体重を維持する
    2. おやつの量を見直す
    3. 関節や筋肉を支える食事を考える
  13. 受診時に伝えるとよいこと
  14. よくある質問
    1. Q. 犬のヘルニアと椎間板ヘルニアは同じですか?
    2. Q. 犬の椎間板ヘルニアは自然に治りますか?
    3. Q. 後ろ足がふらついています。様子を見てもいいですか?
    4. Q. 椎間板ヘルニアの時に散歩はしてもいいですか?
    5. Q. 手術しないと治りませんか?
    6. Q. 再発を防ぐには何をすればいいですか?
  15. まとめ|犬の椎間板ヘルニアは「痛み」と「麻痺」を見逃さない
  16. 関連リンク(重要)
  17. 【最新版】私がおすすめする犬用品10選

犬の椎間板ヘルニアとは?

犬の椎間板ヘルニアとは、背骨と背骨の間にある「椎間板」に異常が起こり、脊髄や神経を圧迫する病気です。

椎間板は、背骨の間でクッションのような役割をしています。

体を曲げたり、走ったり、ジャンプしたりする時の衝撃をやわらげています。

しかし、この椎間板が変性したり、飛び出したりすると、近くにある脊髄や神経を圧迫します。

その結果、痛み、ふらつき、麻痺、歩けないなどの症状が出ることがあります。

犬の椎間板ヘルニアは、首に起こることもあります。

背中や腰のあたりに起こることもあります。

場所によって症状の出方が変わります。

首のヘルニアでは、首を動かしたがらない、頭を下げる、前足に痛みが出ることがあります。

背中や腰のヘルニアでは、後ろ足がふらつく、背中を丸める、後ろ足を引きずる、立てないなどが見られることがあります。

軽い痛みだけで済むこともあります。

一方で、急に歩けなくなることもあります。

そのため、歩き方の異常や強い痛みがある場合は、早めに動物病院へ相談することが大切です。


犬の椎間板ヘルニアで見られる主な症状

犬の椎間板ヘルニアでは、痛みや神経の異常が見られます。

症状は、圧迫されている場所や重症度によって変わります。

代表的な症状は以下です。

・背中を丸める
・首を動かしたがらない
・抱っこを嫌がる
・キャンと鳴く
・歩き方がふらつく
・後ろ足を引きずる
・足先をひっくり返して歩く
・段差を嫌がる
・ジャンプしなくなる
・散歩を嫌がる
・立ち上がれない
・歩けない
・排尿や排便がうまくできない
・元気がない
・食欲が落ちる

最初は「少し元気がない」だけに見えることもあります。

でも、背中や首の痛みが原因で動きたがらない場合があります。

① 背中を丸める

背中や腰に痛みがある犬は、背中を丸めることがあります。

いつもより姿勢が低い。

背中が山のように丸い。

動きがぎこちない。

このような様子が見られます。

お腹が痛い時にも似た姿勢をすることがあります。

そのため、背中を丸めているだけで椎間板ヘルニアとは判断できません。

ただし、歩き方の異常や痛がる様子がある場合は注意が必要です。

② 抱っこを嫌がる

椎間板ヘルニアでは、抱っこの時に痛みが出ることがあります。

特に、体を曲げるような抱き方や、腰だけを支える抱き方で痛がる犬がいます。

抱っこしようとすると逃げる。

持ち上げた瞬間に鳴く。

体を硬くする。

急に怒る。

このような変化がある場合は、背中や首の痛みも考えます。

無理に抱っこせず、体を水平に支えるようにしてください。

③ 後ろ足がふらつく

背中から腰のあたりで神経が圧迫されると、後ろ足に症状が出ることがあります。

歩く時にふらつく。

後ろ足がもつれる。

足先を引きずる。

後ろ足が交差する。

このような様子が見られることがあります。

軽いふらつきでも、神経の異常が始まっている可能性があります。

早めに確認しましょう。

④ 足先をひっくり返して歩く

神経に異常があると、犬が足先の位置をうまく感じ取れなくなることがあります。

その結果、足の甲を地面につけるように歩くことがあります。

これを「ナックリング」と呼ぶことがあります。

足先を引きずる。

爪が削れる。

足の甲が地面につく。

このような場合は、神経の異常が疑われます。

早めに受診してください。

⑤ 歩けない・立てない

椎間板ヘルニアが重い場合、急に歩けなくなることがあります。

後ろ足に力が入らない。

立とうとしても崩れる。

後ろ足を引きずる。

自力で立てない。

この状態は緊急性が高いです。

特に、痛みの感覚が弱くなっている場合や、排尿がうまくできない場合は、早急な診察が必要です。


首のヘルニアと背中・腰のヘルニアの違い

椎間板ヘルニアは、起こる場所によって症状が違います。

大きく分けると、首のヘルニアと、背中・腰のヘルニアがあります。

首の椎間板ヘルニア

首に起こる椎間板ヘルニアでは、首の痛みが目立つことがあります。

・首を動かしたがらない
・頭を下げたままにする
・上を向けない
・ごはん皿に顔を下げにくい
・抱っこで鳴く
・前足に痛みやふらつきがある
・体全体がぎこちない

首の痛みが強い犬は、ごはんや水を飲みたいのに、器まで顔を下げられないことがあります。

そのため、食欲がないように見える場合もあります。

背中・腰の椎間板ヘルニア

背中や腰のあたりに起こる椎間板ヘルニアでは、後ろ足に症状が出やすくなります。

・背中を丸める
・腰を触ると嫌がる
・後ろ足がふらつく
・後ろ足を引きずる
・階段を嫌がる
・ジャンプしなくなる
・立てない
・排尿がうまくできない

特にダックスフンドなどでは、胸から腰のあたりに問題が出ることがあります。

後ろ足のふらつきや麻痺がある場合は、早めに受診しましょう。

痛みだけでも軽く見ない

椎間板ヘルニアは、最初は痛みだけに見えることがあります。

まだ歩ける。

まだ食べる。

少し元気がないだけ。

このように見えることもあります。

しかし、状態によっては短時間で悪化することがあります。

痛みが強い場合や、歩き方が変な場合は、様子を見すぎないことが大切です。


犬の椎間板ヘルニアの主な原因

犬の椎間板ヘルニアは、椎間板の変性や外力などが関係して起こります。

原因はひとつではありません。

① 椎間板の変性

椎間板は、年齢や体質によって少しずつ変化します。

弾力が失われると、衝撃を吸収しにくくなります。

その状態で、椎間板が飛び出したり、脊髄を圧迫したりすることがあります。

特に、胴長短足の犬種では、若い年齢でも椎間板の変性が起こりやすいとされています。

② ジャンプや段差

ソファ、ベッド、階段、車の乗り降りなどは、背骨に負担をかけることがあります。

特に、

・高い場所から飛び降りる
・階段を何度も使う
・滑る床で走る
・急に方向転換する
・激しいジャンプを繰り返す

といった動きは注意が必要です。

ただし、1回のジャンプだけが原因というより、もともと弱くなっていた椎間板に負担がかかって発症することもあります。

③ 肥満

体重が増えると、背骨や関節への負担が増えます。

椎間板ヘルニアの犬では、体重管理がとても大切です。

太っている犬は、立ち上がりや段差のたびに背中へ負担がかかりやすくなります。

適正体重を維持することは、予防や再発対策にも役立ちます。

④ 加齢

シニア犬では、椎間板や関節、筋肉の変化が出やすくなります。

若い頃よりも、段差や滑る床の影響を受けやすくなります。

ただし、椎間板ヘルニアはシニア犬だけの病気ではありません。

若い犬でも、犬種や体質によって発症することがあります。

⑤ 体型や犬種の影響

胴が長く足が短い犬種では、椎間板ヘルニアのリスクが高いとされています。

代表的な犬種には、

・ダックスフンド
・コーギー
・ビーグル
・ペキニーズ
・シーズー
・フレンチブルドッグ
・コッカー・スパニエル

などがあります。

ただし、これらの犬種だけで起こるわけではありません。

大型犬や他の犬種でも発症することがあります。


椎間板ヘルニアになりやすい犬の特徴

椎間板ヘルニアは、どの犬にも起こる可能性があります。

ただし、特に注意したい犬がいます。

・胴が長く足が短い犬
・ダックスフンド
・コーギー
・ビーグル
・フレンチブルドッグ
・シーズー
・ペキニーズ
・肥満気味の犬
・ジャンプや階段が多い犬
・滑りやすい床で生活している犬
・過去に背中や首を痛めた犬
・シニア犬

特にダックスフンドは、椎間板ヘルニアでよく知られる犬種です。

若い年齢でも発症することがあります。

「まだ若いからヘルニアではない」と決めつけないようにしましょう。

また、体型だけでなく生活環境も重要です。

ソファやベッドへの飛び乗り、階段、滑る床が多い場合は、背中への負担が増えます。

日頃から環境を整えることが予防につながります。


椎間板ヘルニアと間違えやすい病気

後ろ足のふらつきや痛みは、椎間板ヘルニアだけで起こるわけではありません。

似た症状を出す病気もあります。

股関節形成不全

股関節形成不全では、後ろ足のふらつきや腰を振る歩き方が見られることがあります。

大型犬で多く知られています。

立ち上がりにくい、階段を嫌がる、後ろ足の筋肉が落ちるなどの症状が出ることがあります。

膝蓋骨脱臼

膝のお皿がずれる病気です。

小型犬でよく見られます。

スキップのように歩く、後ろ足を急に上げる、足を伸ばすような動きをすることがあります。

前十字靭帯損傷

膝の靭帯に問題が起こる病気です。

急に後ろ足をつけなくなることがあります。

活発な犬や体重が重い犬では注意が必要です。

関節炎

関節炎では、寝起きに動きが硬い、散歩を嫌がる、足を引きずるなどの症状が出ることがあります。

シニア犬では特に多くなります。

痛みの場所によっては、椎間板ヘルニアと似て見えることがあります。

足先や肉球のトラブル

爪の割れ、肉球のひび割れ、足裏の傷でも歩き方が変わります。

足を引きずるからといって、必ず腰や背中の病気とは限りません。

足先、肉球、爪の状態も確認しましょう。


すぐ受診すべきサイン

次のような症状がある場合は、早めに動物病院へ相談してください。

・急に歩きたがらない
・背中を丸めている
・首を動かしたがらない
・抱っこで鳴く
・後ろ足がふらつく
・後ろ足を引きずる
・足先をひっくり返して歩く
・立ち上がれない
・歩けない
・段差や階段を急に嫌がる
・ジャンプしなくなった
・排尿しにくそう
・尿が出ない
・便や尿を漏らす
・強い痛みがある
・元気や食欲も落ちている

特に危険なのは、

・急に歩けない
・後ろ足が動かない
・痛みが強い
・尿が出ない
・足先の感覚が鈍いように見える
・状態が短時間で悪化している

という場合です。

椎間板ヘルニアは、神経の圧迫が強いほど緊急性が高くなります。

重症例では、治療のタイミングが回復に影響することがあります。

様子見を長くせず、早めに受診してください。


検査と治療方法

椎間板ヘルニアは、歩き方だけで確定できる病気ではありません。

動物病院では、症状の程度に応じて検査を行います。

主な検査

動物病院で行われる検査には、次のようなものがあります。

・問診
・歩き方の確認
・痛みの確認
・神経学的検査
・足先の感覚確認
・反射の確認
・レントゲン検査
・血液検査
・MRI検査
・CT検査
・必要に応じた専門病院への紹介

レントゲン検査では、骨の状態や他の病気の可能性を確認します。

ただし、椎間板が脊髄をどのくらい圧迫しているかは、レントゲンだけでは分からないことがあります。

詳しい確認には、MRIやCTが必要になる場合があります。

内科的治療

症状が軽く、歩けている場合は、内科的治療が選ばれることがあります。

主な内容は、

・安静
・痛み止め
・炎症を抑える薬
・筋肉の緊張をやわらげる薬
・活動制限
・体重管理
・リハビリ
・生活環境の見直し

などです。

内科的治療で重要なのは、安静です。

痛みが少し引いたからといって、すぐに走ったりジャンプしたりすると悪化することがあります。

獣医師の指示に従って、活動制限を守りましょう。

外科的治療

麻痺がある場合や、痛みが強い場合、内科治療で改善しない場合は、手術が検討されることがあります。

手術では、脊髄を圧迫している椎間板物質を取り除き、神経への圧迫を減らすことを目指します。

手術が必要かどうかは、

・麻痺の程度
・痛みの強さ
・深部痛覚の有無
・発症からの時間
・画像検査の結果
・犬の年齢や持病

などをもとに判断されます。

重症の場合は、できるだけ早く専門的な診察を受けることが大切です。

リハビリ

椎間板ヘルニアでは、治療後のリハビリが必要になることがあります。

筋力を保つ。

関節の動きを維持する。

歩行の回復を助ける。

再発予防につなげる。

このような目的があります。

ただし、自己流で無理に足を動かすのは危険です。

リハビリは、獣医師やリハビリに詳しい専門家の指示に従って行いましょう。


自宅でできること

椎間板ヘルニアが疑われる時、自宅でできることもあります。

ただし、歩けない、強く痛がる、後ろ足が麻痺している場合は、自宅ケアより受診を優先してください。

① まず安静にする

背中や首を痛がっている時は、無理に動かさないことが大切です。

走る。

ジャンプする。

階段を上る。

ソファに飛び乗る。

このような動きは避けましょう。

受診までの間は、静かに過ごせる場所で安静にします。

② 抱っこは体を水平に支える

抱っこが必要な時は、体を曲げないように支えます。

胸だけを持ち上げたり、腰だけを持ったりしないでください。

片手で胸を支え、もう片方の手でお尻や腰を支えます。

体全体を水平に保つようにします。

痛がる場合は、無理に抱き上げず、動物病院へ相談してください。

③ 滑りにくい床にする

フローリングで滑ると、背中や足腰に負担がかかります。

よく歩く場所には、滑り止めマットやカーペットを敷きましょう。

特に、

・寝床から水飲み場まで
・トイレまでの道
・ソファ周り
・玄関
・廊下

は見直したい場所です。

④ 段差を減らす

段差は椎間板への負担になります。

ソファやベッドへのジャンプは避けましょう。

必要に応じて、

・スロープを使う
・ステップを使う
・低いベッドに変える
・階段を使わせない
・車への乗り降りを補助する

といった工夫をします。

⑤ 症状を記録する

歩き方や痛みの変化は、記録しておくと役立ちます。

・いつから症状があるか
・歩けるか
・ふらつきがあるか
・排尿できているか
・痛がる姿勢
・悪化したタイミング
・動画

をメモしておきましょう。

診察時に伝えやすくなります。


やってはいけないこと

椎間板ヘルニアが疑われる時、良かれと思ってしたことが悪化につながる場合があります。

① 無理に歩かせる

歩き方を確認したいからといって、何度も歩かせないでください。

痛みや麻痺がある犬を無理に歩かせると、悪化することがあります。

動画を撮る場合も、無理に歩かせる必要はありません。

すでに歩きづらい様子があるなら、受診を優先しましょう。

② マッサージを自己判断で行う

背中が痛そうだからと、強くマッサージするのは避けましょう。

神経が圧迫されている場合、刺激が負担になることがあります。

温める、揉む、伸ばすなども、状態によっては合わないことがあります。

獣医師に確認してから行いましょう。

③ 人間用の痛み止めを使う

人間用の痛み止めを犬に使うのは危険です。

犬にとって中毒になる成分があります。

痛みが強い時は、必ず動物病院で犬用の薬を処方してもらいましょう。

④ 痛みが引いたからすぐ運動させる

薬で痛みが軽くなると、犬が元気に動こうとすることがあります。

しかし、痛みが消えたように見えても、椎間板や神経の問題が治ったとは限りません。

安静期間を守らずに動かすと、再発や悪化につながることがあります。

獣医師の指示に従いましょう。

⑤ 段差やジャンプをそのままにする

治療後も、生活環境が変わらないと再発リスクが残ります。

ソファ、ベッド、階段、滑る床は見直しましょう。

特に胴長短足の犬では、日常の小さな負担を減らすことが大切です。


再発予防と生活環境の見直し

椎間板ヘルニアは、治療後の生活管理も大切です。

再発を完全に防げるとは限りません。

しかし、背中への負担を減らすことはできます。

① ジャンプを減らす

ソファやベッドからの飛び降りは、背中に負担がかかります。

日常的に繰り返す動きほど注意が必要です。

スロープや低いベッドを使うと、負担を減らしやすくなります。

② 階段を避ける

階段の上り下りは、背中や足腰に負担がかかります。

特に発症後や治療中は避けましょう。

生活上どうしても階段がある場合は、抱っこやゲートで管理します。

③ 首輪よりハーネスを使う

首の椎間板に不安がある犬では、首輪にリードをつけて強く引くと負担になることがあります。

散歩では、体に合ったハーネスを使うとよい場合があります。

ただし、ハーネスもサイズが合わないと負担になります。

体型に合ったものを選びましょう。

④ 適度な筋力を保つ

安静が必要な時期を過ぎた後は、筋力を保つことも大切です。

ただし、急に運動を増やすのは避けます。

短い散歩から始める。

平坦な道を歩く。

滑らない場所で動く。

このように、低負荷の運動を少しずつ行います。

運動量は獣医師と相談しましょう。

⑤ 爪や肉球も整える

爪が伸びすぎていたり、足裏の毛で滑りやすくなっていたりすると、歩く時に体へ余計な力が入ります。

爪切りや足裏の毛のケアも大切です。

肉球が乾燥して滑る犬では、足裏の状態も確認しましょう。


体重管理と食事の関係

椎間板ヘルニアの予防や再発対策では、体重管理がとても重要です。

体重が増えると、背骨や椎間板への負担も増えます。

特に胴長短足の犬では、少しの体重増加でも腰や背中に負担がかかりやすくなります。

適正体重を維持する

体重は、数字だけでなく体型も見ます。

肋骨が軽く触れるか。

腰のくびれがあるか。

上から見て太りすぎていないか。

これらを確認します。

適正体重が分からない場合は、動物病院で相談しましょう。

おやつの量を見直す

体重が増える原因として、おやつの与えすぎがあります。

少量に見えても、毎日続くとカロリーが増えます。

しつけやごほうびで使う場合は、小さくして使いましょう。

フード量とのバランスも大切です。

関節や筋肉を支える食事を考える

椎間板ヘルニアは、フードだけで治る病気ではありません。

ただし、適正体重の維持や筋肉の健康には、毎日の食事が関係します。

たんぱく質、脂質、カロリー、ミネラルバランスなどを含めて考えましょう。

体重管理が必要な犬、シニア犬、持病がある犬では、自己判断で大きく食事を変えず、獣医師に相談すると安心です。


受診時に伝えるとよいこと

動物病院では、症状の経過がとても重要です。

次のことを伝えると診察がスムーズです。

・いつから症状があるか
・急に起きたか、少しずつ悪化したか
・痛がる場所
・歩けるか
・後ろ足がふらつくか
・足先を引きずるか
・排尿できているか
・便や尿を漏らすか
・抱っこで痛がるか
・階段やジャンプを嫌がるか
・最近ジャンプや転倒があったか
・過去に同じ症状があったか
・体重の変化
・服用中の薬やサプリ
・動画があるか

歩き方の動画はとても役立ちます。

正面、横、後ろから撮れると、足の動きが分かりやすくなります。

ただし、歩けない犬を無理に歩かせて撮影しないでください。

痛みが強い場合は、動画より受診を優先しましょう。


よくある質問

Q. 犬のヘルニアと椎間板ヘルニアは同じですか?

飼い主さんが「犬のヘルニア」と言う場合、多くは椎間板ヘルニアを指していることがあります。

ただし、医学的にはヘルニアという言葉は、おへそや鼠径部など別の場所にも使われます。

この記事では、歩けない、後ろ足がふらつく、背中が痛い時に問題になる「椎間板ヘルニア」として解説しています。

Q. 犬の椎間板ヘルニアは自然に治りますか?

軽い痛みだけのケースでは、安静や薬で改善することがあります。

ただし、麻痺や歩けない症状がある場合は、自然に治るのを待つのは危険です。

早めに動物病院で重症度を確認してください。

Q. 後ろ足がふらついています。様子を見てもいいですか?

後ろ足のふらつきは、神経の異常が関係していることがあります。

椎間板ヘルニア以外にも、関節や神経の病気が考えられます。

特に急にふらついた場合や、悪化している場合は早めに受診してください。

Q. 椎間板ヘルニアの時に散歩はしてもいいですか?

痛みがある時や治療中は、散歩を制限する必要があります。

自己判断で歩かせると悪化することがあります。

散歩を再開するタイミングや距離は、獣医師の指示に従いましょう。

Q. 手術しないと治りませんか?

すべての犬が手術になるわけではありません。

軽症では内科的治療が選ばれることもあります。

一方で、麻痺がある、歩けない、痛みが強い、排尿ができない場合は手術が検討されることがあります。

重症度によって治療方針が変わります。

Q. 再発を防ぐには何をすればいいですか?

体重管理、段差対策、ジャンプを減らす、滑りにくい床にする、適度な筋力維持が大切です。

特にダックスフンドなどリスクが高い犬では、日頃の生活環境を整えておくことが重要です。


まとめ|犬の椎間板ヘルニアは「痛み」と「麻痺」を見逃さない

犬の椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板が変性したり飛び出したりして、脊髄や神経を圧迫する病気です。

主な症状は、

・背中を丸める
・首を動かしたがらない
・抱っこを嫌がる
・歩き方がふらつく
・後ろ足を引きずる
・足先をひっくり返して歩く
・段差を嫌がる
・立ち上がれない
・歩けない
・排尿がうまくできない

などです。

特に、

・急に歩けない
・後ろ足が動かない
・強い痛みがある
・尿が出ない
・足先の感覚が鈍い
・短時間で悪化している

場合は、早急な受診が必要です。

椎間板ヘルニアは、軽い痛みだけに見えることもあります。

しかし、神経の圧迫が強くなると、麻痺や排尿障害につながることがあります。

自宅では、安静、段差対策、滑り止め、体重管理が大切です。

一方で、無理に歩かせる、マッサージする、人間用の痛み止めを使うことは避けてください。

「少し歩き方が変」
「抱っこで鳴いた」
「後ろ足がふらつく」

このような小さな変化でも、早めに確認することで、治療や生活管理の選択肢を考えやすくなります。


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